魔法少女リリカルなのはvivid 紅き鉄腕   作:tomato88

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デバイス完成

ミカヤとハリーとのスパーをした1週間後、ついに私のデバイスが完成した。

 

「で、できた……っ!」

「どれどれ〜 うん! バッチリだよ!」

「ありがとう、シャーリー。 せっかくの休みなのに手伝ってくれて」

「いえいえ、なのはさんの頼み事だからね! それに、頑張ってる子を応援したくなるのが大人ってものよ!」

 

シャーリーにはよく手伝ってもらっていた。 私の知識では現代の魔法に合うプログラムが作れなかったからだ。 私の持っている知識は今でいうベルカ式と呼ばれるものらしい。 私の砲撃はミッドチルダ式なので、どうしてもそのプログラムを作る必要があった。 それをなのはに相談したときに紹介されたのがシャーリーだった。

 

「さて、あとはマスター認証だけだけど、今しちゃう?」

「今日はナカジマ家に泊まりにいくからその時にする」

「わかった! それじゃあお茶にしましょうか。 紅音ちゃんは緑茶がいいんだっけ?」

「うん、そう。 お願い」

「はーい! ちょっと待っててねー!」

 

そう言ってシャーリーはこの部屋に備え付けられている台所へと向かった。 この部屋はシャーリーの趣味である機械を作るためにわざわざ買った部屋だそうだ。 設備も最新のものがほとんどでどれだけのお金をつぎ込んだのが想像することができない。

 

「お待たせ〜! はい、緑茶!」

「ありがとう」

「それで、どう? 自分で1からデバイスを作り上げた感想は?」

 

ミッドチルダに来て1ヶ月間、知識と手に残っている感触を頼りに作ってきた。最初は順調だった。 元々テーマは決まっていたしベルカ式の魔法のプログラムはすぐに作れたからだ。 しばらくするとミッドチルダ式の魔法のプログラムを作ろうとしたが、これがうまくいかなくて全く製作は進まなかった。

その時にシャーリーを紹介してもらい、なんとか先に進むことができた。 そして、ついこの間、外装が完成し、今日、中身の最終確認をシャーリーにお願いしたのだ。

 

「これでやっとスタートラインに立ったって感じかな。 これからこの子と一緒に歩いて行くんだって」

「ふふっ! 大切にしてあげてね!」

「もちろん」

 

この後、ノーヴェが迎えに来るまでシャーリーと新デバイスの意見について議論していた。

 

 

▽▽▽

 

 

 

「いらっしゃいッス〜!」

 

ナカジマ家へと到着した私が最初に見たのはノーヴェに少し似た赤毛の女性だった。

 

「ウェンディ、わざわざ外で待ってたのか」

「ノーヴェの教え子が泊まりに来るって聞いたッスからね! これは妹の私が最初に合わなくてどうするッスか!?」

「はいはい。 ひとまず、そこどけ。 家に入れねぇだろうが」

「す、すまないッス。 紅音も、どうぞ入ってくださいッス!」

「お邪魔します」

 

中に入るといい匂いが漂ってきた。 お腹減ってきた……

 

「今日は特別ゲストも来てるッス」

「あ? 特別ゲスト?」

 

なら、今日は私以外にも誰か来ているのか。

 

「たぶん、紅音もすぐに仲良くなれると思うッスよ!」

「あぁ、だからスバルもいるのか」

 

スバルの関係者?

 

「それじゃあ、どうぞッス」

「今日は泊まるんだろ? 自分家だと思ってゆっくりしていってくれ」

 

通されたのはリビングだった。 中には5人の人がいて、スバルと茶髪の少年と初老の男性。 それと小柄な銀髪の女性と茶髪の女性。 さっき言っていた特別ゲストとはあの少年のことだろう。

 

「おう、来たか。 俺がこの家の家主のゲンヤ・ナカジマだ。 今日は人が多いがゆっくりしていってくれ」

「は、はい。 日野紅音。 よろしく」

 

この人が家主…… うん、優しそうでよかった。

 

「私はチンク・ナカジマだ。 これでもこいつらの姉だ。 よろしく頼む」

「それで私がディエチ・ナカジマ。 よろしくね」

 

銀髪の方がチンクで茶髪の方がディエチ…… うん。 覚えた。

「よろしく。 チンク、ディエチ」

「紅音〜! ちょっとこっちおいでー」

 

スバルに呼ばれてリビングにあるソファーの方に近づく。

 

「なに? スバル」

「ほら、ダメだよ? 挨拶しないと」

「わ、わかってるよ! えと、初めまして! トーマ・アヴェニールです! 紅音……だよね? 俺のことはトーマって呼んでよ。 よろしく!!」

 

トーマ…… うん。 大丈夫。

 

「日野紅音。 よろしく、トーマ」

「う、うん!」

トーマとは仲良くなれそうだ。 ウェンディが言ったとおりかもしれない。

 

「私はギン姉の方を手伝ってくるから2人で仲良くね!」

 

そう言ってスバルはキッチンの方に向かっていった。

 

「ねぇ、トーマ。 ギン姉って?」

「スゥちゃんのお姉ちゃんでナカジマ家の長女だよ」

「この家の子は一体何人いるの……」

 

ゲンヤはすごいな。 この人数を1人で育ててるのか…… 私には想像つかないな。

 

「紅音はノーヴェ姉に格闘技教わってるんだよね? 紅音にとってノーヴェ姉ってどんな感じ?」

 

私から見たノーヴェ。 まぁ、決まってるよね。

 

「優しい師匠。 私たちのこといつも考えてくれてるし。 そういうとこ、私は好きだな」

「よかった。 そう言ってもらえると俺も嬉しいよ」

 

そういうトーマは本当に嬉しそうだった。 たぶん、ヴィヴィオもコロナも同じこと言うんだろうなぁ……

 

「あたしは背中がむず痒くなるけどな。 そう言われると」

「あ、ノーヴェ姉! 久しぶり!」

「おう。 久しぶりだな、トーマ」

 

ノーヴェが着替えから戻ってきた。 いつも会うときはジャージだから私服姿は新鮮だ。

 

「そういや、デバイスのマスター認証いつやるんだよ?」

「夕食後にしようかなって。 使用感も少し試したいし」

あの子の感触はまだ試してないし。 こんなに多くの強者がいるんだ。 いいアドバイスがもらえるかもしれない。

 

「え? デバイスって?」

「あぁ、こいつは自分のデバイスを自作してたんだよ。 マスター認証はまだ終わってないらしいけどな」

「え!? すごいなそれ!?」

「そんなことない」

 

多くの人に手伝ってもらったし。 アドバイスもいっぱいもらった。

 

「そんなことないよ! 充分凄いって!」

「そ、そう……? ありがとう……」

 

私は褒められるのに慣れていない。いつもそっぽを向いてしまう。 直そうと思ってるけど状況は良くならない。

 

「お前ら飯だぞ、って何してんだ?」

「なんでもない。 お腹すいたし、早く食べよ」

 

私は照れ隠しにさっさとテーブルの席へと向かった。

 

▽▽▽

 

 

夕食、美味しかった。 偶には大人数で食べるのもいいな…… そう思う夕食だった。

ギンガは色んなものをよそってくれたりしたし、ゲンヤからはおかずを少しもらった。 チンクとディエチは色々と優しくしてくれたし、ウェンディはノーヴェの昔話やらで笑わせてくれた。 あの時のノーヴェの慌て様は見ていて面白かった。

うん。 いい家族なんだってよくわかる風景だった。

 

……さて、そろそろやるか。

 

「お? そろそろやるのか」

「なになに? 何かするッスか?」

「これから、私のデバイスのお披露目とマスター認証する」

「私たちも参加していい?」

「うん。 もちろん」

 

ギンガの質問に私は許可を出す。 わざわざ、みんなが集まったこの時を待っていたんだ。 ダメなんて言うはずない。

「それじゃあ、開けるよ」

みんなが息を飲む音しか聞こえない。 場は静まり返っている。 私はデバイスが入っている箱をそっと開けた。

 

「ワン!」

 

そこに入っていたのは1匹の犬。 この子が私のデバイス。

補助・制御型でぬいぐるみ外装のクリスタルタイプ。

 

「こりゃたまげた。 まさか可愛いワンちゃんが入ってるとは思いもよらなかったよ。 その犬種、柴犬かい?」

「うん。 私が昔、飼っていた犬種。 動物型もあるって聞いたからやっぱりこれかなって」

昔、怪我をしてたのを見つけて保護したあの子。 クリスタルタイプがあってぬいぐるみ外装にできると聞いた時からこの子を考えていた。 うん。 やっぱり相棒をこの子にして良かったと思う。 まだ早いかもしれないけど。

 

「いいッスねぇ〜! 可愛いッスねぇ〜!」

 

そう言いながらウェンディは犬を撫でる。 よく見ると他の人もちょっとうずうずしている。 途中で釘をさすべきかもしれない。

 

「ウェンディ、そろそろ始めたいから後にして」

「うぅ〜! どうぞッス……」

 

名残惜しそうにこちらに渡してくる。 確かにこの子、撫で心地いいんだよね。

 

マスター認証は外で行う。 中でやると色々と危ないのだ。

全員が外に出たのを確認して、私はマスター認証を始める。

 

「マスター認証、日野紅音。 術式はミッド混合のベルカ主体。 名前は『紅葉』 セットアップ!」

 




デバイスの名前はもみじです
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