魔法少女リリカルなのはvivid 紅き鉄腕   作:tomato88

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閲覧有難うございます。
今回は非難覚悟の回です。 その点を踏まえて読んでください。


DSAA 1ヶ月前 その3

「全力で、やる!」

 

そう叫んだ彼女の腕には私たちの見慣れたものが装着されていた。

「……ちょっと待て。 お前のそれはなんだ?」

「鉄腕だよ?」

「や、やっぱり鉄腕なのか!? み、ミカ姉! もういうことだよ!?」

「私も驚いているよ。 本当にあったとはね」

 

ハリーが驚くのも無理はないと思う。 私だってナカジマちゃんから聞かされた時は半信半疑だった。 実際にその目で見るまでは。 私との対戦で使おうとしていたのもあれなのだろう。

 

それにしても

 

「武器のコンセプトとしては決して珍しいものじゃないけど、鉄腕はジークが持っているもの1つしか存在していないと聞いたことがあるよ」

「模倣品を疑ってるなら違うと断言できるよ。 あれは本物だ」

「その自信は一体どこから出てくるんだい?」

「まぁ、見てれば分かるさ」

 

紅音ちゃんとハリーの戦闘は紅音ちゃんの不利な状況で進んでいる。 ハリーの弾幕が濃いので思うように接近できないのだ。 だが、1つ1つを丁寧に回避し、防御している。 ハリーも攻撃が当たらずイラついている様子がある。

そろそろ4分経つ。 1R目、終了が近い。 さっき「鉄腕を持っていようとルーキーには負けねー!」と息巻いていたせいもあるのかもしれない。

 

「1R目、終了! 紅音はちょっとコッチ来い」

うーん…… 1Rが終わったがどうしてあそこまでナカジマちゃんが自信を持っているのかがわからないな。

 

「ミカ姉。 あの鉄腕本物かよ? ジークしか持ってないんじゃなかったのか?」

 

やはり、ハリーも気になっていたのか。 確かに、防御性に問題は無さそうだ。 これはダメージ量からも明らかだ。

……ん? 紅音ちゃんのダメージ量、150だけとは些か少なくないか? 時々、ハリーは爆撃も混ぜていたはずだ。 防御したとしてももう少しダメージがあってもよさそうなものなのだが……

「ナカジマちゃんが言うには本物らしいよ。 ただ、あの自信のある顔、気になるね。 もしかしたら何かあるのかもしれない」

「どうなんだろうなぁ まぁ、ジークとやる時の予行練習のつもりでやってやる! 鉄腕を使っている時のジークは打撃が主体だからな。 似たようなもんだろ」

 

ナカジマちゃんがハリーのことを呼んでいる。 そろそろ2R目を開始するのだろう。

 

「何にせよ、油断はしないようにね。 懐に潜り込まれたら危険だと思うよ」

「忠告ありがとよ! そんじゃ、まぁ、行ってくるぜ」

 

2R目も展開は同じだ。 ハリーが撃って紅音ちゃんが避ける。 これの繰り返し。 少しぐらい攻めないと試合にならないと思うけど……

 

「紅音ちゃんはどうして無理をしても攻めに行かないのかい?」

「あー なんていうかべきか…… 今のあいつは魔力を調節する暇がないんだよ。 あいつの魔法はノータイムで撃つのは危険だからな」

 

まだ、魔法を使用するのに慣れていないということなのかな? でも、ナカジマちゃんが教えているのなら、まずはそこを直すと思うのだけど……

 

「魔力制御が致命的に下手というわけではないんだよね?」

「そうだな。 むしろ上手い方だと思うよ? 炎熱に変換した魔力をわざわざ普通の魔力で薄めたりしてるからな」

 

……どういうことだ? それではただ、魔法の威力を低くしているだけじゃないか。

 

「あいつの魔力は濃すぎるんだよ。 ほとんどマグマみたいなもんだ。 いくら非殺傷設定だからと言って人に向かって撃っていいもんじゃねぇ」

「マグマ? そんな変換資質存在するのか?」

「まぁ、こいつを見てみてよ」

 

ナカジマちゃんがジェットエッジを手渡してくる。 そこにはホログラムが写っている。 何かの写真なようだ。

これは…… 山でも噴火したのかな? 辺り一面火の海だ。

 

「これはなんだい?」

「エリオとキャロが送ってきた写真だよ。 初めて紅音が魔法を使った時のものだってさ」

「……え?」

 

これが魔法を使った後? こんなことが可能なのか?

 

「さっきの鉄腕のことなんだけどさ、あれはチャンピオンが使っているものとは少し違うんだよ。 元々の鉄腕の攻撃力と防御力。 それに加えて紅音自身の魔法から身を守るためのものでもある」

「そうだったのか…… いや、それだけじゃないはずだ。 君のあの顔はもっと、こう、イタズラを考えているような顔に近かったよ」

「あー…… ばれてたのか。 紅音が防御した時をよく見てみてよ」

紅音ちゃんを? ふむ。 特に変わっているようなことはないと思うけど……

いや、なんだあれは? ハリーの魔法が吸収されているように見えるぞ。

 

「見えたか?」

「あぁ。 鉄腕にぶつかった魔法が吸い取られているように見えるね」

「それでだいたい正解だ。 あの鉄腕には炎熱に変換された魔力だけを吸収して保管。 そして、その魔力を外部へ放出することができるらしい。 まぁ、一種のロストロギアさ」

 

現代の武器に触れただけて魔法を吸収するものは存在しない。 魔法戦技では魔法を受け流す技術もあるが吸収とは違う。

 

「逆に言えば、炎熱に変換された魔力じゃないと吸収できないんだけどな。 本当にほんの少しの違いしかないんだよね」

「それだけでもかなりのアドバンテージがあると思うけどね。 まぁ、ハリーにしたら天敵以外の何物でもないな」

 

ナカジマちゃんが言っていた鉄腕からの吸収された炎熱の魔力を放出するというのはあれか。 紅音ちゃんの腕が炎に包まれている。

それに、そろそろ終わりが近づいてきてるな。 ハリーの魔力切れが近いようだ。

 

「ハァハァハァ…… いくらなんでもしぶと過ぎるだろ……てめぇ……」

「ハァハァ…… ボクサーにスタミナは重要だから…… 私は特に減量とかないし……」

「仕方ねぇ! ここからは殴り合いだぁ! いっくぜー!」

「殴り合いなら負けない!」

 

この殴り合いを制したのは僅差でカウンターを当てた紅音ちゃんだった……

 

▽▽▽

 

 

「かぁー! 負けたぁー!!」

「鉄腕のおかげ」

「まぁ、魔法を吸収されたらそれは勝てないだろう」

 

あの殴り合い。 なかなかに見応えがあった。 ハリーは自分の頑丈さを押し出したような一撃必殺を狙い、紅音ちゃんはその1つ1つにカウンターを当てていった。 だが、ハリーだってただ大振りしているのではなく、レッドホークで牽制しながらの攻撃だった。 それまで全てを躱していたのだから凄いことだ。

 

「次はぜってぇ負けねぇからな!覚えてけよ!!」

「私だって負けるつもりはない」

あの2人、なんか仲良くなれそうだ。 炎熱の変換資質持ち同士通じるものがあるのかもしれないね。

 

「さて、次はどうしようか? 紅音ちゃんは連戦だから休ませるとして…… ハリーはやれるのかい?」

「当たり前だ。 去年の借り、ここで返すぜ!」

 

この後も、ローテーションで順番を回し、かなりの数、試合数をこなした。

今日は身のある練習になった。

ここに来て、かなりの強敵が現れた。 私も参加資格があるのは今回を含めてあと3回。 今年も楽しくなりそうだ……




次回はデバイス回……かな?
あと、合宿での陸戦試合ですが、あの時の紅音の魔法は時間をかけたので打てたようなものです。 他はだいたいアギトの魔力です。
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