IS Striker   作:アーヴァレスト

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それは世界の中にとけ込もうとした者の代弁者の声
しかしその声は聞こえず、世界は変わっていった


夜明け前

「ふむ、紅椿ねぇ・・・」

 

最新世代すら超越した新世代機をいきなりプレゼントしてきたのは何処ぞの幽霊がごとく神出鬼没の天才(天災?)科学者こと篠ノ之・束だった

しかもプレゼントしたのは妹の為であり全くの善意というからなおのさらタチが悪い

 

「臨海学校という時期である事も見越しての事か、それとも何かを企んだか・・・どちらだと思う?」

「どっちともでしょうね、そうでなければこの時期にこのタイミングであることの不自然さを隠し得ないでしょう」

 

前回の戦闘時より副作用に悩み続ける俺は克服の方法を検討していた

その中で判明したことは、ブラックフレームからのバックファイアが予想以上に大きいことが判明もしている

この解決方法はたった一つ、新型機の開発以外にない。

 

その最中であり、改修案の模索段階でのこの事態・・・

 

「明らかに示威目的だろうな、それ以外でやるのならば一つしかないだろう」

「なんだ?」

 

暗い会議室と化した旅館の一室の中、織斑・千冬と会議しながら考える

これから先の流れを

 

「とりあえず、恐らく何かしらの動きはあるはずだ、その動き次第で次の一手を打つ」

「最悪、お前の自身の切り札を使うのか?」

「それは最後の最後、使うしかない時にだけのものだ、今はまだ使うべきではない(・・・・・・・・)

 

最後の切り札、ブラックフレームの全性能開放というソレは一週間の女体化固定の代わりにブラックフレームの全スペックを強制的に暴走状態で固定する

これにより、常識では考えられない機動性を発揮できるだけでなく、単騎推力だけで第一宇宙速度に達する事すら可能である。ただし、直線加速に限られるが

 

「それ程の事であった場合は切り札の二枚目を切るだけだ」

「完成したのか!?」

 

織斑・千冬が驚く、その理由は単純である

 

「あぁ、なんとかな。本来ならプレゼントのつもりで開発していたんだが、いかんせん俺は探求者であり研究者だ。作るものには十全にして最善の手段を取る」

 

開発したもの・・・それは

 

「峰島・由宇専用機・・・BALDR(バルド)SKY(スカイ)

 

平和と光の空にいて欲しいという願いを込めて、ブラックフレームの基礎フレーム技術をもとに開発した篠ノ之・束とは別のコンセプトの機体

それこそがBALDR・SKY、どんなに困難であろうとも解決してのける機体として十分な性能を持つに至ったから、彼女に託せる

いや・・・彼女以外で使いこなせはしないはずだ

 

「この子がどれほどの性能を発揮できるかは、由宇にかかっている。だが彼女以外に使えないのもまた事実だ、きっと色いい結果をもたらすはずだ」

「信じるのだな?」

「あぁ、信じるさ。信じるに当たるからこそ」

 

信じたいのではない、信じているから託すのだ。その感情は信頼すら超えている

 

「さて、仕事が入ったら言えよ?」

「立場が逆転しているぞ」

「ふっ・・・」

 

笑いながら俺は去る、帰るのは二人部屋、両隣は先生という地獄である

 

「よう、早速ヤってんのか?」

「やましい事じゃないのは分かって言ってるだろ!?」

 

帰ってきたらマッサージやってた、セシリアに

 

「ななな、何を言ってますの貴方!?」

「おうおう、その反応を待っていたのさ」

 

まんまと引っかかったセシリアに笑いながら由宇を見る、先程から後ろに居て修羅のソレに目線がなっている

 

「由宇、マッサージしようか?」

「本当だな?」

「嘘は言わんよ」

 

そう言って由宇をエスコートして布団に寝かせ、肩の辺りから優しく丁寧にマッサージしていく

 

「あ、そこ!?痛っ!?」

「硬いな、相当凝っているぞ?自分で自己管理しているか?」

 

マッサージの傍らにもそういうやり取りをしてゆっくりとした時間を過ごした

その途中で織斑・千冬が一夏にマッサージを受けに来てセシリアとエンカウントしたり、俺が極秘裏に持ってきていたビールを勝手に飲んでくれたりするなど様々な出来事があった

 

「さて、明日が楽しみだな、一夏」

「あぁ、本当に楽しみだぜ」

 

明日はいよいよ臨海学校の山場と言える各種実験装備の試用が待っている、ブラックフレームにも強化パーツが届くのだ

と言ってもコレの開発をしたのは由宇と自分、久方ぶりに誰かと共同研究をしたため実験内容は多岐にわたる

 

「俺にも使わせてくれねぇ?」

「残念だがお前には使わせねぇ」

 

つか、誰にも使わせねぇよ

 

「近接武装だってあるんだろ?だったら俺にもさぁ・・・こう、な?」

「フィスト・ショットを貸してやろう」

「マジ!?」

「エネルギーが即空になるがな」

 

白式は大飯食らいだ、零落白夜の一撃はブラックフレームですら20%もエネルギーを消費する。

このフィストショットは一発分のエネルギーである0.5%が白式に換算して丁度、零落白夜と同等出力というから驚きの低燃費だったりする

まぁ、ショット(・・・・)の名の通り射撃武器だが

 

「お前の機体である白式には射撃系のシステムが非搭載だろ」

「うっ・・・!!」

「諦めろ」

 

痛いところを突いて断念させる、しかし諦めの悪い一夏は・・・

 

「じゃあ、刀とか剣とかのテストを手伝わせてくれ!!」

「・・・」

 

こういってきやがった、誰も知らないはずの情報を何故知っていやがるこのクソガキ

 

「由宇からそういう系の武装も実験するって聞いているんだ」

「あの・・・バカッ!!」

 

ソース元は近くにいた、本人は今頃してやったりと笑っているところだろう

 

「まぁ、それなら構いはしない。俺は汎用型である分専門分野には少々疎い面もあるからな、感想とかそう言うので構わんから少しのことでも教えてくれ」

「わかった」

「じゃあ部屋に戻れ、そら、おめぇのだらしのない」

「誰がだらしないか教えて欲しいものだな、藍澤」

 

いつの間にか後ろに織斑・千冬が戻ってきていた

おかしいなぁ、さっき帰っていったはずなのに

 

「嘘ですよ、だらしないなんて言ってないよなぁ一夏」

「すまん、嘘はつけない」

「てめぇぇ、この野郎ッ!!」

 

逃げられた、このガキどうしてくれようか!!

そう考えた瞬間、ゴインッ!!という音がするほどの威力で殴られた、脳天を

 

「いってぇぇぇ!?」

「自業自得だ」

 

あんまりだ、事実なのに

 

「ほう、もう一発」

「大変申し訳ありません」

 

今度食らったら俺は死んでしまう、だからすぐにジョブチェンジ

 

「ならばいい、酒はもらっていくぞ」

「えぇ・・・」

「その代わり、いい店を後で何件か紹介してやる」

「うわぁい嬉しいなぁ、感激で涙出ちゃう」

 

いや本当に感激っす、なにせホントにいい店だから

 

「未成年者だということを自覚していないのか?」

「俺の唯一の娯楽なんだ、楽しませてくれや」

 

由宇と出会ってからしばらくの間飲めなくて禁断症状になりかけていたぐらいに俺の生活のは案外と酒が関わる

だって、実験で使う武装の中には酔っている状態で考えたモノだってあるぐらいだから

 

「オヤスミー」

「あぁ、また明日な」

 

そう言って一夏は自分に割り当て割れた部屋に戻った、といっても隣だが




いきなり臨海学校までスキップです、その間の描写はしません、次はいよいよシルバリオ・ゴスペル戦です

ちなみに本作での福音事件は箒が紅椿を受領した翌日という流れです。
次は主人公に意外な出来事が起こります
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