(なのはちゃんは気絶したみたいだ。)
ある程度怪我が回復した所でなのはは気絶していた、今まで溜めてた疲労が一気に襲い掛かってきたのだろう。現在は安全な場所に避難して特に命を脅かす危険はない為、悟飯は視線をなのはからフェイトに戻す。
何故、フェイトがこの場にいるかはわからない。金髪の少女は黒いマントを羽織った黒衣の衣装を身に着けており、自分と同じように宙に浮いた状態だ。
彼女について気にならないかと言われれば嘘になるが、それよりも今はやるべきことがある。
「これからどうするの?」
「もちろん止めるよ。なんとかして元のハイヤードラゴンに戻さないと。」
——―どうやって元のハイヤードラゴンに戻すか。それが悟飯の課題だった、なんとかするとしてもその方法が浮かばなければ何もできない。
必死に悟飯は大切な友達であるハイヤードラゴンの為、元に戻す方法を考え出そうと頭を回転させる。
「方法ならあるよ。」
「えっ!?」
途中、何処からか少年のような声が耳に入ってきて頭の回転が中断される。まるで見透かされたような唐突な言動に戸惑いながらも悟飯は声の聞こえた方角へ振り向く。
其処にはなのはが飼っている小さなフェレットが悟飯を見上げていた。フェイトも悟飯と同じようにフェレットを見下ろすような視線を向けている。
「あのドラゴンからジュエルシードを取り出せば元に戻ると思う。」
「私は元々そのつもりだけど……。」
「ジュエルシード?」
聞き慣れない単語に悟飯は目を丸くして戸惑いを露にする。未だに二人の視線が悟飯に浴びせかける事になるが二人の言うジュエルシードの意味が理解できないせいで話についていけないのだ。
「グオオオオオオオオオオオオォォォォ………!!!」
「……来る!」
再び勇ましい鳴き声が時空を震わせるように鳴り響く、先程よりも怒りに満ち溢れた絶叫に更に精神的な疲労を強いられる、精神的にも肉体的にもこの生物は容赦なく攻撃をしていた。
だが悟飯にはあらゆる攻撃手段は通用しない。ドラゴンに対して恐怖も敵意も感じていない。実力の差と大切な友達という掛け替えのない存在が彼を攻撃から守っているのだ。
もっとも、それ等はあくまで悟飯を対象にしただけで金色の髪を持つ少女とユーノには少なからず精神と肉体に大幅な疲労がかかっている。それを物語るように武器を構えて警戒体制を取るフェイト。
「話は後!とにかくドラゴンの額にある青い星がついた球を狙って。」
「わかりました。…えっ!?あれってドラゴンボール!」
悟飯は言われた通りにドラゴンの額に目を向けると、その先には自分が最も見慣れてしまった物体が埋め込まれている事に気づき衝撃を隠しきれなかった。
太陽の光に反射するようにオレンジ色に輝く球体、よく目を凝らして観察してみると真ん中には青い星マーク…形は確かにドラゴンボールではあるがマークの色だけが可笑しい。
「……ドラゴンボール?」
「君はあのオレンジ色の球の事を知ってるんだね。何故かはわからないけどあの球とジュエルシードが一つになってるんだ。」
フェイトは彼が驚いた事実が理解できなかった。ユーノはドラゴンボール、別名ジュエルシードを回収している事もあって簡単な説明を入れる。なのはとジュエルシードを回収し始めた時から既にドラゴンボールと一緒になっていたらしく、どうしてそうなったのかはわからないと言う。
「でも、なんでこんな所にドラゴンボールが……。」
しかし悟飯はドラゴンボールとジュエルシードが合体している事よりもこの世界にドラゴンボールが存在する事に疑問を感じていた。
「グオオオオオオオオオオオオオォォォォーッッ!!!」
暴力的な翼を再び瞬時に羽ばたかせるとそれだけで風圧は破壊力を持って周辺に撒き散らしていた、そしてドラゴンは絶叫を上げながら悟飯達へ突進する。
この生物の衝突はフェイトやユーノにとっては一発当たるだけで戦闘するに必要な体力を全て削られる程の攻撃力を持っているだろう。
「これで元に戻ってくれればいいけど……はあっ!」
「グオオオオオオオォォォォ……ッッ!!?」
悟飯は両手に自身の気を集中させ一気に突進するドラゴンへと数多の金色の球体、“気弾”という形で放っていく。
ドラゴンは気弾に球体が命中する度に激痛が走り、悲鳴を上げながらも突進の勢いは少しずつ和らいでいく。無論、悟飯の攻撃は全て手加減されておりドラゴンが重症を負う事はない。
「やった…?」
「グッ……グオオオオオオォォォッ!!」
が、ドラゴンは自ら持っている有り余る力を持って再び叫び声を上げると同時に悟飯達へと頭突きを食らわせようとする。その際に見えた額の球体はまったく傷はついていなかった。
フェイトは金色の羽が生えた武器をドラゴンの額へと突きつける、それは間接的にドラゴンとフェイトは近距離という位置に値され、ドラゴンの突撃によって更に距離は縮められている。
太陽の光に反射され煌く金色の魔方陣が少女の足元に出現する、フェイトの目に映るのはオレンジ色の球体――ドラゴンボールである。
「サンダースマッシャーーッ!!!」
『Thunder Smasher』という黄色い文字が少女の持つ武器に埋め込まれた金色の宝石から浮かび上がる、フェイトが唱えた魔法は先程と同じ魔法だ。
金色の砲撃が近距離で額に埋め込まれた球体へと発射され、一瞬で直撃してしまう。絶大な威力を急所部分であるドラゴンボールに叩き込む事によって先程のダメージとは比にならない程の威力だった。
「グアアアアアアアアァァァァァァァァァーー…ッ!!!」
直撃する事で伴う電撃が素早くドラゴンを捉え、全身を覆うように激しい痛みを浴びせていく。漆黒の衣装に身を包む少女はすぐにドラゴンから離れる、電撃に巻き込まれない為に……。
目の前のドラゴンの現象は悟飯が与えた攻撃よりもフェイトが放った魔法の方が明らかに攻撃が通っていると証明しており、オレンジ色の球体もそれに反応するように強烈な光が零れた事をユーノと悟飯は見逃さなかった。
急所を突いたにも関わらずここまで大きな差を生み出していたのだ。悟飯とユーノも電撃に巻き込まれないようにドラゴンから少し離れた位置にすぐに移動する。
「やっぱり、魔力ダメージじゃないと意味がないのかもしれない。」
その途中で彼は独り言のように呟く。「魔力ダメージ…?」と悟飯はすぐにユーノへと問いかける、彼にとっては聞いた事のない言葉であり疑問を感じざるをえない。
「うん……あのドラゴンには魔力があるんだ。たぶんジュエルシードの影響だと思うけど、その魔力の根元があの球体だったからさっきの女の子の魔力攻撃でジュエルシードが反応したんだ。」
「そうだったんですか。ボクにも魔力があればハイヤードラゴンを助けられるのに……。」
ユーノはダメージを受けた時の球体の反応を見ながら必死に思考を繰り返した上での回答だった。恐らく魔力じゃなければ意味がない、ユーノから見れば球体が反応していないように見えるのだ。
一方で悟飯は魔力を持ってない自分ではハイヤードラゴンをただ傷つけるだけで助ける事ができないと落ち込むのだが……。
「魔力はあると思う。僅かだけど君から感じられる。でも———」
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!」
空中を自在に移動しながらフェイトは悟飯の隣にまで移動する。少し落ち着いて、精神を集中させてみれば彼からは魔力を感じ取る事ができるのだ。
だが最後まで言い切る前に突然口を止めてドラゴンの方へと赤い目を向ける。巨大な生物は今も怒り狂って暴れるだけ暴れて更に被害を拡大させていた。
樹木を踏み潰せば地面に多大な傷をつけ、傍から見れば凶暴なドラゴンであり悟飯の友達としての面影はまったくない。
「今は早く決着をつけた方がいいかもしれない。」
「そうだね……でも、迂闊に近づくのは危険だ。どうにか落ち着かせる事ができればいいんだけど……。」
会った時のドラゴンと比べれば今の状態の方が遥かに悪化しているように見えた、辺りに衝撃破を何度も打ち放ち狂ったように暴走するドラゴンには迂闊に近寄れない。
一発でも食らえばフェイトはすぐに倒れてしまう可能性があり、それはユーノにも同様の事が言えた。故に今の状態は二人にとって厳しい状況であり攻撃する事は安易に許してはくれない。
「落ち着かせる……そうだ!」
悟飯は何か思いついたように表情を一変させると突然、大暴れをするドラゴンの前に立つ。ドラゴンは悲痛に暴力を振るい続けるが視界に入ってきた悟飯に対して殺気が篭った眼光を浴びせる。
今のドラゴンにとっては視界に入り込んできた者は全て自身の敵であるという判断を持っている、只の思い込みに過ぎなくてもそうドラゴンは考えるのだ。
そのまま叩きつけようと自身の腕を薙ぎ払おうとする。
「グオオオオォォォォ……。」
———が、動作は一時中断。突然停止すると同時に鳴り響く音色が今いる空間内を全て制圧するように聞こえてくる。
「……口笛?」
「ドラゴンが…止まった?」
後ろの位置にいる二人からすれば言葉を失ってしまうほどの奇妙な光景だった、悟飯は何もしていない。にも関わらずドラゴンは薙ぎ払おうとする腕を停止させたまま。
一向に動作を行う様子を見せないドラゴンに二人は目を丸くして様子を窺ってみる。よく見てみれば悟飯は口笛を吹いており、先程のメロディーは彼の物だったのだ。
「〜〜〜♪〜〜〜♪〜〜〜…。」
先程から暴れ狂い、そして全てを破壊する事を思考の一つとして働いていたドラゴンがこの音色を聞いただけで停止させてしまうのは不思議な現象で絵に描いたような光景である。
(ハイヤードラゴン……。)
口笛を吹きながら悟飯はハイヤードラゴンとの思い出を脳裏に宿す。元々彼とハイヤードラゴンとの最初の出会いは山火事で助けた事から始まる。火事によって木が倒れ、挟まって動けないでいるハイヤードラゴンを見つけた時に今よりも幼い悟飯が助けたのだった。
それから以後、ハイヤードラゴンの背に乗って何処かへ飛んでいったり共に何かをして遊び、その際に何時も吹いていたのが口笛だった。この口笛を聞いたドラゴンは嬉しそうに何時も踊っていたのだ。
「………グアアアアア…クアアァァァ……ッ。」
「……え?」
「なにがどうなっているんだ……。」
絶叫が木霊していた空間で遂にそれが止んだ瞬間、信じられない光景をフェイトとユーノは目撃する。巨大なドラゴンは口笛に反応してゆっくりと踊りだしたのだ。
予想もしない幻想的な風景に二人は混乱するが、とにかくこれは悟飯が与えたチャンスでもある。フェイトはすぐにドラゴンの頭上にまで飛び上がり、今も踊り続けているドラゴンを見下ろし。
「…サイズフォーム。」
またもや武器の形は一変、先端部分が姿を変えると今度は金色の刃が伸び鎌のような形状を取る。魔力消費の激しい魔法を二回も使ったせいで息が乱れ始めるがこの一発で終わりにしようと少女は考えていた。
「はああああぁぁぁ…!!」
鎌を掲げ、一気に急降下を図る。少女の目に飛び込んできたのは涙を目に溜め続けるドラゴンだった。遠くからではその様子を見る事は出来ないが少女には間近で確認する事ができる。
(ごめんね……。)
目指すはオレンジ色の球体――ドラゴンボールであり其処へ金色の刃を突き刺すように球体へと勢いをつけて撃ち込む。耳に聞こえてくるのは未だに鳴り響く口笛の音楽と悲鳴だった。
「グオオオオアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァーーー…ッッ!!!」
球体から発生する強烈な光を浴びフェイトは目が眩む。反発するような圧力が鎌から少女へと伝わってくるがそれでも容赦なく一歩も引かない、やがて光に飲み込まれ辺り一面が白い光景へと豹変する。
更にその光は球体から溢れ出し、増大していくと巨大なドラゴンでさえその光に全身が飲み込まれてしまう。純白の光が太陽のように輝いている光景は目を瞑りたくなるほど眩しすぎた。
口笛を止めると悟飯はその光の中を見通そうとする、僅かに光の中に見えてくるのは巨大なドラゴンと金髪の少女だった。外部から見れば巨大な銀色に煌く光の柱が立っているように見えるのだ。
(っく…! 思った以上に手強い…!)
(一体何が起きて……。)
内部ではフェイトが武器を両手で強く握り締め、離さずに球体へと撃ち込んでいた。光が圧力となって自分を反発するがそれでも引く事はできなかった。
強大な圧力を前に少女は怯みそうになるがそれでも白い風景の中で見えるオレンジ色のボールから目を離さない、この環境下にも慣れてきた所で遂に球体がドラゴンの額から離れる。
(今の内に封印しなきゃ……母さん…!)
そっと心の声を少女は呟いていた。光は更に増幅し続け、底知れぬ銀白の海のように悟飯達に押し寄せてきていた、ユーノによる魔法によって生じた空間を全て光の海が飲み込んでいく。
「あれは…!?」
木っ端微塵に破壊され蹂躙されていた樹木や亀裂が入り込み抉られた大地、見上げれば視界に入り込む筈の青空が全て一変、光に包まれた何も見えない真っ白な風景が目に飛び込んでくる。
上を見上げても下を見下ろしても見慣れた光景は目に入ってこない、それでいてこの光は反発力を持ち全身に叩きつけてくる。痛みのない圧力が全ての角度から押し寄せて居心地の悪さを感じてしまう。
「……消えた…?」
ユーノは唖然とした表情で目の前で起きている現象に驚き、唐突に光が消えた事で目の前を見つめる。自分の前には大暴れしていた筈の生物は存在していなかった。
光が消えた事で自分が見える風景は今まで通りの見慣れた景色であり、緑に溢れる大地に沢山の木が供えられた月村邸の庭。ドラゴンとの戦いがまるでなかった事にされているような景色。
(やっぱり気とは似ているけど違う……。)
「悟飯、どうしたの?」
呆然と立ち尽くしている悟飯を見つけ出すとユーノはすぐに彼の傍まで走り問いかける。しかし悟飯から回答は得られず、金髪の少女に視線を向けるだけだった。
「ジュエルシードは回収した……行こう、バルディッシュ。」
空中に浮きながらフェイトは武器へ語りかける。光が消えたという事はドラゴンの額に埋められた球体を回収したという事だった。
そのまま何処の方向へ顔を向けて飛び去ろうとする動作を見せた途端に悟飯はフェイトに向かって大声を上げて。
「待って、フェイトちゃん!」
「悟飯…君には魔力がある。でも、君の魔力は不安定で扱えるレベルじゃない。」
先程、彼に投げかけようとした言葉を最後まで言い切ると改めて二人は目が合う。赤い目に悟飯が写り、沈黙が二人を包み込んでいた。
「それって、どういう——―。」
「クアッ、クアクアクアッ!」
悟飯が改めて質問をぶつけようとする前に紫色に覆われた小柄なドラゴンが姿を現す。
「ド…ドラゴン!?」
小さな動物、フェレットは声を上げる。今まで戦っていた伝説上の生き物であるドラゴンの面影がある目の前の小さな愛らしい生物に身震いをしながら。
「クア〜ッ?」
「ハイヤードラゴン!よかった、元に戻ったんだね。」
先程の巨大なドラゴンと比べればとても小さく大人しい印象を持ってしまう。悟飯は元に戻ったハイヤードラゴンに笑顔を浮かべては優しく頭を撫でて、ハイヤードラゴンもじゃれあうように悟飯に抱き付く。
一番に恐怖を抱いていたユーノといえば「え…?」と拍子抜けな声を漏らす。彼はまったく二人の輪に経ち入る事ができずにいた。
「………。」
一切表情を変化させる事もなく見下ろす少女、二人が喜んでいる隙をついてその場から逃げるように飛び去ってしまう。
ユーノはその姿を目撃するも、今は未だに気絶しているであろうなのはの方を優先する事にした。
「とりあえず、なのはを回復させて直ぐに戻らないと。さっきの光のせいで僕の結界も解けたみたいだし、このままだと誰かに見られるかもしれない……。」
「そうですね。早く戻らないと――」
「ど・こ・に…戻るのかしら?」
「――アリサちゃん!? なんで此処に……。」
聞こえ慣れてしまった声が耳に入り込んでくると思わず振り返ってしまう。其処には金色の髪を伸ばした少女が仁王立ちしてこちらを睨みつけるように目を向けていた。
そして隣には紫色の髪を伸ばした少女、月村すずかがアリサの態度に苦笑を浮かべていた。
「ったく、何時まで立っても戻ってこないから様子を見に「クアクアッ、クアーッ!」……きゃぁ!?」
「ハイヤードラゴン!脅かしちゃダメだよ。」
挨拶をするように小さなドラゴンは背後から鳴き声を上げると短い悲鳴を叫ぶアリサ。挨拶をしただけで悲鳴を上げられ悟飯に注意された事に対し、ハイヤードラゴンはわけがわからず首を傾げてしまう。
「わあー、かわいい…。」
「ちょっとすずか!のんきな事言ってる場合じゃないわよ! 悟飯、これは一体どういう事か説明しなさい!」
「ええっ!? えっと……。」
勢いに任せて押し寄せてくるアリサに悟飯は動揺を隠しきれずどうすればいいかわからずに冷や汗を流す。
『——悟飯、とりあえず適当にごまかして!』
その時、脳裏にユーノの声が響き渡る。驚いてフェレットを見下ろせばこちらに静かに目線を向けており、余計に悟飯は動揺してしまう。
『ご、ごまかせって言われても……。』
「そういえばなのはちゃんは…?」
悟飯とフェレットは確かにいる。だがフェレットを追いかけていた筈のなのはが見当たらない事にすずかは気づくと周りを少し見渡す。
するとそこには木に隠れて見えないが人の手があり、すずかは息を飲んで恐る恐る木の近くにいる人物に目を向ければ。
「なのはちゃん…!? アリサちゃん!悟飯くん!なのはちゃんが倒れてるよ…!」
「なのはが!?もう一体何がどうなってるのよ〜!」
いきなり訳のわからない事が起こりすぎてアリサはパニック状態だった、一方すずかは気絶しているなのはが怪我をしている事に気づけば慌てだす。
「え、えーっと…そこにいるハイヤードラゴンの気を感じて、その方向にユーノとなのはちゃんが走り出したから追いかけたんだけど……。」
「つまり、なのははこのドラゴンを見て気絶したってことね。まあ気持ちはわからなくもないし……というか、このドラゴン本当に何なのよ。」
「それより、なのはちゃんを部屋に運ぼう。怪我を治療しなきゃ。」
すずかは心配そうになのはを見下ろす。怪我自体はユーノの回復魔法でほとんど治癒されてあるのだが、まだ多少擦り傷などが残っており彼女の言葉にアリサも頷く。
そうしている間にも悟飯は隣にいるハイヤードラゴンに申し訳なさそうな表情で視線を向けて。
「巻き込んでごめんね、ハイヤードラゴン……。」
「クアーッ!」
謝罪の言葉を口にすればハイヤードラゴンは何も気にしていないような明るい鳴き声を上げて翼を羽ばたかせる。
その後、無事になのはが目覚めるとアリサとすずかは安堵する。状況は既に悟飯が説明していた為質問攻めに合う事はなく、残りの時間は何事もなかったかのように楽しく過ごす。
――だが今回の騒動は悟飯となのはの中で色々と考えさせられる出来事となったのであった。
(オマケ)
恭也「なのは、怪我をしたって聞いたんだが。」
なのは「大丈夫だよ!ちょっと擦り剥いただけだから。」
忍「それならよかった。そういえば、さっき「クアーッ」って鳴き声が聞こえたんだけど。」
すずか「え!? ええっと、私は知らないよ。」
アリサ「あたしも知りません!」
悟飯「それってハイヤードラ「悟飯も知らないみたいです!」むぐむぐ…。」
ノエル「でも、確かにこの部屋から……。」
なのは「あ、そ、それはユーノです!ほら、ユーノ。」
ユーノ「(ええっ!?)ク…クアアアァァ。」