櫻田家の隣の家の長谷川家   作:遊斗

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つい先日、城下町のダンデライオンのDVDの2巻を購入したのですが、やっぱり面白いですよね。
皆良いキャラしてますし。




3時

 

 

「なあ、頼むよ明!」

 

「嫌だって言ってるだろ。自分で買ってきなよ。」

 

「だからその日はサーチライトのライブがあるんだって!僕はそっちにも行かなきゃ行けないからさ!」

 

「あぁ、もううるさいよ!」

 

灰の頼みを断り続け、無視する事に決めた明だった。

 

「お兄ちゃん達どうしたの?」

 

「2人共来週欲しいゲームがあるんだけど、人気が凄いから買えるのは1人1個までらしくて即座に売り切れるらしいんだ。しかもその日はさあち☆らいとのライブかあるらしいんだ。」

 

「あぁ、だからか。」

 

渚の疑問に、白が答えた。

さあち☆らいととは新生アイドルユニットの事だ。片方は米澤 紗千子。そしてもう片方は桜庭 らいと。桜庭らいとに至っては、櫻田光だという事を長谷川家全員知っていた。

 

「じゃあ渚!」

 

「ごめんね、その日は岬と遊びに行く約束があって。」

 

「なん……だと……!?」

 

「俺が行こうか?」

 

「いや、白兄はダメでしょ。無理させる訳にもいかないから。」

 

白が行こうと提案するのだが、バッサリと切られてしまった。

 

「くっ、かくなる上は……修ちゃんを使ってでも!」

 

「いやいや、執事候補が王族に何を頼もうとしてるんだよ!ああもう分かったよ!2回並ぶよ!」

 

「本当か明!」

 

「ただし、条件だ。俺とゲームで勝負だ!」

 

「良いだろう!受けて立つ!」

 

「お兄ちゃん、そこは何で勝負するか聞こうよ……」

 

「何で勝負するんだ?」

 

「かくれんぼだ。」

 

「かくれんぼ?」

 

「そう。灰兄が鬼で、俺が逃げる。場所はこの町全体で、一駅離れるのは無しだ。」

 

「OK!僕が勝てばゲームを買ってきてもらう。」

 

「俺が勝てば……………奢って貰うか。」

 

「僕が払うの!?」

 

灰が勝てば、ライブにも行けてゲームも確保出来る。

明が勝てば、灰はゲームかライブ。どちらかを選択しなければならない。しかも明が買う分は灰が払う事になる。

 

「い、良いだろう!この勝負を申し出た事を後悔させてやる!」

 

「勝ってから良いなよ。」

 

2人の間に火花が散っている様に見える。

すると、チャイムが鳴り出した。渚が出ると、そこに居たのは何かを持っている光だった。

 

「やっほー。お母さんから晩御飯のお裾分けだって。」

 

「あっ、ありがとう!」

 

「なんか騒がしかったけど、どうしたの?」

 

「灰兄ちゃんと明兄ちゃんがかくれんぼで勝負する事になって。」

 

「え?何それ楽しそう!私もやる!皆も呼んでくるよ!」

 

「えっ、ちょっと!」

 

呼び止める隙もなく、光は戻って行った。

 

「何でこうなってるんだ……?」

 

灰は戦慄していた。

長谷川家に、何故か櫻田兄妹が来た。

あんまり乗り気じゃなかった奏も無理矢理連れて来られたのだった。

 

ルールはこの町全体で一駅分離れるのは無し。岬は分身の能力を使うのは良いが、1人でも見つかったらアウトだ。明も能力を使うのは有りだが使用時間は1分で、2分以上は姿を見せていなければならない。そしてまたその後透明になるのはアリだ。

鬼は灰と、能力的に修がする事になった。

鬼に見つかった者は長谷川家に戻ってくる事。

時間制限は2時間だ。

 

白は参加させられない為、留守番をする事になった。

 

「じゃあ5分後に灰兄と修さんはスタートで。」

 

櫻田家と長谷川家によるかくれんぼがスタートした。

一斉に玄関へと駆け出し、靴を履くと、町へと繰り出して行った。

 

5分が経過して、灰と修も町へと駆け出した。

そしてすぐ後の事だった。明が家の中に戻って来た。

 

「明はもう見つかったの?」

 

「いや、玄関の前に居ただけ。灰兄達が出発する頃に透明になっただけだよ。靴も隠したし、大丈夫。」

 

「でも、ここは見つかった人が集まる場所じゃ……」

 

「言ったでしょ。場所はこの町全体だって。禁止エリアは一駅分離れる事だから。」

 

これには苦笑する白だった。

 

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遥と輝は一緒に逃げていた。

デパートの駐車場まで来て、駐車場の端っこで止まった。

 

「ここまで来れば一応安心かな。輝、大丈夫?」

 

「大丈夫です!兄上!」

 

「後は調べるか。」

 

遥が菫色に発光し確率予知を発動した。

 

「ここが見つかる確率は……100%!?」

 

「じゃあ他を探さなきゃな。」

 

「兄上何処かに移動しなければ。」

 

「じゃあ僕の家だね。」

 

「家ってどこ………え?…」

 

遥と輝の他に、いつの間か第三者がいた。そこに居たのは灰だった。

 

「遥ちゃんと輝ちゃん見っけ。」

 

「くっ、見つかってしまうとは。流石です灰お兄さん!」

 

「2人は家に戻っててね。んじゃ。」

 

既にそこに灰は居なくなっていた。

 

捕まった人数、2人。

残りの人数、8人。

残り、1時間50分。

 

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「いやね、まさかさ…念の為に家を探してみたんだけど……何で3人も居るんだよ。」

 

「あはは…見つからないかな〜って。」

 

修は自分の家を探すと、葵と奏と栞を見つけてしまった。

 

捕まった人数、5人。

残りの人数、5人。

残り時間、1時間40分。

 

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ぞろぞろと長谷川家に集まっていく見つかった者達。

 

「意外に早く見つかったね。もう半分だよ。」

 

「あら、遥が見つかってるなんて意外ね。」

 

「確率を調べてる時にはもう後ろに居たんだよ。あれは反則級だよ。」

 

「鬼の2人の能力は厄介すぎるわね。」

 

奏の言う通り、移動が早い2人だ。居ないと分かるとすぐに次の場所に行けるのだ。

 

「まぁ、あれだよ。残り時間も結構あるから、こっちはこっちでトランプでもする?」

 

明の提案で、見つかった者グループ+αでトランプをする事になった。

 

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一方、岬と渚と光は共に行動し、中学校の校庭にある部室裏に隠れていた。

 

「あぁ!ここで遥が欲しい!」

 

「確かに。遥君の能力があればここが見つかる確率が分かるからね。」

 

どちらも油断がならない能力者だ。

同じ場所に留まるわけには行かないし、下手に動けば見つかってしまう。特に灰に。

 

3人でどうしようか迷っているところだった。

 

残り時間、1時間30分。

 

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修と灰は1度連絡を取り合い、集まる事にした。

 

「どうそっちは。」

 

「まだ2人かな。遥ちゃんと輝ちゃんで。」

 

「じゃあ5人だな。こっちで3人見つけたし。」

 

探してない所を話し合い、修は中学校に、灰は高校を探した後に小学校を探す事にした。

 

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残っていたのは奏と栞。栞は奏を見つめつつ、カードを引いた。奏の手元にはジョーカーが1枚。そして、栞の手札にAのカードが2枚揃った。

 

「あがった。」

 

「負けちゃった。栞は強いね。」

 

奏に撫でられた栞は嬉しそうだった。

 

「所で葵姉さん達は何処で見つかったの?」

 

「私と奏と栞は自分の家で。灯台下暗しで行けるかなって思ったけど、ダメだったみたい。」

 

「灯台下暗しと言えば見つかってない人が居るけどね。」

 

「え?誰?」

 

白はトランプをシャッフルしてる明を指差した。

 

「え!?明君、まだ見つかってないのにここに居るの?」

 

「勝てば良いからね。」

 

「良い性格してるわ。」

 

「奏様、お褒めにお預かり光栄です。」

 

トランプを置くと台所に向かい、姿を消した。

すると、修と岬と光と渚が入って来た。

 

「ああ見つかっちゃったよ。」

 

「これで8人か。後は明と茜の2人だけだな。」

 

そして修は出掛けた。

 

『危なかった。』

 

「よく気付いたね。」

 

台所で声と音だけが響いている。

足音が近づいてくると机の上にジュースや麦茶が置かれた。そして明は姿を現した。

 

「タイミングが良かっただけだよ。」

 

その後、皆でトランプを再開した。

 

捕まった人数、8人。

残りの人数、2人。

残り時間、1時間10分。

 

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「ああ!見つからねえ!」

 

町中を隙間無く探しているのだがなかなか見つける事が出来ない灰だった。

 

残り時間、50分。

 

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トランプにUNOなどやって暇を潰していた明達。

残り時間が10分となった所で明は動き出した。

 

「じゃあ俺はそろそろ行くよ。」

 

「行くって何処に?」

 

「隠れに。」

 

「明お兄ちゃんまだ見つかってないのにここに居たの!?」

 

明の事を聞いてない渚達3人は驚いていた。

 

「じゃあね。」

 

また姿を消してドアのが開き、玄関のドアが開く音がした。

かくれんぼは終盤に差し掛かっていた。

 

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「茜さん、ここに居たんだね。」

 

「明君もまだ見つかってなかったんだ。」

 

「まぁね、良い隠れ場所があったからね。」

 

「どこ?」

 

「ここの下。」

 

なんと明はただ扉を開けただけで、玄関から外には出ず、二階に上がって、ベランダから屋根に登ったのだった。しかもそこに茜が居た。茜の隣に明は座った。

 

「茜さんは最初からここに?」

 

「うん、結構暇だったから助かるかな。明君が来てくれて。所でなんでかくれんぼをする事になったの?」

 

「そういえば聞いてなかったね。お遣いに行くか行かないかだよ。簡単に言えばね。俺が負けたらお遣いに行く。んで、俺が勝ったら奢ってもらう。そんな感じ。」

 

「私はお遣いは嫌かな……」

 

何度も言うが茜は極度の人見知りだからだ。

その時だった。目の前にいきなり修の背中が現れた。

 

「あと、2人だろ…どこに居るんだよ。」

 

「しゅっうぷっ!』

 

思わず叫びそうになる所を明に口を手で塞がれた。

 

『静かに。』

 

「ん?」

 

修が振り返ると、誰も居なかった。

 

「気のせいか。」

 

瞬間移動で何処かへ行ったらしい。

 

『(行ったかな…あっ、明君って綺麗な顔してるなあ。って、近い!?近いよ明君!)んんん!』

 

『まだ静かにして。』

 

すると、また修が現れた。

 

「やっぱり気のせいか。」

 

今度こそ何処かへ行ったようだ。

そして、能力を解除すると同時に茜は顔を逸らした。

 

「どうしたの茜さん?」

 

「いや、何でもない。何でもないから!」

 

赤くなった顔を見られない為に必死だった。

落ち着いた頃に、茜が話しかけた。

 

「誰に投票するの?」

 

「それなんだけど、俺達に投票権は無いんだ。」

 

「え!そうなの?」

 

「茜さん達の誰が王様になっても、自分が執事に選ばれたらそれに応えなきゃいけないからね。それに、うちは執事の家系だから投票権が無い決まりらしいよ。」

 

「そう…なんだ。何か将来なりたい事とか無かったの?」

 

「皆無いよ。執事になる事を目指してるから。いざ、他のを目指せって言われても何になりたいんだろうって思うよ。茜さん達もきっとそうでしょ。」

 

言われてみれば…っと茜は思った。もしも王族じゃなかったらとか考えた事があるかもしれない。でも、本気で考えた事は無かった。

 

「もうそろそろ時間だから降りようか。このかくれんぼは俺と茜さんの勝ちだね。」

 

明の優しい笑顔に、少しだけ見惚れてしまった茜だった。

 

その後、修と灰に何処に居たのか聞かれた時に、答えると怒られるのは目に見えていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「んで、結局こうなるんだろ。知ってた。」

 

「何で俺まで。」

 

修と明の手には勝ったばかりのゲームが入っている袋が握られていた。

 

 

 

 

 

 

 





今回のキャラ紹介は無しで。
多分ですが、次回はやります。白か渚のどっちかを。

では、また次回に。
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