ss風「にこのぞまき三つ巴」   作:くーたん局長

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ラブレターと謎の指導者たち

真姫「遅れたわ……って、まだ誰もいないじゃない……」

 

テーブルの上に、手紙が置いてある。

 

真姫(……何かしら、これ)

 

手紙を見てみる真姫。

 

真姫(愛するにこ先輩へ♥……って書いてあるけど……差出人が書いてないじゃない……って……えっ?)

 

固まる真姫

 

真姫(愛する? ♥? ど、どういうことなの!?)

 

手紙を電灯に透かしてみる真姫

 

真姫(ピンク色の紙が入ってるみたいね……)

 

一度手紙をテーブルに戻す真姫

 

真姫(ふうん……にこちゃんにも、ちゃんとファンがいたのね……よかったじゃない……)

 

手紙をちらちらと見る真姫

 

真姫(でも……本当にファンからかしら……? もしかして意地悪なにこちゃんアンチからの嫌がらせとか……もしかしてにこちゃんを辱めるための卑猥な文句を書きつらねてたりとか……呪いの手紙とかかもしれないわよね……そうよ。そういう可能性がないとは言えないじゃない……)

 

もう一度手紙を手に取る真姫

 

真姫(柔らかいから危険な刃物は入ってないみたいだけど……)

 

何かに気づいたように、急に背を伸ばす真姫

 

真姫(……そ、それに、この手紙がファンからじゃなくて、にこちゃんの隠れた彼氏からの手紙だっていう可能性もゼロではないわよね。あのにこちゃんに限ってありえないとは思うけど、そんな手紙だったとしたら見つかったらμ's解散の危機だし、もし付き合っている彼氏がいるなら、みんなにバレちゃう前に私が別れなさいって言ってあげないと……)

 

手紙のハートのシールの封に震える手を伸ばす真姫

 

真姫(……シールも簡単に剥がせそうね……)

 

シールに触れた瞬間、もう一度、急に背を伸ばし、手を引っこめて、また手紙をテーブルに戻す真姫

 

真姫(……だけど勝手に手紙を盗み見るのは絶対よくないことよね……パパも神様は壁の隙間やドアの隙間、天井裏の隙間、床下の隙間……いろんなところから神様は見守っているっていってたし……)

 

テーブルの手紙を横目でみる真姫

 

真姫(……いえ、よく考えたらメンバーのファンレターを勝手に読むくらい普通なんじゃないかしら……そうよ、そう。 変に考えすぎよね……よく考えたら、にこちゃんだって前、海未宛てのファンレター勝手に読んでたし……なら私が少し読んでもいいわよね……)

 

素早く手紙を手に取るとシールをゆっくり剥がし、手紙を読む真姫

 

〜にこ先輩へ

 

いつも楽しくライブを見させてもらってます! 覚えていますか? 実は私、にこ先輩と一度お話したことがあって……去年の6月12日……

 

真姫(……長い手紙ね……細かい字でびっしり書いてある……)

 

あたりを見回す真姫

 

真姫(……だいじょうぶね……まだ来ないわ……)

 

……(中略)……もしよかったら、なんですけど明日の放課後、練習の後でもいいので、アルパカ小屋の前でお会いできませんか? 待ってます……

 

にこ「まーきちゃん? 何読んでるの?」

 

真姫「ヴェェッ! に、にこちゃん……」

 

とっさに手紙を隠す真姫

 

にこ「ふふふ……何、その手紙。 もしかして真姫ちゃんへのラブレター?」

 

真姫「そ、そんなわけないでしょ……」

 

にこ「え〜、にこチョー気になる〜。ちょっとだけ見せてにこ♥」

 

真姫「だ、ダメ!」

 

にこ「え〜、ケチ……」

 

海未「遅れてすみません。担任の先生とお話があったもので……」

 

真姫「あっ、海未」

 

海未「あれ、にこと真姫だけですか」

 

にこ「まだ、誰も来てないみたいね」

 

海未「たるんでいるんじゃないでしょうか」

 

真姫「けど、まだ五分の遅刻よ……」

 

海未「遅刻してしまった私が言える義理ではないかもしれませんが、やはり全体的にグループの雰囲気がたるんできているようです」

 

にこ「そうね。にこもそう思ったわ」

 

真姫「そ、そうかしら……」

 

海未「そうです! そこでです! やはりμ'sにも指導者が必要だと思うわけです!」

 

にこ「指導者? もういるじゃない? すでに」

 

真姫「誰のことよ。にこちゃん」

 

海未「どこにですか?」

 

にこ、自分を親指で指差す。

 

にこ「に・こ・よ」

 

真姫「にこちゃんは指導者じゃないわよ。にこちゃんじゃ誰もついてこないわよ」

 

にこ「何ですって! じゃ、じゃあ真姫ちゃんもついてきてくれないの? だけど、に、にこ、真姫ちゃんさえついてきてくれたら他には誰も……」

 

真姫「真っ先に見捨てるわ」

 

にこ「ひどい!」

 

海未「にこ、冗談は休み休み言ってください。それに一切面白くありませんよ」

 

にこ「冗談じゃないわよ!」

 

真姫「まあ、それはおいておいて誰よ。指導者って……」

 

海未「実は候補者が三人いまして、全員熱心なμ'sファンです」

 

にこ「ねえねえ、その人たちって、もしかして……男のひと?」

 

海未「はい!」

 

真姫「ええっ! 男でアイドルオタクなんでしょう!……なんだか怖いわ……」

 

にこ「真姫ちゃん、ファンのひとに失礼よ、それは」

 

海未「心配いりません。みなさん、みな相応の社会的地位をもっておられる名士ですから」

 

ドアが開く。

 

穂乃果「みんな、待った!」

 

海未「あっ、穂乃果。ここに来てください」

 

穂乃果「えっ……穂乃果、海未ちゃんに怒られるようなことは何も……」

 

海未「別に怒るわけじゃありません」

 

穂乃果も海未から話を聞いた……

 

穂乃果「いいね!」

 

にこ「いいの?」

 

真姫「男でオタクなのよ?」

 

穂乃果「海未ちゃんの言うことなら、無条件で穂乃果は信じるよ!」

 

海未「……穂乃果……あなたは心の友と書いてシンユウです……」

 

眼を潤ませ、穂乃果の手を取り、握る海未……

 

穂乃果「……痛っ痛いって……握りすぎだよ……海未ちゃん……」

 

真姫「ハァ……呆れたわね」

 

にこ「本当に無条件で信じれるの? 海未のこと」

 

真姫(ツッコミどころそこ……?)

 

穂乃果「うん! 当たり前だよ!」

 

にこ「太陽は青色だって言われても?」

 

穂乃果「信じる! 信じる者は救われる!」

 

にこ「オトノキとフリーメイソンが関係あると言われても?」

 

穂乃果「ふりいめーしょん?……よくわからないけど信じるよ!」

 

にこ「にこがμ'sのなかで一番人気と聞いても?」

 

穂乃果「いや、それは信じないよ。絶対」

 

にこ「なんでよ!?」

 

穂乃果「二人とも信じる?」

 

海未「信じません。絶対! ありえませんから!」

 

真姫「信じないわ……命をかけてもいいけど」

 

にこ「太陽が青いことより信じられないっていうの……」

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