魔法少女リリカルなのはvivid 紅き鉄腕   作:tomato88

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閲覧ありがとうございます。

今回はオチも何もない日常回です。 ヴィヴィオの回想として書いているので、少し読みにくいかもしれません。 ここら辺が読みにくいなどがありましたら、教えてくれると助かります。


高町ヴィヴィオの1日

「紅音! 朝だよ! 早く起きて〜! 学校に遅刻しちゃうよ〜!!」

「ん……あと5分……」

 

紅音がスプールスから帰ってきた次の日、案の定と言うか、紅音は起きてこなくて、結局、いつも通り私が起こす羽目になったのですが……

「なのはママ〜! 紅音起きないよ〜!」

 

余程疲れていたのか全く起きる気配が全くありません。 いつもだったらもう少し起きやすいのですが……そういうわけで! 今回は対紅音起こしヴィヴィオ最終兵器! なのはママを呼ぶことにしました。 紅葉を作っていた時などはいつもこんな感じだったので私が呼んだらすぐになのはママは来てくれました。

「もう、いつも言ってるでしょ〜。 紅音ちゃんを起こすときはこうやって、よいっしょ! 一気に布団を取り上げるのが1番早いんだよ〜」

「お〜!! パチパチ」

「う〜……」

 

紅音の一瞬の隙をついてなのはママは一気に紅音が包まっていた布団を剥ぎ取りました。それはもうプロの技です。 布団を剥ぎ取られた紅音はしばらく、紅葉を抱いて暖を取ろうとしていましたが、とうとう観念したのかゆっくりとした動作で起き上がりました。

 

「おはよう……」

「う、うん! おはよ〜」

 

紅葉を胸に抱きながら半目で目を擦っている紅音は私より年上ということを忘れてしまうぐらい可愛いんです! なんなんでしょうか? こう……守ってあげたくなるような感じでしょうか? 合宿の時にコロナが紅音のこの表情を見て鼻血を出したのはナイショです!

 

「じゃあ、ヴィヴィオ。 ママは先に下に戻ってるから、紅音ちゃんの着替え手伝ってあげて」

「はーい!」

 

まだ寝惚けている紅音を起こして、着替えを手伝います。片手だけじゃあボタンが締めにくいですからね。

 

「早く治らないかな」

「体、鈍っちゃうもんねぇ」

「うん。 それに、着替えられないし、食べづらいし、お風呂入りにくいし」

「あはは……」

 

話しながら2人一緒にリビングに行きます。テーブルの上にはもうすでに朝食が準備されていました。 パン、ベーコン、スクランブルエッグに色とりどりのサラダ。 とても美味しそうです。

 

「ふぅ…… これは食べさせられなくて済む……」

 

隣にいる紅音がぼそりと言った言葉が私の耳に入ってきました。 これを逃す理由がありません。

 

「紅音……その、迷惑だった……かな?」

「え!? い、いや、別に、そういうわけじゃ……」

「紅音のためを思っての行動だったんだけど、迷惑だったよね? ごめんなさい……」

「謝らないで。 ヴィヴィオが私のために色々とやってくれてるのはわかってるし、嬉しいし、感謝もしてる。 ただ……慣れてないから……ちょっと恥ずかしくて……」

 

顔を真っ赤に染めながらそう言う紅音は可愛くって。 イタズラが成功した私はつい顔をニヤけさせてしまいます。 その顔でバレたのか紅音が更に顔を真っ赤にしながら。

 

「ヴィ〜ヴィ〜オ〜!」

「えへへ〜。 ごめんなさ〜い!」

 

2人してリビングの前でふざけていたらママからのお叱りの言葉が飛んできました。 早く朝食を済ませないと本当に遅刻してしまう時間になってしまいました。 私たちは急いで、それでもしっかりと味わって朝食を食べ、学校へと向かいました。

 

 

▽▽▽

 

 

 

「コロナ〜! おはよー!」

「おはよう、コロナ」

「こぎげんよう、紅音、ヴィヴィオ」

 

学校の前で出会ったコロナを含め3人で教室まで向かいます。 紅音の教室は私たちの教室の少し奥なので途中まで一緒なんです。

 

「そういえば、2人は昨日のDSAAの試合は見た?」

「うん! 見たよ〜」

「見てないけど、ハリーが勝ったことだけは知ってる。 ガンガン連絡来てた」

「あー、あのメール、ハリー選手からだったんだ」

「そうだったんだ〜。 紅音、そのメール差し支えなければ見せてもらってもいいかな?」

「いいよ。 えーと……これかな」

 

ホログラムに映し出されたメールに書かれていた内容を要約するとこんな感じです。

 

『今日の試合見てくれたか? 5回戦突破だぜ! 次、勝ったら本戦だ。 お前の分までオレがジークをぶっ倒してやるからよ! 楽しみに待ってろよ!

P.S. 冬にミッドチルダで開かれる大会にオレは参加するつもりだからよ。 お前も腕が治ってたら是非、参加してくれよな!』

 

本当はもっと色々と書かれていたのですがだいたいこんなことが書かれていました。 絵文字もふんだんに使われていて、なんというか、ハリー選手って可愛い人なんだなーって考えたりします。

 

「ハリー選手って砲撃番長って呼ばれてて怖いイメージがあったけど、全然そんなことないよね〜」

 

コロナも私と似たり寄ったりの感じ方でした。 紅音はというと。

 

「偶に、なんであんな格好してるんだろうって思うときがある。 がっつり魔法少女っぽいの着てそうなのに」

 

なんか変な方向に向かっていました。

 

そんなこんな私とコロナは教室の前で紅音と別れました。 授業を受け、今は昼休み。 コロナと今日はどこで食べようかと話しながら紅音を教室まで呼びに行きます。 実は紅音のカバンには紅葉が入っているのでお弁当はいつも私が持ってたりします。 なので、最近は3人で食べることがほとんどです。

 

「すみません。 紅音いますか?」

 

扉の前の席の先輩に頼んで紅音を呼んでもらいます。

 

「紅音ー! いつもの子が呼んでるよー!」

「わかった。それじゃあ、また後で」

「はいはーい」

ここに来ると紅音はいつも誰かしらと一緒にいるので少し安心したりします。 紅音の交友関係って広いんですよねぇ。

「お待たせ。 どこで食べる?」

「天気も良いし、中庭とかはどう?」

「いいね。 ヴィヴィオもそれでいい?」

「うん! いいよ〜」

 

場所が決まったところで、中庭に移動しました。 多少混んでいたのですが運よく、1つ空いているベンチを見つけ、そこに座ってお弁当を食べます。

 

「はい、紅葉のはこれね」

「わん!」

 

サンドイッチを齧りながら、何気なくしゃがんで紅葉にご飯をあげる紅音を眺めていると、ふと、ある疑問が浮かんできました。

 

「ねぇ、コロナ。 ぬいぐるみ型のデバイスってご飯、食べれたっけ?」

「え? んー、どうなんだろ〜?」

 

そう、すっかり忘れていたのですが紅葉はデバイスなのです。 私の近くにぬいぐるみ型のデバイスがないからなのかも知れませんが、ご飯を食べるデバイスなど聞いたことがありませんでした。

そういうわけで、紅音にその疑問をぶつけてみました。

 

「なんで紅葉はご飯を食べるのかって? それは、アギトやリインと一緒だよ」

「どういうこと?」

「紅葉はぬいぐるみ外装のクリスタルタイプのデバイスだけど、実はほとんど本物の犬と同じ構造になってる」

「それって脳とか内臓とかってこと?」

「うん、そう。 だから、体を動かすためには栄養を取らなくちゃいけないからご飯を食べる。 ユニゾンデバイスと似たような構造だね」

「「へ〜」」

 

私とコロナ、2人して驚嘆の声をあげます。 正直、紅葉がそういう構造だとは知りませんでした。 初等部ではユニゾンデバイスについてなんて授業、ありませんからね。 高等部までいくとどうなのかは知りませんが。

 

「とりあえずはデバイスでも普通の犬と変わらないってことだよ。 さ、早く食べないと午後の授業遅れるよ」

そう言って、紅音は私たちに笑いかけてくるのでした。

 

 

 

▽▽▽

 

 

 

「ん〜! あともう少しだ〜!」

「ふふ、お疲れ様。 ココアで大丈夫だったかな?」

「うん! ありがとっ!」

「それにしても、その日記、長く続いてるね〜」

「でしょー? もう最近なんて書いてないと落ち着かなくて〜」

 

この日記は初等部に入った時、学校で出ていた宿題の延長です。 最近の内容は紅音と遊んだことや、コロナと読んだ本の感想、ノーヴェが教えてくれた技や戦術。 その他にも様々なことを書いてあります。

 

「どれどれ〜? ママにも見せて〜」

「いいよー」

 

この日記を読んでいると私は私なんだ!という実感が湧いてきて…… 今では私の宝物の1つになっています!

 

「へ〜 こういう練習してるんだ〜。 あ、これとか使えそう」

「パクるの禁止〜!」

「えー ケチー」

「ヴィヴィオ、ケチじゃないもーん」

 

ママとのお話がひと段落したところで、本日の日記もあと少しです。 よし! 頑張るぞー!

 

 

 

▽▽▽

 

 

 

学校も終わり、ノーヴェの時間が空いているということで今日は練習があります。 なんやかんやみんなで最後に練習したのは1週間以上前の話です。

 

「紅音はヴィヴィオを見ておいてくれ。 コロナはあたしと練習だ」

 

練習に参加できない紅音は私のパンチを見てくれることになりました。

 

「ほっ! やぁ! はぁ!」

 

ミットなどは使わずにひたすらにシャドーを繰り返します。 勿論、相手のイメージは紅音です。 避ける。避ける。打つ。避ける。 その繰り返しです。

 

「ストップ。一旦、休憩」

「ふぅ。 3分間打ちっぱなしってなかなかキツイんだねぇ〜」

「魔法戦競技は4分間なんだけどね。 でも、最初からそこまで長く出来ないから徐々に長くしていくよ」

「はーい!」

今日は3分シャドーをし、1分休憩。 それを今回は2回で1セットとし、3セット行いました。 終わった頃にはもうヘトヘト。 足は動かない、腕は持ち上がらない、そんな状態でした。

 

「紅音の見てたらもう少し楽そうだったんだけどなぁ〜」

「ヴィヴィオはちょっと腕が大振りなんだよ。 もっと1回をコンパクトに。 しっかり腰と背中を使ってやらないと」

「うぅ〜 もうちょっとだけ待って……」

「休憩は長めに取ってるからゆっくりしてて大丈夫だよ。 じゃあ、私はコロナの方見てくるね」

 

そう言って紅音はコロナとノーヴェがの方を見に行きました。 1人残された私は息を整えてから先ほど紅音が言っていたことを頭の中で反復させながら、パンチを出します。

 

「えっと、コンパクトに腰と背中をつかって…… うーん……」

 

ワン、ツー。ワン、ツー。 ワン、ツー。

 

何回か繰り返しますが、なかなかコツが掴めません。

 

「うーん……」

「ヴィヴィオ」

「え? あ、もう時間?」

 

気づいたら練習を再開する時間になっていました。 私はこの疑問てモヤモヤした気持ちをぶつけてみました。

 

「ねぇ、紅音? さっき言ってたことってどういうことなの?」

「そうだね……じゃあ、はい、 ヴィヴィオ。 ここにヴィヴィオ渾身の右ストレート、打ってみて」

「う、うん。 わかった」

 

紅音の意図はわかりませんが、言われた通りに今の私の力を込めて、この一発に集中します。

 

「行きます! すぅ……はぁ!」

 

私は紅音が出した左手に向かって右ストレートを打ち出します。 パァン! という甲高い音がしたのですが……

 

「あ、あれ?」

 

紅音の左手は何かに押さえつけているように、全く動きませんでした。

 

「もっと脇締めて」

「こ、こう?」

「うん、そう。 今度はその構えのまま打ってみて」

「いっくよ〜! えいっ!」

 

今度は先ほどとは全く違いました。 突き抜けるような、そんな感覚が腕に伝わり、音もそれに合わせてドンッ! というような感じになっていました。

 

「すごーい!! なんかこう威力が倍になった!って感じだよ!」

「ヴィヴィオの場合、スタンス自体が広いからパンチを出すときに体が開いて威力が分散しちゃうの」

「そうなんだ〜」

「蹴りも使うから仕方ないとは思うんだけどね。 だから、ここぞというときにでも使ってみてよ」

「うん!」

 

私の欠点はノーヴェに言われているように魔力量が少なく、一撃の威力が低い。でも、これで突破力が大きくなれば戦術に大きな幅が生まれます。 たぶん、ノーヴェはこれがわかってて今日、紅音を私に付けたんだと思います。

「ねぇ、もっと練習してもいいかな?」

「もちろん。 片手だけどけど、ミット借りてきたから」

「流石、紅音! それじゃあ、よろしくお願いします!」

「まずは確認しながらやろうか」

「押忍!」

 

この後の練習でだいぶ感覚を掴んだと思います。 まだ実戦に出せるようなものではないですけど、来年に向けて、頑張ります! 目指すは大好きな2人と勝ち上がることです!

 

 

▽▽▽

 

 

 

「終わった〜!」

「お疲れ様」

「え!? あ、紅音!? 部屋で寝てたんじゃないの!?」

「こんなに早くは寝れないよ。 今、ちょっと調べてるモノがあって。 疲れたから休憩しようと思って」

「へ、へ〜 そうだったんだ〜 」

「うん。 なのは、私にもココア貰える?」

「いいよー ちょっと待っててねー」

 

なのはママは台所に紅音は私の隣の椅子に腰掛けました。

さっきの日記には紅音のことについて多く書いていたので妙に恥ずかしくなってきて……

 

「ヴィヴィオ」

「ひ、ひゃい!」

「えっと、なんかソワソワしてるけど大丈夫?」

「だ、大丈夫だよ〜!」

「そう? それならいいんだけど」

上手くはぐらかすことができたことに一安心です。 今朝、似たようなことで紅音をからかったので余計でした。私はこの話題から話を逸らすためにさっき紅音が言っていたことについて聞きます。

 

「紅音。 今度は何を調べてるの?」

スプールスで何か見つけたのでしょうか? 昨日は時間がなくて聞けませんでしたから、私は知らないんです。

 

「これだよ。 スプールスで紅葉が見つけたやつなんだけど」

紅音がポケットから取り出したのは宝石のような破片が入っているケースでした。

 

「綺麗だね〜」

「うん。 今はそれが私とどんな関係があるのか全くわからないけど、紅葉を信じて、頑張らないとね」

「私にも何か手伝えることがあったら言ってね! いつでも手伝うよ!」

「そうさせてもらうよ」

 

私はこの時、この破片が原因で紅音があんなことに巻き込まれるなんて夢にも思いませんでした。それが起こるのはもっと先の未来でのこと。 だけど、今は何も変わらない、いつもの日常を過ごしている。




次回は1ヶ月経った話の予定です。
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