櫻田家の隣の家の長谷川家   作:遊斗

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年内に更新が出来てホッとしました。



28発

 

 

体育祭から一夜明けたが、明の熱は上がる一方で良くならなかった。

医者に見せに行ったが、「恐らくストレスでしょう。」との事。 父や母が相談に乗ろうとするけど頑なに話そうとせず、なんでもない…の一点張りだった。

 

 

「明! 何か食べたいか!?」

「お兄ちゃん! 何か飲む!?」

「何かしてあげられる事はある?」

 

「頭に響くから黙って…そして出て行って…」

 

 

明が心配で3人はうずうずしている。

此処まで弱っているのは見た事があまり無いので、どうしても気にかけてしまっている。

逆に静けさが欲しいため毒を吐いてしまう明。 3人はとぼとぼと部屋から出て行った。

 

身体を起こすのも怠いと感じてしまい、病院に行く以外は寝ているしかない。

 

布団の中で考えてしまうのは、先日の体育祭の借り物競争での出来事。

長谷川家には投票権は無い、そして王様に誰がなって欲しいと考えてはいけない掟になっている。 だけど、それに近い事を体育祭でやってしまったのだ。

 

後悔している事へのストレス…そしてこの事を隠さねばならない罪悪感…更に家族に対する恐怖もあった。

 

色んな事を考えていると、真剣な面持ちな灰がノートパソコンを持ってやって来る。

 

 

「明、大変な事が起きた…」

 

「…何?」

 

 

先日の事がバレたのかと、冷や汗が出て来る。

 

 

「これを観てくれ。」

 

 

そこに映っていたのは……

 

 

「……は? 灰様ファンクラブ?」

 

「そうなんだよ! 僕のファンサイトが出来てしまったんだよ! 昨日の体育祭で僕のスペシャルではないけど、すんばらしい走りを見て、ファンが集ってしまったんだよ。」

 

「どうでもいいよ。 寝かせてくれよ。」

 

「どうでもよくない。 これは真剣な事なんだ。 あれだぞ、僕の所に女性達が来てキャッキャウフフな事が出来るかもしれないんだ!」

 

「おやすみ。」

 

「うぉ〜い。」

 

 

実際は昨日の体育祭での執事服を着ていた灰に魅力を感じた人達が作ったのである。

 

心底どうでもいいと思った明は、能力を発動して透明になった。

 

 

「ふふふ。 実はまだ隠し玉があってだな。 これを見たまえ!」

 

『は?』

 

 

見せられたのは《明様ファンクラブ》と書いてあった。 意味が分からない明は顔を歪ませた。 見えてはいないが。

 

 

「僕だけではなかったんだよ。 明、渚…そして白様まであるんだ!」

 

『何だとっ!?』

 

 

戦慄する明。 白のファンサイトがあると聞いて黙ってはいられない…のだが…

 

 

『…また今度入会する。』

 

 

身体が怠い為断念した。 すると勝ち誇った笑みで灰はまだ続けた。

 

 

「ふっふっふっ、僕は会員No.2の称号を得たのだよ!」

 

『何…だと…』

 

 

またも戦慄した。 身体が怠いとか言っている暇ではない。 能力を解除してパソコンに手を伸ばそうとするが、そこで倒れた。

 

 

「だっ!?」

 

 

そしていつの間にか灰の後ろに立っていた渚が、灰を蹴った。

 

 

「明お兄ちゃんになに無理させてんの?」

 

「渚、真顔怖いよ。 超笑顔やって。」

 

「灰お兄ちゃんを笑顔にしかなれないようにしようか?」

 

「怖いよ! 色んな表情させて!」

 

 

渚はお盆を持っていた為、手が塞がっている。 お盆にはお粥が乗っていた。

 

 

「少しでも栄養を取ろうよ。」

 

「渚、俺さっき食べたばかりだぞ。」

 

 

暫しの沈黙…そして渚から大量の汗が出て来た。

 

 

「あれれ〜おかしいな〜」

 

「完璧模倣の能力がある癖にコナンのモノマネ下手くそだな。」

 

「うるさいから出てっよ。」

 

 

イラッとした渚はまたも灰を蹴った。

そして明の言葉はスルーされる。

 

 

「静かにしてあげてよ。 明はこれからご飯食べるんだから。」

 

「静かに入って来たは良いけど、白兄…渚と同じ事言わせないで…」

 

 

今度は白が入って来た。 そしてお盆を持っていてお粥が乗っていた。

 

作ったは良いが、明が食べないとなると勿体無いとなり、白と渚は互いに交換して食べる事にした。

 

 

「やっはいはふおひいひゃんおはおいひい。」

 

「何言ってるか分からんから、飲み込んでから喋れよ。」

 

「マジで!? 僕にもちょうだい!」

 

「通じてるのかよ…」

 

 

灰から要求された渚。 お粥と灰を交互に見てから、レンゲで沢山掬った。

 

 

「はい、あ〜ん。」

 

「せめてふうふうして。 それ確実に熱いよね。」

 

「ほら白お兄ちゃんが作っお粥を、可愛い妹があ〜んしてあげてるんだよ。」

 

「はっ!? それは夢の様な展開じゃないか! いざ! あっちゃーーー!!!」

 

「出てっよ…」

 

 

明が段々弱っていく。 彼等が騒がしいが、彼等なりにかなり心配していて側に居たいだけ。 だけど逆に明は1人になりたかった。

 

 

「熱は測った?」

 

「さっき測ったら40.4℃」

 

 

白からの質問に答えたら、3人から物凄い剣幕で迫られた。

 

 

「だだだだだだだ大丈夫だよね! お兄ちゃん死なないよね!? ね!?」

「おいおいおいおいおいおいおい! 扇風機か!? 涼しくした方が良いか!? 灰スペシャル扇風機をした方が良いか!?」

「欲しい物があれば何でも言って! 今すぐ持ってくるから!」

 

「頼むから静かにしてくれ…」

 

 

寝たいが寝れない状況になってしまった。 振替休日はずっとこの調子で終わってしまった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「長谷川が遅いなんて珍しくない?」

 

「うん、まだ見てないよね。 家を出た時も見なかったし、灰さんと白さんとも一緒じゃなかったし。」

 

「それにしても……」

 

 

ちらっと廊下の方を見る2人。 そこには沢山の女子が集まって誰かを探しているみたいだ。

 

振替休日からの翌日、茜達と一緒に登校する機会が多い明の姿が見当たらなかった。 代わりにとても暗い白と灰と渚を見る事になって、どうしたのか聞くと、「あぁ…うん。」っと上の空な様子だった。

 

 

「皆誰を探してるんだろうね?」

 

「茜じゃないの? モテ期が来たとか。」

 

「え゛!? いや…その嬉しいけど複雑と言いますか、振り向いて欲しい人は別の人と言いますか…」

 

「それを本人に言えば良いのに。」

 

 

嬉しいやら悲しいやらで忙しい茜に呆れる花蓮だ。

HRが始まる頃には解散していった女子達。 結局何しに来たのか分からない茜達だ。

そしてHRが始まったのにも関わらず、明は来ない。 それが気になって仕方ない。

 

とりあえず1限目を終えた後、即座に3年の教室へと向かった。

それを見ていた花蓮は「(それだけ積極的になれば良いのに…)」と思っていた。

 

来たは良いが人見知りが発動し、廊下の壁にへばり付き、行き交う人をこっそりと眺めていた。

 

第1ステップ、灰がいるクラスまで行く事。

 

 

「(あっ、茜様だ。)」

「(茜様…何やってるんだろう?)」

 

 

ある意味で怪しい人物となっていた。

 

 

「あれ? 茜さん、どうしたんですか?」

 

「はははは花さん! たたた助かかりましたよぉぉ!」

 

「えっ、お、落ち着いて!」

 

 

偶々通りかかった佐藤花が声をかけてくれた事により、次のステップへと進めた。

 

 

「どうした茜、俺に会いに来たのか?」

 

「違う。」

 

 

教室に入った瞬間にこのやり取り。 そして修は撃沈した。

 

 

「じゃあ奏さんですか?」

 

「ううん、灰さんを探してて…」

 

「俺ではなくて灰だと!? 茜まで灰だと!?」

 

「修ちゃんうるさい。」

 

 

花に案内されるが遠目からでも分かるくらい、1箇所だけ明らかに雰囲気が暗い所がある。 そこに灰が居た。

 

 

「えっと……」

 

「朝からずっとこの調子なんですよ。」

 

 

机に突っ伏して動かない。 寝ているかと確認すれば目は開いているが死んだ魚の目をしている。

 

 

「灰さんの色素が薄い! まるで名前の如く灰色に! 読み方違うけど!」

 

 

カラーリングまで変色してしまう始末。茜は驚きを隠せなかった。

 

 

「灰さん、あの〜何かあったんですか?」

 

「返事が無い。まるで屍のようだ。」

 

「死んでないわよ。」

 

 

突如会話に入って来た奏。 一応この様子の灰が気にはなっている。

 

 

「姉さんに連絡して確認してみたけど真っ白みたい。 体全体が。」

 

「それ大丈夫なの!?」

 

 

大学の方は葵が付ききっきりで見ている様だ。 普段ならからかいが入るが、それが出来る雰囲気ではない為、逆に手伝っている。 執事として立場が逆転してるいるのが問題だが。

 

 

「茜は明から何か聞いてないの? 白さんと灰に何かあったのか。」

 

「それがね、明君今日来てないの。」

 

「じゃあ明絡みね。」

 

 

正解だった。

放課後に茜と奏と修の3人で長谷川家に行く事にした。

一緒に帰るのかと思いきや、放課後になった瞬間に灰は高速行動で居なくなった。 速攻で帰ったのだ。 それを追い掛ける様に修も瞬間移動で居なくなった。

とりあえず茜と奏は急いで家へと向かう。

 

そして家が見えたと同時に葵と白を見つけるが、奏が言った通り真っ白だった。

 

 

「「(人ってこんなに薄くなれるの…?)」」

 

 

っと同時に思える程純白だった。 洗い立ての真っ白なシャツの様に。

 

 

家に着いた瞬間に白の色素が戻り、ダッシュで階段を駆け上がった。

その行動に3人は唖然としていた。

 

そしてその背後から3人を飛び越える影が1つ。 渚のダイナミックな帰宅だった。

 

それを追いかけて来たのか遥と岬が走って来た。

 

 

「やっぱり姉さん達も居たんだ。」

 

「も、って事は知ってたの?」

 

「能力だよ。」

 

 

遥の能力で予め茜達が居ることは予想していた。 そして修も居ることも。

 

 

「じゃあ渚ちゃんも…」

 

「まるで波打ち際に立つ儚い少女みたいな感じに…」

 

「何で知ってるの!?」

 

 

岬のツッコミ。 白と灰の様子から見て、渚も暗かったのだろう。

 

とにかく入る一同、騒がしいのは明の部屋だ。

 

 

「ご飯はしっかり食べたか?」

「マッサージしようか?」

「お風呂沸かしてくるから、1度入って来たら? 沢山汗かいたでしょ?」

 

「明、しっかりしろ。 何が必要だ?」

 

「修さん…お願いです…この人達を落ち着かせて下さい…そして部屋から出して下さい…ガクッ……」

 

「「「「明ぁぁぁぁぁぁああ!!」」」」

 

 

部屋の中は昨日と変わらず騒がしかった。

 

明の要望により部屋から追い出された灰と白と渚。 それぞれ葵と岬と修が相手する事にして、奏と茜と遥が残った。

 

 

「んで、あの3人がああなった理由は明が原因ね。」

 

「あそこ迄心配しなくても大丈夫なのに…」

 

「まぁ、異常だとは思うけど…」

 

 

少し引いている遥。 遥は明が体調が悪いと分かると、大人数での押し掛けは迷惑だと判断して帰った。 一応明からお礼は受けた。

 

 

「熱はどれくらいあるの? って熱っ!?」

 

 

茜が明の額に手を当てると凄く熱く、昨日からの熱は引いて居なかった。

 

 

「何度何分?」

 

「かなちゃん、私そんな精密機械じゃないよ。」

 

 

体温計を渡され、測ってみると40.9℃だった。

 

 

「季節外れのインフルエンザ?」

 

「違うわよ。」

 

 

奏は明を見て思った。 あまり眠れていない感じもあるし、 何より休めている感じがしない。

 

 

「ねえ茜、ちょっとだけ明と2人っきりにしてくれない? 話し合いたい事があるから。」

 

「う、うん。 良いけど。」

 

 

怪訝な顔をしながら部屋を出て行った。

 

 

「話し合いたい事って何?」

 

「借り物競走の時の事よ。」

 

「っ!?」

 

 

動揺しているのが目に見えて分かる。 普段の明ならポーカーフェイスとかやってのける余裕を持つはずだが、今はそれが無い。 それ程にも大きな問題という事だ。

 

 

「大体の予想はつくけど、何が書いてあったの?」

 

「予想がつくなら言う意味無いじゃないか。」

 

「いいから言いなさい!」

 

「言えません。 それは奏さんの予想であり、真実ではないかもしれないですから。」

 

 

稀に他人行儀になる明にイラっとする奏だ。 こういう時は拒絶しているか、離そうとしているとかだ。

 

 

「言ったらもう…後戻り出来ないんですよ。」

 

「既に後戻り出来ない状況だと思うんだけど。」

 

「まだ出来ます。 忘れるんですよ。 昨日の事を。」

 

「明…それ本気で言ってるの?」

 

 

少し呆れているが、明は冗談で言っている節が全く無い。

聞き出す方法があるか考えると、ふと思い出した。

 

 

「そういえば、明は私に借りがあるわよね? 大きな借金だけど。」

 

「……借金?」

 

 

奏が言っている意味を理解出来ていない。

 

 

「まさか覚えてないとは言わせないわよ。 貴方と茜の身体が入れ替わった時に助けたのは私よ。 私の物質生成で生成した装置で元に戻ったでしょ。 その代わりに私の財産が大きく減ったけど。」

 

「………身体が入れ替わったのは覚えてるけど……」

 

「まさか覚えてないの!?」

 

「ちょっと待って!」

 

 

必死に思い出そうとしている明に疑問を持つ奏。 あんな大事件が起きたのに忘れる事はそうそう無い事だ。 だが逆に明は所々に穴が空いたように思い出せていない。

 

 

「……茜さんと入れ替わって……」

 

 

入れ替わった所は覚えている。 しかし、その後からが抜け落ちている。 そして後の出来事で覚えているのは奏に着せ替え人形のように遊ばれた事だ。

 

これは考えても拉致があかないと判断した。 でも実際に元に戻るとすれば1番効率が良いのは奏に頼る事だった。

 

 

「思い出しましたよ。 奏さんのお陰で戻れた事を。」

 

「本当に…?」

 

 

嘘をついた。 奏からは疑心の目を向けられている。

 

 

「まあ良いわ。 その借金を減らしてあげるから話しなさい。」

 

「嫌です。 ちゃんと返します。」

 

「明…本当は覚えてないでしょ。 億万長者にならない限り返せない額よ。」

 

「………分かったよ。」

 

 

遂に折れた。 嘘も見破られ、尚且つ根負けしてしまった。

 

 

「書かれていた内容は《次期国王になると思われる人》だよ。 …はぁ。」

 

「やっぱりね。 そんな事だとは思ったわ。」

 

「そんな事って…俺達にとっては重要な事だぞ。」

 

「私達にとってはそんな事よ。 だいたいその決まりが気に食わない。 そもそも投票権が無いって何よ。 他の皆はどう思ってるか分からないけど、私にとっては貴方達の投票は大切な1票なのよ。 それに明もこの町に住んでる以上、私達の家族なのよ!」

 

「……差し出がましいけど、不慣れな言葉使ってない?」

 

「うるさいわよ!」

 

 

自分で言ってて恥ずかしさも相まって顔が真っ赤な奏だ。

明としては無理して説得などして欲しくはないと思っていた。

 

 

「そんなに無理する事ないよ。」

 

「何よ…折角心配してあげたのに。」

 

「アリガトウ。」

 

「あんた…腹立つわね…とにかく、そんな決まりは私が撤回させるわ。」

 

 

以前からずっと長谷川家に疑問を感じていた奏は決意を新たにする。

先ずは投票権を持たせる事だ。

 

 

「それは無理だね。」

 

「何でよ。」

 

「白兄、灰兄、渚…そして父さんと母さんの考えも変えなきゃいけないからね。 俺達全員を説得出来るわけがない。」

 

「あら、それはどうかしらね。」

 

 

挑発的な笑みを明に向ける。

 

 

「今すぐには無理でも、少しずつ変えていくから。」

 

「そうかよ…好きにすれば良いよ…」

 

 

話して疲れたのか、返事が適当になってきている。

 

 

「そうさせてもらうわ。 それと! 前にも言ったけど、私達を頼りなさい。」

 

「分かってるよ…」

 

「いいえ、分かってないわ。 明は問題が起きて自分で解決出来ない状況になっていって追い詰められる傾向があるわよ。」

 

「分かったから! あと近いよ!」

 

 

明の適当な返事にイライラが収まらない奏がどんどん迫って来ていた。

奏としてはとても心配しているのだが、頼ってくれない事に怒りがあったのだ。

 

 

「熱が移ったらどうするんだよ。」

 

「あら、その時は貴方がお世話すれば良いじゃない。」

 

「ぐっ……」

 

 

執事という立場を良いように使われている。

これには何も言い返せない。

 

 

「私はね、貴方に期待しているの。」

 

「っ!?」

 

 

この一言は予想外だった。 以前の集計結果で、奏は誰も選んでいなかった。 だけど、そんな奏が明に期待を持っている。

 

 

「でも、今の明だったら私が王様になっても専属に選ばないわ。 誰も頼ろうとしてない人に私は頼りたくない。 だから、私達をもっと信頼しなさい。」

 

 

奏の真剣な表情に圧倒される明。 ここまで言われたら情けなくもあるが、これだけ言ってくれるのは嬉しくもあり、思わず見惚れてしまった。

 

 

「分かったから…もう何も言わないで。 本当に疲れたから…」

 

 

顔が熱いのは熱があるせいだと思い込む事にした。

 

 

「そう…ゆっくり休んで早く元気になってね。 じゃないとあの3人も元気が無いから。」

 

 

それだけ言って部屋を出ると、茜が待っていた。

 

 

「明君は?」

 

「寝たわよ。 ねぇ茜、明と身体が入れ替わった事を覚えてる?」

 

「え゛、何いきなり!」

 

「いいから!」

 

「…覚えてるよ。 あんな出来事忘れる訳が無いよ…」

 

 

恥ずかしい出来事だったのであろう。 顔が真っ赤になり煙まで出ている。

 

 

「そう、それと最近明の変わった様子はある?」

 

「変わった様子って?」

 

「忘れっぽいとか。」

 

「え〜っと…しょっ中あるかな。」

 

 

思い当たる節は少しあった。 先日一緒に帰っている時に話した事だ。

 

 

「それがどうしたの?」

 

「まだ分からないけど…茜、明をちゃんと見張ってなさい。 貴方が1番近いんだから。 何かあったら報告するのよ。」

 

「え…う、うん。 分かった。」

 

 

奏の意図が分からず、茜の頭の中は?で一杯だ。

 

その後は奏達は帰った。 明を安静にさせる事を強く言ってから。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

夜、明は父の部屋を訪ねて、先日の運動会であった事を話した。

 

自分が犯した過ちについて。

 

話したは良いが、結果的には悪い方向に進んでしまった。

健吾を怒らせてしまった。

 

明はこれで本当に良かったのか分からず、まだまだ心は路頭に迷うばかりだった。

 

しかし、まだ悪い方向に進むのはこれからだった。

 

 





一応、この話はここで区切りをつけてます。
自分の中では。
明がメインだとシリアスが続くかもしれないです。

次は渚がメインの回を考えてます。

・長谷川 渚
明の事が心配で心配で仕方なく、学校にいる間はクラス全員から心配される程に儚げな雰囲気が漂っていた。


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