魔法少女リリカルなのはvivid 紅き鉄腕 作:tomato88
「私はそんな感じだったよ」
「紅音の方は精神的に疲れそうだねー」
「2人の方はどうだったの?」
「んーと、私たちはミュージカルやってるんだけど、これがまた結構大変で」
「衣装は重いし、動きは激しいし、声を張り上げないといけないからね〜」
「なるほど。 でも、そう言いながらも2人とも楽しそうだね」
「「楽しんでるよ〜」」
現在、私たちがいる場所は中庭。 とりあえずは1時間お昼休みが貰えるらしく、ちょうど時間の空いていたヴィヴィオとコロナとともにちょっと遅めのお昼ご飯を食べていた。
「ヴィヴィオはメイドカフェって行ったことある?」
「学校の近くにないし、海鳴にもないから知ってはいても行ったことはないかな?」
うん。予想してた通りだった。 それに、ヴィヴィオの場合、海鳴に行った時は翠屋の手伝いをしているか、遊園地などに遊びに行ったりしていたと言っていたからメイド喫茶や執事喫茶などが多くあるところに行く機会などなかっただろう。
「コロナは?」
「え!? 私!? ないよ! ないない!!」
コロナの予想外の反応に私たちは2人して小首を傾げる。 コロナはそういうお店には行かないよねー、というノリで聞いたのだが…… なんだろう? やらかした? まぁ、それでも……
「これは」
「やるしかないよね」
私とヴィヴィオはお互いの意思を確認してからこう言った。
「「本当のことを教えないとイタズラしちゃうよー!」」
ーーー
「コロナが悪いんだからねー!」
「はは……それは一体誰に似たのやら」
「きっと、なのはママからかな?」
そう言ってニコニコ顔でこっちにグーサインを向けてくるヴィヴィオ。 その隣には「もうお嫁に行けない……」と呟きながら倒れているコロナがいる。私とヴィヴィオによってくすぐり地獄にあっていたのだ。 詳細は省くが、とりあえず1つ言えることは、私たちは別にコロナの趣味がどういうものだろうと嫌ったりしないということだ。
「そういえば、紅音は今日、紅葉連れてきてないんだね」
ヴィヴィオ的にはもうこの話はおしまいなのだろう。 いきなり違う話題を振ってきた。 まぁ、確かにさっきの話を無闇に長続きさせても面白いことはほとんどないのだが。
「さすがに飲食店だからね。 家でお留守番してもらってる」
変わらずコロナは倒れたままだ。きっとすぐに回復するに違いない。
「まぁ、こっちに来る前にはフェイトが面倒見てくれてるから心配しなくても大丈夫だよ」
「そうなんだぁ。 じゃあ、紅葉にお土産でも買っていかない?」
「あ、そうだね。 そうしようか」
こうして私たちは倒れているコロナが起き上がるのを待ってから屋台が並んでいるエリアへと足を向けた。
▽▽▽
「お帰りなさいませ、お嬢様」
「あははー、ただいま〜」
「ごめんね、紅音。 遅くなっちゃった」
「大丈夫。席に案内するね」
どんどんと学院祭の終了が近づく中、終了1時間前になってようやくなのはとフェイトがうちの店に来た。 ヴィヴィオたちのミュージカルを観てから来るとは聞いていたのでこのぐらいにはなるだろうとは思ってた。
「ご注文はいかがなさいますか?」
「そうだなぁ…… じゃあ、このオリジナルアイスコーヒーを貰おうかなー」
「あ、私も同じもので」
「かしこまりました。 一応言っておくけど、翠屋のコーヒーと比べたらダメだよ?」
「わかってるよー」
「そう。 ならいいけど」
この店の飲み物はオリジナルだ。メニューを決める係がコーヒー好きの子と紅茶好きの子に分かれて色々と研究したり試作したり、試作したりしていたらしい。どちらも少し甘めなので、人を選ぶかもしれんない。ついでに言うと、私は好きな味だ。
「お待たせしました、オリジナルアイスコーヒーです」
「ありがとー」
「ありがとう」
「うん」
一応、私の仕事はこれで終わりらしい。後は食器の片ずけがあるらしいが、とりあえずは1時間休憩時間ができたということだ。メイド服からいつもの制服へと着替えてなのはたちと合流する。
「ごめんね、フェイト。 紅葉の世話任せちゃって」
「大丈夫だよ。紅葉、ずっと良い子にしてたから、困ることなかったから」
「私が帰ってきた時なんてフェイトちゃん、紅葉を抱いて居眠りしてたもんねー」
なのはのその言葉を聞いた瞬間からフェイトの顔がみるみると赤くなっていって、照れながら一言。
「なのは!? それは言わない約束でしょ!?」
「あれー? そうだっけー?」
「もうー!」
なのはのからかい方とかフェイトの照れ隠しだったりとか、やっぱり2人とヴィヴィオは似てるなあ、なんて感じたりする。
……さて、そろそろ2人が来そうな時間だな。私はいちゃついているなのはとフェイトを尻目にそんなことを考えた。