神沢市で起きた事件は終わり、落ち着きを取り戻し始めたその矢先。
復讐を終えた悪鬼は、何の因果かハルケギニアへ招かれる。
復讐の為に心を閉ざした少女の元に現れた悪鬼は、その掌で何を為すのか。


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書いてみたくなったゼロ魔×あやかしびと。
いや、この二人って何だか合うと思ったのです。


片目の悪鬼、ハルケギニアへ 予告編

「……さて、どうしたものかな。この状況は」

 

煙草を咥えた眼帯の男、九鬼耀鋼は目の前の光景に辟易とするしかなかった。

眼前にいる青い髪の少女、周りを取り囲む妙な格好の人間達、少女の脇にいる頭髪の薄い中年男。

いずれも見覚えのない物ばかりだ。それはそうだ。九鬼は数分前まで、こことは違う世界にいたのだから。

 

神沢市の事件が解決した後、彼は彼と上司の分の辞表をドミニオン本部へ提出し、その足で神沢市へ帰ろうとした筈だった。

本部の玄関を潜り、外へ出ようとした束の間……何やら大きな鏡へ吸い込まれ、今に至る。

人妖と戦い、数多の強敵を屠って来た九鬼でさえも、今の状況には戸惑うしかない。

 

「おい! 雪風のタバサが平民を召還したぞ!」

「嘘だろ!? あの雪風が平民を呼ぶなんて、何かの冗談としか思えない!」

「ゼロのルイズなら兎も角、雪風が平民を召還するなんて笑い草だぞ!?」

 

九鬼の姿を見た周りの群衆―――というか子供しかいない―――が嘲笑する様に声を張り上げる。

その喧しさに九鬼は眉根を寄せたが、今は捨て置く事にした。己の状況の分析だけで、手一杯だからだ。

そんな中、眼前の青い少女がこちらへ歩み寄り、九鬼をジッと見つめてくる。

 

「…………」

(……何だ、一体?)

 

しかし見つめるだけで何も言葉を話さない。

九鬼も戸惑うばかりで、何をどうすれば良いのか分からなかった。

やがて沈黙が限界に達しようとした時、そこに青髪の少女の脇に居た男が、九鬼に声を掛ける。

 

「……あの、失礼。いくつか貴方にお伺いしたい事があるのですが、宜しいでしょうか?」

 

男はそう言って、九鬼を見ながら一定の距離を保って言葉を紡ぐ。

九鬼の方も、話し相手が移ったと感じて心中でホッとしていた。

同時に、この男ならば今の自分の状況を話しても問題は無さそうに感じた。

 

「まず、貴方のお名前を聞いても良いでしょうか?」

「構わないが、その前にまずそっちから名を名乗ってほしいな。こっちは生憎、右も左も分からぬので、少しでも情報が欲しい」

「……申し訳ない。私の名はジャン・コルベール。ここ、トリスティン魔法学院において教職を務めております。して、そちらの名は?」

 

男、コルベールは丁寧な会釈で自己紹介をした。

それに倣い、九鬼も己の名を明かす事にした。

 

 

互いの名を明かし終えた後、コルベールは九鬼に大方の事情を説明した。

 

今は魔法学院の恒例である、春の使い魔召喚儀式の最中だと言う事。

九鬼は、その使い魔となる鏡(ゲート)を潜って、この場所に行き着いたという事。

この世界には魔法という超常の法則がある事。そして、その魔法を使って九鬼をこの場に呼び寄せたという事。

 

事情を聞き終えた後、九鬼は「成る程」と言って肩をすくめた。

 

「魔法、ねぇ……。俺の世界じゃ御伽噺程度にしか語られてなかった物が、まさか実在するとは思ってもみなかったな」

 

自分の世界にも人妖という魔法染みた存在がいたからか、別にコルベールの話に驚く所はあった物の、動揺するという事は無かった。

逆に瞠目したのはコルベールの方だ。先程までこことは違う場所から召喚されて来たというのに、さほど感情が揺らいでいない事が不思議でならない。

 

「……随分と順応が早いですね。普通なら気が動転してもおかしくないというのに……」

「なに、魔法と同じくらいに非常識の存在に会った事があるのでな。生憎だが、少々の事では驚く事は無いんだよ」

 

苦笑して、コルベールを見ながら溜息を付いた。

今までも何度か不条理な場面や非現実の様な存在に出くわした事もあったが、流石にここまでとなると、もう驚きを通り越して呆れ果てた。

が、これに関しては別に後で幾らでも追及すれば良い。

 

問題は別にある。先程から九鬼を見つめて動かない一人の少女についてだ。

使い魔、とコルベールは言った。召喚された者は使い魔となるのだと。そして自分を召還した者はこの少女だと。

 

(使い魔、か)

 

動物や妖精を使い魔にさせる話を読んだ事もあったが、まさか自分がそれになるとは思ってなかった。

まるで俊介と一緒に読んでた童話の様だ、と九鬼は少し内心ほくそ笑んだ。

 

(まぁ、今はそんな事はどうでも良い)

 

大事なのは、これからの自分の処遇についてだ。

 

「おい、お嬢ちゃん。この男の言う通りなら、俺はお嬢ちゃんの使い魔になるって事で良いのか?」

「……そういう事。貴方は私の使い魔になる」

「ちなみに拒否権は?」

「ない。何者であれゲートを通ってきた人は、使い魔にならなきゃいけない決まり」

 

そうか、と九鬼は納得した。

事情はどうあれ、九鬼が使い魔となるのは、やはり決定事項らしかった。

なら仕方ない。少しの間だが、この少女の下で厄介になるとしよう。

 

「……分かったよ。俺はお嬢ちゃんの使い魔になろう。その代わりに色々と、あれだ。情報をくれると有難い」

「うん。了解」

 

九鬼の言葉にコクリと少女、タバサは頷いた。

これが、九鬼耀鋼が彼女の下で使い魔生活を始める序章であった。




誰かこの続きを俺に代わって書いてくれ!
あやかしびとのssはもっと増えても良いと思う。
九鬼先生のキャラを表現し切れてるか心配。駄目だったらマジご免なさい

感想欄では、この先の展開はこうなったら良いなとか、そういった案を募集しています。

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