真・異世界に迷い込んだ超戦士   作:blacktea

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はい、もう文章力については諦めました!内容で頑張っていきたいと思います(
それと、他のDBクロスssと違い戦闘が少ないという意見を聞きますが、理由は特にありません。強いて言えば悟飯だからです。まぁ非日常編に入れば嫌でも戦闘が入りますので、派手な戦闘が見たい方はそれまでどうかお待ちを!((。あと、もし謎がわかっても絶対に感想欄には書かないでください(ネタバレになりえるので)。では、日常編もとい微日常編をどうぞ~



第20話 車椅子の少女

暗闇の世界に光が差し込み、徐々に映像が鮮明に映し出されていく。其処には幼い金髪の少女と黒髪の女性が向かい合っていた。少女の足元には薄茶毛の山猫が二人を見上げている。

 

 

「ママ、今日もお仕事で遅くなるの?」

 

「ええ……ごめんなさいアリシア。本当は一緒にいてあげたいんだけど……。」

 

「ううん、大丈夫だよ。いい子でお留守番してるね。」

 

「アリシア……もう少ししたらお休みが取れるから、そしたらまた一緒にピクニックに行きましょう。」

 

「ほんと? うん! 約束だよ。」

 

「にゃ~。」

 

 

それは何気ない日常で交わした約束、親子は互いに微笑みながら穏やかな時間を過ごす。

 

――刹那、唐突にノイズが走り出すと映像が移り変わる。女性の姿は何処にもなく、少女と猫はベランダで外の景色を眺めていたのだ。そして、数分も経たない内に轟音が鳴り響き、迫りくる巨大な光へ包まれていく。

 

 

『……い………を……て……。』

 

 

光に覆われた直後、ノイズに混ざって声が脳内を通して響き徐々に意識が覚醒し始めるのだった。

 

 

 

 

 

「ふあぁ〜〜……。」

 

「……むすっ。」

 

 

眠気が未だに残ったままアリサに着いて行く形で後ろを歩く悟飯。二人は先程まで映画を鑑賞していたのだ。だが鑑賞している途中に悟飯は眠気に襲われて熟睡してしまい、目を覚ました頃には既に映画が終わっており、それからずっとアリサの機嫌が悪くなっていた。

 

 

「もう! あんなに良い映画だったのにどうして寝てるのよ。」

 

「ごめん。さっき、たくさん食べたから眠くなっちゃって……。どんな内容の映画だったの?」

 

「えっ、それは恋愛も……う、うるさいうるさいうるさい! 気になるなら今度一人で観に行きなさいよ! とにかく次いくわよ…!」

 

「う、うん……。」

 

 

アリサは単純に捻くれた好意を積極的にぶつけているだけに過ぎない、彼を買い物や映画に付き合わせたりするのは好意の感情があっての行動である。

もう少し悟飯が恋愛面に察しが良ければ少しは気づけたかもしれない事態なのだが、生憎悟飯はこの面は疎かったのだ。特に自分への好意に関しては……。

 

 

(折角のデートなのに……悟飯のバカ。)

 

 

頬を紅潮させながら淡々と進んでいく、デートのつもりがそれをまったく気づいていない悟飯にアリサは呆れたような感情を抱きつつ次の目的地であるデパートへ向かった。

 

 

 

 

「これ可愛いわね。あ、でもこっちも悪くないかも。」

 

(お母さんもそうだけど、なんで女の人の買い物って長いんだろう……。)

 

 

様々な種類の洋服を手に取って見比べては買い物カゴへと入れていくアリサ、婦人服売り場に入ってから既に30分が経過していた。大人しく待つように言われた悟飯は近くのベンチに座って彼女の様子を眺めていたが買い物をする時の母親の姿と重なって疑問が浮かび上がる。

 

 

(それに、今日のアリサちゃんはやっぱり様子がヘンだ。)

 

 

加えて普段のアリサと比較してみると今の彼女には少し違和感を覚えるがそれでもデートだからという発想には辿り着いていない。というよりデートがどういうものなのか理解してないのだ。

 

 

(そういえば、さっき見た夢に出てきた女の子ってフェイトちゃんに似てたな……。)

 

 

ふと映画館で見た夢の出来事を思い出す。朧げだが夢の中に出てきた金髪の少女は本人かと思える程フェイトにそっくりだったのだ。容姿はまだ幼いものの数年経てば今のフェイトに成り得る程に。それでも彼女の母親と思われる女性がアリシアと呼んでいた事から別人なのだろう。もしかしたら、フェイトの姉妹なのかもしれない。

 

 

(最後に聞こえた声、前にも何処かで聞いたような気が……でも、何を言いたかったんだろう…?)

 

 

夢から目覚める前に聞こえた声。ノイズが走っていた所為もあって言葉が上手く聞き取れなかったが、何か自分に訴えてるように思えたのだ。しかもその声は以前にも何処かで聞いた気がしてならない。だが思い出す事はできず悶々とした気持ちとなり考え事に集中していたのだが……。

 

 

「悟飯? なに俯いてるのよ。」

 

「アリサちゃん!? もう買い物は終わったの?」

 

「ええ、ここではね。ということで荷物持ちよろしく!」

 

 

気が付けば目の前にアリサが立っていた。どうやら買い物は終わったらしく、両手には複数の紙袋を持っており、彼女から紙袋を全て受け取ると中から大量の衣服が目に入る。

 

「ここではって……他にも買うものがあるの?」

 

「あたりまえじゃない。さぁ、次行くわよ!」

 

 

当然だと言わんばかりにアリサが答えると二人はエスカレーターで上の階に進む。到着したのは男性用の洋服コーナーであり早速アリサは悟飯に似合いそうな服を探し始める。

 

 

「うーん、男物の服は似たようなのが多くて難しいわね。パパや鮫島のならまだわかるけど。悟飯、あんたはどんな服がいい?」

 

「ボクはなんでもいいよ。」

 

「なんでもってねぇ〜……。」

 

 

願望を口にしてくれれば少しは選びやすいのにと感じながらアリサは綺麗に並べられた洋服に視線を動かしていく。たまたま目に止まった黒っぽいポロシャツと長ズボンのセットに手をかけて取り出せばその服と悟飯を一度見比べて。

 

 

「これとか大人っぽくていいんじゃない? 普段とは違う感じもするし。」

 

「そう? とりあえず着てくるね。」

 

 

実際に着て見なければなんとも言えず、アリサから洋服を受け取れば悟飯は籠に入れて試着室に入る。そして数分経つとカーテンが開いて着替えを終えた悟飯が出てくるが……。

 

 

「ん~……サイズはちょうどいいかな。」

 

「………。」

 

「どうかなアリサちゃん?」

 

「………。」

 

「アリサちゃん…?」

 

「……へ? あー、うん。似合ってると思う……。」

 

 

頬を染めてボーッとしたまま動かないアリサ。衣装の所為か大人びた悟飯の姿に見惚れていたのだ。

具合が悪いのではないかと感じた悟飯は帰る提案を持ちかける、するとアリサは顔を横に振ってから平気だと答えてそのまま買い物を続行する事となった。尚、悟飯の服装はアリサからの希望で購入した服を着た状態である。

 

その後もデパート内を歩き回っては食品売り場、スポーツ用品売り場、家電売り場、雑貨売り場と立ち寄る。主にアリサが欲しいのもを購入し、悟飯は荷物持ちの役割で。そして、あらかた必要な品物を購入すると屋上の休憩スペースで休む事にした。

 

 

「それにしても、休日とはいえ今日はやけに子供が多いわね。イベントでもやってるのかしら?」

 

「ホントだ。ん? 向こうでなにか聞こえる。」

 

「————悪は絶対許さない! ウミナリマン参上!!」

 

 

高らかに聞こえた声に惹かれて悟飯はその方角へと目を向ける、そこには黒いスーツに金色の装甲を装着し赤いマントを羽織り仮面を被った男が舞台の上でポーズを取っていたのだ。観客席には子供達が舞台を囲むように大勢集まっており、ウミナリマンと名乗った男は悪役であろう戦闘員に囲まれている風景だった。

 

 

「海鳴市の平和はこの正義のヒーロー、ウミナリマンが守る! いくぞ、とおっ!!」

 

「「「「頑張れ~~! ウミナリマーン!!」」」」

 

 

ウミナリマンは襲い掛かる戦闘員達と戦いを始める、子供から熱い声援が送られ盛り上がっている様子だ。

 

 

「ふーん、ヒーローショーをやってるのね。けどウミナリマンって単純な名前だし、格好もポーズもダサくない?」

 

「わぁ~~カッコイイなぁ。」

 

「………は?」

 

 

ウミナリマンを見た感想を述べて悟飯に振るが彼もまた声援を送る子供と同じ目をしながら仮面の戦士を応援していた、襲い掛かる戦闘員達を倒しながら人質を助け出すウミナリマンに見惚れているせいで彼女の言葉が頭に入っていない。

 

アリサはまったく反対の感想を呟いた悟飯に呆然としていたがやがて正気を取り戻し。

 

 

「休憩終わり! もう買う物もないしデパートを出るわよ!」

 

「えっ!? もう少しだけ…―――わわわっ!!」

 

 

悟飯の腕を引き寄せて歩き出す。あの様子だとショーが終わるまで此処に残ると言い出しそうでその前に強硬手段に出たのだ。折角のデートの時間をヒーローショーで潰されたくはない。

またもや強引に連れて行かれ悟飯は名残惜しそうな感情が残りながらも人混みの溢れる屋上を後にしようとした――時だった。

 

 

『お客様のお呼び出しを申し上げます。孫悟飯様、孫悟飯様、お連れ様がお待ちです。1Fインフォメーションセンターまでお越しください。』

 

 

「え!? 今、悟飯の名前が呼ばれなかった?」

 

「ボクにもそう聞こえたよ。」

 

 

突然流れてきた館内放送で悟飯の名前が出たのだ。これには悟飯とアリサも驚き一旦足を止めて繰り返されるアナウンスに耳を傾ける。しかし何度聞いても“そんごはん”と名前が出てきて聞き間違いではない事を確認すれば。

 

 

「あんた、今日誰かと会う約束してた?」

 

「会う約束? 別にしてないけど。」

 

「そうよねぇ。もし、約束してたならあたしが誘った時に断ってたと思うし……。でもそうなるとお連れ様って誰? それに、なんであたし達がデパートに来てるって知ってるのかしら。」

 

 

本人に心当たりがないのなら“誰”が悟飯を呼び出したのか?どうして自分達がデパートにいる事を知っているのか?アリサはそれが気がかりになっていた。少なくとも悟飯の名前を知っている故に身近な人物の可能性が高い。

 

今日、買い物に出かける事を知っているのは鮫島とさっき別れたフェイトを除けばなのはやすずかを含めた学校のクラスメート。と言っても悟飯を買い物に誘ったのは放課後な為、ほとんどの生徒は帰宅していた筈。何人かの生徒はまだ残っていて聞かれた可能性もあるが、そもそも悟飯には買い物に行くとしか伝えておらず具体的に何処で買い物をするかは当日までわからないのだ。仮に自分達がデパートに入る所を目撃したからだとしても用があるなら直接話しかければいいだけの事。わざわざ館内放送で呼ぶ必要はあるのだろうか?

 

 

「とにかく行ってくるよ。なにかあったら連絡するからアリサちゃんはここで待ってて。」

 

「……わかったわ。たぶん、人違いだと思うけど一応気をつけなさいよね。」

 

 

もしかしたら名前が同じだけの別人の可能性だってあり得る。珍しい名前だが外国の方なら同姓同名がいるかもしれないという考えに至ったアリサは言われた通り屋上で待つことにし、階段を駆け下りていく少年の後姿を見送るのだった。

 

 

 

 

「すみません、さっき放送で呼ばれた孫悟飯ですけど……。」

 

「孫悟飯様ですね。少々お待ちください。」

 

 

1階まで降りてきた悟飯は早速インフォメーションセンターにいる受付の女性に話しかける。すると女性は何処かに電話をかけたかと思えば「此方へどうぞ」と悟飯を奥の扉の前へと案内し、ノックをしてから扉を開く。どうやら其処は待合室のようらしく幾人かの老人や若い女性が椅子に座っていた。

 

 

「ほら、はやてちゃん。ボーイフレンドが迎えに来てくれたわよ。」

 

「違います~。からかわんといてください。」

 

 

そんな中、楽しげな会話と共に此方に向かってくる者達に気が付く。視界に入ったのは車椅子に乗った茶髪の少女と少女が乗る車椅子を押す女性の姿だった。女性の方は先程の受付嬢と同じ衣装を着ていた為、店側の人間なのだろう。

 

女性が悟飯の前まで近づいてから止まると押していた車椅子も止まり、ちょうど少女と目が合い。

 

 

「悟飯くん、やっと会えたな~。トイレに行くって言って全然戻ってけえへんから心配したんやで。」

 

「トイレ? いや、ボクは……。」

 

「ダメじゃない、女の子を放ったらかしにして一人でフラついてちゃ。エスコート失格よ?」

 

「あ、えっと、その……ごめんなさい。」

 

「気にする事あらへんって。またこうやって会えたんやし。」

 

 

顔を近づけて注意する女性の迫力に負けて思わず謝罪するが、隣でさも親しげに話しかけてくる少女には戸惑いを覚えてしまう。恐らくさっきの放送で言っていたお連れ様とは彼女の事だろう。だが悟飯は少女をエスコートなどしておらず、それどころか会話した事すらない―――初対面なのだ。

 

 

「あのー「それじゃ、今度はしっかりとエスコートするのよ? あ、はやてちゃん。石田先輩に会ったらよろしく言っといて。」」

 

「了解や。ほな、食品売り場に行こうか。」

 

 

疑問を投げかけようとする前に部屋の外に戻されては何故かエスコートする役目を押し付けられてしまう、仕方なく悟飯は車椅子を押しながらはやてと呼ばれた少女が希望する食品売り場へと向かうのであった。




(オマケ/その頃のアリサ)

アリサ「ああは言ったけど、やっぱりあたしも一緒に行けばよかったかも。」

子供達「「「「いっけーーー!ウミナリマーーーン!!!」」」」

アリサ「うっさいわねぇ。悟飯もなんでこんなのにハマッたのかしら?」

ウミナリマン「これがみんなから貰った正義の力だ! ウミナリキーーーーック!!(ワイヤーに吊るされながら真横からキック)」

怪物「ぐあああああああああぁぁぁっ!!(スモークに覆われた後、爆発)」

アリサ「って、爆発ぅ!? 最近のヒーローショーってこんなにリアルなの?」
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