前回までのあらすじ、超大規模軍事演習の近くのテロ組織の作戦に武力介入したら、演習勢力に攻撃されました。
その結果、17時間も砲撃を受けることになった挙句、エース軍団に拘束されました。
拘束した舞台の本部に連れて行かれるかと思ったその時、血のような紅いGN粒子を放つ紅いMSに助けられました。
「ガン……ダム?」
黒色のガンダムが上空に浮かんでいた。
赤い粒子?何でそんなGN粒子まいているんだろうか?
そういえば、他のみんなは?
「そうだ!! ……ロック兄聞こえる?」
『ああ、なんとかな』
「あの機体は?」
『ハロにもデータが……通信?』
「あ、こっちにも来た」
あの赤い粒子を巻いているガンダムから通信が来たみたいだ。
って事は、敵意はないって事でいいのかな?
『どうやら、間に合ったようだな』
『あんたは?』
『スローネアインのガンダムマイスター、ヨハン・トリニィティ』
『ヨハン・トリィニティ?』
「スローネアインっていうのは、その機体ですか?」
『そうだ』
「ちなみに、それはガンダムなんですか?」
『その通りだ。私も君達と志を共にする者だ』
そういうと、スローネアインが降下してきた。
話を聞くと他のマイスターの所にも兄弟(弟と妹らしい)が向かっており、無事に救出されているとの報告をすでに受け取ったらしい。
話を聞き終えた時には、空を赤いGN粒子が空を覆っていた。
(この量の粒子、別の機体が散布しているのか?だとしたら、OガンダムのGNフェザーより凄い量を散布していることになるぞ)
そして、少ししたら他のガンダムと合流できたので、とにかく帰投することにした。
早く戻って、シャワーを浴びてご飯を食べたい……
『新たなガンダム』
『ったく、聞いてねーぞ』
『あの機体はいったい?』
「みんなのガンダムの強化版なのか?」
様々な疑問を持って現在の基地に帰投する。
そういえば、デュナメスに座標ポイントが送られてきたのが気になる。
後でわかったのは、宇宙にあるという事だけだ。
それとティエリアが焦っているように見えている。
疑問があるとすれば、あのガンダムはイオリアの計画に入っているのかである。
一度宇宙に上がって、トレミーに戻る。
トレミーに戻ってくると落ち着くが、今はみんなのいる操縦室に行く。
やはりスローネについて話し合っているみたいだ。
話の内容は<あの機体は何なのだろうか?>という事だ。
整備のためにMS工学は学んだが、第1世代や第2世代――最も第1世代のOガンダムは俺が乗っている――のそれらとは全く違う感じがした。
もしくは第3世代の強化型と表現するのがよいだろうか。
例えば俺とロックオンを助けたスローネアインは肩にスナイパーライフルの銃身のバズーカーを付けているがあれは言ってしまえば、デュナメスのGNスナイパーライフル+ヴァーチェのGNバズーカーみたいだった。コチラの機体が世間に知れ渡っているが、あそこまで精密に再現できるのだろうか?
気になるのはいくつかあるが、最も気になるのはGNドライヴがどこから手に入れたのかだ。
仮にもSレベルの秘匿義務がありヴェーダでも最高レベルで守られているはずの情報だが、
誰が流出させたのだろうか。そもそも、あれは本当にGNドライヴなのか?普通は緑色の粒子を放つが、あのGNドライヴは赤い粒子を放つ。
考え事をしている間に“スローネ”を乗せた輸送艦が目の前に現れた。
「見ろ、ハッチが開くぞ」
ロックオンの一言でモニターを見るとスローネアインが武装解除してこちらに近づいてくる。
よく見ると、二人の人間が“スローネ”の手に乗っている。
光信号で着艦許可を求めてきたので、スメラギが許可を出した。念の為ではあるが、エクシアを監視に送らせている。
“スローネ”が着艦し対面する。
こちら側はマイスター4人(刹那はエクシアから移動中)とスメラギがいる。
“スローネ”のメンバーは男二人、女一人、ハロに似た目つきの悪い紫色の球体型ロボットが一体だ。
三人はパイロットスーツだと思われる格好にヘルメットを着用した格好だ。
「着艦許可をいただき、ありがとうございます」
一旦言葉を止めヘルメットを外した。
「スローネアインのガンダムマイスター、ヨハン・トリニティです」
若干黒人のような肌をしている人がヨハンというそうだ。
俺とロックオンを助けた人物で、マナーをしっかり守っていると思わせるような言葉遣いと態度である。
「スローネツヴァイのガンダムマイスター、ミハエル・トリニティだ」
このミハエルという男は白人系みたいだが、言葉遣いがヨハンと違いかなり荒っぽい。
なんだか、戦い好きそうな印象を受ける。
「スローネドライのガンダムマイスターの、ネーナ・トリニティよ」
ピースサインをしながら話しているこの人はトリニティの一人の女みたいだ。
こちらはヨハンに肌の色が近いがこちらの方が若干色白に見える。なんというか、自由奔放という感じだ。化粧をしているようだが、それはマナーか?
「皆若いのね」
スメラギが見た目での率直な感想を述べた。……若干何かを含んでいるような気がするが、追及はしないでおこう。
「我々は血のつながっている実の兄弟です」
ヨハンが三人の関係を述べた。
兄妹でガンダムマイスターになるなんてあり得るのだろうか、なんて考えてみる。それに、こうも外見が違うのに兄弟というのは、何だか不思議な感じだ。まぁ、今なら国境なんてあってないようなものだし、あり得るか……
「それよりエクシアのパイロット君って誰?」
はしゃいだ様子で問いながら模索する。
「あなた?」
ティエリアに聞くがもちろん違うので「違う」と即答される。
「俺だ」
俺たちの後ろから刹那が来た。
「エクシアのガンダムマイスター、刹那・F・セイエイ」
「君ね!!」
この反応から推測できるのは、刹那を助けた“スローネ”のパイロットは恐らくこの人だろう。
「無茶ばかりするマイスターは!!」
そういうと、刹那の方に移動していく。
「ちょっ、ぶつかるよ!!」
タックルする勢いと思えるような速さで刹那に近づくと刹那に器用につかまり止まった。
「そういうところ、すごく好みね」
「は?」
口から素っ頓狂な声が出た。確かに刹那は無茶と言われる類の行動をしていたが、どうすれば好みにつながる?
なんて俯いて考えているとネーナの「キャッ」という悲鳴と共にこちらに流れてきた。
そして刹那が口を拭っている。
「俺に触れるな!!」
よくわからないが、刹那のされて嫌なことをしたのだろう。
「貴様!!妹に何を!!」
ミハエルが怒鳴りながら叫ぶとナイフ、それも超音波で振動するタイプのナイフを向けだした。とりあえず、ネーナを受け止めておくと、笑ってきた。……何故だろう、バカにされた気分がする。
「妹さんの所為だろう」
ロックオンが叫ぶがむしろ刺激したらしい。
「うるせーぞ、このニヒル野郎。切り刻まれたいかぁ?あーん」
流石にまずいので止める。
「落ち着いてください」
「やめろミハエル」
「ヤッチマエ、ヤッチマエ」
このロボに対してすごく腹がたってきた。
「ニイサン、ニイサン」
後ろから、ロックオンといつもいる方のハロが来た。
「兄さんだ?」
「どういう事?」
「アイタカッタ、アイタカッタ、ニーサン、ニーサン」
よくわからないが、この悪い流れを止めてくれたから感謝しよう。
「ダレダテメェ、ダレダテメェ」
「ハロ、ハロ」
「シラネーナ、シラネーナ」
あっち行けと言わんばかりに体当たりを受け黄色のハロは飛ばされていく。
「ニイサン、キオクガ、ニイサン、……」
最後の方が聞き取れないが、恐らく落ち込んでいるのだろう。
一旦、場を仕切るようにスメラギが大きく咳を出した。
「とにかく、ここじゃあなんだから、部屋で話しましょう」
「わかりました」
とりあえず、ブリーフィングルームに移動する。
この段階で、ヨハンの印象はいいが、後の二人はよくない。
「ねぇロック兄、見てなかったけどネーナってやつ刹兄に何したの?」
「お子様にはまだ早いぜ」
「俺だって14歳だ」
「まだお子様だ」
ブリーフィングルームに移動して話が再開する。
「何故、あなたたちはガンダムを所持しているの?」
「ヴェーダのデータバンクにあの機体が無いのは何故だ?」
「答えられません。私たちにも守秘義務がありますから」
後者(ティエリア)の質問ならともかく、何故前者(スメラギ)の質問にも答えられないのだろうか?
新しいマイスター達は、誰からガンダムを与えられたのだろうか?
「ああ、残念」
ミハエルの挑発的な言い方にティエリアの機嫌が悪くなったみたいだ。露骨に表情が変わって睨んでいる。
「太陽炉、いやGNドライヴをどこで調達した?」
「申し訳ない、答えられない」
まただ、ロックオンの質問は確かに気になる。
ガンダムはともかく、何故GNドライブが別にあるのかは気になった。
GNドライヴはもともと5基のみで、その都合でガンダムも5機しか用意できないはずだった。
貯蔵タンクで戦っていたからわかるが、GNドライヴの有無はミッション時間に、かなりの影響を出す。
GNドライヴがまだあったなら、何故使わないのかが疑問だ。
「またまた残念」
じゃあ、俺も質問してみよう。
「あのガンダムは誰から与えられたのですか?」
「それにも答えられません」
俺の質問にも答えてはもらえなかった。
どうやら、あちらは何を考えて彼らをここに向かわせたのかが全く分からない。
まるでスローネを使って何かを企んでるようにしか見えない。
「なら君たちは何しにここに来た?」
そんな事を考えていたら、ティエリアが一番根本となる質問をした。
「旧世代のMSにまんまとやられた無様なマイスターの顔(ツラ)オガミに来たんだよ」
「何だと?!」
「ふざけるなよ!!」
ティエリアはともかく、流石に俺も怒る。俺達は最初から戦場にいた上に、17時間も砲撃に耐えていた。それに対して敵はエース部隊を俺達にぶつけてくる。勿論、コンディションはあちらの方が上だ。結果はどう考えても目に見える。
その状況で、まるで俺達を囮にしたように現れてから、世界が始めてみた機体で圧倒的戦力で勝ったんだ。お互いの置かれた状況が違いすぎることを理解できているのか? この馬鹿そうなやつは。
「ナーンツッテナ」
ハロの真似をしながら言ってきたので気分が悪くなった。
「気分が悪い。退席させてもらいます。後でヴェーダに報告書を」
「俺も退席させてもらいます」
「わかったわ」
そういえばスローネの機体は何なんだ?
格納庫に行ってMSを見ることにした。
「……でおやっさんはなにしているの?」
「何って、機体を調べ取るにきまっとるだろ」
先を越されたわけではなく、元々話をしている間に調べる予定だったみたいだ
「俺も手伝うよ」
「いや、ワシ一人でいい」
「気になるんだ」
「コレがか?」
「いや、これらの機体が」
今改めて感じた、この機体の禍々しさ。
この機体はまるで返り血を浴びる為に赤く塗られたみたいだ。
機体の製作作者は俺達の行動に対して何を感じたのだろうか?
このガンダムは何かが違う。根本的な何かが……
「おい、終わったぞ」
「あ、わかりました」
まず、離れよう。
機体から離れ、ブリッジに移動することにした。
流石に調べているのがばれたらまずいだろう。
……あの機体は、本当にガンダムなのか?
先におやっさんが入った。
次に俺も入った。
「お前達が話している間にスローネって機体調べておいたぜ」
「さすが戦術予報士」
ロックオンが笑いながら言う。
「報告書は独立端末でお願いします、決してヴェーダには入力しないで」
「……了解した」
ヴェーダに入力しないで独立端末を使うとなると、何かがあったのだろうか?
とりあえず、イアンの報告書の手伝いをするために、データをまとめることにした。
後日、最近ミッションがないから何かやる事があるのか聞こうと、ブリーフィングルームに行くと、何人かが集まっていた。
なにやら話をしている。
「ロック兄、何があったの?」
「あいつらが米軍の基地を襲撃したんだと」
「そんな事すると、世間は」
「もちろん、反応は悪くなるって」
「しかもヴェーダに連絡が無いみたいだよ」
「そんな事あっていいの?!」
「言い訳無いに決まっている」
「本当に……」
ふと刹那が口を開いた。
「本当に彼らはガンダムマイスターなのか?」
もう、この疑問だけは何があっても解消されない。
“スローネ”の行動はガンダムマイスターとしての行動とは感じられないからだ。
何かが違う。それは、あの機体から感じるものだけじゃない。彼らの行動事態に違和感があった。まだわからない違和感を、彼らと彼らの機体から感じたのだ。
いかがでしたか?
久しぶりの更新という事で、若干編集に時間がかかってしまいました。
個人的に、自分もスローネは若干苦手です。
まぁ、次回以降はスローネの勝手な行動にソレスタルビーイングも怒っちゃいますかも。
感想・指摘等、コメント等をお待ちしております。
※荒らしコメントはおやめください。