ちょっとずつ書いてはいたのですが、ネタがなかなか浮かばなかったです。まぁ、言い訳にしかならないのですが…
少しは書き溜めが出来たので、次は早めの投稿が出来そうです。
今回は灰の能力開発回?です。
城には灰の為に設備されたトレーニングルームが存在し、さらに専用のランニングマシーンがある。とは言っても、灰以外に使える人がいない程速く回るからだ。
そして今現在、ランニングマシーンで走っている灰の姿がある。ガラス越しの相手に見せる様な笑顔で顔を横に向けながら走っている。
『ねぇ、こんなだけど他に何が見たい?』
スピーカーから響く灰の声。それを聞いているのは輝と茜だった。実は輝の、灰がどんなトレーニングをしているのか見てみたいというご要望からの始まりだ。
『何なら後ろ向きでも走れるよ!』
輝1人で行かせる訳にはいかないと、茜も付いて来ていた。
そして突如して鳴り響く轟音。灰が後ろ向きで走ろうとしたが、失敗してランニングマシーンに吹き飛ばされてしまった。
「灰兄様!」
すぐさま駆け付ける輝、そして当たり前だと言わんばかりに冷めた目を向けてる茜だ。
「今凄い音がしたけどどうしたの?」
「灰さんがふざけただけです。」
大きな弁当を持って入って来た白。城の厨房を借りて皆の昼ご飯を作って来た。
「何やってんだか…」
流石の白も苦笑いだ。
12時も過ぎた事により、白が来たのを待ってましたと言わんばかりに笑顔の灰と輝が戻って来た。
「いや〜丁度良かったよ。お腹ぺこぺこだからさ。」
白が持って来たのは5段の重箱を2つだ。普通の人が見れば作り過ぎでは?っと思うのだが、茜と輝も見慣れてるので、灰が全部食べ切るのは分かっていた。
「速く動く事とは別で、他に凄い事って出来るんですか?」
輝からの目を輝かせての質問。灰の能力に興味津々の様だ。
「他に凄い事って…例えば?」
「高速で動いて稲妻を発生させたりだとか!」
「輝ちゃん、どっかの真紅のスピードスターと一緒にしないで。あの人は2次元のヒーローだから。」
「じゃあ、壁を通り抜けたりとかはどうですか!?」
「うん、あれはね…とても凄い事なの。輝ちゃんにはまだ理解出来ないけど、あれは人間技じゃないから。」
高速で動ける時点で、灰も人間技じゃないと思っている茜だが、彼女も一般人では成せない能力を持っている。
「じゃあ…壁を登る事は出来るんですか?」
今度は茜からの質問だ。
「少しなら出来るよ。でも、あまり高いと失敗したら落ちて死ぬからやろうとは思ってないよ。」
「やっぱり出来るんですね。」
本当にお腹が空いていたのか、灰1人で重箱を1つ食べ切っていた。
そして他の3人が食べ終えたのを見計らうと、残りを食べていた。
「よし、ご馳走様。ありがとね白兄さん。」
「お粗末様。まだ続けるの?」
「そうだね、目指すはマッハ5だから。」
今の最高速度はマッハ2である為、先は長い。
「届きそう?」
「今の所停滞してる感じかな…スピードが上がらなくなってきてるんだ。何か良い案ない?」
「う〜ん…新しい事にチャレンジしてみるとかは?」
「っと言うと?」
白は輝の方を見る。それにつられて茜も灰も輝の方を向いた。当の見られてる輝は?でいっぱいだった。
場所を移して通常のトレーニングルーム。大きなクッションを縦に置いて、距離を置いて灰がクラウチングスタートの体制だ。
「準備は?」
「いつでもOKだ。」
「んじゃ、始めて。」
深呼吸をして呼吸を整えると、走り出した。体全体を振動させ、まるで灰が複数人重なっている様にも見える。そしてクッションに激突した。
これは一瞬の出来事。振動させて灰が複数人重なっても見えてもいないし、走り出したと同時にクッションに激突した所しか理解出来ない3人。ただ、もう1つ理解したのは失敗した事。
「@kbp_f/"o?k2÷〒=*3」
「張り付いたまま喋られても分からないよ。」
「っっは!やっぱり見様見真似は渚の専売特許だよ。通り抜けなんて無理だよ。」
「どういう理屈なんですか?灰さんがやろうとしてるのって。」
灰がやろうとしているのは通り抜けをする事だった。輝が先程言っていたことを実践しているのだ。
「体をこんな感じで振動させて…」
茜の疑問に灰が説明する。まず右手を高速に動かし、振動させている。
「さらにこれを粒子レベルで振動させるんだ。」
さらに高速に動かし、最早手が見えていない。これに茜は驚く。ここまで出来るのかと。
「まぁ、これは粒子レベルで振動が出来てないけどね。全身の粒子の振動をあのクッションと同じ周波数の振動を起こす事が出来れば通り抜けが可能って事なんだよ。」
「それって無理じゃないですか?」
「うん、だから言ったでしょ。通り抜けは2次元だから成せる技だって。」
「そこで諦めるのか?」
「待って!粒子レベルで動かせたら僕は超人の域を超える事だからね!」
白の冗談はさて置き、別の方法を試す事にした。
「いつでも良いよ。」
「はい、2番、灰、行きまーす!」
ふざけた瞬間に走り出し、部屋の壁だけで走っている。高速で見え辛いが、僅かに残像が見える。
テレビの中のヒーローがやっている事を現実でやっている姿を見れているので輝は大興奮だ。
「凄いです!灰お兄様!」
「だろ!なんなら天井だって走…が!ご、ぶへ…」
天井を走ろうとしたのだが、初めての試みの為失敗し、落下して転がったのだ。輝はやはり心配し、茜はやはり冷めた視線を送っている。白に至っては苦笑いだ。
「大丈夫ですか!?」
「だ…大丈夫だ…あれだ、初めてだったから難しかったんだよ。」
「あと調子に乗ってた。悪い方向に。」
スピードを上げるには兎に角走る事が1番だ。なので、今度は環境の問題を考えた。
「水の上って走った事はある?」
「試した事は無いけど、可能だと思う。」
「では、それをやりましょう!」
輝からの期待の視線。嬉しい事なのだが、場所の問題がある。
「場所がなぁ…城の外の湖でやったら大騒ぎになるし、輝ちゃん達を海に連れて行く訳にはいかないし…」
輝や茜は王族である為、容易に連れ回す事は出来ない。王様の許可が出ている範囲で出掛けられているのだ。
「また今度見せてあげるよ。」
「絶対ですよ!」
「あぁ。」
輝と約束をする。
他に何か方法がないか考えるが、専門家ではない為、思い付く事は無かった。
夕方前に帰る事になり、外に出ると天気が悪く、雨がどしゃ降りだった。
「これは最悪な天候だね。」
「傘差しても濡れそうだな…輝ちゃん、捕まって。」
「え、はい。」
「じゃあ白兄さん、茜ちゃんをよろしく。」
輝を抱えると猛スピードで帰って行った。残された2人も、傘を差して歩き出す。
「最近お姉ちゃんとはどうですか?」
「順調だよ。困った事は今の所無いかな。」
白と2人きりというのはあまり無い為、姉の葵との関係について気になったのだ。
櫻田ファミリーニュースでも1度も取り上げられた事が無かったからだ。
「お姉ちゃんと付き合ってる事を公表って…」
「まだしてないね。実は俺がお願いしてるんだ。選挙が終わるまで待って欲しいって。」
「それって、専属が決まる日でもあるんですよね。」
「そう。それが終わるまでは表に立ちたくないんだ。」
あくまで櫻田家をサポートする人達。選挙が終わるまで目立とうとは思っていなかった。
「国民の皆に発表したら騒動起こりますよ。」
「ははっ、だろうな。葵の人気は凄いよね。」
今や支持率トップの葵の彼氏という立場にいる白。暴動が起きた場合、
「まぁ何とかなるよ。何か起きても櫻田家の皆が居るし、俺の家族だっている。だから、その時は頼りにしてるよ、茜様。」
「…まずは何も起きない事を願って下さいよ。」
葵との関係が羨ましく思う茜。今後どうするか悩む所があるが、明からの返事を待つばかりだ。
・長谷川 灰
他にも能力開発をしている事がある。
では、また次回。