魔法少女リリカルなのはvivid 紅き鉄腕   作:tomato88

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対ハリー

「ヴィヴィオ! コロナ! 急がないと紅音の試合始まっちゃうよ!」

「リオったら、そんなに急がなくて大丈夫だよ」

「急ぎたくなるのもわかるけどね〜。なんたって決勝戦だもん!」

 

ついに今日、紅音とハリー選手の決勝戦が行われます。会場はインターミドル程の大きなものではないにしても席は既にほぼ満席。辺りを眺めてみると紅音のクラスメイトが何人か応援に駆けつけてくれているようで、嬉しい限りです。

 

『長らくお待たせいたしました! これよりーー』

「あ、そろそろ始まるね」

「う〜、緊張してきた〜!」

紅音はきっと勝ってくれる、私はそう信じて声を出します!

 

「紅音ー! がんばれー!」

 

▽▽▽

 

 

決勝の舞台、いつも通りとはいかず、やっぱりそれなりに緊張する。

 

『青コーナー、その一撃は『電光石火』! その拳で数々の強敵を打ち破り、決勝の舞台まで上り詰めた紅きルーキー! 日野、紅音!』

アナウンスとともに、最前列にいるヴィヴィオ、コロナ、リオの3人の声が聞こえてくる。その声が緊張で固まっていた身体をほぐしてくれる。

 

『続いて赤コーナー、今大会の第1シードにして、昨年の優勝者。その背中に刻まれた異世界語『一撃必倒』のごとく、全ての敵をなぎ倒して勝ち上がってきました! 『砲撃番長』ハリー・トライベッカ!』

 

大きく手を天に突き上げながらハリーはゆっくりとした足取りで入場してくる。そして、そのままリングの中央を通り過ぎ、私の目の前で止まった。

 

「この日が待ち遠しかったぜ。やっと、お前と公式の場でやり合える、この日を、な」

「前回やったのはただの組手だからね。まぁ、今回も負けるつもりはないけど」

「そのつもりで来てくれないとリベンジにならねーからな」

「それもそうだね」

 

炎熱変換資質持ち、スタイルは近づいて殴るか砲撃をぶっ放すかのどちらか。性格の違いはあるが、お互い、やることは変わらない。

 

「紅音、自分のペースだ。相手のペースに乗る必要はないからな」

「うん、大丈夫」

「頑張るッスよ!」

「もちろん」

 

セコンドにはノーヴェとウインディが付いてくれている。様子見をするつもりはないけど、先ずは立ってここに戻ってくること。

 

「それじゃあ、行ってくる。紅葉、お願いね」

『ワン!』

 

そうして、ゴングは静かに鳴らされた。

 

「「ガンフレイムッ!」」

 

開始早々、お互いその場から動かずに砲撃を放つ。スピードは私の方が上、だが、威力はハリーの砲撃が上回った。

慌てずによく見て避ける。鉄腕に掠ったせいで少しライフが減少するが構わない、一気に突っ込め。

 

「そうくると思ったぜ! もういっちょ、ガンフレイム!」

避けた先、ハリーはそこへ砲撃を放つ。だけど、その砲撃を私は避けない。蜃気楼、ギリギリ当たらないように映し出す。

 

「あー! それあるの忘れてた?!」

 

ハリーのセコンド側から「それはないですよ、リーダー!」という叫び声が聞こえてきたが、ハリーの馬鹿さ加減に感謝するべきか、技が上手くいったことに喜ぶべきか。

 

接近しての打撃戦。

「くっそ! 当たらねぇ!?」

ハリーは基本、利き腕である左の大振りしかしない。避けるだけなら容易い。ただ、一撃の威力が大きいので安易にカウンターを打ち込めない。

 

倒れないな……

 

会心のカウンターが何回も入っているのはずなのに「そんなの効いてねぇ!」と言わんばかりに反撃してくる。

今すぐに効果は見込めないが、ボディに攻撃を集中するべきか、そう考えていた時、ハリーが動いた。

 

「これならどうだ!」

地面に向けての砲撃、威力はない代わりに風圧が強い。後ろに大きく吹き飛ばされてしまう。

 

「これで仕切り直しだぜ、紅音!」

「やってくれるね……ッ!」

 

あの砲撃がある限り、毎回こうやって押し戻されるのは明白だ。私の場合、一撃の威力はそう高くない。ハリーの頑丈さを考えると、攻め切れない可能性がある。

 

その後は激しい砲撃戦が展開されたが、お互いほぼダメージを負うことなく第1ラウンドは終了した。

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