魔法少女リリカルなのはvivid 紅き鉄腕 作:tomato88
この話では一番上がエリートシードとなっています。
聖王教会での練習から2日経った。 そろそろDSAAの書類が届く頃だろう。 そう思ってノーヴェに電話で聞いてみたところ、もうすでに届いていたようだった。
「悪いな。 こっちから連絡しようと思ってたんだが、都合がつかなくてな」
「別にいいよ。 それより、どうだった?」
「えーと、これだな。 お前は……予選1組だな」
予選1組…… つまりは去年のチャンピオンがいるブロックか。
「ジークリンデ・エレミアのいるところ……」
「あぁ。 こいつを倒さなきゃ都市本戦には行けねぇ。 厳しい戦いになると思う。 だが、あたしはお前なら勝てると思ってるよ。 まぁ、まずは順調に勝ち抜くことが大事だがな」
「そうだね。 頑張るよ。 ね? 紅葉」
「ワン!」
負けるつもりはない。 みんなの応援に応えたい。 そういう気持ちより私にとって今は楽しみの方が大きかった。
▽▽▽
「待ちに待ったDSAA本番だね! ヴィヴィオ!」
「うん! しっかり紅音を応援しようね!」
今日はDSAAの選考会です。 今日の結果次第でどこのクラスに入るのかが決まります。 初参加だとエリートクラスに行くことはほとんどないのできっと紅音はスーパーノービスに行くと思いますけど、何があるかわかりません。 しっかり応援したいと思います!
「紅音の番が来たみたいだよ!」
コロナも今朝からテンション上がりまくりです。 それはそうと紅音の番が来たようです。 いつ見ても落ち着いてるように見えるな〜!
「それじゃあ、せーの!」
「「紅音! ファイト〜!!」」
▽▽▽
「「紅音! ファイト〜!!」」
観客席から2人の応援が聞こえた。
「ヴィヴィオとコロナがお前のこと、応援してるな」
「恥ずかしい……」
相手から変な目で見られているような気がする。 かなり恥ずかしかったが、2人が応援してくれるのは素直に嬉しい。 うん。 大丈夫。 やれる。
「そんじゃ、行ってこい」
「うん」
ノーヴェとはもう既にどう動くか話し合った。 気分は高揚しているが頭は冷静だ。 それがノーヴェもわかっているから特に口は出さなかった。
相手も格闘家タイプ。 あの構えだと、スバルと同じシューティングアーツかな?
ホイッスルが鳴る。 試合が開始された。
「先手必勝! えぇい!」
相手が真正面から突っ込んでくる。 遅いわけではないがシャンテやヴィヴィオに比べると格段に遅い。
これなら……
「これでおしまい」
伝家の宝刀、カウンター。 突っ込んできた相手からの右ストレート。 それに合わせたカウンター。 試合時間、10秒。 私のDSAA初試合はこれで幕を閉じた。
▽▽▽
「はいよ、お疲れさん」
「ありがとう」
ものの数秒で試合を終えた私は着替えて結果を見に行ったノーヴェを待っていた。 そして戻ってきたノーヴェがジュースを手渡してきた。
「結果は?」
「スーパーノービス。 まぁ、初参加じゃなきゃエリートは確実だったろうな」
やっぱり初参加だと無理か……
「まぁ、一回でも勝てりゃエリートクラスだ。 そう落ち込むなって」
「わかってたことだし、大丈夫。 それよりもみんなと合流しよ?」
「そうだな」
ヴィヴィオたちのいる観客席に行く途中、ハリーとその取り巻き3人と出会った。
「よぉ! 紅音。 試合、見てたぜ」
「うん。 どうも。 ハリーから見て、試合、どうだった?」
「悪くなかったんじゃねーか? オレとやった時よりは強くなってるように見えたぜ? まぁ、数秒だけだったからまだわからねーけどな」
「それもそうだね」
私たちがそれなりに仲良く話している風景を見て、ハリーの取り巻きがひそひそと話している。 少し聞こえる内容は「あいつがリーダーを倒したっていう……」 「あの後、泣いて大変だったよなぁ」 「ちょ、お前ら」
そんな会話がハリーにも聞こえていたのだろうか、目に涙を溜めてプルプルと震えている。
「お前らぁ! 変なこと言うんじゃねぇ!」
「「「す、すみません〜!!」」」
そう言って取り巻き3人は走って逃げてしまった。
「お前ぁ! ちょっと待てー! 悪いな紅音、また後でな」
ハリーも3人を追いかけて行った。 そして、残された私たちは再びみんなの元へと向かった。