仮面ライダー555vsGE ~神喰らう者と紅の閃光~ 作:ジュンチェ
うわっ、久しぶりの更新すぎ……
一年ぶりってもうそんなに経ってたのかこれ…(汗)
『……』
極東支部よりはるかに離れた何処か。空はドームのような天井が闇を張り覆っている……
コンテナが乱立しているエリアにジェットスライガーはホバリングして半円を描きながら着地するとデルタは軽快に飛び降り、デルタフォンをベルトから引き抜いて変身解除。コンテナの列の影に佇む人影にズンズンと歩いていき仮面ライダーに変身していたとは思えない華奢な腕で掴みかかった。
「どういうことよ…アリサがここにいるなんて聞いてないんだけど!?」
『…』
「なんで私の仲間が…!!家族が…ッ!!!極東にいるの!?」
相手は異形…彼女と同じオルフェノクと呼ばれる同属。鬣が靡く獅子の頭部に翼を持つ姿は神話のキメラと呼ばれた魔獣のそれ…『マンティコアオルフェノク』。普通の人間なら見るだけで足がすくんで動けなくなるような迫力だが、少女は怒りを剥き出しで睨む。対して、マンティコアオルフェノクはつまらなさそうに鼻を鳴らしその手を振り払う。
『それがどうした?今、誰が目の前にいようと変わりは無い。さっさとベルトを渡せ。』
「……」
『お前には果たさなくちゃならないことがあるはずだ。その家族とやらのためにな。』
「…っ!」
そして、彼女はベルトを外し乱暴に突き出した。マンティコアオルフェノクがそれを受け取るのを確認すると、少女は背を向け去ろうとするがマンティコアオルフェノクは彼女を呼び止めた。
『待て。おかしな気を起こすなよ?俺達はオルフェノク……死人なんだ。決して、誰かに受け入れてもらえると思うな。』
「わかってる。こっちはあんたよりオルフェノクのキャリアは長いんだから。今更そんなこと……!」
『なら、構わない。取り敢えず、ベルトが手に入った……首領もお喜びになるだろう。これで、【帝王のベルト】は完成する。その時は俺とお前が選ばれる……覚悟はしておけ。』
気にさわることを偉そうに言い終えたあと、デルタギアを携えてマンティコアオルフェノクは翼を拡げ去っていく…。少女は見届けたあと、懐からペンダントを取り出すと蓋を開き中の写真を眺める。その写真には戸惑うような顔をしたアリサが写っており、彼女は胸に込み上げる思いを吐きださないようにこらえながら目を瞑った。
「…………アリサ…」
……ああ、せめて自分が『異形』じゃなければ…
Φ Φ Φ Φ Φ
「…どけ!」
最早、巧の怒りは頂点に達していた。極東支部の廊下をマンモスの行進のように進み、その後ろを海堂が平謝りをしながら続く。目指すはラボラトリ……よくもまあ、こんなことしてくれたと一言言ったあとに一発ぶん殴ってやらなくては気が済まない。すれ違う職員やゴッドイーターたちを押し退け、ラボ前の扉。プシュッと開くやそのまま中央に座す狐目の主の胸ぐらを掴む。
「テメェ、随分と舐めた真似してくれたな博士?」
「…い、乾くん!?」
ペイラー榊、彼はいきなりの展開に慌てている様子だったが構わず揺さぶる。
「信じろと言った手前に、真っ先に裏切るなんて随分と良い根性してやがる。」
「お、落ち着きたまえ!上でのことはさっき報告を受けたばかりだ…!!私は何も関与していない!」
「いやぁ、俺達からベルトとったあとにこれじゃあ流石に信用出来ないよねぇ?」
海堂の言い分は最も。戦う手段であるファイズギアとカイザギアを託した直後の襲撃とあっては疑うなというのが無理な話。明らかにタイミングを狙ったとしか思えない。
「本当だ、信じてくれ!!私はなにひとつ知らなかった…!!誓って、君達を陥れたりなどは……」
「じゃあ、さっさとベルトを返せ!」
「……わかった。ここより下にある総合研究ラボで私の助手のリッカくんが持っているはずだ。分析は彼女に任せたからね。」
博士も今回ばかりは致命的すぎると観念したのか、ベルトの有りかを話すや、巧は彼を突き放して海堂と共にラボを後にする。ゲホッと咳をしながら見送ると眼鏡の位置を直して椅子へ改めて座りなおす。
(やれやれ……先手を打ってきたか。だが、私もそう易々と引き下がりはしないよ?)
☆☆ ☆☆ ☆☆ ☆☆
「なあ、巧ぃ少し落ち着けって。眉間がすんごいことなってるぞ?こんなかんじに皺寄って……って元からか。」
「うるせぇ!!」
海堂を突き放し、本来なら技術者しか立ち入らないラボの深層へと入る巧。油やら鉄臭かったりと普通の人間なら近寄るのも御免被りたいところだが、あちこちにいるエンジニアたちを押し退けて目指すは最奥の部屋…ベルトが保管されているであろう場所。そこのゲートを手にかけるとシュンッと開き…
【5…5…5……Standing by】
「これで良いのかな…?よし、変身!!」
「「!?」」
その先のガラクタだらけの部屋ではゴーグルをつけた少女がファイズギアで今まさに変身シークエンスをとろうとしているではないか! ファイズギアはオルフェノクにしか扱えず、万一人間が使用した場合はリミッターが発動して下手をすれば死の危険性があるのだ。途端、巧の頭から怒りなどふっとび、少女の凶行を止めにかかる。
「おいバカ、よせ!!」
「えっ、ちょっと…!?」
なんとかファイズフォンを奪おうとするが、少女も抵抗し部屋のガラクタが散乱していき一部が海堂の足に当たってしまう。『いってぇ!?』とのたうちまわる海堂も加えてかなり混沌とした空気になるが、その拍子にファイズフォンがギアに装填され…
【ERROR】
「「あ…」」
Φ Φ Φ Φ Φ
「あー、そんなことになってたの? 全然、気がつかなかった。」
「「…」」
楠木リッカ……それがファイズギアを無謀にも使った彼女の名前。ショートした勢いで巧もろとも壁に叩きつけられたりしたが、割りとピンピンしている…頑丈だな。この部屋は彼女の間借りしている研究室らしくあちこちに書類やら何かの機械類らしきガラクタなどが散乱しており、あとは赤やら青やらのチューブで繋がれた建造中の神機とおぼしき物体やら…
かなり若いがエンジニアらしいが…いくらなんでもこちらの世界でのオーパーツであるベルトを使うのは命知らずにも程がある。
「名残惜しいけど、返すね。いやぁ、やっぱり駄目だったか。イッシンくんにも手伝ってもらったけど同じだったし……」
「ダメ元でやってたのかよ。」
更に部屋の隅ではエラーによるショートを喰らったらしいイッシンの姿が…『スタングレネード20個で買収されたッス…』とぼやいている。こっちはゴッドイーターなので肉体はリッカより大丈夫だろう。
取り敢えず、ファイズギアとカイザギアを返却してもらう巧たち。
「良かったら、変身してからのデータをとりたいんだけど……」
「きこえなかったか? 俺はお前たちを信用していない。神機もベルトが手にはいったならもう要らねえ…世話になったな。」
「! まって!!」
早々と立ち去ろうとした巧だったが、リッカに呼び止められる。
「いくらそのベルトでも、オラクル由来じゃないからアラガミにはすぐに対抗できなくなるよ! それに、フェンリル出たところで行く宛は…」
「構うな。」
リッカを振り切り、ラボを後にする巧……と、そこへふらふらとアリサが現れる。ちょうどいい、短かったが挨拶でも済ましておくか。
「よう。」
「……? …ぁひ?」
「あ? どうした、寝惚けてんのか?」
「?? …ぅ?」
なんだ…様子が妙だ。視点もあってないし、へらへらとしていつもの凜とした顔立ちは何処へやら口元がだらけきっている。話も通じてる様子が無いし、……それとキツイ薬のような臭いもする…。
「おい!」
明らかにおかしい…。巧は咄嗟にゆらゆらする彼女の腕を掴む、その時だった。
――キュイイイィィィィィン
「!?」
巧の視界は目の前でスタングレネードが炸裂したように強い光に包まれた。
To be continued.