endless ***   作:赤神

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今回の話は書いてて自分何書いとんやろ?って思うぐらいに意味不明です。


とまあそれはおいておいて気付けばもう2月ですね。

そんでもって今日はバレンタインです。

リア充の皆さん爆散して下さい。


006. a premonition

織斑弟が芸術的なクレーターを作成した後日、私は学園に入学したことを改めて喜んだ。

 

それは何故か────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴女とは仲良く出来そう」

 

「奇遇ね、私もそう思うわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同士と巡り合えたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遡ること数秒前。最近部屋に住み着いているスコールに少し、いやかなり手を焼いていた。

 

目の前でお酒を飲む、これは許せる。

愚痴って愚痴って愚痴りまくる、まあこれも許せる。

問題はここからで、部屋では基本的に衣類を身にまとわず常に引っ付いてくるし、身体中をいじくり回される。もちろん性的な意味合いでもだ。いじられている間に眠ってしまい朝起きたら全裸の美女が隣に眠っていた、なんてものは大半の人にとって夢のような話なのかもしれない。だが私にとっては忌まわしき脂肪の塊を見せつけられている気がして気が気ではないのだ。何度もぎ取ってやろうと思ったことか。

触るぶんにはいい、だが見るのは嫌だ。

 

今朝もそうだ。目が覚めたら脂肪が。一度叩いてやった。そしたら眠っているにも関わらず色っぽい声を出すもんだからなんだか悔しくなってしまう。

少し時間的にも早かったのだが気分転換にはいいと思い部屋を出た時だった。

目の前には私よりも頭一つ分程背が小さいツインテールちゃん。一目見て仲良く出来そうだと思った。本能、とでも言うのだろうか。とにかく説明は難しい。

あちらも私に気が付いたようで、目が合った瞬間ビビットきた。

 

で、これが今。

 

「貴女とは仲良く出来そう」

 

「奇遇ね、私もそう思うわ」

 

説明は難しい、とはいったがあえて言うならば胸部がとても、そう、本当にとても似ているからだろう。

似たような人がいれば仲間意識を持つのも不思議ではない。類は友を呼ぶ、という奴だろうか。

 

「私は凰鈴音。貴女は?」

 

「クロエ。クロエ・アヴドーチヤ」

 

「そ、宜しくねクロエ。私の事はリンでいいわ。知り合いにもそう呼ばれてるから」

 

「わかった。こちらこそ宜しく、リン」

 

そこからは何を言うでもなく二人並んで散歩をした。道中はお互いのクラスなど、自分達の事を話した。特に熱く語りあったのはバストについてだという事もここに記しておく。

 

胸なんて気にしないと言っても、やはり背に腹は変えられない。

 

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

今日も今日とて何もなく過ごしていた。

朝教室に行くと早朝に出会った同士リンが千冬にボコされていたぐらいで本当に何も無かった。

 

そして待ちに待った昼食タイム。いつもならマスコットちゃんと他二名もいるのだが今日は用事だとかで別々に昼食をとることに。セシリアはいつも通りいる。稀に千冬とかスコールもいたりするが大体がこのメンバーだ。

 

「あらクロエじゃない」

 

「リン?」

 

食堂で列んでいるとラーメンを持ったリンに声を掛けられた。中国出身だから中華が好きなのかな?あれ?ラーメンって中華だっけ?

 

「一夏見なかった?」

 

「後ろの方にいると思う」

 

「そ、ありがと」

 

そっけない気がするがあれがデフォルトなのだろうか。人の事は言えないけれど。

 

「クロエさん、今の方は誰ですの?」

 

「凰鈴音。今朝知り合った。中国の代表候補生らしい」

 

因みにあれは明らかに織斑弟にほの字である。見ていればわかるほどにあからさまだ。と言うか口にする話の大半が彼の事なので気づかない、というか察するなという方に無理がある。

 

「今日は何食べよう」

 

「リンさんがラーメンを持っていましたし、ラーメンなんてどうです?」

 

セシリアと話しながら待っていると自分たちの番が回ってきた。言わずもがなリンが織斑弟に好意を寄せているのは話した。何かあった時は協力してあげて欲しい、と。

いつも一緒にいる篠ノ之も恐らく彼に好意を寄せているのだろうが私がリンにつくのは必然的であると言える。

 

奴ら(巨乳)我ら(貧乳)の敵なのだ。

 

いや、もうこの際気にしてないとか言わない。実は物凄く気にしている。

まあそれについては今はいいだろう。

 

「ラーメンは食べたことがない。色々あるみたいだけどどれがいいの?」

 

「そうですわね、日本らしく味噌味なんてどうでしょうか」

 

日本らしく、か。いい響きじゃないか。

 

「ならそれにしよう」

 

「私も同じものにします」

 

すいません味噌ラーメンを二つ、とおばちゃんに言ってからどういう仕組みなのかものの数秒で出てきたラーメンをもち、席についてセシリアと談笑しながら味噌ラーメンを味わった。

 

セシリアはまだ箸の使い方に慣れておらず、途中食べさせてあげたりした。

私はだてに日本好きをかがけているわけではない。形だけでも、という事で以前から箸を使っていたためある程度熟れている。

味について美味しかったとだけ言っておく。

 

 

 

それ以上の言葉は要らないでしょう?

 

 

 

 

◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

「クロエ、ISについて教えてくれないか?」

 

と言ってきたのは織斑弟。

 

なんでも近々学年別トーナメントだかなんだか知らないが、クラス代表どうしが戦う行事があるらしい。

 

らしい、と言うのはあまり興味がなかったため千冬が話していたのをよく聞いておらず知らなかった。

 

これで今年の新入生の実力をある程度見極めるらしく、実際にクラス代表として出場しない生徒にとってもそこそこ大事なものなんだとか。

 

私にはよく分からないが、取り敢えず強制参加なものらしい。

 

「どうして私に?」

 

「千冬姉と仲良さそうだしほら、最初いってただろ?クロエに聞けば大体のことは分かるって」

 

私は一体どういうふうに見られているのだろうか。ついでに千冬も。と言うかそんな覚えは無い。

 

「私なんかよりもリンに聞くほうがいい」

 

「リン?リンとも知り合いなのか」

 

朝会いましたから。ええ。

彼女に聞いてあげてくださいよ。二人きりで。

 

「そうしようと思ったんだけどクラスが違うからさ。一応ライバルになるわけだし」

 

「ならセシリアは?」

 

「セシリアに聞いたらクロエに聞けって」

 

なんなんだあのオリゴ糖は。押し付けられた気がする。後でお灸を据えておこう。ついでにセシウム・オリゴトウに改名してやろうか。

 

でもまあ彼自身も力をつけてくれると護る側としても楽になるからいいか。流石に素人相手に手加減しきれる気がしないので実技については何も出来ないけれど。

取り敢えずIS操縦者にとって基本的な事を彼に課する。

 

「────ISってなんだと思う?」

 

「は?」

 

「特訓には付き合うことが出来ない。でも、助言は出来る。今の言葉よく考えてみて」

 

百獣の王であるライオンは子を谷に落とすという。厳しい環境で育つのであれば力の付きが他と違う。人間だってそうだろう。

 

解は教えず式を教える。

 

当たり前のことなのだがその式をどこまで教えるかによってその後に大きく影響するだろう。

確にいきなり自分の知識外にある難解な問題をぽんっと出され、ヒントも無しにこれを解けなんて言われても誰も解けはしない。

 

だが、だからこそ今回は(ベース)だけを教えてやればいい。

 

ハサミはモノを切るためにある。ペンは何かを書くためにある。簡単なものだがこれらの道具だってそれが何か、どうやって使うのかを理解した上で使用している。でも最初から上手く扱えた訳では無い。

ISだって根本的に(・・・・)は違うが似たようなものだ。それが何かを正しく理解出来ればそこからはどうとでもなる。

 

その原点(ベース)がISとは何か、である。

 

彼がもしその(ベース)を解くことが出来たのであれば────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────化けるであろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから部屋へと戻り、夕食時にはセシリアにしっかりとお灸を据えておいた。その結果が何故か今度お弁当を作ってるということになってしまったのだが心配だ。彼女の腕を信じるしかない。

 

もしやばそうだったら織斑弟に食べて(犠牲になって)もらおう。

 

因みにその際耳に挟んだ事なのだが、どうやら彼は私の質問の意図が分からず周りに聞いて回っているらしい。ISってパワードスーツだよな、と。

彼が化けるのはまだまだ先になりそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

で、時は過ぎて当日。

 

見事に寝過ごした。これはまずい。受験日に受験票を忘れるぐらいにはまずい。

千冬に怒られてしまう。事前に興味が無くても必ず来いと釘を刺されていたために尚更だ。

こういう時に限って起こしてくれる人がいないのはぼっちの宿命なのだろうか。

スコールもタイミング悪く、教員用の部屋が用意されてそちらに移ったあとだ。

というかそもそもの原因はリンが泣きついてきて寝かせてくれなかったのである。何があったのかは知らないし、何を言っているのかもよくわからなかったがとにかく愚痴だけを聞かされた。

 

だが遅れてしまったのはもうどうしようもなく、仕様がないので何故か隣で寝ていたマスコットちゃんを起こして急いで準備を済ませてからまだ寝ぼけている彼女を着替えさせて背負い、会場であるアリーナへと足早に向かった。

 

 

 

 

アリーナにつくと既にトーナメントが始まっており、本音を観客席の方に連れていき最初に見つけた一なんとかさんと二なんとかさん、三好さんの三人に預けた。三好さんだけ名前をちゃんと覚えているのは席が近く、何かとお世話になることがあったからだ。

 

頼もしく信頼出来る彼女らへマスコットちゃんを預けた後は千冬がいるであろう管制室に向かう。

そもそも私が千冬に釘を刺されたのが今回が織斑弟の公式戦の初陣であるからだ。

公式戦ともなれば各国を代表するような人たちも観戦に来るし彼の身に何か起こるかもしれないという事で先生としてではなく依頼主として釘を刺してきたのである。

…怒られたくないなぁ。

 

 

 

 

コンコン、と軽くノックし中から声が聞こえてきたのでドアを開けて中に入る。まあ中には当然千冬がいる訳で。

 

「ほう、アヴドーチヤか。どうした、えらく遅かったな」

 

怒っているのも必然な訳で。

 

「ん?何か言い訳とかは無いのか?んん?」

 

ウザイぐらいに教師ヅラを普通にする訳でもある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取り敢えず謝った。彼女に言い訳など無意味に等しい。

だが驚くことにあっさりと許してもらえた。これは後が怖い。恐いじゃなくて怖い。

 

「それで、私がここに来る意味はあるの?」

 

「ああ、勝手に動かれては困るからな。こちらからの指示が出るまでは待機だ。一応オルコットも呼んで専用機持ちの見学会ということにしている」

 

チラッと先程から管制室にあるスクリーンに釘付けな彼女を見て、なんかあれだなと思った。あれとは形状しがたいあれである。要するに自分でもよくわからない。

 

「で、スコールがいるのは何故?」

 

今度は後ろから抱きついきている女性を見やる。背中に当たっているものに関しては気にしない。

 

「あら、私がいたら不都合なのかしら」

 

「気になっただけ」

 

だがいいのだろうか。スコールは私と千冬が知り合いであったことは知っている。でも千冬は私とスコールがどんな関係なのか知らないはずだ。国家代表でもなくどこかの国の重鎮でもないスコールが私と繋がりがあるとすれば“表”ではなく“裏”に限られる。千冬も気づかないわけがない。

 

「気にしなくてもいいのよ。何だか無害だと判断されたみたい」

 

とはスコールの言葉。

 

耳元で話さないで欲しい。擽ったい。

 

「良かった。千冬もスコールも仲良くしてね」

 

「ここでは織斑先生と呼べ」

 

相変わらず先生に凝る人だ。

 

その後は皆で軽く話しながらスクリーンを眺めていた。次々と勝敗がついていき遂にやってきた織斑弟の出番。相手はリンだ。

ボコボコにしてやる、とは本人の談なので手加減は一切しないだろう。本格的に織斑弟が可哀想になってきた。今度労ってやろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試合は終始リンが圧倒していた。

 

やはり専用機を持ったばかりどころかISに乗り始めたばかりの織斑弟では代表候補生ともなるリンには到底及ばない。

だが必死にリンにくいついていっているのは流石というべきだろうか。根っからの努力家である彼は諦めるなんて言葉を知らなそうだ。

リンが人の部屋にきて何時間も愚痴を零すだけ彼に入れ込んでいるのが何となくだが分かった気がした。

 

「一夏さんもなかなかやりますわね」

 

事実セシリアも彼と仲良くなっていた。

それだけ魅力のある人物なのだろう。

 

「あそこまで出来るなら相手をしてあげても良かったかな」

 

「それは私が許さん。あいつにお前はまだはやすぎる」

 

「どういう事ですか?」

 

「単純なことだ。織斑だけに限った話ではないがこの学園の生徒相手にアヴドーチヤは過剰過ぎる。オルコットも教をこいたのではないか?」

 

過剰過ぎるってなんだ過剰過ぎるって。

少し泣きそうだ。あ、暖かい。けど今その暖かみは要らないよスコール。その脂肪もぎ取ってやろうかこのやろう。

 

「ええ。ですが私が教えてもらったのは心構えですわ。模擬戦はしてもらっていません」

 

「そうか。まあいずれアヴドーチヤの実力は分かるだろう」

 

中途半端に話したせいでセシリアは不満そうに千冬に向けていた顔をこちらに向けた。

 

「ちょ、何をしていますの!」

 

と思ったら急に顔を真っ赤にぷりぷりと怒りだした。可愛いものだ。

何をしているかと言われれば私は何もしていない。むしろされている。

 

「何って豊胸マッサージよ、豊胸マッサージ」

 

とまあスコールが後ろから私の胸をさわさわされていた。

 

「今、と言うか貴女がやらなくても良いのではありませんか!?寧ろ何故貴女がやっているですか!私にもやらせてください!」

 

イギリスの貴族で淑女であるセシリアには刺激が少々強かったため本音がダダ漏れだ。

もちろんスコールのこの行為に反応するのはセシリアだけではなく千冬もだ。

 

「そうだな、ミューゼル先生がやる必要も無いだろう」

 

「あら、二人とも嫉妬かしら?クロエも抵抗してないことだし問題は無いでしょう?」

 

スコールもそこで煽らないで欲しい。そんな事をすれば後が面倒くさくなるのは目に見えている。

 

「ほうクロエ、お前はその女に身体をいじくり回されても抵抗しないと。体を許しているのか?」

 

「そうですわクロエさん!マッサージでもなんでも私がいたしますわ!」

 

何だか話が飛躍した気がするが聞こえない。あーだこーだと三人で言い合っているが聞こえない。聞こえないったら聞こえない。

 

それから暫くしてやってきたメガネシリコンであるやまだまやが部屋に入るまではずっと耳を塞いでいた。途中胸以外も触られた気がしたが気にしない。と言うかここにいる人が皆胸が大きいのは嫌がらせかなにかなのだろうか。

 

どうでもいいうえにかなり話が飛ぶのだが山田先生の名前は回文というものらしい。織斑弟が言っていた。どうでもいいことなのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────その織斑弟なのだが絶賛ピンチ中である




バトルものなのにバトルがシーンが一切無いと言う事に気が付いた今日この頃。

次回はワンサマーに続いて主人公の初陣です。

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