魔法少女リリカルなのはvivid 紅き鉄腕   作:tomato88

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身元と謎

「それでエリオ。 話って何かな?」

僕は今、やっと時間の空いたフェイトさんと電話している。 既にあれから3日が経った。 僕とキャロは一応の保護者役として紅音の側に最低でもどちらかが近くにいる様にしていた。 だが、それを見た隊長が気を利かせて「重要参考人の保護及び警備」と言う任務をくれた。これで二人で付きっ切りで面倒を見ることができる。

「3日前、スプールスで未確認の大きな魔力を感知したんです。 それで調査に行ったところ一人の女の子が現場で倒れていたので保護したのですが、その子がフェイトさんの名前を知っていたので何かわからないかと思いまして」

「んー、それはどんな子なの?」

「えっと、写真がありますので。 えーと、はい。 この子です。 名前は日野紅音と名乗っており記憶がーーフェイトさん? 聞いてますか? フェイトさん!?」

「嘘……っ! なんで……」

 

フェイトさんがかなり狼狽えている。 やっぱり知っていたか……

「フェイトさんはこの子のこと知っているんですか?」

「うん…… この子は私の友達。 でもーーー

▽▽▽

 

 

「あ、お疲れ様、エリオくん! フェイトさんに聞いて何かわかった?」

「うん。 だいたいのところは。 それにしても紅音はなにをやってるの?」

「私にもわからない。 「それ、見せて」って言われたから渡したら何か始めちゃって…… 変なことしてなければいいんだけど……」

「でも……あれって確実に中のプログラム弄ってるよね?」

「え? あ!? 本当だ!? えー……どうしよう……」

「まぁ、なんとなるんじゃないかな。 たぶん」

「たぶんって、エリオくん……」

そうこう話しているうちに彼女がデバイスを弄るのを終えたらしい。

「これ、面白いね。 無駄なプログラムやバグ、消したから。 使いやすくなってると思う」

「え? ちょ、ちょっと試してくる! エリオくん、紅音ちゃんのことよろしくね!」

「え、あ、うん! わかった」

そう言ってキャロは走り去ってしまった。

この一連の行動に僕はさっきのフェイトさんとの話を思い出していた。

ーーでも、彼女は行方不明なの」

「え? 行方不明?」

「うん。 闇の書事件、エリオも知っているでしょ?」

「は、はい」

「その事件が終わった後、彼女、事故に遭ったの」

「事故……ですか」

「そう。 彼女には焔さんっていうお姉さんも居たんだけど、そのお姉さんと一緒に事故に遭って、お姉さんは死亡。彼女も意識が戻らなかったの」

「どんな、事故だったんですか?」

「えっとね、確か居眠り運転のトラックによる事故……だったかな? でね? お姉さんは下半身が潰れちゃって、紅音もぶつかった衝撃で心臓の活動がほとんど停止、それにトラックの破片が左目に刺さったらしくて……」

「え?!」

「うん。 それでお姉さんの要望で紅音に心臓と片目を移植したことで紅音が生き残ったって聞いたよ」

「そんなことが……」

「その後、しばらくしてから紅音が病院から姿を消したの。私たちも探したんだけど見つからなかった」

「その話を聞くに彼女は時間移動をしてきたんでしょうか?」

「それはわからないけど…… でも、よかったよ。 紅音が生きてくれて」

「そうですね。 あ、最後に一つ」

「ん? どうしたの?」

「紅音は当時、魔法について知っていましたか?」

「知らなかった、はずだよ? それがどうかした?」

「いえ、なんでもありません。 では、また何かあったら連絡します」

「うん、お願いね」

ーーエリオ。 ねぇ、エリオ。 聞いてる?」

「あ、ごめん。 ボーとしてたよ」

フェイトさんとの話を聞いて、疑問の幾つかは解決できたが、それでも彼女には謎が残っている。 フェイトさんの話では紅音は魔法について何も知らなかったはず。 名前すらも。 だけど、こっちに来た時には魔法について知っていた。 これはどういうことなんだろう? ここに来る前にどこかの世界にいたのか? それとも元々知っていた?

それにーー

 

「エ、エリオくん! ケリュケイオンの魔法の発動が1.5倍も速くなってる!!」

 

そう。 キャロのデバイスを弄っていた時から思っていたが、紅音はデバイスについて知り過ぎている。 知識としてではなく経験として。 一体、彼女は何をしていたのか。 正直予想がつかない。

 

確か、一ヶ月後に合宿があった筈だ。 これは危険を冒してでも連れて行った方がいいかもしれない。




次回、合宿編です

追記

事故のことを闇の書の事件の後、ということに書き換えました。

追追記

紅音の失った方の目を具体的にしました。
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