ポケモン不思議のダンジョン 150+X⌒Ydays 作:楽祭
Episode1 いつもと違う朝
【1】
窓から差し込む朝日が寝ている僕を祝福するかのように照らす。目を覚ますといつも見慣れている黄土色の天井が迎えてくれた。
「う……うん……」
しかし、体は鉛を乗せられたかのように動けない。体が反抗期に突入したのだろうか、懸命に頭から起きろと命令しても知らんぷりをされる。
「……寝よう」
僕は睡魔に身を委ねる事にした。起きられないんじゃ仕方ない。ワラのベッドに体を預け、まぶたを閉じかけたその時、ドアが勢い良く開かれる。
「ピカ! いつまで寝てるんだ! さっさと起きろ!」
聞き覚えある怒鳴り声が僕を眠りから引っ張り上げる。寝返りをうってドアの方に目を向けてみると、ルカリオさんが仁王立ちしてにらみつけていた。
「る、るひゃりおさん……どうしたんれす?」
僕はベッドに横たわったまま、ろれつが回ってない声で返事をする。それを聞いたルカリオさんが心の底から呆れた表情を見せた。
「どうしたってお前……今日何するか忘れたのか?」
「……何をするか?」
寝起きで思考がマヒしている中、文字通り必死に頭抱えて考える。そんな姿を見かねたのか、ルカリオさんはベッドにへばりついてる僕を無理やり起こしてこう言った。
「今日は始めてお前が『一匹』で探検する日だろ」
「いっぴき……」
『いっぴき』という単語が、脳の細胞を化学反応みたいに活性化させていく。全てを思い出した僕は時計の方に目をやった。ただいま9時26分。長針が予定より半周早く回っているを見て、全身の血が引いていくのを感じた。そうだ、今日は僕がこのギルドに入って始めて一人で探検する日だった。記念すべき日に、僕は寝坊するというポカをしてしまったのだ。
「どうやらやっと目を覚ましたようだな」
ルカリオさんは輝きを取り戻した僕の目を見て少し笑みを浮かべる。僕はその笑みを直視できなかった。
「やっぱり緊張による寝不足か」
「はい……」
偉大な先輩を待たせてしまった後ろめたさにより、僕はチラッチラッと様子見しながら弱々しく返事をした。『一匹』という言葉が放つプレッシャーが僕を寝不足にさせた張本人だ。一匹って単語を聞くたびに、今日の事を思い出すんだろうなぁ……。
「まあ、始めてのソロでの探検は誰だって緊張するものだ。それに寝坊の事は俺は何とも思ってないから気にするな」
うつむいてる僕の肩を優しく叩いてフォローするルカリオさん。その気遣いが本当に嬉しいんだけど、逆に申し訳なく思ってしまう。
「自立の時が来たんだ。いつまでも他のポケモンの世話になるわけにはいかないからな」
昨日まで僕は常に誰かと探検してきた。ルカリオさんもその誰かの一人だ。罠に掛かりそうになったり、縄張りを守るポケモンに襲われそうになった僕を何回も何十回も助けてくれた。そのルカリオさんに昨日急に「明日から一匹で探検しろ」と言われた時は、脳天にアームハンマー喰らったかのような衝撃を受けた。
「ほんとに大丈夫なんですか?」
「俺はピカが一人前の探検家としてスタート出来ると判断して言ったんだ。自分の力と経験を信じてやれ」
ルカリオさんが僕の胸を黒色の頼もしい指でつつきながら言った。
「自分の力と経験……」
確かに僕にはルカリオさんと罠だらけの遺跡や灼熱のマグマがながれる火山など危険地帯を探検した経験がある。自分の力と経験で危機を打破したかと聞かれたら答えはノーだけど。
でも、ルカリオさんという心強いパートナーがいたから、どんな危険な目に遭ってもそんなに怖くなかった。一緒にいる限り、絶対に大丈夫。そんな気持ちが芽生えるほど、僕は完全にルカリオさんに依存していた。そんな甘ったれた僕の気持ちを見抜いてこその、今回の一匹立ちなのかもしれない。
「ここで長話をしても仕方ない。この話の続きはいつもの場所だ。しっかり準備してから来い」
ルカリオさんはそう言って部屋を出ていった。再び訪れた静寂が僕の不安をかき立てる。
「大丈夫かな……僕ひとりで探検するなんて」
思わず漏れた弱音が部屋の静寂に飲みこまれる。でも、このまま不安に押しつぶされているワケにはいかない。僕がギルドに入門しに行く日、おばあちゃんから貰ったスカーフを首に巻きつけた。そして鏡の前に立ち、結び目を整える。横巻きスタイルが僕のお気に入りだ。
身だしなみを終えた所で、僕は部屋の隅で鎮座しているBOXを開ける。
「準備が肝心だ。探検の成否はここで決まる」
ルカリオさんの教えを自分に言い聞かせる。さっきしっかり準備してこいと言ったのは、僕を焦らせないためだろう。ロクに準備しなかったせいで泣きを見た探検家の話を耳にタコが出来るぐらい聞かされてる。
僕は壁に掛けられているトレジャーバッグを手に取る。傷や汚れが少ない茶色のキレイなバッグだ。ギルド入門時にルカリオさんから貰った、スカーフに並ぶ僕の大切な宝物だ。
「まずは食料のリンゴとオレンの実。それと毒消し用のモモンの実」
確認のため声を出しながらBOXから道具を取り出していく。いつも準備しているはずなのに、手の動きがぎこちない。
「リンゴみっつもいるかな? それよりオレンやモモンをたくさん持って行く方がいいかも」
僕以外誰もいない部屋で自問自答を繰り返す。もちろんバッグの中は有限だ。そんなに道具は持っていけない。
「食べ物ばっかだ……、タネやふしぎ玉も入れた方が……。うーん……」
さらに極度の緊張が僕の決定を鈍らせていた。その緊張により、限りあるバッグのスペースがいつもより小さく見える。そんな錯覚が僕をさらに神経質にさせていた。
「駄目だ! やり直そう!」
焦りといらだちにより、僕はバッグをひっくり返した。バッグの中身が無造作に床に散らばっていく。
「ホントに大丈夫かな……」
部屋の惨状を見て思わず呟いた。だいぶ天高く昇った朝日が、部屋とうなだれる僕を明るく照らしている。
紆余曲折あったものの、ようやく準備を終えた。パンパンに膨らんだ口の開きっぱなしのトレジャーバッグがその凄惨さを物語ってる。
僕は肺の奥に溜まってる暑い空気を吐き出して、床に散らばってる道具を片付けていく。まるで子供が散らかしたおもちゃを大人が片付けてるような気分だ。
片付け終わった僕は部屋のど真ん中に置かれているバッグを見る。一ヶ月の修行を終えた僕に、ルカリオさんが手渡してくれた大切なバッグだ。
始めてこのバッグに出会った時を思い出しながらバッグを閉じる。これを受け取ったあの日の僕に、ルカリオさんが明日一緒に探検に連れてってくれると言ってくれた時を。そういえばあの日の夜、興奮のあまり全く眠れなかったっけ。探検に行ける嬉しさという今日と真逆の理由だけど。
あの日を境に、このバッグと共に探検家としての生活が始まったんだ。これはいろんな場所の思い出が込められている唯一無二のバッグだ。僕はバッグを肩に掛けた。色々詰まってるせいか、いつもより重く感じる。
これで出発の準備はバッチリだ。バッグに”心配しなくていいから早く行け”と背中押されてる気がする。言われなくっても行くって。
……ところで、あれから何分経ったんだろう? 恐らく準備を始めて二十分ぐらいだと思うけど。僕は部屋の壁の時計を見上げる。しかし、ルカリオさんが部屋を出た時から長針が全く動いていない。
「壊れたのかな?」
しかし、さっきの位置から少しだけずれている短針がその考えを否定してくれた。短針が僕に突きつけた現実により、全身の血が引いていくのを感じる。
「ちょうど一時間経ってる……」
僕はドアを突き破る勢いで部屋を出る。一時間も待たせてるんだ。きっとルカリオさんの怒りは爆発寸前だ!
ドアを閉める時間も惜しい僕はそのまま誰もいない廊下を疾風のように駆け抜ける。開きっぱなしのドアが寂しそうに僕を見送っていた。
【2】
必死に猛ダッシュし、ポケモンが行き交う広場に到着。ほぼ毎日来てるけど、この賑わいは変わらない。
ルカリオさんはこの広場の向こう側にいる。一時間も待たせてるんだ。きっと怒られるだろうな……。僕は重い足取りで様々な声が飛び交う広場を横切る。どこ探検しようかと楽しそうに話すポケモン達を横目で見ながら進んでいく。
「なんてルカリオさんに謝ろう。寝坊の件もあるし、簡単に許してくれなさそうだなぁ」
僕の口から漏れ出した心の悩みも、周りの楽しげな会話にかき消される。どんな謝り方しようか考えているうちに、広場の隅で存在感を放つ三卓の白いテーブルが僕の目の前に現れた。
ルカリオさんはその中の一卓に手に持っている資料を眺めながら静かに座っている。ルカリオさんは無表情だけどきっと頭の中でどのように叱るか試行錯誤してるに違いない。
その姿を見て僕は腹をくくった。悪いのは僕だ。ルカリオさんに思いっ切り叱られよう。僕は背筋をピシッと伸ばしてテーブルの前へ足を進めた。
「遅れてごめんなさい!」
深々と頭を下げて、広場中の声を吹き飛ばすぐらいの大きな声で謝った。清々しいほどの僕の謝罪はいくつかの視線を集めている。
「おっ、やっと来たか。座ってくれ」
頭を下げている僕を見たルカリオさんは空いてる席をちょいちょいと指差した。怒りを全く感じさせない、穏やかな声だ。
「お、怒らないんですか?」
予想してなかった展開に、僕は思わず質問する。
「一時間も待たされちゃ、さすがに一言ぐらい文句を言おうと思った。でもな、ピカの顔を見たらその気も失せたな」
「僕の顔?」
自分の顔におかしな所がないか、手で顔中触りながら確認する。
「何してるんだ?」
「いや、ちょっと気になって……」
自分の顔をペタペタ触る僕を見てルカリオさんが呆れた声で聞いてくる。僕の顔に問題はなさそうだ。いや、もしかして怒る価値もないと見限られたかもしれない。
「とにかく座れ。話はそれからだ」
僕は言われた通りイスの上によじ登り、どっこらせと腰を下ろした。何故かテーブルの上に湯気が立っているオレンティーが置いてあり、フルーティーな香りが空気の重いテーブルを包んでいた。
「とりあえず飲め。俺からのおごりだ」
「あ、ありがとうございます……」
次々と襲いかかる予想外の展開により僕の頭は混乱する。資料を読みながら座っているルカリオさんの意図が全く見えない。
恐る恐る僕はカップを手に取り、口へ運んだ。オレン独特の爽やかな酸味が口の中に広がっていく。僕の好物だけど、今置かれてる状況がアレなので全くおいしく感じない。
僕は半分残っているオレンティーをテーブルに戻した。澄み切ったガラスの音がテーブルの静寂を破る。
「……ごめんなさい」
静寂を破ったガラスの音に便乗して謝罪する。社会の中で最もしてはいけない『遅刻』をしたんだ。きっと、ルカリオさんの中での僕の評価は下の下、最悪中のドン底だろう。
「ある程度遅れる事は予測出来てたからな、別に起こってないから気にしなくていいぞ。でも、いくらなんでも一時間遅れは予測出来なかったな。一体何してたんだ?」
「……準備に時間をかけ過ぎました」
僕は正直に、ありのままに告白する。僕に対するルカリオさんの腹の内はどうなってるんだろう。全く読めない分、余計に怖い。
「流石に文句の一つや二つ言いたかった所だが、今は時間がない。手短にミーティングをやるぞ。マップを出してくれ」
そう言ってルカリオさんは手に持っていた資料をファイルにしまう。取り敢えず反省するのは帰ってきてからで、今は目の前の事に集中しよう。僕は若干シミがついてるマップを取り出し、テーブルの上に広げた。
「今日どこ行くか分かってるな」
「精霊の森です」
僕はギルドの近くにある、森一帯を指差して言った。時を渡る幻のポケモンが住んでいるとか、汚水を一瞬にして浄める伝説のポケモンを見かけたとか噂が飛び交う事で有名な森だが、実際に見た者は誰一匹居ないという。
「そうだ。この辺は凶暴なポケモンも居ないし、万が一襲われてもお前の力で何とかなるだろう」
「自分の力ですか……」
電気タイプだというのに、攻撃ワザが電気ショック止まりの僕に対処できるだろうか。自分の何倍もの大きなポケモンと対峙してる光景を思い浮かべたせいで、薄れかかった不安が一気に濃くなってしまった。
「自分をそんなに卑下するな。俺はお前の力を認めたから一匹で行かせるんだ。この三ヶ月間、必死に頑張ってきた時間は絶対に裏切らない」
「認めた? 僕をですか?」
「そうだ。とは言っても一流とは程遠い半人前だけどな。……いや、半人前でもないか。半人前より更に半人前の方が正しいか」
「何気に酷いですね、……自覚してますけど」
何だかんだ、自虐を言えるぐらいには心に余裕が出てきた。これなら、何とかなりそうな気がする。
「そういえば、探検隊バッジはどうした?」
「探検隊バッジならここにありますよ」
僕は自信満々にバッグの中から探検隊バッジを取り出した。それを見たルカリオさんは左手で頭を抑えて首を左右に振る。
「……何でバッグの中からそれが出てくるんだ。身に着けなきゃ意味が無いだろ」
注意された僕はとっさにバッジを自分の左胸に着ける。道具の準備に気を取られ、装備するのを忘れていた。ルカリオさんの口から「やっぱ半人前以下じゃねえか」と漏れたのを、僕は聞き逃さなかった。やっぱり、今日は失敗しそうな気がする。
「そのバッジは自分を探検家であることを証明するんだ。だから常に身に着けておけ」
前にもルカリオさんに同じ注意されている。ギルドに入ってからも、僕のそそっかしさは変わらない。
「一応言っておくが、緊急時に真ん中のボタンを押せば事前に登録した場所にワープする機能がある」
僕は二つの羽がついた、傷一つないピッカピカのバッジを見る。真ん中の薄いピンク色の丸い出っ張りがボタンだ。
「後、ワープ出来るのはボタンを押した一人だけだ。その事を忘れるなよ」
「前々から気になってたんですが、どうして一人しかワープ出来ないんですか?」
ふと思った疑問をルカリオさんにぶつけると、明らかにげんなりした表情を見せた。
「お前、それ前にも聞かなかったか?」
僕は聞いた覚えないという意味を込めて首を横に振る。それを見たルカリオさんは小さくため息を吐いて話し始めた。
「探検隊バッジの中にバッテリーが入ってるだろ。そのバッテリーの容量は一回分しかない」
バッジの中にバッテリーが入ってるなんて知らなかった。小さいバッジのどこにワープ出来るだけのエネルギーがあるのだろう?
「しかも一人分のワープホールを開くのが限界で、二人同時にボタン押してもセンサーが反応して起動しない」
すらすらとバッテリーについて話すルカリオさん。まるで何度も説明しているようだ。
「どんな技術を使ってるのか知らんが、自動でバッテリーが充電される。次使えるようになるまで六時間かかるから連続して使えない」
話し終えたルカリオさんがこれで分かったかという目で僕を見る。取りあえずうなずいて返事する。
「まあ、俺が言うことはこれぐらいだ。話を聞き続けるのも疲れただろ」
「あっ、でも今日の探検の目的について聞いてません」
話を終えて立ち上がろうとしたルカリオさんを呼び止めた。呼び止められたルカリオさんは座り直して少し黙りこむ。そして……
「目的は特に決めてない。道具を拾ったり、景色を楽しんだりと自由に探検してこい」
「自由ですか……」
僕の弱々しい返事に頷くルカリオさん。僕は何をしたらいいか腕を組み、頭をかしげて考える。
「そんなに深く考えるな。探検に正解なんてないから好きなようにやれ」
正解がないから、かえって難しいんだと思う。結局分からないままだけど、これ以上考えてもしょうがないから出発しよう。向こうに着けば答えは見つかるかな?
「では、僕そろそろ出発します」
僕はイスから飛び降りて、ルカリオさんに感謝を示すため一礼する。
「ピカ、頑張ってこいよ」
「はい! 行ってきます!」
ルカリオさんの期待に答えるため、はっきりとした声で返事をする。ルカリオさんも僕の返事を聞いて笑顔で見送ってくれた。
「よし、頑張るぞ」
僕はルカリオさんと別れた後、探検に行くためのワープ装置に向かう。その途中、誰にも聞こえないように小声で自分を鼓舞した。隣で頑張れと言ってくるポケモンはもう居ないから。
【3】
ルカリオさんから別れてから数分後、ギルドの隅にあるワープ装置に着いた。このギルドが誇る最新型ワープ装置『GF1.989』ワープ時の負担が少ない上に燃費がいいという、身体にも帳簿にも優しい一品だ。名前の意味はよく知らないけど。
「あっ、やっと来た」
利用名簿をチェックしてた青い体色と長い耳が特徴的なポケモン、マリルリさんがこっち来てと手招きした。僕は駆け足で彼女の下に向かい、かなり遅い朝の挨拶を交わす。
「もう10時を回ってるからもう今日は来ないかと思ってたよ。何があったの?」
「あっ、うん……。そうですねアハハ……」
遅れた理由が物凄く恥ずかしいので、なかなか言い出せない。マリルリさんは何となく察したのか、苦笑いを浮かべている。これは言うしかなさそうだ。
「……寝坊してしまいまして」
「初日からいい度胸してるね、ホント。将来大物になるんじゃない?」
マリルリさんの皮肉にぐうの音も出ない。そうですねと情けなく笑って返すしかなかった。
「でも来てくれて良かった〜。ピカっちが来なかったら休日返上して仕事する意味が無くなってたからね」
「何でですか?」
「最前線でピカっちを見送るためにね。何せのソロでの初陣でしょ? 『行ってらっしゃい』って言いたかったから休みを潰してまで来たってわけ」
「そ、そうなんですか……」
嬉しくもあり、恥ずかしくもある言葉だ。マリルリさんに「赤くなってる」ってはやされたけど、こんな事言われたら誰だって赤くなるよ。
「さてと、そろそろ出発の頃ね。行き先は?」
「精霊の森をお願いします」
「オッケー、いま準備するから待ってて」
マリルリさんは一切の迷いも無駄もない、洗練された動きで機械を操作し始めた。ワープ装置からモーター音がなり始め、リングの中央に向けて光が集まっていく。
「これで終了っと。さて……お待ちかねの時間がやってまいりました」
こっちを見て、微笑みを浮かべるマリルリさん。彼女が休日を捨ててまでも言いたかった言葉を、ちゃんと心に受け止めよう。
「気を付けて行ってらっしゃい!!」
「行ってきます!!」
僕もお腹の底から張りのある声を出し、マリルリさんに負けないぐらいの挨拶を返す。そして元気よくワープ装置に飛び込んだ。