彩色集いて太刀をなす。   作:tora@812

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 随分と間が開きました。すいません。いくら気分転換用とはいえやっぱり偶には更新しないといけませんね。

 原作で『常時解放型』が否定される流れに成ってるようだけど『常時半解放型』はどうしよう?一応何個か逃げ道考えといたけど、原作の流れ次第だな。

 関係無い事だけど、僕の厨二全盛期の研究テーマの一つに『意図的な多重人格の形成』ってのがありました。それが今『七宝』っていう斬魄刀を書く上で助けに成ってるんだから人生って分かんないもんだなぁ。因みにもう一つの研究テーマは『身体の思考と精神の思考』っていうのでした。ノートに取ってたら今の作品づくりのヒントになったと思うのに………。何で黒歴史ノート創らなかったんだよ!(答)字が汚いから、偶に書いてても読めない。………文字は綺麗に書ける方がいい(確信)。



第十三話 顧みたりて太刀をなす。

 「少し恋次に強く言い過ぎたか」

 

 瀞霊廷の中の道を歩きながら、そんなことを呟いた。まったく大昔(前世)自分()は他人に答えを出して貰わないと何も出来なかったくせに。まぁ、大昔の事を棚に上げるのは仕方がないのだが。

 

 気持ちを切り替えてルキアを孤立させない環境を作る方法を改めて頭の中で整理する。恐らく、ルキアの側に今の環境の知り合いを置くのが手っ取り早い。そして、今の俺は護廷への入隊の権利がある。恐らく原作どうりならそれでも若干間に合わなかった。だが今回はバタフライエフェクトが味方してくれたのか、ルキア入隊は『早くに』と言われていた。忘れたが原作だと『すぐ』や『直ちに』みたいな表現だったはずだ。推測だが、原作より早く成ったために朽木家でカリキュラムが足りていない部分を叩き込む必要性があるのかもしれない。ならばその時間差を利用すればいい。

 

 原作と歪んでいる可能性もある。だから原作基準で動くのは下策だ。ならば直接朽木家に聞きに行くしかない。だが、いち学生に会ってくれる可能性は低い。今回に限ってはあるかもしれないが、門前払いされたら結局同じだ。ならば断れないようにしてしまえばいい。

 

 着いた場所の看板を見上げる。

 

 「使えるものは使わないとな」

 

 俺の今一番使える可能性のあるコネ。

 

 ――護廷隊十二番隊直轄:技術開発局――

 

 「まさか自分から来ることに成るとはな」

 

 もう入口は顔パスで入れるレベルで出入りしているので特に問題なく中に入る。

 

 局内の部屋巡っていると、意外に早く目的の人を見付けた。

 

 「ん?『七宝』の持ち主か。今日は呼んでないぞ?」

 

 「こちら側から用があるんですよ。阿近さん」

 

 護廷十三隊十二番隊第三席、技術開発局副局長。この人を頼るためにここに来た。

 

 「2つほど頼み事があってきました」

 

 と言うと阿近さんは溜め息をついた。

 

 「書かされた紙の『有事』って奴か」

 

 「えぇ、忘れてた訳じゃ無いですよね?」

 

 「いや、最初に頼みに来るのはお前が席官にでもなった頃に戦闘補助具でも頼みに来るもんだと思ってただけだ」

 

 戦闘補助具……剣八の眼帯や檜佐木さんの爆弾みたいな奴とかか?

 

 「で、何をすればいい?」

 

 「やって欲しい事の一つ目は朽木家当主会えるようにして欲しいということ。そして二つ目は………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「理解はしたが、それは局長のに頼まないといけない部分もあるぞ。お前、局長とは契約結んで無いだろう?局長、『春華』だけなら興味が無いらしいからな」

 

 やはりそう来たか。笑みを浮かべて次のカードを切る。

 

 「えぇ、『春華』()()ならそうでしょうね」

 

 暫しの沈黙の後、阿近さんがニヤリと笑う。

 

 「隠してたか」

 

 「最近呼び出されなくて言う暇が無かっただけですよ」

 

 嘘は言っていない。ただ、呼び出されてても質問されない限り交渉カードとして取っていただろう。

 

 「まぁ、そういうことにしておこう」

 

 互いに笑みを浮かべる。阿近さんは新しい研究対象に対して、俺は第一段階をクリアした事に対して。

 

 「ついて来い。その間に新しい能力を得たきっかけでも教えてくれ」

 

 「他人が絡むので所々ぼかしますよ」

 

 そう言いながら、あの日の夜の事を思い返し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あれは、年末に桃のとこのおばあちゃんの家に居たときの事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「寒い」

 

 

 

 

 

 扉はきちんと閉めていたはずだが。

 

 体を起こし周囲を見た。戸締まりはきちんとしている。

 

 「妙だな」

 

 その時手にひやりとした物が触れた。

 

 その触れた物を見て、溜め息をつく。

 

 死神代行編で一護は大量の霊圧を放っていた。だから、その膨大な力は織姫とチャドの資質を導き、二人に完現術の力を使えるようにしたと周囲が解釈していた場面があった筈だ。

 

 今日は転生というイレギュラーながらまぁまぁ力を有している俺に、将来副隊長に成るであろう恋次とルキアも本来あったかどうか分からない形でこの場に来ている。

 

 だから同じように力の素質を持つものの力を引きずり出すことも考えられる。それが隊長に成りうる程協力な力なら尚更で………

 

 

 

 

 

 「冬獅郎」

 

 

 

 

 

 俺らの影響で時期が変わったか?松本乱菊との絡みのあとに霊術院行きを決めたのだし、あの回で初日から遅刻するとか桃が言ってたからあの魂葬演習のエピソード回の冒頭に繋がるはずだ。いや、冬獅郎が霊術院入りするのはルキアが『朽木』に成ってからだ。恋次が死神の試験を受けていた時期だから矛盾する。だから松本乱菊との絡みが魂葬演習の時期と一致はしないはず。なら正史どうりか………

 

 

 

 

 

 「アホらし」

 

 だいたいイレギュラーが存在してる段階で『僕』の記憶と違う歴史が流れるのは当然じゃないか。『BLEACHの世界に転生』とあの天使が言っていたが、イレギュラー参戦の段階で『BLEACHの世界』は『BLEACHによく似た世界軸』に成る。だから『読者:速水龍斗』の記憶などあてにするだけ無駄だ。

 

 「ふふ、厨二は大分置き換えられても思考パターンは変わらないもんだな

 

 

 

 ―――破道の三十一・赤火砲―――」

 

 少し笑って、他の連中が冷えないように空に火を浮かべる。

 

 「冬獅郎の霊力が強まったのが俺らのせいだと仮定するとおばあちゃんが松本乱菊との絡みの前に凍死する可能性も捨てきれないか………少しだけ霊圧に干渉するけど悪く思わないでよ。押さえ方を覚えたら元に戻すから」

 

 転生のデメリットなのか縛道(補助)は出来ない。でも改変(無理矢理形を変える)ことなら得意だ。でも、そもそも人の霊圧をずっと押さえ込むとか無理だから、冬獅郎が自分で抑え込めるように時間稼ぎにしかならないか。

 

 手を翳し冬獅郎の霊圧を感じ取った。流石は将来の天才児の霊圧だと思った。そして俺は押さえ込む為の力を流し込んだ。

 

 

 

 

 

 ただこの時気が付いていなかった。確かに強い霊圧で冬獅郎の力は誘われたかもしれない。でも強い霊圧(冬獅郎の霊圧)に力を誘われうるのは自分も同じかもしれないと気が付いていなかった。

 

 

 

 

 

 ―――守る力をお望みではありませんか?

 

 敬語で話す男の声をその日俺は聞いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「少し流魂街に行ってたときに冷たくて強い霊圧にあたる機会がありましてね。その時に呼び起こされたみたいですよ」

 

 「ぼかしすぎじゃないか?」

 

 「技術開発局にやたらめったら情報を渡すのは自殺行為だと思うので」

 

 「ひどい言い方だな」

 

 「否定できます?」

 

 「……着いたぞ」

 

 やはり答えないのかと思っていると意外に早く着いたようだ。

 

 「俺が話つけるからちょっと待ってろ」

 

 そういうと阿近さんは部屋の中に入っていった。

 

 ───ここで(わたくし)の存在を晒しますか

 

 「別にいいだろ?間接的とはいえお前の要望どうり『守るため』に使ってるわけだから」

 

 こいつとは初めて解放したときに一つ約束をさせられた。『守るため』にしか使わないという約束だ。口が悪いことを除けば執事キャラっぽいとこがあるからなのかもしれない。

 

 「とはいうものの、おかげで普段は『黄』一色じゃないか」

 

 ───未だそれだけしか解放出来ないあなた様に対して深く同情いたします

 

 まったく、良い性格している。

 

 「一年で2色なら良いペースだろ?」

 

 ───1色目は死なれたら此方も困るから、2色目は極度にあなた様の中にある『原作』と乖離されると此方も迷惑するから。一度としてあなた様力ではないのでは?

 

 「いや、斬魄刀の解放ってそういうもんだろ?だいたい声が聞ける段階までは自力で到達しただろ?」

 

 ───まぁ、否定はいたしませんが。

 

 そこまで話した所で呼ばれたので部屋の中に入る。そこに居るのは前世では当然様付けで呼んでいたが、リアルな人間関係となるとある程度は距離を置きたくもあり、だけど接点は持っておきたい相手。

 

 「お久しぶりです。涅隊長」

 

 「わたしより先に話すんじゃないヨ、検体」

 

 「すいません」

 

 「まぁいい。キミの刀がわたしが研究するに足るものなら、朽木家への紹介状ぐらい幾らでも書いてあげよう」

 

 「ありがとうございま……」

 

 「ただし」

 

 一本だけ爪の長い手で此方の言葉を遮る。

 

 「もうひとつの方はそれでは足りないネ」

 

 やっぱり無理か。

 

 「なら何をすればよろしいのですか?」

 

 「話が早くて良いネ。最近の検体では一番聞き分けがいいヨ」

 

 反抗するだけ無駄だって分かってるから……なんて言えないか。

 

 「なに、至極簡単な事だヨ」

 

 そういうと涅隊長は一つの条件を言った。成る程、確かにとても簡単だ。しかし、受け入れる者は少ないだろう。でも、それなら問題ない。

 

 「………解りました。承けましょう」

 

 そういうと涅隊長は満足そうな顔を浮かべた。そのまま隣の機械の多い部屋に通される。『春華』の時にも来たので何をすればいいか直ぐに分かる。

 

 斬魄刀を抜き、鍔を支える色の内の白で刀身を染める。刀は胸の前で斜めに。丁度千本桜を解放するときの構えから刀を外側に30度程傾けたような形だろうか。それから改号を唱えながら腕を弧を描くようにしつつ広げる。

 

 

 

 

 

 「寒空(さむぞら)(とど)まれ」

 

 

 

 

 

 「―――七宝・氷翼―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「………今回はそこそこ収穫はあったネ。」

 

 全員が立ち去った後、狂気の……いや、自身の興味に純粋な科学者が画面に向かっていた。そこには先程採ったデータの他にも様々な資料が映し出されていた。

 

 「………『一振多刀型斬魄刀』………書物で得た知識は所詮知識でしかない。自らの手で実証するまでは信じない質なんだが、まさかこんなにも手頃な場所に現れるとはネ。………二つ目も発現し、ようやくわたしが動く意味も出てきたネ」

 

 純粋で狂気的な笑みを浮かべながら呟く。

 

 「………全く素晴らしいヨ」

 

 その刀を持つ者は知らない。

 

 一人の研究者が深く自身に興味を持っていることに。

 

 それがある意味で強力な後ろ盾に成ろうとしていることに。

 




 龍斗、マユリ様に気に入られる。の巻でした。これで少なくとも死にはしないフラグが立ったね!やったね!まぁ、正確には死なせてくれないだけだろうけど。

 今回ネムは書かなかったけど、計画『眠』って進捗状況どうだったんだろ?技術開発局に入ってから始めたとしたら、意外にまだ産まれてないのかもしれませんね。蛆虫の巣に入る前からやってたとしたら産まれているかもしれませんが。だとしたらまだロリ?今後情報がどうなるか読めないので一番安全な『書かない』という選択肢を取りました。『眠』、真相はどうなんだろ?原作で書かれない気もするし、適当に決めるべきなのかな?

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