城下町のダンデライオンの4巻が早く欲しい。城下町のダンデライオンの4巻が早く欲しい。城下町のダンデライオンの4巻が早く欲しい。城下町のダンデライオンの4巻が早く欲しい。
茜の支持率を上げる為に全国各地を回りながらも演説をするが、一向に演説が上手くいっているとは思えなくて悩んでいる葵。
そこで奏に何か打開策があるか相談した所…
「嫌よ。」
一蹴されてしまった。
葵は茜の将来を思っての相談でもあった。
「あの性格のままだとこの先大変だと思うし、何か変われる切っ掛けがあれば人前に堂々と立てる自信がついていくと思うの。」
競争相手とはいえ、家族の問題となれば話は変わってくる。
難しい表情をしながら誰かと連絡を取った。
「考えてはみるけど、あまり良いのを期待しないでね。」
「ありがーー」
「それと、今からその事について話し合いをするから。」
「誰と?」
突然チャイムが鳴り、誰か来たかと思えば白がやって来た。
「呼ばれて来たけど、どうしたの?」
「茜の選挙活動の話よ。」
「と言うと?」
葵が先ほど奏にした話を白にも説明した。 何か変われる切っ掛けになる事はないかと。
「光ちゃんみたいに何かやってみるとかは?」
「例えば?」
「そうだなぁ……」
光と同じくアイドル活動は流石に無理があると思う3人。 だけど、他に良い案が思いつかない。
その時だった。 下の階から輝と修の声が聴こえた。
「悪の親玉よ! 覚悟!」
「ぐわぁー、やられたー!」
その声がヒントとなり、葵と白は同時に思い付いた。
「「ヒーロー活動!」」
「えぇ…」
奏は少し引き気味だ。
「奏の能力で特別な変装道具を生成してくれないかな?」
「……………」
お願いされるが悩み所である。 本当にこんな事で茜は人前に立つ事が出来るのかと。 そして閃いた。
「ちょっと待ってなさい。」
1度自室に行って数分、戻ってくると赤い眼鏡を持っていた。
「はいこれ。」
「「(ただ部屋から眼鏡を持って来ただけに見えるのだけどこれは…)」」
葵と白の苦笑いを無視するように説明が入った。
「『ジャミンググラス』、掛けると周りから個人を特定されなくなる眼鏡よ。 ただし、コスト削減の為に茜以外には効果が無いから。 更にこの眼鏡の性能を知っている人間には効き目が薄いわ。」
魅力的な眼鏡なのだが普通の眼鏡にしか見えない。 だけど奏にはそれを生成出来る。 半信半疑な2人だ。
「…信じられないならーー」
「わっわぁ、ありがとう奏!」
「奏ありがとう!」
慌ててフォローに入った。 生成したのであれば無駄になるし、協力してくれてるだけでもありがたい事なのだ。
ヒーロー活動をする事を一先ず茜に話す。 すると茜は意外にも乗り気だった。
「うん、私頑張るよ。 人見知りを直したいし。」
「それと、助っ人を用意してくれるって。」
「助っ人?」
「奏がそう言ってたけど…誰かは教えてくれなかった。 白は教えて貰ってるみたいだけど内緒の話らしいよ。」
「うん?」
そしてその夜、初めての活動がスタートする事になった。
葵の部屋に集合する事にし、茜はジャミンググラスを掛け、黒いドレスを着ている。
因みにジャミンググラスの性能はどれ程のものかを兄妹で試した所、目を逸らされながら分からないと言われているのが大半だった。 茜は何を勘違いしたのかジャミンググラスは本物だと信じている。 実際、ジャミンググラスとは名ばかりでただの眼鏡である。
部屋には葵と奏と茜。 白ともう1人の助っ人を待っている。 集合時間になるとその人物はやってきた。
紫のコートで身を包み、赤のフレームに黄色のレンズのバイザーで目元が隠れている。そして髪は黄色で逆立っている。 葵達3人は同時に「誰!?」っと思いながらも驚愕していた。 奏はその人物の正体は知っているのだが。
「あ、あの〜どちら様で…?」
急に知らない人物が現れた事により、茜は葵の背後に隠れた。
「城下を照らすまばゆき光、忠孝一致、クリアタイム!」
ポーズも口上も決まり、全員圧倒されている。 っと言うよりも唖然としている。
「私そこまでやれって言ってないんだけど…」
「やるなら徹底的にだ!」
「かっ、格好良い!」
「何処が!?」
何故か見惚れている茜、そしてそれに突っ込む奏だ。
「っていうか、その名前何なの?」
「クリアタイムだ。」
「だから何なのよ。」
「城下を照らすまばゆき光、忠孝一致、クリアタイム!」
何故かもう一度口上にポーズ。 そして自己紹介。 イラっとするがこれは何を言っても無駄だと判断する奏。
なので白を廊下へと連れ出した。
「どういう事なの? 全力でやるのは構わないけど、あそこまでやれって言ってないけど。」
「それが…専属候補を外されてからおかしくなってる気がするんだ。 気晴らしになると思って言ってみたけど、俺もあそこまでがっつり衣装まで用意したのは予想外だよ。」
暫し考え込み、白を部屋に連れ戻して今度はクリアタイムを連れ出した。
「あんた、頭のネジが外れたの?」
「
部屋に戻ろうとするが腕を掴んで止めた。
「真面目な話をしてるのよ。」
「こっちだって真面目だ。」
バイザーを取ると明の顔がはっきりと見えた。
「茜さん達がやる事を全力でサポートするのが俺達の役目だ。」
「専属候補から外されても?」
「だからこそだ。 専属になれないとしてもやる事は変わらない。 出来る範囲でサポートをする。」
少しは専属候補以外の事を考えていたとなると、先日の言葉が効いたようだ。
話はそれだけだと判断した明は、再びバイザーを付けて部屋に戻った。
「き、決まりました! スカーレットブルームってのはどうですか!?」
奏も部屋に戻るが、何故茜は明に対して敬語なのか疑問だった。 そして、白と奏が話し込んでいる時に、茜のヒーロー名を考えていたようだ。
「良き名前だ。 後は印象を与える為の決め台詞が必要だ。」
「決め台詞…!」
何か案があれば良いのだが、思いつかない。 その時、葵が助け舟をだした。
「昔茜がよく言ってたのはどう?」
「どんなの?」
「確か…城下に舞うは一重の花弁。 だったかな。」
「良し、それで行こう。」
「良いんですか!? そんな簡単に決めちゃって!?」
「簡単に決めてなどいない。 良き言葉だからだ。 後はスカーレットブルーム、君次第だ。 君が成長する為のヒーロー活動…生半可な覚悟でやられては困る。 だからやるなら全力だ。」
「わ、分かりました! 頑張ります!」
クリアタイムの真剣な言葉を受け、この作戦は茜自身の為でもあり、茜を支えてくれる人の為にやらねばと思う余り、決意を固くした。
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ある時、スピード違反で走る自動車の目の前に、横断歩道を渡っている老人がいる。 このままでは轢かれてしまうのだが、その惨劇は起こらなかった。
何故なら突如現れた2人の影…1人は老人を抱えて素早く渡り、もう1人は車を持ち上げていた。
そしてまたある時、マンションのベランダから鉢が落ちて来る。 その落下地点にはサラリーマンの男性がいる。 このままでは大怪我どころか、最悪の場合死んでしまうのだが、それも起こらなかった。
1人が落ちてくる鉢をキャッチし、もう1人が浮かび上がって、持ち主へと返していった。
また別の日は子どもが手放してしまった風船を取り、また別の日には砂浜に打ち上げられてしまった鯨を持ち上げて海へと返した。
人々はお礼を言い、片方は見覚えがあって名前を呼ぼうとした。
「ありがとうございます、茜さーー」
「国民の平和を守るのが私の使命。 助けが必要な時はいつでも呼んでください。」
「はい、ありがとうございます茜ーー」
「王の園生に咲き誇り、城下に舞うは一重の花弁、熱烈峻厳!スカーレットブルーム!」
この町にヒーロー誕生の瞬間だった。
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「最近、外に出てもそわそわしなくなったね。」
「そ、そうかな?」
学校が終わって放課後、花蓮と茜と明は下校していた。
花蓮は茜と寄り道する機会が滅多に無かった為、こんな日が来るとは嬉しく思っていた。
「さては何か良い事あった?(まぁ、ヒーロー活動のお陰だろうけど。)」
「べ、別に何もないよ!」
否定しているがバレバレであった。 世間の間でジャミンググラスを付けている時はスカーレットブルームと呼ぶのが暗黙の了解となっている。
それ以外の時は茜という存在だ。
「助けてー!」
突如救助を欲しがっている声。 3人は辺りを見渡して声の主を探す。
「2人共、あそこ!」
花蓮の指差す方に女の子がマンションのベランダからぶら下がっている状態だ。
子供の体力では早く限界が来てしまう為、一刻も早く助けなければならない。
明が走り出そうとした瞬間に茜に止められた。
「待って、私が行ってくる!」
「ねぇ長谷川に聞きたいんだけど、スカーレットブルームと一緒にいるのって明?」
「
「そっかー……ん?」
何か聞き捨てならない言葉があった。
この後、茜は女の子とその親からお礼を言われるが、女の子の方から、「ありがとうスカーレットブルーム。」と言われていた。
部屋に帰り着いた茜はその時気付いた。
自分はこの日、ジャミンググラスを付けていない事に。
そして…
「嘘…素顔のままだと私だと気付かれにくくなってる…!?」
1人戦慄しているが、茜が真実に辿り着くのはまだ遠い。
スカーレットブルームの登場回でした。
そしてそれをサポートする明。
・クリアタイム
スカーレットブルームの能力と比べれば一般人だと思われるが、人間技じゃない動きをしている為クリアタイムも世間からは隠れた人気が出ている。
世間の人からは正体は分かっていない。
正体を知っているのは白と灰と渚と奏の4人のみ。
ではまた次回。