城下町のダンデライオンをまた再放送してくれないかなって思う。まぁ、DVDを持ってるからそれを観れば良いんですけどね。
そしてきららファンタジアに参戦する事を願ってる。GA芸術科アートデザインクラスと共に。
そんな日々です。
もがき苦しんでいる。苦しい…苦しい…もう…もうこれ以上は…と、そして叫んだ。
「だあ〜もうこれ以上は食べられないからー!」
「うるせぇよ!」
ベッドから起き上がったと同時に修に殴られた灰。どうやら食べ物を食べている夢を見ていたようだ。
「なんてベタな夢見てんだよ」
「それよりさ、お腹すいた」
また殴られるのだった。
「点滴よりご飯が欲しいな」
「そりゃああれだけ打てばな」
修のこめかみがピクピクと引き攣っている。何の事を言っているのか分からない灰だが、修に近くにあった大きなゴミ箱を見るよう指される。その中には使い切った点滴の袋が大量にあった。灰に見せる為だけにここに置いたのだ。
「うわぁ…マジドン引き…」
「テメェに全部使ったんだよ!」
またも殴られた。
「全く、お前のその能力は制御出来てないと厄介だぞ」
「代謝が良いと言え。代謝が良いと」
「お前にとっては良いかもしれないけど、こっちからすれば面倒だぞ!看護師さんが行ったり来たりしてたから俺まで手伝ったんだからな!」
「それは何とも、ありがたい話だ」
土砂崩れが起きた後、明を病院に運んだ灰だったが、能力を酷使した為に運び終えたと同時に気絶したのだった。
そして、3日を過ぎて今に至る。
「それはそれとして、明と白兄さんは?」
「2人共手術は成功したが、まだ目覚めてない。明の方は後遺症が残るかも…」
「そうか…渚は?」
「メイドの仕事中。お前達3人が同時に倒れたから1人で頑張ってるぞ」
「流石は僕らの妹だ。さて、兄さんと明の顔が見たいな」
ベッドから降りようとするが、上手く力が入らず崩れ落ちそうになるのを修が支えた。
「まだ無理するなよ。起きたばかりだろう」
「心配なんだよ。頼む」
「…はぁ、仕方ないな」
修の能力で2人の病室を廻った。
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2人の顔を見た後、立ち上がる事が困難になってしまった灰。その為、車椅子で行動する事になった。今は車椅子で病室まで戻っている。
「これじゃあ、地上最速の男とは言えないね」
「お前の場合は能力の酷使でそうなったんだよ。でも、その内治るってさ」
「それより、皆はどう?」
「皆ショックを受けてたよ。特に茜と輝が酷かったな…でもまぁ、渚のフォローもあって輝は立ち直ってるけど、茜がなぁ…姉さんは1番落ち込むかと思ったけど、そうじゃなかったのが意外だったな」
「葵さんは兄さんの言う通りか…」
白の言う通り葵は白の能力の事も、何故倒れたのか、何故能力を発動したのかも理解していた。だからショックを受けたものの、あまり落ち込む事は無く、早く目覚めて欲しいが為に毎日の様に見舞いに来ている。
「よし、とにかくご飯をーー」
何処かご飯を食べに行きたいと提案しようとするが、前から早歩きで向かって来ている女の子がいた。そのまま灰に抱き着いた。
「お兄ちゃん!」
渚だった。
修が皆に連絡をして、誰よりも早く渚が駆け付けたのだ。
「大丈夫だよね!?生きてるよね!?」
「生きてるし、大丈夫だから」
勢いが強い渚を宥めているが、グイグイと迫って来る。1度渚の顔を見ると、修にお願いをする。
「ごめん修ちゃん、すぐに病室まで飛ばしてくれる?」
「あいよ」
渚と灰の肩を掴んで、灰の病室に飛んだ。
そして申し訳無さそうに、修に部屋から出る様お願いすると、直ぐに出てくれた。
「んで、その顔色は何なの?」
「何って…普通だよ」
一瞬渚の頬が引き攣る。それを灰は見逃さなかった。
「あんまり眠れてないんだろ。ご飯もあんまり食べてないだろうし。能力を使ってるのくらい、今の渚の状態を見たら分かるさ。能力を解除して」
渚の頬を撫でて、優しそうに話す灰。あまりにも渚の顔色が良い事が気になっていた。
能力を解除すると、髪がボサボサで目の下にクマが出来て、顔色が悪く疲れ切っている渚の姿になった。
「だって…お兄ちゃん達皆…倒れるから…わ゛だじまで…だおれ゛る訳には…」
「僕が起きたからもう大丈夫だよ、ね」
この3日間ずっと無理をして、能力で皆を騙していたのだ。恵や健吾は仕事の忙しさや3人の事で手一杯な所があり、2人にも能力で押し通せたのだ。
「おに゛いぢゃぁぁぁあん!」
遂には泣き崩れてしまった。灰が抱き止め、優しく背中を叩いている。
「本当に頑張ったな。ありがとう」
泣き顔を見せない為に、修を外に出したのだ。泣き声でバレてしまっているのだが。
その後、恵や健吾など様々な人がお見舞いにやって来た。その頃には渚はまた能力を使っていた。
皆安堵の表情をしているが、灰はそれどころではなかった。とにかくお腹が空いて仕方がない。
という事で、修の能力で病院を抜け出してご飯を食べに出たりしていた。
その後先生にお叱りを受けたのだった。
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それから1週間後に白は目覚めるが、大分弱っていた。
その為、起き上がるのも困難になっている。暫くの間は入院する事になった。
「寝てる間にさ、思ったんだ」
「何を?」
「俺に足りなかったもの…どうして専属の執事を目指そうとしなかったのか。身体が弱いのとこの能力の所為だけじゃなかったんだ」
皆が見舞いに来た後、最後に残った葵に語り出した。
「この先長く無い人生かもしれないから、怖かったのもある。だけど、明を助け出そうとしたあの時、勇気が…自信があった。だから俺に足りなかったのは、勇気と自信だったんだ」
デパートで強盗に襲われた時も自信が無かったからミスをした。皆にアピールする勇気が無いから自分だけ投票数が0だった。
「この家に産まれた以上は、この血と能力に向き合わなきゃって思ったし、父さんや灰達に申し訳ない。だから、俺は…」
「専属の執事を目指すのね」
「あぁ」
「そう、じゃあ早く退院しなきゃね」
選挙まで後、1年と半年まで迫っている。専属になる為に灰達から票を奪わなければならない。そして葵達に認めてもらわなければならない。
これから白の戦いが始まるのだった。
・長谷川 灰
能力を全開にする事によって、意識も加速する事が出来て周りがスローの世界になる。ただ、すぐにバテて、代償として数日は歩けなくなる。
次の話で第1章はラストです。
では、次回に。