堕ちた勇者は彼の地にて   作:胸焼け

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第29話 光をもとめて

 

 セアール地方の最大勢力、嵐神バリハルトの信徒が治めるマクルの街より東。隣国レウィニアへと続く街道を北寄りに外れると、未だ開拓途中の広大な森林地帯がある。過去には多くの若者たちがこの地に踏み込み、木々を切り倒し、幾つもの村落が生まれたものだが、新しい土地に夢見る人々を待ち受けていたのは苦難の日々だった。

 昼夜を問わず襲いくる未知の魔物の脅威。神殿から支援として派遣される兵士も数が限られ、村人らは不慣れな剣や槍を握り、家族を守るべく命懸けで魔物と戦った。それでも所詮は碌な訓練も受けていない素人に過ぎず、神殿が次世代の精強な騎士団を揃えるまでに、数えきれない程の尊い命が犠牲となった。

 

 セアール人が恐れたのは魔物だけではない。彼らが入植する以前からその土地に根付いていた原住民、スティンルーラ族の存在もまた、開拓を滞らせる大きな要因となった。一方的に領土を奪われた恨みを抱える原住民の戦士と、異教を崇拝するスティンルーラ族を快く思わない神殿騎士の間で衝突が起きるのは必定。両勢力の指導者が互いに穏健派であったがために奇跡的に保たれていた均衡も、バリハルト神殿を統括するオレノ大司祭の突然の心変わりによってあっけなく破れてしまう。

 スティンルーラ族の若い娘を攫い、激怒して仲間を取り戻そうとする女戦士を捕らえ、神殿兵らの手で惨たらしく辱めた後にマクルへと連行していく。蛮人共の許し難い所業に憎悪の炎を燃やす戦士長エカティカの号令の下、スティンルーラの戦士団は打倒バリハルト神殿に向けて着実に準備を進める。

 

 今や、溢れんばかりの怒りと憎しみに満ちたセアール地方。東西で睨み合う人間同士の諍いから図らずも免れる形となった未開の森は、今日も深い霧に包まれていた。

 

「さぁさぁ行くぞ! 目指すはマクルの街じゃ!」 

 

 そんな人間族の事情など知るものかと、活気に満ちた声を響かせる見目麗しい赤髪の女。陰鬱な森の空気を払いのけ、勇み足で行進を続けるクルージェの顔は喜色満面。勝気な瞳を光らせ、さっさと森を抜けてしまおうと意気込むあまり、後ろからついて来る歩みの鈍い同行者に本日五度目となる催促の言葉を投げる。

 

「ほれ、早く来いリタよ。置いて行ってしまうぞー?」

「……むー」

 

 クルージェの呼びかけに渋々と、濃霧の中から不機嫌さを露わにした少女が顔を出す。腰まである色素が抜け落ちた真っ白な髪と、夜闇に溶け込む黒いドレス風の戦装束を纏う彼女の名はリタ・セミフ。魔槍の呪縛に打ち勝ち、呪われた力を従えた元人間族の村娘。生まれ変わったその姿は生前の愛らしい面影を残しつつも、精神的に成熟し洗練された所作の端々に、魔性の色香を漂わせる。

 とは言っても、クルージェに手を引かれて仲良く森を歩くこの現状。色気など微塵も感じる筈もなく。むくれ顔でそっぽを向くリタに、困った顔でクルージェが問う。

 

「なんじゃ、何を不貞腐れておる。一体どうした?」

「ふん。自分の心に聞いてみたら」

「んー……? 特に疚しい事は何もないのじゃが……」

 

 首をひねって考える。真っ先に思い浮かんだのは、この森で再開した時の光景。色々と鬱憤が溜まっていたせいか、柄にもなく大泣きしてしまい、慰められ、そのおかげで立ち直る事が出来た。勝手に出て行った男を、勝手に捕まえてやるという単純明快な目標を定め、男が向かったであろうマクルの街にいざ参らんとした時に、リタに乞われたのだ。助力になりたい。その為に自由がほしい。槍の呪縛を解く手助けをしてほしいと。

 勿論、クルージェは快諾した。一寸の隙も与えない即答だった。彼女は素晴らしい解決手段を持っていた。魔槍と呪われた土地との間に結びついた呪縛は契約魔術に近しいものであり、であれば契約を上書きしてしまえばいい。

 

 睡魔族の得意分野、術者と対象の精神を深く結びつける性魔術の出番である。

 

「もしや……。い、いやぁ、まさかそれはないじゃろ」

「ふーん、誤魔化す気なんだ。無理やり襲ったくせに」 

「ま、待てッ! アレはそなたも合意したであろう!」

 

 事前に言質は取った。取っていたが、よくよく思い出してみれば、行為の途中からリタは若干涙目になっていた気もする。亡霊少女の瑞々しい柔肌が激しい快楽の波に打たれて紅潮し、可憐な唇を震わせて搾り出される嬌声を堪能しているうちに、歯止めが利かなくなっていたのも事実である。でも止められなかった。淫らに喘ぐ獲物を前に理性が飛んでしまった。性に奔放な睡魔族の悲しきサガだ。

 

「だからって、あんなに乱暴に……ひどいよ」

「す、すまぬ。じゃが! それだけそなたの魅力が――」

「もうしらない。クルージェのばか」

「んなッ!?」

 

 反省の色が見えない睡魔に愛想を尽かし、遂には罵倒を残してひとり歩き出す。少女から冷たくあしらわれ、クルージェは声にならない声を上げた。

 

「なんという事じゃ。リタに嫌われてしまった……」

 

 絶望に染まった顔を両手で覆い、膝から崩れ落ちる。まるでこの世の終わりかのように悲嘆に暮れる彼女に、僅かばかりの罪悪感を抱いたリタの口からため息が漏れる。

 

「バカね。本気で怒ってると思った?」

「うぅ。しかし、そなたに辛い思いをさせてしまった」

「別に嫌だった訳じゃ……じゃなくて! も、もういいから早く行きましょう!」

 

 思わず余計な事を口走りそうになり、慌てて会話を切り上げる。詮索される前にクルージェの手を掴んで強引に立たせると、小走りで森を駆ける。新雪のように白く冷たいリタの頬は仄かに赤みを帯びていた。

 

 霧の夜道を危なげなく進んで行く道中、二人の間に流れる気まずい時間。未だ落ち込んでいる様子のクルージェに、やっと羞恥の熱が引いたリタが何か声を掛けようとするも、変に意識してしまったせいか話題が出てこない。どうにかしなければとやきもきしているうちに、二人は森を抜け、気付けば朽ち果てた集落の跡地に立っていた。

 

「クルージェ、ちょっと待って」

「なんじゃ。やはりまだ怒っている……っ、どうした?」

 

 伏し目がちに相槌を打ったクルージェの目が丸くなる。霧の晴れた月夜の下、無人の廃村を見つめる亡霊少女の瞳から一筋の涙が流れ落ちた。

 

「みんな、良い人たちだったのに」

 

 悲しみを押し殺した、微かに震える声。その呟きが何を意味するのか、少女の流した涙の理由をクルージェは静かに悟った。

 倒壊した家屋。無残に踏み荒らされた畑。乾いた血の跡が残る礼拝堂の石壁。此処は入植者達によって作られた開拓村のひとつ。ドラブナという名の、少女の生まれ故郷だったもの。

 

「リタよ、己を責めるでない。そなたは十分に戦った」

 

 そう言ってからすぐに、クルージェは顔を歪めて黙り込む。当事者でもない赤の他人が、何を知った風な口を叩いている。慰めの言葉を掛けたところで、失われた命は返って来ない。魔槍と同調し人外の力を得たといっても、元は無垢な人間族の少女。ドラブナ村は少女の世界の全てだった。それが、一晩で消え去ってしまったのだ。その悲しみは計り知れないものだろう。

 

(肝心な時に、どうしていつも我は……)

 

 大切な者を支える事も出来ない無力感が、胸を締め付ける。晴れている筈の霧が目の前を覆い尽くしていくような錯覚すら覚え、堪らずに足がふらついてしまう。

 

 しかしそれは、大きな隙だった。冷たい風が草木を揺らす。ひんやりとした空気の中に混ざる獣の匂い。地面を踏み締める音と、異変を察したクルージェが背後を振り向いたのはほぼ同時。

 

「しまったッ!?」

 

 唸り声を上げた茶褐色の狼がクルージェに飛び掛かる。万全の状態であれば不意打ちを許す事はなかったが、周囲への警戒を疎かにしていた為に、奇襲に対応するのが一歩遅れてしまった。

 回避も防御も間に合わない。一瞬でクルージェとの間合いを詰めた魔物の牙が鈍く光る。が、獲物の首に食らいつく寸前、虚空から飛来した黒い閃光が魔物の頭を吹き飛ばした。

 

「大丈夫、クルージェ?」

 

 尻もちをついて呆然としているクルージェに心配そうにリタが声を掛ける。その傍らには、濁った赤黒い血を滴らせながら浮遊する魔槍が従者のように控えていた。

 

「う、うむ。すまぬ、助かった」

「気にしないで。まだ危ないから、此処で待っててね」

 

 獣を殺した後も周囲の殺気が消える事はない。寧ろ、より一層濃密な死の気配が彼女らを囲い込んでいく。青い月明かりに照らされ、闇に潜む者が姿を現す。それは襤褸切れを纏った白骨死体の群れだった。十や二十ではきかない亡者の集団が、各々の手に錆びた剣や粗末な鍬を握り締め、カタカタと歯を鳴らしながら二人に迫る。

 

「クルージェ。丁度良い機会だから見せてあげる」

 

 蠢く悪意の壁に退路を塞がれ、生者を憎む怨嗟の呻きがにじり寄っていく。遂にその狂気の刃が、クルージェを背に庇い立つリタ目掛けて一斉に振り下ろされる。鈍い音が響き、無数の影が宙を舞った。折れた剣の破片が血飛沫のように飛び散り、砕けた亡者の頭蓋がリタの足元に転がる。

 

「まだだよ。私の力は、こんなものじゃないんだから!」

 

 リタの意志に呼応して魔槍が夜空を切り裂く。得物を手放した少女の元に次々と敵が押し寄せるも、あと少しで手が届くといったところで、何故か彼らの行進が止まる。土煙が晴れると、白い冷気を放つ氷の絨毯が亡者達の足を縫い付けていた。

 冷却魔術、その応用による拘束。一介の村人に過ぎなかったリタが転生する事で得た新たな力だ。相手側の自由を完全に封じた上で、ふわりとリタの身体が浮上する。入れ違い様に天から流星と化した魔槍が降り注ぎ、轟音と衝撃波があらゆるものを薙ぎ払った。

 

「なんと……リタめ、これほどの実力を持っていたとは」

 

 瞬く間に敵を殲滅してのけた少女の勇姿にクルージェが感嘆の声を漏らす。凶悪な槍を手懐け、更に人間時代とは比ぶべくもない魔力を単にぶつけるのではなく、状況に応じて効率的に使いこなす柔軟性。今後、より多くの研鑽を積んでいけば、果たしてどこまで強くなるだろうか。

 もしかしたら、届くかもしれない。少女の手を借りる事で至高の頂へと。恐るべき地の魔神に今度こそ立ち向かえるかもしれない。

 

(そうじゃ。我とリタの二人であれば、或いは……)

 

 少女を利用しようとする己を咎める声と、憎き怨敵に一矢報いたいと渇望する声。相反する二つの心が、クルージェの胸中でせめぎ合う。その間にも、魔槍を自在に振るうリタの手によって亡者達は次々に討たれていき、最後に残った鎧姿の屍に向かって突貫する。

 

「これで、終わりっ!」

 

 真っ直ぐに槍を構えたリタが地面を蹴る。即座に反応した騎士が片手を塞ぐ剣を捨て、背中の大盾を前面に翳す。激しく飛び散る火花。これまで魔物を紙屑のように切り裂いてきた魔槍が、初めて受け止められた。

 

「っ、防がれた……!? だけど、それなら!」

 

 痺れる腕で強引に槍を横薙ぎに払い、すかさず魔術で生成した無数の氷剣を乱れ撃つ。一部は大盾によって跳ね返されるものの、リタの持つ魔槍と同じように自在に飛び交う氷の刃が背後や側面、頭上から鎧の関節部を穿つ。氷剣の嵐が止む頃には、盾を構えたまま停止した氷像が出来上がっていた。

 

「今度こそ、終わりにしてあげる」

 

 槍を持ち直し、注意深くリタが動く。妙に抵抗しながらも、結局はあっけない最期を迎える亡者の騎士。遠目から見物していたクルージェは、敵ながら思わず同情してしまいそうになった。

 

「生前はさぞ勇ましい人間であったのじゃろうな……」

 

 傷だらけの鎧は歴戦の猛者である証。鉄兜の額当の刻印は、開拓者たちが信仰する嵐の神バリハルトの紋章。マクルの街の神官姉弟と交友関係があった故に、鎧姿の人物の背景に辿り着いたクルージェは疑問を抱く。

 以前この村を訪れた際、同行していた神官の手配でドラブナの森を含めた周囲一帯を浄化する、という話だった。にも関わらず、前回訪れた時と比べて何も変わっていない。それどころか、亡者が溢れる現状は以前より悪化しているとすら云える。とても人間が住める環境ではない。

 

(カヤが嘘を吐くとは思えぬが……この惨状はなんじゃ)

 

 辺りに散乱した白骨死体を眺め、クルージェは考える。そもそも、この魔物達は何処から湧いてきた。獣であれば山野や水辺等に独自の生態系を築いているが、平和な世に不死者の類が数を増やす事はない。

 だが、例外はある。仮に村一つが何らかの要因で滅びる事態が発生した場合。バリハルトや他の光勢力による浄化がなされず、呪いに満ちた大地を放置していたならば。やがて彼らの亡骸は甦るだろう。生者を憎む不死の魔物として。

 

「まさか、こやつらは」

「……クルージェ」

 

 消え入りそうな呟きにクルージェは振り返る。見れば、先程まで自信に溢れていたリタの顔は蒼白になり、槍を握る手が震えている。少女の悲痛な表情を目にして己の失態に気付く。性魔術によって双方の精神が深く結びついている今、一方が大きく動揺すれば感情の波が相手にも伝搬する。正確な思考までは読み取れずとも、物言わぬ不死者らに向ける悲しみや哀れみが断片的に伝わった結果、聡い少女は理解してしまう。

 

「うそ、だよね……だって、村のみんなは、セリカ様たちが眠らせてあげたって……」

 

 死体の多くは少女自身の手で原型も判らない程に損壊していたが、幾つかは人の形を留めていた。背骨の曲がった小柄なモノ。左手の薬指に指輪をはめたモノ。年季の入った鍬を抱え、荒れ果てた畑の中で倒れているモノ。それら全てに見覚えがあった。

 

「う、あぁ……みんな、村のみんなを……私が……!」

 

 己がしでかした所業に動揺する少女の背に大きな影が忍び寄る。全身鎧の節々に氷の刃を生やしたまま再起動した騎士が、赤錆びた直剣を揺らめかす。手足はあらぬ方向に曲がり、生者ならば致命傷となる深手を幾つも抱えながらも、妄執に支配された不死者は止まらない。剣を振りかぶる動作は人体の可動域を逸脱し、引き絞った弓の如き異様な姿勢から繰り出される袈裟切りの刃が容赦なく襲い掛かった。

 

「きゃっ……!?」 

 

 風に吹き飛ばされるように、リタの小さな体躯が浮き上がる。何が起きたのか理解出来ず、目を白黒させている少女の視界を占めていたのは一面の赤。濁った血のような赤色ではない、美しく燃え上がる紅蓮の艶髪。

 

「すまぬ、リタよ。そなたに辛い思いをさせてしまった」

 

 抱きかかえていた少女を優しく地面に下ろし、クルージェは亡霊騎士へと向き直る。背に庇って拳を構える姿は先程と真逆の構図。

 

「後は任せよ。こやつは我が片付ける」

「……だめ、だよ」

 

 ただ、ひとつだけ異なるのは。

 

「一人で、抱え込んじゃだめ。私なら大丈夫だから」

 

 熱くなった拳に白く冷たい手が添えられる。クルージェの隣に並び立つリタの瞳には強い決意の光が宿っていた。

 

「よいのか、そなたの同胞であろう」

「分かってる。だからこそ、私がやらなくちゃ」

 

 生き残ってしまった者の最後の務め。これ以上、新たな被害者を生まない為に。過去の後悔を呑み込み、未来への禍根を断たねばならない。

 

「そうか。であれば、改めて言わせてくれ」

 

 夥しい数の死者の血で染まった大地から立ち昇る瘴気。理不尽に命を奪われた者達の憎悪の念が、亡霊騎士を異形の怪物へと変貌させる。両手の武具を捨て、獣のように手足を地に下ろした騎士の身体が膨れ上がり、罅割れた鎧の中から滲み出た黒い体液が全身を覆う。もはや人間の頃の名残は何処にもなく、魔物とも呼べない悍ましい肉塊が動き出す。草木は枯れ、民家を押し潰し、膨張を続ける成れの果てを前にして、クルージェは静かに息を吐く。

 

「我と共に、戦ってくれるか」

「うん。クルージェと一緒なら、怖くない」

 

 重なる二人の手が離れ、お互いに身構える。暴走する狂気の塊に向かってクルージェが駆け出し、続けざまにリタの魔槍が唸りを上げた。

 

「騎士様……みんな……ごめんなさいっ」

 

 透き通った白い髪を揺らし、少女の手から放たれた渾身の一撃が肉塊に突き刺さる。同時に、槍に込められた冷却魔術が解放される事でその巨体が分厚い氷の膜に覆われていく。無尽蔵の再生力を前にしては足止め程度にしかならないが、それこそがリタの狙い。冷気の檻に囚われた怪物の懐にクルージェが辿り着いた時点で、勝敗は決していた。

 

「哀れな魂よ。すまぬが理不尽を押しつけさせてもらうぞ」

 

 忘れ得ぬ敗北の記憶。憎たらしい青髪の女魔神に圧倒的な暴力でねじ伏せられた恥辱を思い返す。生物としての格の違い、天と地ほど離れた実力差を今更否定はしない。上級魔族としての矜持は既に砕かれた。失うものはもう何も無い。ならば、己がやるべき事は決まっている。

 

「今度は外さぬ。確実に、叩き込むッ!」

 

 あの時の惨めな己と決別するために、野蛮であると忌避していた己の拳を全力で振るう。

 

 ――――猫打【超ねこぱんち】

 

 風が吹き抜け、粉雪が舞う。きらきらと輝く氷の礫に混じり、砕け散った黒い肉片が蠢く。それらもまた、追い打ちで放ったクルージェの火炎魔術が焼き尽くしていった。熱波が過ぎ去った後には煤けた鎧の残骸だけが残り、狂乱に満ちた廃村に漸く元の静けさが取り戻された。

 

「これで、終わりじゃな」

 

 魔物の気配も消え失せ、聞こえてくるのは風に揺られた木々の騒めく音と虫の鳴き声。村を囲んでいた霧は戦いの影響で霧散したのか、晴れ渡った夜空から差し込む月の光でドラブナの森がよく見える。自然豊かで美しい、二度と戻ってこないだろう生まれ故郷にリタは今度こそ別れを告げたのだ。

 

「しかし、また我が衣がボロボロになってしまったのう」

「ちょっ……ちょっとクルージェ!? その恰好で村を出ちゃダメだよ!」

 

 新品同然だったローブは所々が焼け焦げていた。必殺の拳を放った右腕から上半身にかけて布地が大きく裂けてしまい、裸身に毛布を羽織っているかのような酷い有様だ。そんな彼女を見かねて、大慌てでリタが村の一画に引っ張って行く。

 

「よかった、この辺りは殆ど無事みたい」

「待て待て。一体どこへ向かうつもりじゃ」

「この先に私の家があるの。替えの服が必要でしょ?」

 

 問い掛けに淡々と答えながら早足で歩く。有無を言わせないリタの気迫に圧倒され、しおらしく顔を伏せてクルージェは付き従った。そのためか、白い少女の髪が靡いた際の、耳まで真っ赤に染まった横顔に気付く事も無かった。

 

「着いたよ。家の中も……うん、思ったより荒れてない。これなら落ち着いて探せると思う」

 

 やがて辿り着いたのは一軒の空き家。割れた窓から中を覗くと、室内は生前の住人のものだろう慎ましい生活の跡が未だ残されていた。いつまでも続く筈だった日常の終わり。惨劇が起きたあの日のまま、時が止まってしまった平穏な日々の残り香にリタの表情が一瞬曇るも、未練を断ち切るように小さく首を振る。

 

「さぁ入って。私が服を選んであげる」

「うむ、それではお邪魔させてもらおうかの」 

 

 出会いがあれば別れもある。悲運に踊らされた末に思わぬ縁を結んだ二人のように、運命とは唐突に訪れるもの。未来を勝ち取るべく再び歩み始めたクルージェのその行動が、また新たな因縁を生み出す事だってあるだろう。幸か不幸か、手繰り寄せられた因果は意外とすぐ近くに転がっていた。

 

「くそ、あのガキ適当言いやがって! 何が近道だ、思いっきり逆方向じゃねえか!」 

 

 今まさに玄関を潜ろうとした二人の背後。静かな夜空にありったけの罵詈雑言をぶちまけながら、草木を搔き分け何者かが飛び出してくる。偶然、位置的に近かったクルージェが振り返ると、泥だらけの大男と目が合った。

 

「む?」

「あ?」

 

 意図せず両者共に揃って動きを止める。薄汚れた浮浪者染みた風貌の男と、布切れを羽織った露出狂紛いの女という異様な組み合わせ。神妙な顔でお互いに睨み合い、アッと声を上げたのはどちらが先だったのか。

 

「あんたまさか、()()()の連れの女か!?」

「そなたはあの港町の! カヤの召使いじゃな!」

「そうだ、よく覚えて……いや違うだろ!? このダルノス様があんなズボラ女の下働きなんぞするものかよ!」

 

 いくら美人に弱くとも、その勘違いだけは見過ごせない。嵐神バリハルトに仕える人間族の戦士、ダルノス・アッセのあまりにも必死な抗議にクルージェは思わず身を引いた。

 

「そ、そうじゃったか? そなたの料理の腕前は素晴らしいものであったと記憶しとるのじゃが」

「あれは只の趣味だ! ったく、カヤの奴から何を吹き込まれたんだか……」

 

 ガシガシと頭を掻いて遠慮のない溜息を吐く。これだから身内以外に飯を作りたくないんだと愚痴を零しつつも、美女に褒められるのは満更でもないようで。緩みそうになった表情筋を鋼の精神で引き締め、話を仕切り直す。

 

「どうしてこんな所にいるのかは知らねぇが、丁度良かった。道に迷って困ってたん――ぐはぁっ!?」

 

 腕を差し出しながら助力を乞おうとして、間髪入れずにダルノスの後頭部を衝撃が襲う。堪らず、その場に崩れ落ちる巨躯を驚いた顔で見下ろすクルージェ。白目を剥いてぴくぴくと痙攣する男に声を掛けようとするも、今まで男の背に隠れていた見覚えのある“槍”がそれを阻むかのように立ち塞がる。

 

「汚い手でクルージェに触らないで」

 

 底冷えするような寒気を孕んだ吐息が、クルージェのうなじを撫でる。ビクッと肩を震わせ、恐る恐る振り返ると、愛らしい少女がにっこりと微笑んでいた。

 

「ねぇ、クルージェ」

「ひょえ!? な、なんじゃ! どうしたのじゃ!?」

 

 いつもと変わらぬ笑顔の筈なのに、何故だか無性に怖ろしく感じる。狼狽えるクルージェを意に介さずに歩み寄ったリタが腕を伸ばす。その手に握られていた寝台用の白い敷布で真紅の乙女の肌を包み隠し、困惑する彼女に優しく語り掛けた。

 

「ちょっと無防備じゃないかな? 女の子なんだから簡単に肌を出しちゃダメだよ」

「わ、分かった! 分かったから先ずあ奴の介抱を――」

「それなら大丈夫。この子に任せるから」

 

 リタの手招きに応じて、二人の傍をダルノスを乗せた魔槍が通り過ぎる。物干し竿に洗濯物を引っ掛けるような恰好で、哀愁を漂わせながら水辺の方へと連行されていくのを見送り、少女は口を開く。

 

「さ、早く着替えないと。中に入ろ?」

「うっ……うむ。お、お手柔らかに頼むぞ……」

 

 微笑みの裏から滲み出る圧力に抗えず、背中を押されるがままに扉を潜る。結局、村を出発したのはダルノスが目を覚ます頃、とっくに夜が明け朝日も登りきっていた。民家からイイ笑顔で出てきたリタとは対照的に、彼女の後に続くクルージェの顔は何故か酷くやつれていたという。

 

 

 

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「うー……お、重いよぉ」

 

 薄暗い地下都市の路地で小柄な人影が悲鳴を漏らす。両手に沢山の荷物を抱えて、覚束ない足取りで帰路を急ぐ姿はなんとも危なっかしい。排他的な一部の人間達の目を避けるために、成人男性用の大きな灰色のローブを着用していたのも状況を悪くした。視界は狭く、ぶかぶかの裾を地面に引き摺らせていたら案の定、足を滑らせてしまう。 

 

「うわっとっと!?」

 

 抱えた荷物ごと盛大にズッコケてしまう……と、思った矢先。咄嗟に差し出された白い腕が少女を受け止める。

 

「大丈夫か」

「あ、ありがとう。助かったよセリカぁー」

 

 はだけたフードから明るい金糸の髪を覗かせる鳥人族の少女、ペルルが力の抜けた笑みを浮かべ、助けてくれた人物を見上げながら礼を言う。自分と同じく、分厚い衣で姿かたちを隠した細見の女性。いや、中性的な美しい顔立ちをしているが、彼はれっきとした男。

 下手を打てば鳥人のペルル以上に注目を浴びかねないため、外出する際は普段から人目の少ない場所を意識して通るよう徹していたのが功を奏したらしい。思わぬ形で少女の窮地を救ったセリカ・シルフィルは、彼女の抱えていた荷物の量に驚きつつも軽々と持ち上げ、一緒に帰り道を歩く。

 

「普段から一人で買出しをしているのか?」

「そうだよ! でも、今回はいつもより沢山買ったかな」

 

 ぱんぱんに膨らんだ鞄や買い物袋の中には食料品や色とりどりの薬瓶、それから光源用の油に大量の羊皮紙の束。人間の子供よりは体力があるとはいえ、これは些か張り切り過ぎじゃないかと窘めるセリカに、ペルルは首を振る。

 

「ううん、ボクだって頑張んないと! お師範様は忙しいし、セリカは病み上がり? のビョーニンだからボクが家を守るんだよ!」

「その病人にこうして手助けさせているんだが」

「あっ! ご、ごめんなさい」

 

 尻尾みたいに跳ねていた前髪がへにゃりと垂れ下がる。落ち込む彼女にセリカは冗談だと言葉を付け足し、安心させるように笑いかけた。

 

「ペルルは十分に頑張っているさ。だからアビルースも、自分の仕事に集中できているんだろう」

「でも……ボク、この前はずっと役立たずだったし……」

「あれは例外だ。出くわした相手が悪かったんだ」

 

 魔神トリグラフ。セリカ達を襲った巨大な怪物は迷宮に甚大な被害を齎した。死傷者が出なかった事は奇跡としか言いようがなく、されど地下都市フノーロにも激闘の余波は及んでいた。アビルースは不調を起こした都市設備の復旧作業に掛かりきりで、もう三日は家に帰って来ていない。魔物や地上の瘴気からフノーロを防衛するための結界装置に異常があっては大問題だ。だから完全に修復したと判断できるまで、家の諸々の事は弟子のペルルに任せているらしい。

 

「役に立たなかったというなら俺も同じだ。トドメこそ刺したが、それは周りの助力があったからだ」 

 

 魔神の核とでもいうのか、最後の一撃で貫いたと同時に流れ込んできた膨大な魔力によって、セリカの受けた傷は完治していた。一種の飢餓状態だった身体に魔神の生命が注がれた事で、それまで度々起きていた意識の混濁や全身の脱力感も無くなり、今までにないくらい体調も良い。

 

 だが、セリカの面持ちは硬い。

 

「ペルル、あんな大物を今まで見た事があるか」

「うーん。此処って色んなのが棲んでるけど、あれだけ怖いのは初めてだよ」

「……そうか」

 

 少女の返事に得心がいったように息を零す。行く先々で襲い掛かって来る魔物達。フノーロに滞在してすぐに襲来した、此処の住人でも知らない怪物。そもそも、魔神とは強大であるが故に独自の拠点を抱えている個体が多く、決まった住処を持たずに各地を放浪する“はぐれ”の目撃例は極めて少ない。人間族の勢力圏と離れた辺境の都市といえど、こうも簡単に遭遇するなんて普通はありえない。

 

 考えられるとしたら、何者かが意図的に誘き寄せたか、或いは魔神を惹きつける程の魅力的なモノがあったのか。

 

「セリカ、どうしたの?」

「っ……いや、何でもない」

 

 下から覗き込んできたペルルの心配そうな声で意識が戻る。今は悩んでいても仕方がない。いずれにしても、長居をする気は無かったのだ。落ち着いたらアビルースとも話をしよう。

 段々と元気が戻ってきたペルルと他愛もない会話を挟み、路地を抜ける。更に歩を進め、漸く辿り着いたのは地上だともう夜になる頃だ。光の届かない地下都市でも不思議と住人達の活動周期は変わらず、辺りも静まり返っている。

 

「住み慣れた我が家よ、ただいまー」

 

 鳥人の翼で器用に扉を開け、セリカと共に中に入るペルル。主は留守なのだから当然、声を掛けても誰も返事はしない。……と思いきや、想定外の来客が二人を待っていた。

 

「遅かったな。待ち侘びたぞ」

「っ! お前は……」

 

 反射的に身構え、用心のため隠し持っていた剣を懐から取り出したセリカを放っておき、男は背を向けたまま書物に目を落としている。呑気に胡坐をかいて、己の得物である二振りの刀も部屋の隅に立て掛け、家主の蔵書を好き勝手に読み耽る後ろ姿は隙だらけだ。しかし、セリカは警戒を緩めない。異国の装いを纏ったその男の強さを知っているからこそ迂闊に動けなかった。

 

「あー! おじさん、何処行ってたの!? 心配したんだよ!」

 

 張り詰めた空気をぶち壊す大きな声。セリカの落とした荷物を拾い纏めながらペルルが頬を膨らませる。魔神を打倒したあの後、崩壊しかけていた死闘の舞台からの脱出を手助けしたのもこの男。塞がれた壁を斬り飛ばし、迫る猛火から全員を逃がした直後に姿を消したせいで、不安になったペルルはこの数日間ずっと男の行方を捜していた。なのに、まさか自宅で再会してしまうとは。

 

「というか、鍵は掛けてたのにどうやって入ったのさ!」

「喧しい。些細な事を気にするな」

 

 鬱陶しそうに顔を顰め、黒衣の男が腰を上げる。その際に周囲に並べていた書物の山が崩れ、巻き上がった埃でペルルが咳き込む。

 

「もぉー! 誰が掃除すると思ってるの!」

「無論、丁稚の役目だろうよ。綺麗に片しておけ」

 

 床一面に散らばった書物はどれも年代物のようで、表題が掠れて見えなくなっているものも多々ある。これらを整理し直すのは非常に骨が折れるだろう。もしこの惨状を家主が目にしてしまったら、確実に犯人扱いされる自信があるペルルは半泣きで片付け始めた。日頃の行いの悪さを後悔している少女を尻目に、刀を回収した元凶の男は出口へと向かう。そして玄関で立ち尽くすセリカとすれ違う間際。

 

「愉快な童よな。そう思うだろう、神擬きの人間よ」

「……っ!」

 

 そっと、独り言のように呟いた男の言葉にセリカは目を見開く。振り向くと男の背中はもう既に遠くなっており、焦燥感に駆られた足がその後を急いで追いかけていた。 

 

「ま、待て! お前は、何か知っているのか!?」

 

 見失わないように全力で駆けて行った先で、男は待っていた。ひと気の無い廃墟の並ぶ通り。老朽化で放棄された区画で、超常の力を有した二人の怪物が対峙する。

 

「聞きたい事があるのだろう? 遠慮せずに申してみろ」

「……お前は何者だ。何故あの時、俺たちを助けた」

 

 唾を飲み込み、剣の柄に手を掛けていつでも刃を抜ける状態で問いを投げる。人々の喧騒とは無縁のこの場所では、湿った天井から滴る水滴の音も、抑え込んだ息遣いすらも嫌にはっきりと聞こえる。

 

「魔神竜之介。手を貸してやったのは気紛れよ」

 

 男からは一切の気配を感じられない。問いに対する答えを声として発しているお陰で辛うじて存在を掴めているだけで、恐らく男がその気になれば……

 

「やめておけ」  

「……ッ!?」

 

 背後からの囁きにセリカは冷や汗を流す。音も無く、瞬き一つの間に視界から消えた男の腕はセリカの手首を抑え、半ばまで刀身を覗かせていた剣を鞘に戻させる。

 

「なっておらんな。これでは宝の持ち腐れよ」

「何を……どういう意味だっ」

 

 身動きを封じられて尚も気丈な態度を崩さないセリカの様子を暫く眺め、落胆したとばかりに男が腕を離す。

 

「無様よな。そうだ、俺が代わりに使ってやろうか。お前の、神の肉体を」

「ッ! それが狙いだったのか!!」

 

 古の神アストライア、嘗てのセリカの恋人サティアの身体を奪う為に誘い込まれたのか。男の目的を知り、激昂したセリカから火の揺らめきに似た魔力が噴出する。抜き放った魔法剣が共鳴を起こし、灼熱を秘めた斬撃が廃墟を抉り抜く。

 

「か、はっ」

 

 無人の区画を照らす炎の嵐が途絶え、薄暗闇が辺りに戻る。膝をつき、倒れたのはセリカだった。

 

(なんだ、力が入らない……!?)

 

 震える指先から剣が滑り落ちる。腹部を貫いた衝撃は全身を駆け巡り、四肢を制御するのもままならなくなった身体が地べたに転がった。

 

「冗談だ。そう逸るな」

 

 男は得物を手にしていない。刀を抜く事すらなく、突き出した右の拳のみでセリカを鎮圧してみせた。一瞬の交差で無力化した現実を相手に叩き込み、自称魔神の男は嘲笑いながら告げる。

 

「神の器に収まった人の魂。それがお前よ。見ものだったのだろうな。こんな小僧がどうやって神を殺したのやら」

「ち……違うッ! 俺はサティアを殺していない!」

「ほぉ。欠けた記憶を頼りにそうも断言出来るのか?」

「っ、それは……」

 

 ペルルから聞き及んでいたのか、記憶喪失の身の上を知っていた男はじわじわとセリカの心を追い詰めていく。

 

「お前は御馳走だ。あのデカい蜥蜴だけではない、魑魅魍魎がお前を狙っている。俺が相手で命拾いしたな?」

「……ッ」

 

 目を逸らしていた事実を他ならぬ魔神から宣告される。それは屈辱であり、それ以上に周囲の人々を危機にさらしている己への怒りと罪悪感がセリカを襲う。

 アビルース、ペルル。迫害を受けながらも心優しく誠実であろうとする彼らの顔を思い浮かべ、グッと地面の土を握り締めた。

 

「確かに神の力は強大であろうよ。だが、その両腕で抱えられる命には限りがある事を肝に銘じておけ」

 

 言いたい事を散々言って満足したのか、男は黒衣を翻し一陣の風と共に姿を消す。ひとり残されたセリカに語り掛ける者はいない。

 

「俺は……」

 

 暫くして、上体を起こしたセリカの表情は暗く。服についた土埃を払う気力さえ残っておらず、落ちていた剣をなんとか拾い立ち上がると、足を引き摺りながら街の外に向かう。それを高台から、黒く濁った双眸を細めて男が見下ろす。

 

「加減はしてやったが、もう動けるか」

 

 いつまでもこんな所で時間を潰されては退屈極まる。一箇所に留まる事で魔物が集まるのは事実。その上で、個人的な思惑も兼ねてセリカを挑発したらとんとん拍子に話が進んでくれた。

 

 魔神トリグラフが暴れ回ったせいで、迷宮内の進路は制限されている。偶然か、必然か。地上を目指すならば必ず、とある地点を通過しなければならないのだ。

 

「獅子の子落とし、というやつだ。存分に殺し合え」

 

 其処は、知恵ある者なら絶対に近付かない禁忌の地。

 忌まわしい魔神の一柱が君臨する古の玉座。

 

 その名も、紅き月神殿。大陸に覇を唱える女傑、悪名高き地の魔神ハイシェラの拠点である。

 

 

 

 

 

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