軌跡の世界は、美食時代?   作:シャト6

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21話

フグ鯨を食べた数日後、キョウ達は再び特別実習の日を迎えた。

 

キョウ「ふあぁぁぁ…」

 

エマ「えっと…おはようございます」

 

フィー「おはよー」

 

キョウ「ああ。俺が最後みたいだな」

 

キョウは入り口エントランスにいるリィン達を見てそう言う。

 

ユーシス「……」

 

マキアス「……」

 

キョウ「朝っぱらから面倒な空気だな」

 

ズバッと言うキョウに、リィンとエマは苦笑いする。

 

エマ「あはは…皆揃ったみたいですね。早速出発しましょうか?」

 

リィン「そうだな…まだ列車の時間はあるけど」

 

ユーシス「フン…別に構わんぞ」

 

マキアス「…僕も異存はない」

 

フィー「それじゃあ、れっつごー…」

 

キョウ「お前は俺の背中から下りろ!」

 

そんなこんなで、キョウ達は駅へと向かった。駅に到着すると、既にアリサ達がいた。

 

ガイウス「来たか」

 

アリサ「あら、貴方達」

 

エリオット「おはよう。そっちももう出発なんだ?」

 

リィン「ああ。昼前には到着しておきたいからな。そちらはもう切符を購入したみたいだな?」

 

アリサ「ええ。帝都方面の列車が丁度来る頃合いみたいだし」

 

ラウラ「我等が向かうセントアークと、そちらのバリアハートは大体同じくらいの距離か」

 

エマ「ええ。どちらも特急を使えば5時間くらいだったと思います」

 

 

ピンポンパンポン…

 

 

『まもなく2番ホームに、帝都行き旅客列車が到着します。ご利用の方は、連絡階段を渡ったホームにてお待ちください』

 

エリオット「あ…もう来ちゃった」

 

アリサ「えっと、それじゃあ行くわね」

 

アリサ達A班はそう言い残して行ってしまった。

 

リィン「…俺達も切符を買って、バリアハート行きを待つか」

 

エマ「そ、そうですね…」

 

マキアス「…異存はない。こんな形で貴族共の巣窟に行くとは思わなかったが」

 

ユーシス「…フン」

 

そしてキョウ達もホームに来た列車に乗り込み、バリアハートを目指した。

 

キョウ(…ウゼェ)

 

エマ「えっと…と、取り敢えず実習先のおさらいをしましょうか?」

 

リィン「…そうだな。ユーシス、折角だから《バリアハート市》について概要を説明してくれないか?」

 

ユーシス「フン、別に構わないが。…そこの優秀な男に解説してもらった方がいいんじゃないか?貴族目線で語るより、さぞ批判的で気の利いた説明をしてくれるだろうさ」

 

マキアス「…くっ…僕がイデオロギーに歪んだ物の見方をしてると言うのか?」

 

ユーシス「いや、何しろ入学試験で次席を取ってる優等生どのだ。加えて日頃の脇目も振らぬ程の余裕のない勉学ぶり…さぞ教科書的な知識()()は蓄えているだろうと思ってな」

 

マキアス「!!」

 

ユーシスにそう言われ、マキアスは立ち上がる。

 

エマ「ちょ、ちょっとお2人とも…!」

 

キョウ「…鬱陶しいな」

 

『!!』

 

キョウ「さっきから聞いてりゃ、くだらねぇ事でビービー喚きやがって」

 

マキアス「な、なんだと!?」

 

キョウ「そりゃ、お前らがいりゃ前回の実習が散々な結果だった訳だ。先月お前らが付けられた評価は、最も低いE…はっきり言って試験なら赤点だな」

 

キョウは笑いながら前回の評価の話をする。

 

キョウ「テメェ等2人だけならいいが、班の評価は真面目にやったエマにも適応される。お前らのせいで他の連中が赤点になるなら、はっきり言って帰ってくれ。邪魔だ」

 

「「…!!」」

 

フィー「キョウ、なんで私が入ってないの…」

 

キョウ「お前の場合か赤点ではねぇけどギリギリの点数だろうが」

 

フィー「むぅ…納得行かない」

 

キョウ「普段の行いだな」

 

俺は再び2人を見る。

 

キョウ「これ以上いざこざを起こすなら、俺直々に手を出すからな。後は好きにしろ」

 

そう言ってキョウは眠った。


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