櫻田家の隣の家の長谷川家   作:遊斗

42 / 42
今回から新キャラの登場です。
長谷川兄妹もメインな時もあれば、新キャラメインの時もあります。当分は新キャラメインです。
そしていつもより短いです。


良太郎と櫻田家と長谷川家
プロローグ2


 

 

また春が来た。桜も満開に咲き、花見日和である。新生活のスタートとしては最高の日だ。

そしてこの町に石動(いするぎ)良太郎(りょうたろう)が引っ越して来た。駅から新しい家までの道のりはやや遠いが、新しく住む町を眺めながら歩くには持ってこい…っと思いきや…

 

「何で雨が降るかな…」

 

土砂降りだ。先程の快晴とは打って変わって土砂降りなのだ。

新生活のスタートとしては先が思いやられるな…と思いながらも、お店の前で雨宿りをしていた。

 

通り雨なら良いのだが、空を見る限り止む気配は無い。それに携帯で天気予報を見るに、午後は雨と表示されている。

溜め息をついて鞄の中から折り畳み傘を出そうとした時だった。

 

「突然の雨なんて最悪だよ!」

 

女の子が走って来て、一緒に雨宿りをする形となった。

その女の子を良太郎は見た事がある。それは『櫻田ファミリーニュース』等でテレビで観た事があり、この国の王女の櫻田岬だ。

 

水も滴る良い女とはこの事だろうか。濡れた髪が、濡れた体が、濡れた服から色気が出ているように思える。ついつい見惚れてしまっている良太郎だ。

そして下着が透けている事に気付き、直ぐに視線を逸らした。

このまま放って置いて良いものかと、試行錯誤してしまう。もしもこのまま置いて行ったしまった場合、岬は風邪を引くのではないか? それに人として置いていくのはどうか? 等々…

鞄の中で右手が掴んでいる物を引っ張り出し、上着のシャツを脱ぎ、そして決意した。

 

「あ、あの!?」

「え、何!?」

 

急に大声を張られて驚く岬。王女に話し掛けるという事に緊張しているのだ。

 

「良かったらこれをどうぞ!」

「え…」

 

シャツと折り畳み傘を手渡した。勢いの余り、それを受け取った岬だ。

 

「そ、それでは!」

「ちょ、ちょっと!」

 

呼び止める暇もなく良太郎は走り去って行った。1人取り残された岬はポカンとしていた。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「ただいま〜」

「おかえり岬…って、それどうしたの?」

 

茜が出迎え、岬の格好が気になった。出掛ける前とは違い、シャツが1枚増えている。しかも男物のシャツだ。

 

「雨宿りしてたら折り畳み傘とこのシャツを渡されてさ…あの子大丈夫かな?」

 

傘とシャツを渡してくれた少年、良太郎の事が心配な岬だった。当の本人は家の中で盛大なくしゃみをしていた。

 

「へくしゅんっ!はぁ…お風呂入りたいから、ガス会社に連絡しなきゃ…」

 

明後日は入学式だ。それまでに新生活を整えなければならなかった。

 

 





石動(いするぎ) 良太郎(りょうたろう)
誕生日は7月。身長160cm
学年は岬、遥、渚と同じ。石動家の次男。
唯の一般人である為、能力は無い。
幼い頃に旅行でこの町に訪れ、楽しかった事もあって、憧れを持ち、住んで見たいという事で両親を説得して1人暮らしを始めた。
実家は田舎では無いが、都会でも無く、中途半端な所。
趣味は将棋。だけど、決して強くはない。


暫くは良太郎が主人公です。
次回は学校の話です。
それでは、また次回。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。