櫻田家の隣の家の長谷川家   作:遊斗

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前回説明し忘れてましたけど、店内の防犯カメラには録音機能が付いていないです。

早く漫画の4巻が出ないかなぁって、思うばかりです。
1年後とかになると思いますがまぁ、気長に待ちましょう。




ラッキー7

 

 

「能力…制御…?」

 

「はい、俺に影響がある力を消す事が出来るんです。だから、俺には何をしても大丈夫です。」

 

「本当に?」

 

「はい。」

 

「どんな茜達の力も?」

 

「打ち消せます。ただ、触れなきゃ意味がない能力もありますが。」

 

「そう…」

 

葵は夢でも見ているんじゃないかと思った。親友と呼べる友だちはいる。大事な家族もいる。でも、我儘を言えなかった。言ってしまえば、誰でもそれを行動に移させてしまう。

 

「わ…私の能力は…」

 

声が震えてしまう。本当に言って大丈夫なんだろうか?っと考えてしまう。決して白を疑っている訳ではない。でも、怖いのだ。ぎゅっと目を閉じてしまった。

 

すると、両手が暖かく包まれた。

 

「大丈夫。」

 

白が包んでくれたのだ。

これで少しは楽になれた。

 

「…私を罵倒して下さい。」

 

「…え?」

 

いきなり何を言い出したのか、分からなかった。

 

「私を殴って下さい。」

 

「ちょ、ちょっと葵さん?」

 

「私を突き放して下さい。」

 

「どうしたの!?」

 

行動に移せない白。そして…

 

「私を…抱きしめて下さい。」

 

「え、あっ、はい!」

 

これだけは従った。

白は葵を抱きしめた。ここでふと、我に返ってしまった。周りの事を考えていなかった。

見渡すと、幸いだったのか、あんまりお客さんは居なかった。見られては居るが、抱き締めている相手が葵だとは皆分かってはいないようだ。

これにはホッとした。

 

「このまま…聞いて。」

 

鼻の啜る音が聞こえ、胸の辺りが少し湿っている気がした。

 

「私の能力は完全学習じゃなくて、本当の能力は絶対遵守(アブソリュートオーダー)。命令した人を命令通りに行動させちゃうの。」

 

「2つじゃなく…そういう事だったんですか。」

 

「この能力だから、私は王様になりたくないの。」

 

「えっ?」

 

まさか王様になりたくないと言われるとは思いもよらなかった。でも、納得してしまった。この能力だと、絶対に王様になれて、独裁政治だって出来てしまう。

 

「そうですか…。でも葵さんだから、その能力が備わったんじゃないですか?」

 

「ふふっ、お父さんと同じ事言うのね。」

 

顔は見えないが、笑ってくれて良かったと思った。

ここで白も、自分が抱えていた悩みを打ち明ける事にした。

 

「実はさ、俺も本当は直属の執事に選ばれたくないんだ。」

 

「どういう事!?」

 

ここで離れ、やっと葵の顔を見る事が出来た。葵の目元は赤かった。

そして、白の悩みは王様直属の執事になりたくはない事だった。

 

「俺は身体が凄く弱いんだ。ちょっとの運動ですぐに疲れちゃうし、護衛も出来た事じゃないんだ。でも、この家族に生まれたからには執事になる為に頑張らなくちゃいけない。」

 

「健康そうに見えるけど…」

 

「それは…………………」

 

葵には全てを打ち明けた。何故執事になりたくないのか。そして身体が弱い理由。最初、葵は驚いていたが、ちゃんと聞いてくれた。

 

2人で今まで抱えた悩みを打ち明けた事によって、肩の荷が下りた気がした。

 

「そうだったんだ。そっか…ありがとう。」

 

「ありがとうって…どうして?」

 

「私に打ち明けてくれたから。」

 

ドキッと心臓が鼓動した。この笑顔に惚れない男性はほぼいないだろう。っと言えるくらい良い笑顔だった。

 

「それと、白が居てくれてありがとう。」

 

もう1度抱き締めてと我儘を言われたような気がして、葵を抱き締めた。

 

「俺も、ありがとう。葵が居てくれてありがとう…」

 

ピクッと僅かに動き、震え、泣いているのが分かった。

『何を言っても大丈夫な相手。』こういう人が存在するだけで嬉しかった。それにその相手から「居てくれてありがとう。」を言われるのがもっと嬉しかった。

 

言葉で言わなくてもお互いに分かり合えた事が1つだけあった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

白が帰ってくると、顔に絆創膏が貼られている事に気付いた兄妹達が騒ぎ出した。

 

「白お兄ちゃん大丈夫どうしたのその顔!?」

 

「ちょっと転んじゃっただけだよ。」

 

ふわっと風がして、僅かに服が動いたと思ったら、灰が確認したようだ。

 

「転んだだけって、身体に痣があるじゃないか!」

 

「やっぱり1人で行かせるのはダメだったのかな。」

 

「それとも白お兄ちゃんの買い物は私達がした方が良いかな。」

 

「そこまで子どもじゃないから大丈夫だよ!」

 

兄妹が心配し過ぎな部分があったりもする。

 

「皆に言う事があるんだ。」

 

「何か買い忘れたとか?僕が速攻で買ってくるよ!」

 

「恋人が出来た。」

 

本日1番の大悲鳴が長谷川家の中で轟いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「家族には言っちゃったよ。」

 

『そうなんだ。私はお母さんにしか言えなかったかな。お父さんに言うのは…ちょっと怖くて。』

 

お互いに自室で、電話をして誰に話したのかを伝えた。

 

「ははっ、俺もちょっと怖いかな。でも、いつかは話さなきゃね。皆にも。」

 

『そうね。なんて言われるかなぁ…』

 

「その時にならないと分からないな。そろそろ寝ようか。」

 

『じゃあおやすみ。』

 

「おやすみなさい。」

 

おやすみと言うのだが、2人共相手が切るのを待っていて、通話が続いている。

 

『………』

 

「………」

 

『切り辛いね。』

 

「そうだね。まぁ、明日は学校だから切ろう。好きだよ葵。」

 

『私も白が好き。』

 

同時に通話を切った。

そして、ベッドに伏して顔が真っ赤になっているのはお互いに知らない事だった。

 

 

 






ってな訳で超展開。早過ぎましたかね?
そんな事は無いです。いつ何時、恋に落ちるかは分かりませんからね。きっかけがあれば、お互いに惚れる事だってあります。

・長谷川 白
次期国王の直属の執事になる事を避けている。
その理由は身体が弱い為、何かあった時に人を守れる自信があまり無いからである。だけど、長谷川家に生まれたからには…っという信念の下、頑張っている所がある。
兄妹からはかなり大事にされている存在。
今回で葵と付き合いだした。

では、また次回。

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