彩色集いて太刀をなす。   作:tora@812

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 前回なんか負の面が多くなったなぁ。

 龍斗、ルキア、恋次ときたのでまぁ今回誰回かは解りますよね。そろそろヒロイン出さないとこのパートでヒロインがルキアに成ってしまうので。それも悪くないとは思うけど、やっぱり桃の方がイベント的に書きやすいので。表題は速水龍斗が『太刀』、戌吊ルキアが『光』、阿散井恋次が『吼える』、雛森桃が『花』って感じに成ると思います。

 一話微調整しました。あんまり変わってないですけど読点変えたので読みやすくはなったかな?



第十一話 決意という名の花が咲くから、

 「はぁ、どうしちゃったのかな?ルキアさん」

 

 私はさっき廊下でぶつかった友達の事を考えていた。ルキアさんとは一年前の演習のときに知り合ってから鬼道の練習をしていく中で少しずつ仲よくなっていった。芯が強い人だと思う。だからあの弱っているのを無理に隠そうとしているようなさっきの態度は一瞬だったけど見ていて辛かった。

 

 何があったんだろう?阿散井くんとケンカでもしたのかな?でもそれぐらいであぁ成るとは思えないし‥‥‥

 

 お昼も食べ終わって時間があるし、心当り無いか皆に聞いてこようかな?

 

 そんなことを考えて一組の教室に足を運んだ。阿散井くんが居ないかと思ったけど居なかった。代わりに貴族の女子が何かひそひそ話していた。数十年前よりは格段によくなっているらしいが、霊術院は貴族びいきなところがある。だから私も貴族のグループとは距離を取るようにしていた。それなのに何故か今何を話しているのか聞きたい気がした。

 

 私は自分の机を漁るふりをしながら、その会話に聞き耳をたてた。

 

 

 

 

 

 「ねぇ、聞いた?噂だけど朽木家が養子取るらしいわよ」

 

 「あら?そうなの?どこの家から?」

 

 「それがどこの家でも無いらしいのよ」

 

 「え〜、なに?クイズ大会だったの?」

 

 「もしかして、また流魂街から?」

 

 「え〜まさか〜」

 

 「そのまさからしいわよ」

 

 「え〜。朽木家って前も流魂街から家に入れてなかった?」

 

 「そうそう、まぁ結局子供も産まれずに逝ったらしいから朽木の血に悪いものが入ることは無かったみたいだけどね」

 

 「何で流魂街からばっかり家に入れるかねぇ、現朽木家当主は」

 

 「まぁ、所詮遊びでしょう」

 

 「で、その遊び道具になったカワイソウな子はどんな子なのかしら?」

 

 「さぁ、私もそこまでは知らないわ。一応噂だしね」

 

 

 

 

 

 うわー、何て言うか酷い会話だなぁ。聞いても気分悪く成るだけみたいだし、そろそろ他の所行こうかな?

 

 腰を上げたところで、教室に誰かが入ってきた。見たら貴族の子だった。

 

 

 

 

 

 「ねーねー、さっきスゴいの見ちゃった!」

 

 「何?どうしたの?」

 

 「さっきね。廊下歩いてたら朽木白哉様を見たの!」

 

 「えっ!すごい!」

 

 「でねでね、その時教員と一緒に生徒が一人居たんだけど、あの子が噂の養子候補なんじゃ無いかな?」

 

 「へぇー、どんな子だったの?」

 

 

 

 

 

 さっさと別の所に行こうと扉に手をかける

 

 

 

 

 

 「皆も知ってるよ〜。ほら、一組と二組行ったり来たりしてる紫の眼の」

 

 

 

 

 

 ―――えっ

 

 

 

 

 

 ゆっくりと首を後ろに向ける

 

 

 

 

 

 「なんて名前だったかな〜」

 

 

 

 

 

 ―――うそ

 

 

 

 

 

 「あぁ、思い出した!戌吊ルキアだ」

 

 

 

 

 

 ―――ルキアさん

 

 

 

 私はさっきの異変の意味を知った

 

 

 

 

 

 

 

 次の時間、阿散井くんは教室に来なかった

 

 放課後確かめたらルキアさんもあの後授業に出なかったみたいだ

 

 ただ足の向くまま歩いていたら、校舎近くの林に来ていた。実戦の練習するときはここに来てたな。偶に阿散井くんも居たけど速水さん相手によく二人で勝負を挑んでいた。‥‥‥楽しかったな

 

 近くの樹に寄りかかる。

 

 「──私は…どうしたいのかな?」

 

 力には成りたい

 

 でも 力がない

 

 「……何だか()()るな」

 

 

 

 

 

 「やっぱりここに居た」

 

 「え?」

 

 振り返るとそこには

 

 「居たんですか?速水さん」

 

 「いや、今来たとこ」

 

 「そう…ですか。どうしてここに?」

 

 速水さんが一人で練習するときは練習場を使うことが多い。私たちで使うときも実戦形式の時だけで、基本練習の時は別のところを使っている

 

 「桃はルキアと仲がいいだろ?あの噂、あっという間に広がったから桃の耳にも入ったんじゃ無いかって思ってな。ルキアと恋次は早退したから桃だけでも話聞こうかな?って思って」

 

 「そうでしたか…。速水さん、ルキアさんは養子に行くと思いますか?」

 

 「さぁ?それはルキアが決めることだから俺には分からない」

 

 「そう…ですよね。‥‥‥あの噂、本当なんですね」

 

 「あぁ、目の前で見たから間違いない」

 

 そうか、やっぱり本当なんだ

 

 「私、廊下でルキアさんにあったんです。泣いてるのを隠そうとしてるみたいでした。苦しいんですかね?私がもしおんなじように成ったら、きっと断りたいと思うんです。私は離れたくないから。此処とも、シロちゃんとも‥‥‥速水さんとも。同じなのかな?ルキアさんはここに居たいのかな?そう思うんです。

 

 だけど、ルキアさんが本当にどうしたいか分からない。当たり前ですよね。私はルキアさんじゃ無いんだから。だから、ひょっとしたらルキアさんは養子に行くかもしれない

 

 速水さん…私は‥‥‥友達が居なくなるのが怖い」

 

 だけど。と前置きをして私の今思う本心をいう

 

 「このまま…何もしないまま過ごしてしまうのはもっと怖い」

 

 私は昔からお節介だと思う。悪い癖だとも思う。誰も友達の居ないからこそシロちゃんを優先して行動したこともあった。みんなが逃げていても、檜佐木さんを置き去りにできなかった。でも私は強くない。だからよく、(かえ)って足を引っ張ってしまうけど。私が死神に成ろうと思ったのはお節介でも守りたいと思ったから。却って足を引っ張る弱さを捨てたかったから。

 

 だから、何もしない自分に成るのが怖い。

 

 でも、相手は今‥‥‥

 

 「速水さんは貴族に成るかもしれない相手とは身分が違うから付き合ったら駄目だって思いますか?」

 

 私は流魂街出身者。貴族贔屓なここでは幾ら養子とはいえ、貴族側の手を出そうとしている相手と何かするのは立ち位置を悪くするかもしれない。ルキアさんとの付き合いをしたくても、貴族の側の人間というものが付きまとう。

 

 「まあ、風当たりは辛くなるかもしれないな。身分はこの世界で逃れられない問題だと思う」

 

 「そう…ですね」

 

 

 

 「でもさ‥‥‥。ルキアは元々こっち側の仲間なんだ。そこに後から入ってきた奴にとやかく言われる筋合いは無い。だから貴族だからどうとか俺は考える必要は無いと思う。だから、人間付き合いをわざわざ切ってやる必要は無い。‥‥‥それが俺の考えかな?」

 

 ……速水さん‥‥‥貴族相手なんですから『とやかく言われる筋合いは無い』って‥‥‥

 

 

 

 でも───

 

 

 

 「そうですよね。ルキアさんはルキアさんなんですから、ルキアさんとして接しても良いんですよね」

 

 

 

 少し笑う

 

 あぁ、さっきまで笑って無かったんだと気が付く

 

 「速水さん。私、ルキアさんと話してみようと思います。‥‥‥どうなるかは分からないけど、やっぱり何もしないのは嫌ですから」

 

 「そうか。でも、もう夕方だから明日にしろよ」

 

 「はい!」

 

 もう太陽が西の空に沈みかけていた。

 

 速水さんが近くに歩いてくる。

 

 「暗く成りそうだし送るよ。女子寮は玄関までなら行ってよかったよな?」

 

 「はい。―――へ?」

 

 

 

 一瞬固まる。

 

 

 

 「あっ、駄目だった?まぁ人目気にするわな。ごめんな、変なこと言って」

 

 「いえ!!全然!!ダメじゃないです!!!」

 

 スーッと顔が赤く染まっていく

 

 「そんな必死に言わなくても」

 

 かなり大きな声を出していたようで、速水さんが少し驚いているような顔をしていた。

 

 「す、すいません」

 

 「ならそろそろ行こっか」

 

 「はい!」

 

 並んで歩き出す

 

 

 

 少し歩くと速水さんが話しかけてきた。

 

 「桃、明日ルキアのところ行くんだよな?」

 

 「はい、そうするつもりです」

 

 「なら、ルキアのこと――ルキアの悩み聞いたりとか気持ち落ち着けたりとか任せても良いか?」

 

 「良いんですか?私で?」

 

 「女同士、同期同士の方が話しやすいこともあると思うしさ」

 

 

 

 『任せる』……か

 

 

 

 「はい、分かりました。出来る限りのがんばります。ところで」

 

 私はふと気になったことを聞いてみた。

 

 「速水さんはどうするんですか?」

 

 「俺?俺は…ルキアがどっちに転んでも一人に成らないようにする・かな?」

 

 「???」

 

 「もしも貴族に成らないことをルキアが選んだら風当たりが強くなっても守れる。だけど貴族になった場合、今の立ち位置だったらルキアを守れないだろう?だから、立ち位置を作ってくる。あっちだって、ルキアを悲しませないために行動する意味はあるだろうし」

 

 「でも、ルキアさんの事って貴族からしたら唯の遊びかもしれないんじゃないですか?それなら―――」

 

 そんな私の言葉を遮って速水さんは話し出す。

 

 「たしかに唯の遊び()()しれない。でも、そうじゃないかもしれない。まぁ、やるだけやって駄目だったらその時また考えるよ」

 

 すごいな。そこまでしようとしてくれるんだ。

 

 ここでふと思い出した。

 

 「そういえば、速水さんの誕生日って勝手に決めてよかったんですよね」

 

 「え?ああ、そうだけど?」

 

 「決めました。速水さんの誕生日」

 

 「へぇ、いつ?」

 

 興味深そうにこちらを見る

 

 「速水さんは迷ったとき、よく照らして下さるから」

 

 もう沈む寸前の太陽を見ながら言葉を続ける

 

 「だから一番みんなを照らしてくれる日が似合うと思んです。まぁ実際は梅雨と重なってしまうんですけど。でも一番照らす日がいいと思うんです。だから……」

 

 立ち止まって、相手の方を向く。

 

 

 

 「昼の一番長い日、夏至にしませんか?」

 

 

 

 「夏至…か」

 

 少し考えるようにして

 

 

 

 「じゃあ、そうさせてもらうよ。ありがとう」

 

 「――――。気に入ってくださったならそれで良いです」

 

 ただお礼を言われただけなのに、嬉しくなってしまう。惚れた女の弱みってやつなのかな?

 

 話しているうちにもう着いてしまった。でも、もともと近い距離だったからこんなものかな?

 

 「じゃあ、またね」

 

 「はい、今日はありがとうございました」

 

 悩みは消えた。明日はしっかりルキアさんに向き合おう。

 

 そう決意し、一歩踏み出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「やっぱり桃はまっすぐだなぁ」

 

 寮に入っていく桃を見ながらそんなことを考えた。

 

 桃は一年前の演習のとき、真っ先に巨大虚に向かっていった。将来起こるだろう原作の自分の隊の隊長の殺害という事態でも敵だと判断した相手に向かっていった。

 

 『こうだと思った道を一直線に進める』

 

 これは桃の長所だと思う。それと同時に()()()()()()()()()()であるのも事実だ。

 

 「まぁ、後輩守るのは先輩の義務だよな」

 

 男子寮の方に足を向ける。

 

 「明日は頑張ろう」

 

 帰りつつ、明日の計画を頭の中でまとめだした。




 サブとはいえペースが疎らだなぁ。メインもだけど。

 安定して投稿出来る方たちってすごい。

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