機動戦士ガンダムoo もう一人の主人公   作:ガタック

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今回は、前回の続きでモラリアへの武力介入の後半戦となっています。
ミッションは、一部で想定外の動きがあるが……


第7話

モラリア共和国での武力介入はまだ続く。

先日、この合同軍事演習をCBに対しての挑戦状と受け、武力介入を始めてまだ1時間も過ぎていない。

俺は最初のプランに従って、デュナメスと一緒に行動をしている。

合流後に発生した戦闘も、難なく終わらせて周囲の索敵を行っていたが、特に敵影は見当たらなかった。

『さて、この辺も片付いたし、次に行くか』

「そうだね」

移動しようと思ったがデュナメスが動かない。

「どうしたのロック兄?」『刹那!!』

何かあったの? と言おうとしていたら、刹那と叫んだ。

何かあったのか? だけど、刹那に限ってそれは無いと思ったが、気になって仕方がない。

「何? 刹兄が何してるの?!」

『あのバカ、なんでコックピットから!!』

あの刹那がエクシアのコックピットから出てきているだって?!

刹那と言えば、そう言う規律に関しては自分にも他人にも厳しいはずなのに、そんなことする訳がない。

そう思ってエクシアのコックピット付近を拡大すると、確かに刹那が銃を構えて外にいた。

銃口の先には、赤いイナクトのパイロットが見えた。

赤い髪が邪魔でイマイチ素顔が見えないが、刹那がソイツをコックピットから出させようとするって事は、俺達に関わった人間か?

……まさか、あの男か?!

「俺が行く」

あの男がいると考えた瞬間、自分でも驚くほど低い声で言っていた。

「いや、俺がけん制する。じゃないと刹那も巻き添いだからな」

「……わかったよ」

照準を定めたデュナメスのけん制射撃が放たれると、硬直状態の2人が各々のMSに乗りこんだ。Oガンダムで接近し、デュナメスが狙撃をするが、一発たりとも当たらなかった。正確には、俺が接近してビームライフルで射撃をした時には、リニアシールドで防御し、デュナメスの狙撃を変形することで回避した。そのまま、赤いイナクトはどこかに飛んでいった。

『よけただと?!』

「アイツは、俺達の動きを読んだってのか?!」

赤いイナクトの事に関しては、気になることが多いし、あのパイロットのMS操縦能力の高さは今後の脅威になりえる。しかし、今はミッションの途中。今はミッションを最優先にしなければならない。

『おい、刹那いったい『まだミッションできるわね?』』

『ああ』

『じゃあ、フェイズ5まですっ飛ばして6からね。デュナメスとOガンダムはエクシアのサポートを頼んだわよ」

「『『了解』』」

とにかく、今はこのミッションを終了させることを優先させることになった。

 

 

 

戦闘が止まって少し時間が経過し、移動の為に断崖絶壁の間を飛んでいる。

隊列は一列縦隊、キュリオス、デュナメス、Oガンダム、エクシア、ヴァーチェの順だ。

絶壁の間はキュリオスの飛行形態の横幅がほんの少し余裕がある程度、新人パイロットだと間違いなく、岩壁にぶつかるだろう。そう思うのは、飛行形態のイナクトやフラッグでも何とか通れるぐらいの幅しかない。少しでも左右にずれたら機体が岩壁にぶつかってしまう。そんな普通では通らない場所を飛行している。

『まったく、スメラギさんはよくこんなルートを通らせるものだ』

「確かに、これは危ないよね」

アレルヤの言う通り、スメラギはよくもこんな普通ではない場所を通らせるものだ。

確かに、ほかのルートもあったかも知れないが、この危険な道を使う理由はちゃんとある。

『そう言うなよ。相手は電波障害が起こっている場所を重点的に狙っている』

そう、ガンダムには太陽炉が搭載されておりGN粒子を放っている。

これは電波障害による、通信障害を起こせるのだ。

逆に言えば、電波障害の起こっている場所にガンダムがいるといっても過言でない。

PMCとAEUの部隊はガンダムの特性をしっかり理解して、今回の戦闘を行っている辺りは流石プロと思うが、逆に言えば今回の戦場は電波障害がない場所からの奇襲にはうってつけの状況になっている。

それを利用して、このような危ない道を通っている。

『隠密行動で一気に頭を叩くのさ。頼んだぜ水先案内人』

すると、キュリオスが突然右翼を岩壁にぶつけた。すると、当然のように岩壁の一部の岩石がデュナメスに飛んできた。

『うぉい!!』

突然の事にビックリしたらしく、変な声を出している。

『危ねーな、オイ!!』

『ヘタッピ、ヘタッピ』

『ドンマイ」

『それこっちのセリフだ』

まるでコントのような流れに思わず笑いそうになる。

それを堪えて、一応心配しておこう。

「大丈夫?」

『大丈夫だ……もっと水先案内人がまともならな』

「あはは……」

若干怒っている事をまるで隠すつもりがないらしい。

不機嫌その物を声に含めているように感じた。

『ロックオン、時也が困っているよ』

『誰のせいだよ、おい』

とりあえずコチラは大丈夫そうだし、一旦通信を切る事にする。

問題は刹那の方だ。さっきの事でいくらか気になる事がある。

すぐに通信をつなげる。

『時也・E・フィアーズ、何の用だ?』

「刹兄、いったいさっきの行動どうしたの?」

『気にするな』

「パイロットが気になったんだけど『アイツだ』へ?」

『あの男は何の神を信じている?』

「あの男って……なさか?!」

『アリー・アル・サーシェス』

「?! まさか、アイツはまだ戦争やってるのか?!」

『ああ。奴はあの赤いMSのパイロットだった』

アリー・アル・サーシェス。かつてクルジスで少年兵だったころ俺達に、戦場で生き残る術を叩き込んだ男であり、俺達を戦争の道具として使い捨てた張本人である。

そんな奴がどうしてか……考えられる可能性は傭兵としてPMCに雇われたことだ。

だとしたら、アイツは何のために戦うのか……

 

 

 

考え事をしているうちに、フェイズ6開始予定時刻寸前になっていた。

『よし。そろそろ敵さんの拠点だ。気合い入れてけよ』

そう聞いた直後、敵の拠点の目の前に出てきた。

俺達の突然の出現に、敵のMSは反応に送れていた。

その隙を突いて、戦闘を開始した。

「Oガンダム、時也・E・フィアーズ、ミッションを遂行する」

ビームサーベルと、ビームライフルで敵を次々に行動不能にする。

そして、新武装であるGNソードは切れ味がよく、敵の武装ごと機体を切り裂く。

新武装の性能を確かめるように戦闘を行う。

相手が性能で劣ることを知っているのか、数で圧倒しようとしているらしいが、それで押されるようなガンダムではない。

数で圧倒しようとするなら、それを上回る質と性能差で勝てばいい。

質で圧倒し、戦闘開始からほんの5分程度で敵部隊を全滅させた。

敵の拠点にあるのは、本部と思われる建物とMS関連の施設。後は、残骸となったMSがそこら中に転がっていた。

このあっという間の出来事に対して、敵は信号弾を放った。

降伏、白旗を意味する信号弾の確認は、ミッションの終了を意味している。

『ハロ、ミススメラギに報告。敵部隊の白旗を確認、ミッション終了』

『リョウカイ、リョウカイ』

これを合図に、撤退を開始した。

 

 

 

その日の夜

ガンダムマイスターは皆、集合地点の浜辺に揃っていた。

ただし、恰好はパイロットスーツで雰囲気は悪い。

そして今、ロックオンは刹那を殴った。本気で顔面に拳をぶつけた。その勢いで彼は尻餅をついた。

「殴られた理由はわかるな」

殴った手を振りながら言う。ロックオンには、いつもの気さくな雰囲気は微塵もない。

「ガンダムマイスターの情報は太陽炉と同じSレベルの秘匿義務がある」

これは、ソレスタルビーングでの決まり事だ。

刹那は、先程の行動(戦場で正体を晒しかける行為)は、これに反する。

「なぜ敵に姿をさらした」

刹那は答えることができない、勿論理由を知る俺もだ。これは俺達の過去に関わることだからだ。応えれば守秘義務に違反する。

結果的に俯いてしまう。

「黙ってないで理由ぐらい言えって」

ロックオンも刹那の行動から何かを感じたのか、声に同情が含まれていた。

でも言えない。いう事自体が規則に反する事だからだ。

「強情だな。お仕置きが足りないのか」

呆れたように拳を構えた。

だが、この後に追加のお仕置きは来なかった。

ティエリアが隣で銃を構えたからだ。

「言いたくなければいい、君は危険な存在だ」

いつでも君を撃ち殺せる。まるでそう言っているように見える。

さすがにロックオンはティエリアを抑える。

「やめろティエリア」

「彼の愚かな振る舞いを許せば、我々にも危険が来る」

さすがにティエリアの行動には我慢が出来ず、俺は反抗した。

「だからって、『はいそうですか』って殺していい訳がないだろ」

「だが計画は始まったばかりだ。こんなところで「俺は降りない」」

声のほうを見ると、刹那がティエリアに向けて銃を向けていた。

「エクシアから降りない。俺はガンダムマイスターだ」

すぐさまティエリアはロックオンの腕を振りほどき、刹那に銃を向ける。

「銃を下せ刹那」

ロックオンが咄嗟に叫ぶ。

「命令違反をした僕が言うのもなんだけど、僕たちはヴェーダによって選ばれた存在だ」

アレルヤの言う通り、ここにいるマイスターは皆がヴェーダによって選ばれた人間だ。

「刹那がガンダムマイスターに選ばれた理由がある」

アレルヤの発言の後、ほんの数秒経ってティエリアが銃をおろした。

「ならば見せてほしいな。君がマイスターである理由を」

すると、刹那も銃をおろすと、立ち上がった。

「俺の存在そのものが理由だ」

「何?」

彼の言う、選ばれた理由には、ティエリアは理解が出来ないといった様子だ。

「俺は生きている。生きているんだ」

確か、CBに入る前に刹那は死の直前といっても過言でない状況だったらしい。刹那から聞いた、俺達が離れた時の様子を聞く限りでは、そうとらえて間違いない状況だった。

「ミンナナカヨク、ミンナナカヨク」

場違いな声を出しながら、ハロが跳ねながら来た。

「ワー」

そのハロは、波に流されて海の方に流れていく。

「あっ!」

今度はロックオンは場違いな声を上げて、ハロの方に走っていった。

 

 

 

「おーい、みんな大変なことになっとるぞ!!」

ロックオンがハロを確保して戻ってくると、イアンが走ってきた。

「どうしたおやっさん?」

「世界の主要都市7か所で同時にテロが起こった!!」

「なんだって?!」

「多発テロ」

「そんな・・・」

「被害状況は?」

アレルヤの質問におやっさんは答えた。

「駅や商業施設で時限式爆弾を使ったらしい」

「それじゃあ、結構な人が巻き込まれたんじゃあ」

俺の予想は的中していた。

「ああ、爆発の規模はそれほどでもないらしいが人が多く集まるところを狙われた、

100人以上の人間が命を落とした」

「そんな・・・」

「何てことだ・・・」

俺とアレルヤは失望した。このテロの目的がまるでわからない。いや、目的があるとすれば……

そう考えようとした時に携帯端末に通信が入った。

「俺だ」

ロックオンが応じる。相手は王留美からだった。

「ガンダムマイスターの皆さん、同時テロの実行犯からたった今インターネットを通じて犯行声明が来ました」

『内容は単純でソレスタルビーングはガンダムを捨てての武力介入をやめろ。さもなくばまたこんな事を繰り返す』ということだった。

「やはり我々が狙いか」

ティエリアは冷静さを欠かさない。

「この声明を出した組織は?」

アレルヤの言葉に王は答えた。

「不明です、エージェントの調査結果が出るまでマイスターは現地で待機してください」

そういうと通信は切れた。

「どこのどいつかわからねーが、やってくれるじゃねーか」

ロックオンが少し熱くなっている。

「無差別殺人による脅迫・・・」

アレルヤが呟く。

「ふん、そんなことで我々が武力介入をやめると思うか」

皆がテロに対して怒りを感じていた中、ティエリアだけは鼻で笑った。まるで、テロをバカにしているようにも感じた。

「おい、ティエリア」

「一般人が犠牲になっているんだぞ。何とも思わないのか?」

ロックオンだけでなく、マイスターではないイアンも異議を唱える。

普通ならこの行為に対して、怒りを感じる筈だ。次には許せないと思い始める。それが普通の人間ならそうだろう。

だが彼は違った。

「思いません。何故なら、このような事が起こることも計画の中には予測されているはずだ」

きっぱりと、しかもテロが起こるのが当然かのように言った。

「貴様!!」

さすがにロックオンは怒る。

「どうしたんですか?」

近寄るロックオンを嘲笑うように言う。まるで挑発しているようにも思える。

「いつもひょんひょうな態度を取るあなたらしくないですね」

「クッ」

俺にも聞こえる程の歯ぎしりをすると、ティエリアのパイロットスーツの胸ぐらをつかんだ。

「ウルセーぞ、この野郎!!」

だが、ティエリアは表情を全く変えない。

「そんなにテロが憎いですか?」

「悪いか」

「世界から見れば、我々も立派なテロリストだ」

「テロが憎くて悪いか!!」

言われてもなお表情は変えず、むしろ胸ぐらに掴まれている手を払った。それ程まで、ティエリアは精神的に余裕がある。ロックオンを軽蔑するような眼差しで見返す。

だが、このケンカは意外な答えで解決する。

「その組織はテロという紛争を起こした」

刹那が言う通りだ。メッセージを送りつけてきた組織はテロを起こした。

「刹那」

「ならば、紛争に対して武力で介入するだけだ」

テロという紛争に対して武力介入を行う。それはソレスタルビーイングの行動理念だ。

「行動するのは、俺たちガンダムマイスターだ」

ならば、その組織に対して武力介入を行おうではないか。

彼の提案は、俺達の喧嘩を収束させるとともに、次のミッションを決める一言ととなった。




最後まで読んでください、ありがとうございます。
次回は、このテロ組織に対して武力介入です。
一方的にテロを起こした組織。目的はソレスタルビーイングの武力介入の中止。世界はどのように動くのでしょうか?

感想、指摘等、コメントよろしくお願いします。
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