真・異世界に迷い込んだ超戦士   作:blacktea

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はい、温泉編も後「2話」で完結ですね(←……すみません。長くなるから分割して2話にしました。それではどうぞーっ!!


第15話 異世界に舞い降りた超戦士

「———フィジカルヒール!」

 

「「…………。」」

 

 

ユーノは回復魔法を唱える。大怪我を負った女性と少女をこのまま放ってしまえば死に至る可能性は否定できない、故に彼は回復魔法で二人を治療していた。

 

 

「ユーノくん、フェイトちゃんと使い魔さんは大丈夫かな……。」

 

「意識を失ってるけど二人ともまだ息はある。でも、使い魔の方はともかく彼女が無事だったのは奇跡的だよ。正直、あれだけの怪我を負ってたら回復魔法をかけても助からなかったかもしれないのに。」

 

「そうなの? じゃあ、悟飯くんのおかげなのかな?」

 

「悟飯のおかげ?」

 

「うん、実は……。」

 

 

フェイトを受け取った時、悟飯はなのはに自分の“気”を少し分け与えたから命の危険はないと告げたのだ。ユーノは気がどういうものかはわからなかったが、フェイトが無事だった事から生命力に関係する事だと予測する。

 

 

「…そういえば、悟飯くんの服装が変わったのって。」

 

「多分、バリアジャケットだと思う。僅かだけど悟飯にも魔力があったからね。彼が無意識に思い浮かべた服装があの衣装だったんだ。」

 

 

今、この戦闘で一番に望ましい服装は紫色の道着に白いマント。それを悟飯は無意識に思い浮かべて防護服“バリアジャケット”という形で見事に再現していたのだ。

 

 

 

「それじゃあ、悟飯くんは魔法を…!?」

 

「うん、そういう事になるんだけど……悟飯が纏ってるあの炎からは魔力を感じないんだ。」

 

 

魔力オーラは魔力を使用し続ける事で身体能力を上げる。その増強ぶりは込める魔力の量で変わるが合体セルのようにジュエルシードの力を借りて発動すれば爆発的に上昇するだろう。

そして当然、魔力オーラは魔力で構成されている為、魔力を感知する事ができる。だからこそ金色の炎が魔力ではないと気づく事ができた。

 

 

「魔力じゃないなら、あの金色の炎はなんだろう。」

 

(悟飯、君は本当に何者なんだ……。)

 

 

新たな疑問が彼等の脳裏を支配する中、闇色の炎を纏った怪物と金色の炎を纏った少年が対峙する。まさに運命の一戦が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

「ど、どうやら少し遊び過ぎたな。ウォーミングアップはこれくらいでいいだろう。これから貴様に見せるのは究極完全パワーだ!もうそんな虚仮威しはオレには通じんぞ。」

 

「…………。」

 

「どうした?怖くて言葉が出ないのか。」

 

「……やってみろよ。」

 

「くっ、生意気なガキめ!オレを本気にさせたことをすぐに後悔させやるっ!!」

 

 

挑発にも動じず挑戦的に言い放つ悟飯に合体セルはオーラを高めると次から次へと両手から音速を超える禍々しい気弾を連射する、雨のように降り注ぐ気弾は嵐が吹き荒れるかのように爆発の連鎖を引き起こす。

とてつもない爆風が周辺を乱れ撃ち、それだけで森に多大な被害を与えようとするような問答無用の強風であった。

 

 

「フハハハ! どうだ、本気になったオレのパワーは。地獄で後悔するがい…————なんだとっ!?」

 

「………。」

 

 

爆風が止み煙が晴れていくと――其処には無傷の悟飯の姿があった、衣服に埃が付着しただけでまったく怪我の様子など見受けられず同じ立ち位置のまま静かにクローン戦士を睨みつけていたのだ。

 

 

「ば、バカな!あの攻撃を受けて無傷だと……認めん……認めんぞおおおおおおぉぉぉぉっぅ!!」」

 

 

更にオーラを増幅させた怪物は怒りを露にして叫びと共に悟飯へと突進していく。

 

 

「うおおおおおおーーーーっ!!!」

 

 

拳圧と共に迫りくる破壊の嵐。連続的な拳が降り注ぐ、普通なら避ける事も防御する事も叶わない制裁の攻撃。一度でも受ければまず間違いなく骨を打ち砕かれるであろう。

――だが悟飯はその制裁の攻撃を受ける事はなく涼しい表情で軽々と回避していく。その様子に焦った合体セルは拳の他に脚も交えて全力の攻撃を撃ち続ける、しかし結果は変わらず遂に怪物は息を切らし始めて。

 

 

「ハァッ、ハァッ……なぜ掠りもせんのだ…―――!?」

 

 

———刹那、悟飯の姿がすぐ目の前に映し出される。その場にいる全員が移動した事すら把握できないほどの超絶な速度を誇っていた。

 

 

「はあっ!」

 

「うごお…っ!?お、おおお……。」

 

 

そして怪物の鳩尾へと大きく塗り込む拳。あまりの激痛に合体セルは目を見開き両手で腹部を抑えながら数歩後退して蹲る。それほどまでに悟飯の一撃は強烈なものだったのだ。

蹲るセルを見下ろす悟飯。圧倒的な力を見せつけていた凶悪な怪物が幼き少年の一撃で沈めさせられる構図は誰もが目を疑うだろう。

 

 

「……ドラゴンボールを返してもらう。」

 

 

そのまま小さな腕がセルの体内に埋め込まれているオレンジ色の球体へと手を伸ばしていくが途中で聞こえるのは不気味な笑い声。

 

 

「くっ…くっくっく、残念だったな。その球はオレの持つ膨大な魔力によって守られている、だから魔力以外で取り出す事は不可能だ……。確かに貴様はオレを超えるパワーを持っているが、魔力に関してはあのガキ共にも劣っている。つまり貴様の魔力ではオレの魔力を超える事ができない。」

 

 

力の性質が違う以上ジュエルシードが含まれているドラゴンボールを力づくで取り出す事は不可能に近いだろう。それができていればハイヤードラゴンの事件の時に実行していた。

最も同じ性質の魔力が付加されていれば可能かもしれないが、悟飯の持つ魔力はフェイトやなのは達と比べると格段に低い。そして悟飯よりも魔力が上のフェイトの魔力攻撃が通じなかった時点で彼に魔力ダメージを与える方法が潰えたのだ。

 

―――が、構わず悟飯はセルの腹部に埋め込まれているドラゴンボールに手を添える。

隙が出来たとすかさずセルが少年の腕を掴み取ろうとした――瞬間。

 

 

「はあああっ!」

 

 

悟飯が力を込めると身に纏っていた金色の炎が一瞬で銀白に輝く炎へと変化する。

 

 

「あれは…魔力オーラ!?」

 

「えっ!? ほ、本当だ。悟飯くんから凄い魔力を感じる。」

 

「でも、どうして急に……さっきまで魔力はちょっとしかなかったのに。」

 

 

新たな疑問がユーノの頭を悩ませる。今、悟飯の纏っているオーラの魔力はなのはの持つ魔力を軽く凌駕した状態。それだけでなくセルの身に纏う魔力オーラさえも上回っていたのだ。

 

 

「あ、ありえん……なんだその魔力は!? 何処から出てきたというのだ!!」

 

 

クローン戦士も銀色の炎を纏う悟飯に驚きを隠せずにいた。そして初めて恐怖を覚える。

自分を超える魔力、金色の炎の時には感じられなかった。しかし火花を放つ青い稲妻は残っていた事から一つの可能性を導きだし。

 

 

「ま、まさか貴様の気がそのまま魔力に変化を……よっ、よせっ!やめろーーーーっ!!!」

 

「だあああぁぁぁっ!!」

 

 

セルが静止させようとする前に悟飯はドラゴンボールを掴み物凄い腕力で一気に引き抜く。

魔力で纏われてた膜は何時の間にか消滅しており、球体を引き抜かれた直後、怪物は森全体に響くかと思われる程の絶叫を木霊させる。空洞のできた腹部から血液と禍々しい魔力の光を漏らしながら。

 

 

「うおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ…っ!!!!??」

 

 

魔力の源を引き抜かれた事によりセルの体に異変が訪れ始める、5つの残像が現れて合体する前のセルジュニア達に分裂しようとしていた。

 

 

「い、嫌だっ!昔のオレ達に戻りたくないっ!!それを返せええぇーーーっ!!!」

 

 

合体が解ける事を恐れたクローン戦士は余裕がなくなり切羽詰った形相でドラゴンボールを取り戻そうと突進してくる。が、悟飯はなんなくと回避するだけでなく純白のマントを翻して回し蹴りをセルの顔面に減り込ませ―――上空へと吹き飛ばす。

 

 

「ぐおおおおっ!! お、オレは…オレは最強のクローン戦士なんだ!!」

 

 

もはや完全に追い詰められた怪物は魔力が残っている内に力を両手に集めさせて膨大な漆黒のエネルギーを蓄積させていく。高密度に圧縮された闇色に輝く光球はその場にあるだけで強風を巻き起こし、大気を切り裂いていき―――

 

 

「跡形もなく消し飛べええええええええええぇぇぇぇぇっっ!!!!!」

 

 

球体だったものは光線として地上に放たれる。しかしその矛先は悟飯ではなく彼等の戦いを見守っていたなのはとユーノ……から少し離れた所に位置する大木へと。

 

 

「しまった!? あいつの狙いは……。」

 

「フェイトちゃん!」

 

 

大木の下には気絶しているフェイトとアルフの姿が。怪物が最後の抵抗として狙った相手はフェイトだったのだ。逆恨みを抱いた殺意の波動は少女をこの世から抹消せんと迫りくる。咄嗟になのはが二人の元へ向かおうとするが、間に合ったとしても対処すべき方法はない。

 

音速を超えた速度で放出されたそれは数秒とかからず直ぐに辺り一帯を呑みこむだろう―――少年が立ち塞がるまでは。

 

 

「か……め……。」

 

「悟飯くん!?」

 

 

何時の間にか金髪の少年は倒れているフェイト達を守るように大木の前に移動していた……金色の炎を再び灯しながら。悟飯は直立不動で上空から降りかかる光線を見据えたまま小さく声を発す。

 

 

「は……め……。」

 

「なにをする気なんだ。」

 

 

呪文のような言葉が聞こえてくると金色の炎は大きく膨れ上がりより一層輝きを増して、一緒に纏わりつくスパークもバチバチと火花が散る。そして邪悪な光線が彼等の目と鼻の先にまで迫り掛かった刹那―――

 

 

 

 

 

「波あああああああああああぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーっ!!!!!!」

 

 

 

 

 

両手首を合せる形で一気に前方へと突き出す。突き出された掌からは青白い輝きを模した巨大な光のエネルギーが極太の光線となって放出されて、その先の漆黒の光線と激突する。

光線の周りでは暴風とも呼ぶべき衝撃破が響き渡り、乱暴に樹木を傷つけていく中で光線同士はおぞましい閃光を散らしていくが。

 

 

「―――ぬおおおおぉっ!!!」

 

 

悟飯が放った青白い光のエネルギー……通称“かめはめ波”があっさりと打ち勝ち、邪悪なエネルギーを呑み込んでそのまま真っ直ぐセルの元へと伸び進んでいく。

 

 

 

「ぐ…がが……あ、あと少しで……自由が手に入る所だったのに…たす…けて……ロ…さま……ヒギャアアアアアアアアアァァァァァァァァ…!!!!」

 

 

強烈な閃光に包み込まれたクローン戦士はどうする事もできずに元のセルジュニア達に戻る事無く断末魔と共に跡形も残さずに消滅する。この瞬間、悟飯の勝利が確定した。

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