仮面ライダー555vsGE ~神喰らう者と紅の閃光~ 作:ジュンチェ
更新遅くなりましたぁ。いや、本当に……
ちゃんと完結させるんで、はい…(汗)
……残るは、卒論だぁ…はぁ……
「……」
「まあ、そんなに邪険にしないでくれたまえ。」
巧は一悶着のあと、リンドウと新なとある人物と共に先の拘束されていた部屋に来ていた。本来なら訓練施設に当たるとかなんとか言っていたが…まずこの白髪の狐のような眼鏡男が気になって仕方ない。巧を前にしても微笑を崩さず、ローブともつかぬ茶色の服を着た研究者の雰囲気を持つこの男……
「そんなに、険しい顔なさんな。この人はペイラー・サカキ……うちのラボ・ラトリで研究・開発を担う科学者のながらでトップ…んで、この支部だとNo.2ってところだな。実質上……」
「おやおや、リンドウくん…私はあくまでも一介の研究者だよ。まあ、支部長とは長い付き合いなのは事実だけど初対面の方に誤解を生むような言い回しは控えて貰いたいね?」
「おーぉ、何処の口が言うんだか……」
正直、組織の上で研究者なんていう肩書きが揃えば嫌な予感しかしない。というより、まともな人間がいる気がしない…。この『ペイラー・サカキ』という男が持つ独特の雰囲気は多分、先の支部長とは違う意味合いで友好ではない関係になりそうだ。
そんなペイラーが指した場所には巧が拘束されていたベッドがあった場所……そこに、上下に空いたバイオリンケースのような赤い台座があり、身の丈ほどある『槍』らしき武器がある。
「さて、乾君。そういえば、まだちゃんと話をしていなかったね?これからの正式な君の処遇についてだが……我々と同じフェンリルの職員…その中でもアラガミと直接、戦闘を行う神機使い<ゴッドイーター>として働いてもらおう。しかし、いくら君が言う『オルフェノク』と呼ばれる力が特殊でもアラガミに対しては決定打を与える力にはなり得ない。」
それは、巧自身も承知している。ヴァジュラには自分の攻撃はあまり効いてはいなかったのは実感していた…。『そこでだ…』とペイラーは続ける。
「君はゴッドイーターになる気はないかい?人々のためにアラガミと戦うなら、この神機の力は必要不可欠だ。勿論、選ぶ権利は君にある。」
今、ファイズギアは無い…そして、オルフェノクの力も通じない。なら、あの神の名を与えられた異形を相手にどう立ち向かう?
喰らうための『牙』は目の前にある。掴む権利も覚悟も自分にはある。
「どうすれば良い?」
「…即答かい?一応、言っておくけど後戻りは出来ないよ?」
後戻り?必要ない…ここにくるまで退ける道なんて無かった。手が届くなら戦って誰かを救うために必死だった…。
上等だ……
無言でおさめられた槍の前に立つのが彼の返答。ならばと、ペイラーは告げる。
「…言うまでも無し、か。なら、台座の窪みの部分に腕を置く形で神機を握りたまえ。後は成り行きに任せれば良い。」
言う通り、巧は槍を握る。重い………やはり、重い。リンドウは身の丈ほどあろう小枝のように扱っていたが、質量に見合うだけの重量をこの武器は持つ。オルフェノク化するならもしくはといった具合だが、生憎なところ巧の能力はパワータイプではないためそうであっても難しいかもしれないが……
……なら、普通の人間のリンドウが何故に神機と呼ばれる神をほふることができる武器が使えるのか?
この時、窪みの部分がリンドウのつけていた腕輪を半分にしたようなものだと気がつけば良かったと彼は後悔することになる。
「ああ、良い忘れていた……ちょっと痛いだけとさっきは言ったけど…それ、死ぬほど痛いよ!」
…は?
…ガタンッ!とまるで、ギロチンのように無慈悲に台座の上部が落ちてきて巧の腕を挟んだ。フリーズした彼の不意を完璧について、『ナニカ』が焼けつくような痛みで血肉を掻き分け植物が根をはるように自分の中に侵入してくる!
「……ぅうう、がぁ、ガアァァァ!?!?」
激痛に悶える巧は荒ぶるままに、意図せず自らをウルフオルフェノクの姿となって腕を引き抜こうとするが台座はピクリともしない。そんな様子をリンドウとペイラーは息を呑みながら見守っている……
『…がっ、ァア!?』
もがく男は台座を殴りつけ、拳サイズ凹むまでの衝撃を与えた。それでも、気は紛れず腕から全身に異物が侵蝕は止まらない。
今まで歴戦とまでは自惚れるつもりはないが、受けてきた物理的な苦しみのトップクラスのそれに経験の甲斐なくもう気絶しそうだった。
「……落ち着け、あと少しだ。踏ん張れ。」
あれ…今、耳許でリンドウの声がしたような……
直後、激痛がおさまったかと思うと…蒸気がプシューッと気抜けするような音を出しながらケースが開く。右手首には不恰好な腕輪が縫いつけられ、槍からはあるべき重さが失われて持ち心地はさながら羽根のようであったのである。人の姿に戻った巧はこれをサッと空を切り裂くように振るとペイラーに突きつける。
「……おい、こんなに痛ぇなんてきいてないぞ?」
「言ったじゃないか、やる前に?後戻りは出来ないってね。」
「オッサン、色々とボカしまくると叩き斬るぞ…コレで。」
勿論、彼はご立腹…噴火直前の活火山だった。その巧を目の前にしても、ペイラーはひょうひょうと『おー、怖い怖い』とやり過ごしてみせる。研究者なんて言っているが、随分と肝がすわりくえない奴だ。まあ、本当に手をあげるつもりはないが……
「あ、そうそう。また言い忘れていたけど…その腕輪は一生とれないから!」
…前言撤回。やっぱり、一太刀いれても良いような気がしてきた。
そんな内心を察したのかペイラーは風のように逃げさった。文句を投げつける暇すら与えず……。これでは、胸から込み上げる苛立ちを何処に吐き出せば…などと考えていたら肩を気さくに笑いながら叩くリンドウ。
「おめでとう、巧!晴れてお前は新人3号……いや、4号か?まぁ良いや。これで晴れて俺達、
ゴッドイーターの仲間入りだ。サカキのオッサンはあんな調子だが、こうやってお前の居場所を用意してくれたのもあの人なんだ。そんなわけで、俺の顔も免じて…多目にみてやってくれ。」
「…ッッ。納得いかねぇ。」
気持ちは晴れないが、ここで唸っていても仕方ないだろう。槍を肩に担いで、溜め息をつくと……諦めたのだと察してリンドウは今後について語りはじめた。
「んじゃ、今後の話。お前さんは俺の率いる第1部隊の配属になる手筈だ。そこには、俺の部下2名に…新人2人がいる。歳はまあアレだが、新人どもと一緒にスタートすることになる。」
歳はアレ……という言い回しが引っ掛かったが大方、リンドウの様子をみれば想像はつく。多分、そこそこ離れているんだろう……歳が下に。新しい職場にひとりだけ歳くってる先輩のような同僚とか留年した先輩のような同級生みたいな立ち位置ということになるのだろう。ただ、引っ掛かるのは……
「おい、それじゃあ新人の数があわなくないか?」
さしたことではないが、巧を新人4号とするなら…1人足りない。そんな指摘をされたリンドウはあー…と目をそらす。
「…実はなぁ、第1部隊のメンバーってのはまだ揃いきってねぇんだ。最後のひとりがな、まだロシアから来てなくてな。そういうことだ。」
なんか、いい加減さが漂ってきて不安になる巧。根は善人だろうが、それとは別の意味合いで心配になってきた……
「うん、そうだな…細かいことは気にするな!良いな?んじゃ、改めましてだ……フェンリル極東支部・第1部隊は貴殿の配属を歓迎する!これから一緒に頑張っていこうぜ?」
「ああ。」
だが、悪人でなければまず良い。リンドウとの握手を皮切りに、異界での仮面ライダーファイズの物語……神を喰らう者たるゴッドイーター、乾巧の章が幕を開けたのである。
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「ペイラー!何故、彼に神機を与えた!?」
支部長室には怒号が響いていた。支部長が声を荒ぶらせるのはよく知る人からすれば珍しいことだが、相対するペイラーは巧の時と同じくのらりくらりと壁の絵画に目をやっている…。
「何を言っているのかね、ヨハン?彼をゴッドイーターにするのは契約の内だろう?」
「ああ、ただの人間なら良いが…彼はオルフェノクと名乗る怪物だ!もし、適合に失敗でもしたりしたら!」
「成功したから良いんじゃないか。」
「それは、結果論だ博士!しかも、よりにもよって…試作型のポールタイプの新型神機を与えるとは…正気とは思えんよ!」
その時、彼は静かに……不気味に微笑んだ。
「…何を今更……君が正気を問うとはね。」
途端、支部長は黙った。まるで、泣き所を突かれた弁慶のように……
すると、『これは言い過ぎた…』と謝罪したペイラーだが改めて支部長に向き直る。
「ヨハン、我々は既に幾つもの危ない橋を渡ってきた。それは、少しでも多くの人々を救うためさ。」
「わかっている…わかっているさ。そのためのフェンリルだ。人類の存続……アラガミの駆逐……だから、我々は…」
「私だって、何も考え無しでこんなことはしない。勿論、何かあったら責任はとるさ……でも、巧くんの力は飼い殺しにするのは惜しい。君もそう思ったのは事実だろう?」
彼の言い分も確かに認めざらえないところもあった支部長。確かに未知のオルフェノクの力に神機があれば……より多くの人を救うなことができるのは思い浮かんだ。でも、リスクの側面を考えると無謀な冒険だった……わけのわからない存在に人を守る刃にして自分たちの財産を預けるなど…
「大丈夫さ。彼を信じてみたらどうだい?私は基本、科学的根拠の無いことは言わないけど…今までだって冒険を重ねてきたじゃないか?」
「……冒険か。そんな夢と希望に溢れるような響きではなかったがね。我々のここまできた道は…」
遠い目をした支部長…。憂鬱そうな顔は彼が歩んできた半生が生易しいものではないと語るようだ。決して、明るく誇れるようなものばかりではないと……
この研究者とはそれらを共に歩んできた戦友であるが、彼の読みきれない腹黒さは困ったものである。
「良いだろう、今回は不問にしよう。勿論、乾巧の存在は本部に伏せる…この極東支部内の機密に規定する。口外は厳禁だ。」
やってしまったもの勝ちを認めるようで癪だが、ここは折れることにした。すると、ペイラーは満足げな内心を奥底に秘めた微笑みを向ける。どうやら、彼の満足いく結果だったらしい……
「ありがとう、支部長。彼はいつ以来かの興味深い観察対象だからね。感謝するよ。」
「今回だけは友人のよしみと彼がもたらすであろう可能性を鑑みてだ。だが、次は無い…覚えておきたまえ。」
「…心しておこう。」
忠告。さて、この男にどれだけの意味と効果があるかは謎だが…気休めの牽制くらいになれば良い。支部長はペイラーが受諾して部屋を後にするのを見送り……やっとひとりになったのでフカフカの黒椅子にもたれてひと息をつく。
「さて、ペイラー……全てが君の思惑通りに行くと思ったら大間違いだぞ。」
その時、入れ替わりでおかっぱ頭の女性隊員が入ってきた。リンドウと同じ部隊の彼女である。
「やあ、君か。サクヤくん…やはり、乾巧の処遇についてか?」
「はい。やはり、彼の扱いについては納得しかねます!」
「しかし、君の部隊の隊長は既に承認しているのだ…文句は言えまい。だからといって、好き放題をさせるつもりは毛頭に無い。引き続き、彼の監視を続けるように……」
「……わかりました。失礼します。」
彼女も同様に巧の処遇に不服をとする者であった。得体の知れない存在を身近にいるとなればそれは不快感を覚えても仕方ない。だが、自分の上司は耳を傾けず……よって、その上司たる支部長にまで異議を唱えにいったが満足いく返答は無かった。
そのまま、引き下がらざらえず…孤独な廊下の先で彼女は物思いにふける。
(…やっぱり、彼は危険に思う。)
狙撃手としてスコープの先から見た狼の異形へと変身したあの男。人が神々に抗う唯一の手段無しで、ヴァジュラを退けるまでの足掛かりを作った存在。そして、敵か味方かわからない……
(……でも、リンドウは彼を信じた。)
ならば
(見極めさせてもらうわ……貴方が本当に信用に足る人間かどうか…)
エレベーターの前に立つ新米の神を喰らう者に内心で宣言する。
その視線に気がついたのか、彼は振り向いて挨拶がわりに…自分らしく告げた。
「はじめまして。今日から新しいバイトの乾巧だ。」
……はい?バイト?
「……決まってんだろ?仮面ライダーと……ゴッドイーターのバイトさ。」
To be continued…
☆次回予告
リンドウ「緊急任務?」
巧「新人にしちゃ、随分とハードワークすぎしねぇか?」
コウタ「よ、よろしくお願いします!」
???「私より優れたゴッドイーターはいません。」
See you!Next FaizGE!!
感想おまちしてます。