今回は、戦闘どころかガンダムにも乗りません。
編集していて、正直難しかった。
一旦、隠れ家の基地に戻ってからガンダムから降りた俺達は、外に出た。
「本当なのか、刹那、時也?」
先程の事が真実かどうかを確かめるために聞いてくる。
「KPSAに所属をしていたのか?」
「ああ」
刹那はあっさり答えるが、隠す気はない。
知ってしまった以上話す必要はあるのだから。
「確かに、マイスターになる前にはKPSAに所属していたよ」
だから俺も正直に全て話す。
このままでは、内部の雰囲気が悪くなり、マイスター同士の殺し合いに発展しかねない。
「クルジス出身か?」
「ああ、二人ともそうだ」
ここに、ゲリラとその被害者が揃ってしまった。
「ロックオン、さっきトリニティが言っていたことは」
「すべて事実だよ」
って事は……
「俺の両親と妹は、KPSAの自爆テロに巻き込まれて死亡した」
やっぱり、そういう事だったんだ。思い当たる節がある。それを止めることもできたはずだった。だが、止められなかった。俺の中であの男に疑問を抱き始めたきっかけだ。
「全ての始まりは太陽光発電による石油の輸出規制だ。化石燃料に頼って生きるのはもう辞めにしようって」
太陽光発電の技術が発達と機動エレベーターの稼働により、石油に頼ることなく電力が確保できるようになったからだ。
「だが、それで一番割をくうのは中東諸国だ」
石油の規制は経済に大きな影響、それも国家レベルのものである。
いきなり、売れるものである石油の制限は、石油輸出国にとって、最悪の出来事である。
売れるものがなくなれば、国家の経済は最悪になる。
それは、当然大きな影響を出す。
「輸出規制にあい、国民は貧困になる」
その結果は、俺達が経験している。
「貧しきものは神にすがり、神の代弁者に頼る、富や権力を求める浅ましい人間にな」
思い返せば、あの男をかつて神の代弁者と見ていた過去を思い出す。
「そんでもって、20年にも及ぶ太陽光発電紛争の出来上がりって訳だ。神の土地に住む者たちの聖戦、自分勝手な理屈だ」
それでも、そんな自分勝手な都合で紛争が起きてしまった。もう、その過去を変える事はできない。
「もちろん、一方的に輸出規制をした国連もそうだ。だが神や宗教が悪いわけじゃない、太陽光発電システムだってそうだ」
それが無ければ、ガンダムのGNドライブだって否定することになる。
これは半永久の太陽光発電機である。
「けどな……どうしてもその中で世界は歪む、それくらいわかっている」
そして、歪みの中で人々は苦しむ、苦しみ続ける。
「お前らがKPSAに利用されて、望まない戦いをしていたことも」
そして、間をあけるとロックオンの表情が険しくなった
「そして、その歪みに巻き込まれて俺は家族を失った、失ったんだよ」
「……だから、マイスターになることを受け入れたのか」
「そうだ」
ティエリアの問いかけにも答える。
「矛盾していることもわかっている。テロと同じだ。暴力の連鎖を断ち切る方を選ばず戦う方を選んだ」
この男は自分の行為が矛盾していてたとしても、ガンダムで戦う覚悟をもってマイスターになった。
「それは、あの悲劇を繰り返さないためにも、この世界を根本から変える必要があるからだ。世界の抑止力となる圧倒的なチカラがあれば……」
「……ガンダム」
その圧倒的なチカラ(ガンダム)は世界を確かに変えている
「人を殺め続けた罰は、世界を変えてから受ける」
言葉に気迫を感じる。
それは覚悟から来ているのだろう。
「その前にやることがある」
そういうと、銃を俺たちに向ける。
「ロックオン!」
ティエリアが叫ぶ。
「刹那、時也、今お前達を無性に狙い撃ちたい。家族の仇を取らせろ。恨みを晴らさせろ」
冷徹な声で淡々と語り掛ける。
そして、銃声が響いた。
弾丸は二人の間を通り抜けた。
「俺たちは神を信じていた、信じ込まされていた」
「だから悪くないってか?」
「この世界に神はいない」
今の刹那は、ソラン・イブラヒムとして語っている。
かつてソランは実の両親を、シュレイは捨て子としていた自分を拾ってくれた実の親を、
その手で殺めている。神の聖戦への参加資格を得るためと言われて……
「神は、この世界にはいなかった。いるのなら、俺達はマイスターになっていない」
次は俺はシュレイ・イブラヒムとして言った。
「答えになってねぇぞ!!」
「神を信じ、神がいないことを知った」
ソランが続ける。
「あの男がそうした」
「あの男?」
「KPSAのリーダー……」
かつて、俺たちを紛争に導き、戦場で生き残る術を教えた男。
「アリー・アル・サーシェス」
「アリー・アル……」
「……サーシェス?」
ティエリアとロックオンが反復するように言う。彼らは、この名前を初めて聞く。だから、その男が何者なのか、わかっていないはずだ。
「奴はかつてモラリアで、PMCに所属していた」
「民間軍事会社」
「ゲリラの次は傭兵か!ただの戦争中毒じゃねぇか!!」
「モラリアの戦場で俺は奴と会った」
あの青いイナクトの事だ。
「そうか、あの時コックピットから降りたのは」
ティエリアがハッとしたように言った。
「奴の存在を確かめたかったからだ」
あの時の行動は、俺と刹那以外に意味が分からなかったはずだ。あの時、俺は刹那を責めなかったし、あの男がまだ戦いを楽しんでいると知った。
「奴の神がどこにいるのか知りたかったからだ。奴の中に神がいないとしたら……」
神の聖戦を率いた男の神はどこにいるのだろうか?
「俺は、今まで……」
「何のために戦ってきたのか。戦う理由さえ、俺達には最初から……」
幼い子供は、教えたものを信じることで戦ってきた。
もし、何も信じるものが無なければ何を信じればよいのだろうか。
何のために戦ったのだろうか。
「刹那、時也……」
ティエリアが呟く。
「刹那、時也、これだけは聞かせろ。お前らはエクシアで、Oガンダムで何をする?」
厳しく追及する。こんな奴らが何をしたいのかはっきり言って見当がつかない。
「戦争の根絶」
「この世界を変える」
刹那も俺も意志は同じ紛争根絶だ。
そこでロックオンは銃の引き金を少し引く、すぐに撃てるように。
「俺が撃てば、それはできなくなる」
「構わない」
「代わりにお前がやってくれるなら」
「この世界を変えてくれるなら」
「お前がやってくれ」
「この世界を変える為に」
俺と刹那は自然と言葉が出てくる。
「でも生きているなら俺は戦う、ソラン・イブラヒムとしてではなく」
「シュレイ・イブラヒムじゃなくて」
「ソレスタルビーングのガンダムマイスター、刹那・F・セイエイとして」
「時也・E・フィアーズとして俺は……いや、俺達は世界と戦う」
二人の答えは出揃う。
「ガンダムに乗ってか?」
「ああ、俺がガンダムだ」
刹那が宣言した。
すると銃を下げ、笑い始めた。
「あほらしくて、撃つ気にもなんねー」
そして銃をしまった。
「お前はとんでもねーガンダムバカだ」
「ありがとう」
刹那がお礼を言う。
「え?」
「最高の褒め言葉だ」
少しして、ロックオンは笑い始めた。
「これが、人間か」
ティエリアが呟いた。
すると、いつの間にか大きな壁が消えたような錯覚を感じた。
「じゃあ、これからもよろしくね。ロック兄」
「ったく、足引っ張んなよ、時也」
「よろしく頼む、ロックオン」
「ああ、刹那」
そして、同志として固く誓った、“世界を変える”と
いかがでしたか?
今回の話を経て、メンバーの結束も強くなったでしょう。
放送時は、ティエリアが笑ってる?!と驚いていましたw
次回は、いよいよ太陽炉搭載型との決戦が始まります
いよいよ、1stシーズンも終盤です。
次回は余裕があれば今日、なければ来週に投稿します。
感想・指摘等、コメントをお待ちしています。
※荒らしコメントはおやめください。