くる狂ピエロの童話/昔話パロディ   作:くる狂ピエロ

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初めまして、Twitterの使い方がよく解っていない
くる狂ピエロと申します


実はこの話、去年学校祭で合同誌として出した作品の自分が書いた部分です
え?
「大学生の文章力ではない」?

…。

全くその通りでございます


シラユキ王女

 

「鏡よ鏡、この国で一番かわいーのはだぁれ?」

 

 とある少女は鏡に問いました。鏡はこう答えました。

 

「その女性は、この国の王女である、あなた様でございます。」

 

すると少女は喜々とした表情になりました。

 

「やった! んじゃあ、世界での一番は?」

「先に申しておきますが、あなた様ではございませんよ?」

「むー、まだまだ世界にはツワモノがいるのね」

「左様にございます」

「まぁ、まだこの国の一番で留まっておいてあげるよ。よーし、みんなに自慢してくる! じゃーね!」

「はい、姫様、いってらっしゃいませ」

 

 

 

とある国で、このような会話があった二十年程後。 

 かつての少女は成長し、結婚して王妃となっておりました。彼女は、またあの鏡に問いかけました。

 

「鏡よ鏡、この国で一番美しいのは誰?」

 

 鏡は、かつて少女に答えたときと同じ声で言いました。

 

「その女性は、この国の王妃である、あなた様でございます」

 

 すると彼女は、かつてとは異なって呆れながら言いました。

 

「あー、もういい、ご苦労様。おやすみなさい!」

「左様でございますか? ・・・おやすみなさいませ・・・」

 鏡の挨拶も聞き終わらないままに、王妃は不機嫌そうに部屋から出て行きました。

「・・・して、どうであった?」

 

 部屋から出た王妃に質問したのは、廊下で待っていた王でした。二人は歩きながら話し始めます。

 

「まだ私が一番ですって。参ったわ。」

「ふーむ、舞踏会で人気一位になってもまだ足りないのか。」

「こうなると、あの子に足りないのは見た目じゃなくて、中身じゃないかしら?」

「うん? あの子は座学の成績は中々に良かったはずだが?」

「そうじゃなくて、人間性のほうよ。あの子には、他人との付き合い方なんかも学んでもらわないと。王族としても、人としても。」

「そうだなぁ。あの子ももう十六歳だし、そろそろ試練を与えるとしようか。」

 

 

 

 

 

 

  次の日の朝、その国の姫であるシラユキは両親に呼び出されていました。

 

「お父様、何の御用でしょう? 私、観たいものがたくさんあるの。早く言って」

 

 王は年頃の娘の言葉に若干傷つきながら話し始めました。

 

 「お前も知っているだろうが、この城には魔鏡があり、最も秀でている者をみることができる。実はアレで『この国で美しい者』を見てきたのだが、今までお前が映ったことは無い。この意味がわかるな?」

「ハイハイ、いつもの『統治者になれないぞ』でしょ?」

 

 シラユキはまたいつものか、というようにうんざりしながら答えました。

 

「そのとおりだ。だが、今回はいつもどおりではないぞ。お前が心身ともに成長できるように『職業体験』という試練を課すことにした」

「え? 何それ・・・なんで今回から?」

「自覚が無いかもしれないが、お前はもう十六歳だ。そして十六歳とは、自分で責任を持つように成らなければならない歳なのだ」

「・・・それで、お母様はなんて?」

 

 父が言うことでも母が反対すれば何とかなるかもしれない。シラユキはわずかな望みを持って問いかけました。

 

「これは母が言い出したことでな、今頃くじ引きでお前が体験する職を決めているだろう」

「~~~!!」

 

 シラユキは下唇を噛んで悔しがりましたが、両親に逆らって勝ったことはありません。おまけに良いこともありません。まして今回は悪いことでもないので、シラユキは観念することにしました。

 

「・・・そう、どうせ逆らえないのだし、大人しく行きますよ。」

 

 すると王は、ほっとした顔になりました。

 

「おぉ、そうか。行ってもらうのは明日からだ。見聞を広め、よりよい国づくりができるように勤めてくれ。以上だ」

 

 話が終わるころ、王妃が小走りでやって来ました。

「シラユキ~、貴女がやるのは『猟師』よー!」

 

「「猟師!!??」」

 予想外の結果にシラユキはもちろん、王も驚きを隠せませんでした。

 

 

 

 

 シラユキは城中の人に見送られ、ベテランの猟師と共に狩猟へ向かいました。しかし、愛玩動物として兎を飼っていた少女は、狩りをすることに否定的でした。

 

「姫様、仰ることは解りますが、我々も動物なのです。他の生き物を食らわねば生きることが出来ません。」

「じゃあ、兎は狙わないであげてよ」

「そういう訳にもいきません。森は各々のバランスで成り立っているのです。人の手によって一種だけ増えることは、バランスを崩すことに繋がりかねません。・・まあ、肉の種類は多いほうが売れるっていうのもありますが・・・」

 

 

 

 

 

 猟師生活に慣れてきたころ、猟師はシラユキに言いました。

 

「姫様、実はこの森は七人の小人が管理しているのです。私は今からお城に貴女の報告をしに参るので、その間に訪ねてみてはいかがでしょう? そしてそのついでに、この紙を彼らに渡してほしいのです」

「小人? ・・・へぇ、土妖精ね。面白そうじゃない、行ってくるわ」

 

 猟師はシラユキに小人の家までの簡単な地図と小人宛ての紙を渡し、どのような者たちであるかを教えると、城へ向かっていきました。

 

 

 

 

 教えられたように森を歩いていくと、こじんまりとした、けれどもとても丈夫そうな家を見つけました。

 

「ごめんくださーい、いらっしゃいませんかー?・・・入りますよー」

 

 家に入ったシラユキが見たのは、散らかったベッドや食器でした。

 

「うわぁひどい…片付けさせてもらいます!!」

 

 それは以前のシラユキからはとても考えられない言葉でした。しかしそれは、猟師体験によって「今やれることは後回しにしない」精神が芽生え、彼女が成長した証なのです。

 

「・・・さて、ピカピカとはいかないけれど、だいぶ良くなったんじゃない? ・・・やることがなくなったわ」

 

 ある程度掃除を終えたシラユキは、椅子に座ってしばらく休むことにしました。

 

 

 

 

 帰宅した小人たちは驚愕していました。忙しいから、という理由で散らかし、汚したままであった自宅が、なんということでしょう。嘘の様に綺麗になり、おまけに机には美しい少女がうたた寝をしているではありませんか。

 

「おいおい、これはどうしたことだい?」

「たわけが。この娘がやったのだ。それ以外に何がある?」

「ふぁ~ぁ、この子、猟師の娘かな?」

 

 小人のリーダーはあごひげを擦りながら答えました。

 

「この辺りに娘を連れた猟師なんていたかな? まぁいい。ドーピー、ポストを見てきてくれ、他は風呂掃除を頼む。私はこの娘さんに事情を聞いておく。・・・さぁ娘さん、起きておくれ」

 

 他の小人に指示を出し、リーダーは少女を起こしにかかるのでした。

 

 

 

 

 

 森から城への道中。

「さて、コイツは参った。監督不届きで罰せられるかもしれん」

 

 猟師は本日二回目の報告をすることになっていました。というのも、自分が報告から帰っても戻ってこない王女を心配に思って小人の家に向かってみると、小人のリーダーに「この娘さんはしばらくここに置いておきたい」と言われ、王女本人も「もうしばらくここで働きながら話を聞きたい」とのこと。本人がそう言うならば、と小人の家を後にした猟師でしたが、少し考えてやはり報告することにしたのです。

 

「いやはや、初日と比べるとだいぶ成長なされたのだが・・・わがままは簡単には変わらないもんだな。当然といえば当然だが」

 

 

 

 猟師はあれこれ考えているうちに城に到着し、王妃に謁見することが出来ました。

 

「さて、陛下は会議に出席されているので話を聞くのは私だけですが。・・・一日に二度も来るとは、王女が何かしでかしましたか?」

「王妃様、王女様が森を管理している小人の・・・その、お世話係をご希望でして・・・」王妃の厳かな雰囲気に圧倒されながら、猟師はおずおずと報告し始めました。

「あの子が世話係!?」

「はい。小人の話をただで聴くのは不平等であるから、対価として家事をこなしたい、と仰せになりました。」

「なんてこと・・・」

 

 このとき、猟師は王妃の目がみるみる潤んできていることに気づきました。

 

(まぁ、自分の娘が知らないうちに使用人にされていたら当然だろう。しかも王女。一人娘。・・・俺の処罰、重いなぁこれは)

 

「でかしたわ!! あの子をそんな気持ちにさせられるほどの成長をこの短期間で行うなんて!」

「!? ・・・え?」

「うん、でもそうなると看視と護衛が必要になってくるわね。護衛はあなたに任せましょう」先ほどの雰囲気はどこへやら、王妃の口調は完全に砕けていました。

「・・・承知しました。となると、看視の者はお城から?」

「うーん。そうねぇ・・・・・私でいっか!」

「しょうち・・・ぅえぇ!!??」

 

 こうして、シラユキの使用人生活は猟師と王妃によって見守られることとなりました。

 王妃の支度が終わり、森へ向かう途中で猟師はふとした疑問を持ち、王妃に質問しました。

 

「ところで、陛下はこのことについてなんと仰っておりましたか?」

「さぁ? 会議中だったし、置手紙で済ませてきたわ。急用だし」

 猟師は思いました。――あぁ、王女のわがままはきっと直らないや――

 

 

 *猟師の看視記録*

 看視初日、洗濯の手はおぼつかないにしても掃除、炊事を王女がほぼ一人でこなしている事に王妃は感動。猟師生活の賜物である。

 看視二日目、陽気と内気の二人の小人と共に衣服の修繕。夕方、怒りっぽい小人の薪割りを手伝おうとして「人間の身体はわしらと比べ物にならんほど脆い!」と断られる。王妃曰く、「しゅんとしたあの子も可愛い」とのこと。・・・王女に対する愛の深さを再認識。

 看視三日目、小人が全員仕事に出た。そのとき、王妃がポツリとつぶやかれた。「あの子、果物食べてないわね。」その後、ちょっと準備してくる。と言って小屋に戻っていった。あ、護衛もなしに・・・大丈夫だろうか?

 看視四日目、朝になると王妃は戻ってきていた。「貴女はいつもどおりよろしくね」王妃に言われたとおり、王女を看視。今日も小人は全員出かけた。なんか一人でやると変質者みたいだ、と一瞬浮かんだ考えは捨てる。コレは任務だ。平常心、平常心。・・・ん? ローブ姿の怪しげな者が小人の家に・・・・あれは!?

 

 

 とん、とん、とん、とドアを叩く音に気づき、シラユキが掃除の手を止めて恐る恐る家のドアを開けると、そこには黒いローブを着て仮面を被った女性が立っていました。

 

「こんにちはお嬢さん、おいしい果物はいかが?」

女性は優しく、誘うように言いました。

 

「・・・」

「ほらほら、あなたの好きな林檎もあるわよ? 早くしないと・・・」

「なにやってるの? お母様」シラユキは呆れながら言いました。

 

「・・・私はあなたのお母様ではナイヨ? その証拠に、果物を全部アゲルヨ。・・・さよなら!」

 

 そう言うと、黒いローブの王h・・女性は走り去っていきました。

 

「?・・・とりあえず、いただきますね。お母様。」

 シラユキはほっこりした気持ちになって掃除を再開するのでした。

 

 

 翌日も小人たちは家を留守にし、シラユキは家事をこなし、猟師と王妃は暇をつぶしながらシラユキを見守っていました。

 

「そういえば、私は猟師なので待つことには慣れているのですが、よく王妃様は耐えられますね?」

「うん? それはですねぇ・・・あ。お客がいらしたようですわ」

 

 王妃が指し示したのは、小人の家に向かっている男たちでした。

 

「あれは・・・隣国の王子の遊猟ってところですわね」

「なぜ隣国の者がこの森に?」

「さあ?おや、家の戸を叩き始めましたね。様子を見ましょうか」

 

 

 ドンドン、と乱暴に叩かれる音にシラユキが文句を言おうとドアを開けると、見知らぬ大男がいました。

 

「王子。小人ではなく娘が出てきましたぞ。」

「ん。そうか?・・・ほぉ、結構な上玉じゃないか。ついでに貰って行こう」

「了解。そういう訳だ、娘。ついてきてもらう」

 大男はシラユキの腕を引き、無理やり連れて行こうとします。

 

「嫌! 放して!! たすけ・・・ツっ」

 

 大男はシラユキの腹部を強打しました。

 

「騒がしいので気絶させました。」

「おいおい、痕が残ったらどうする?」

 王子はニタニタと笑いながら大男に注意しました。

    

 

 この様子を見て猟師は慌てていました。

「王妃様、奴ら、人攫いと同じです。しかし、王族とあっては・・」

 

 ギリッと歯がなる音と王妃の鬼の形相で猟師は声を失いました。

 

「ねぇ? あの男、あの子を殴ったわよね?」

 

 猟師は冷や汗を滝のように流しながらコクコクとうなずきました。

 

「・・・そう。ならあなたは憲兵を呼んできて頂戴。不法侵入者がいるってことでね」

「はっ・・・はい。しかし王妃様は・・・あれ? 王妃様?」

 

 瞬きをした次の瞬間。猟師は王妃の姿を見失っていました。

 

 

「小人を捕まえに来ただけっていうのに、こんなおまけがついてるなんてなぁ」

 王子は後ろで馬車にシラユキを乗せている従者に話しかけました。

 

「へへっ、まったくでさぁ。報酬は弾んでくださいよ?」

「いいだろう。今は実に気分がいい。」

「はっはっはっはっは!!」

 

 二人は大笑いしていました。

 次の瞬間

「は!? ぐぇぁ」

 従者が苦しげな声を発しました。

 

「おい、どうした? 馬使い・・・っひい」

 

 王子がたった今まで話していた部下は、地面に頭を埋めていました。

 

「王子。下がっていてください。・・・何だ、お前は?」

 

 王子を自分の後ろに隠した大男と対峙したのは、背丈は先ほどの少女と大して変わらない、黒いローブを着た女でした。

 

「お前は、後だ。先にそこのクズから」

 

 そういうや否や、黒いローブの王h・・・女性は用心棒の後ろに隠れている王子のさらに後ろに回りこみ、鳩尾に一撃。倒れ付した王子を地面から生えている従者の下まで蹴り飛ばしました。

 

「貴様・・・人間か?」

「答える義理など無い」

 言い終わると同時に放たれた王妃の拳は、しかし用心棒に抑えられてしまいました。

 

「今度はこっちの番だ!」

 用心棒はうなるように言いました。

 

「お前の番など最初から無い」

 王妃は冷たく言うと、掴まれている手を引いた反動を活かしたサマーソルトで相手を打ち上げ、地に足を着けると同時に回し蹴り、吹き飛ぶ相手にバック転で追いつき、仕上げにコークスクリューを付けた跳び蹴り。用心棒の意識を落としました。

 

「答える義理は無いのだけれど、強いて言うなら、昔やった『職業体験』かしらね。魔女の」

 

 

 

 

「あの罪人たちは隣国へ引き渡すことになった」

 

 憲兵がぼろぼろになった男たちを逮捕してから二日後、王は体験を終えたシラユキ、王妃、猟師、小人のリーダーに言いました。

 

「出来ることならギロチン送りにでもしてやりたいところだが、友好国の王子を殺害というのは流石にまずいからな」

「それにしても、この国の王族には驚かされてばかりです。王妃様が一人であんなことが出来るとは・・・恐ろしいです」

「確かに、あの跡地は凄まじかった。土妖精でもあんなのを一人で行うことはできぬよ」

「あら? 本人の前で言うのですか? いい度胸していますね」

 

 王妃の黒い笑みで、蛇ににらまれた蛙の如く二人は固まりました。

 

「いえ、褒められているのですよ、お母様。」

「そうかしら・・・まぁ、よろこんでおくわね」

 シラユキのフォローにより、男二人の呪縛は解かれました。

 

「ん・・・時にシラユキ、今回のことで実に多くのことを学んだそうじゃないか。」

「ええ。今までは出来なかった考え方も、皆様のおかげで出来るようになりましたわ。あ、お父様、本日のお夕飯は私に作らせて下さい!

 

「本当かシラユキ? よし、これから汗を流してくる。いや~、これでこの国も安泰だな!」

 

 ところが、皆が和気藹々と話をしているところに投じられる一石が・・・

「まだよ」

 王妃の言葉でした。

 

「ひとつふたつ体験したところで完成できるほど甘くは無いのよ。・・・と、いうわけで、来月行ってもらう職業をルーレットで決めます!!」

「「「「ええええ!!!???」」」

                     




最後まで読んでくださりありがとうざいます

はじめてなもので、色々とわかっていない部分が多々あります。
感想やご指摘をお待ちしております

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