魔法少女リリカルなのはvivid 紅き鉄腕 作:tomato88
今回、ミカ姉登場
高町家に居候し始めてから一ヶ月が経った。 私はヴィヴィオたちと同じ学校、St.ヒルデ魔法学院の初等科4年生となった。 ここに来てからもそれなりに充実した生活を送っていると思う。
朝はヴィヴィオとともに学校に行き、授業を受け、放課後はノーヴェを交えてDSAAのための特訓。 それが終わり、家に帰るとまだ完成していないデバイス作り。 ここ最近の生活はこんな感じ。 特訓も順調。 デバイスももうすぐできる。
さて、私は今日、ノーヴェさんに連れられて道場みたいなところに来ている。 なんでも、ノーヴェの知り合いがスパーリングの相手をしてくれると言うのだ。確かにあと1ヶ月後にはDSAAが開催される。 この話は私にとって願ったり叶ったりだった。
「どうした? 随分と楽しそうだな」
「うん。 スパーなんて久々だから楽しみ」
「そりゃよかった。 今日はちょっとした仕上げの面もあるからな。 都市本戦でも上位に残ったことのあるやつだ。 胸を借りるつもりで挑んでこい」
「わかった」
そうこう話しているうちに目的地に着いたようだ。
なんというか、日本にある剣道場を彷彿とさせる建物だった。
「ここだ。 邪魔するぞー」
ノーヴェがその建物の中に入っていく。 そこに入ると1人の女性が正座をしていた。
「やぁ、いらっしゃい。 待ってたよ」
「悪りぃな。 この時期にスパーの相手、頼んじまって」
「いや、気にしなくていい。 私もちょうどこいつを試し切りしたかったんだ。 おあいこさ」
「そう言ってくれるなら助かる」
この人の特徴を述べるとするなら長い黒髪に袴。 それに豊満の胸だろうか。 名前は確か…… ミカヤと言ったはずだ。
「おっと、すまないね。 初めまして、ミカヤ・シュベルだ。 よろしく頼むよ」
「日野紅音。 よろしく」
「うしっ! 自己紹介も済んだところで、まずは1本目始めるか!」
その言葉に私たちは頷き、準備にはいる。 彼女の武器は刀だったはずだ。 天瞳流抜刀居合術だったか? これならノーヴェが簡易デバイスを持ってこいと言った理由もわかる。 いくら、魔法があるからって破れてしまってはどんな怪我をするかわからないからか。 心配性のノーヴェのことだ、たぶん間違っていないと思う。
「お互い準備は済んだな? よし! まずは1本目、始め!」
私は今回、鉄腕は使わない。 最初だからという理由もあるが、私自身の、鉄腕を使わない時にどのぐらいのダメージを与えられるか確認したいからだ。
「ふむ…… 動かないのならこちらから行くぞ」
その言葉通り、彼女は刀にかけていた手に少し力を入れ、一気に引き抜いた。
「水月!」
「……っ!」
速い。 ほとんど何も見えないぐらい速い。
だから、私はほとんど勘で刀に拳を合わせた。 だが、ただ合わせただけの拳、簡単に吹き飛ばされる。 だけど、その吹き飛ばされた流れのまま後ろに飛び、被弾は免れた。
「ふむ…… あれを初見で避けるか。 これはナカジマちゃんが気に入るのもわかるな。 実にいい素材を持っている。 だけど、まだ判断力が鈍いね。 私が居合を使うとわかった時点で君は接近戦に持ち込むようにするべきだったよ」
「あなたの居合がどんなものか確認したかったからだけど、そんなものいらなかった。 ごめんなさい。 私は自分の力を過信しすぎてたみたい」
本当に失礼なことをした。 相手は都市本戦に出場経験のある選手だ。 ノーヴェだって言ってたじゃないか「胸を借りつもりでやれ」って。
なら、これは実戦だ。 やらなきゃやられる戦場だ。
「よし。 第二ラウンドといこうか。 そんなにダメージはないのだろう?」
「うん。 行きます。 おいで……紅」
私は鉄腕を呼び出す。 だが、その時。
「邪魔するぜー、ミカ姉」
さらなる相手が現れた。
次回はあの方登場