02
…
ここはどこだ?
気がつくと、僕は真っ白な空間に立っていた。
何もない ただただ真っ白な空間。
「俺…死んだのか?」
「いや、死んではいないよ」
突然聞こえてきた声の方へ振り向くと、そこには
見たこともない "何か”が 浮遊していた。
…
なんだこいつは?
俺は夢でも見ているのか?
未来の奴、豚カツに変なもん入れたのか。
「あれ?意外とリアクションが薄いなぁ… 。ウチ、この業界で何年も生きてきてるけど、ここまで反応が無かったのは君が初めてだよ。叶君」
叶君?
こいつ 僕を呼んだのか?
「…なぜ僕の名前を知ってる。化物の世界では僕は有名なのか?」
「なぜって、ウチは君の雇い主だからね。あ、ちなみにウチの世界では君はスケベ椅子の本当の名前はヘルサーだっていう事より知られてないよ。」
「どうでもいいわ!そんな事。」
「本当は介護用に作られたらしいよ。」
「だからどうでもいいって!何で人外が人よりそんな知識あるんだよ。」
「まぁ、そんな事は適当に放り投げといて」ヒョイ
「ああぁーーッ!スケベ椅子の無駄なる知識がーーッ!なんてことを!」
「そんなことはいいからさ。早速本題にはいるよ。」
そう言って、彼は語り始めた。
「さて、ウチの名はウィッシュ。君の雇い主だ。」
「雇い主…って?」
「ウチは“願い人”という能力を持つに相応しい人間を探してる。旅人って感じかな。」
「願い人…ねぇ、それはどんなもんなんだ?」
「願い人というのは、5回だけ、何でも願いを叶えられる。そういう能力を持った人間の事だよ。まぁ、今まで願い人になった人間は1人もいなかったんだけどね。」
「願いを…何でも?」
「何でも願いを叶えられるよ。でも、それ相応のリスクがあるけどね。」
「リスクって…?どんな?」
「それは、この能力を使うと 一回につき 自分の周りに何かしら変化が起こる というものだ。」
「何かしらって?」
「それはわからない。その時によるさ」
「でも、その変化ってやつを 起こさせないようにする って願いをすればいいんじゃ…」
「それがダメなんだ。変化は絶対に消せない。」
「そうなのか…。で?僕をここに呼んだ理由は?大体わかるけど」
「ああ、ご察しの通り、君が願い人に一番相応しい人間だと 能力自体が選んだらしい。」
「つまり、僕を願い人にすると?」
「ああ、そういうこと。」
「なるほどねぇ…願い人…。でも、どうして僕が選ばれた?そして、ここはどこだ?」
「ここは ”白い部屋“ 僕らが対話できる唯一の場所さ。そして 君は、ある言葉を喋って、ここへ来た。」
「ある言葉?」
「母親を殺した犯人を 妹を泣かせた犯人を 教えてくれって。」
「あっ。」
確かにそんなこと言ったな僕。
なんであんな事言ってしまったんだろう。
急に胸の奥から込み上げてきて…
「願い人が ここに来る為に必要なのは 、何かを叶えたい、守りたいという純粋な気持ち。つまり、君が妹の為に願いを叶えたい っていう気持ちが、君をここへ呼んだんだ。」
「妹の為に…未来の為に…か。」
僕、そんなこと思ってたのか。
とんだシスコンだな。全く。
「じゃあ、願い人に なってくれるかい?」
「嫌と言ったら?。」
「嫌だと言ったなら それでいいさ。ただし、願いは叶わないし、
ここに来た記憶も消える。」
「なるほど…。」
夢にしちゃよく出来てるな。
恐るべし、僕の想像力。
「よし。なってやるよ、願い人に。」
「ほんと?」
「ああ」
「ありがとう…。でもリスクを忘れないでね。変化は、それがいい事か悪い事はわからない。全ては 運次第ってとこかな。」
「そうか…」
運次第…か。
確か今日のめざましテレビの星座運勢は4位だったな。
悪いことは起きないだろう。
「じゃあ早速一つ目の願い、いってみようか。」
「え?もう?」
「あ、一つ言い忘れた。」
「何だよ、自分勝手で気まぐれだな。お前は。」
そして自分勝手で気まぐれな彼が口にした言葉は、
耳を疑うものだった。
「5つ全ての願いを使いきっちゃうと、君、死んじゃうから。」
続
意見があれば、お願いします。
今度こそ、明日か、明後日くらいに更新です。