篠栗は至って普通な多重人格者さ   作:黒鷺

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こんにちは、黒鷺です。
きちんと二次創作を書くのは今作が初めてです。
原作キャラの口調とか自信ありません。
生易しい目で見て下さい。


プロローグ
第零話「篠栗朱那は至って普通な転生者である」


篠栗朱那は至って普通な多重人格者である。

篠栗朱那は至って普通な転生者である。

篠栗朱那は至って普通な厨二病である。

篠栗朱那は至って普通な普通(ノーマル)である。

 

 

 

 

 

まずはじめに、画面の向こうの君達に問いたい事が有る。なあに、とても簡単な質問を一つするだけだ。

 

テンプレ異世界転生モノに付き物な物といえば?

ほら、簡単だっただろう? 分かったなら、さっさと、質問の答えを聞かせて欲しい。私は其処まで気が長くないんだ。

ふむふむ、成る程。チート能力(笑)を貰って、好きな作品の世界(笑)に転生(笑)。正にその通りだ。

だが、だがな、私の場合は少し、いやかなり違う。……え? 嗚呼、すまないな。

 

篠栗《私》は、転生者なんだよ――。

 

 

 

 

 

それは雨の日のこと、いつもの帰り道をいつも通りに歩いていた時だった。何故かトラックが現れ、何故か運転手は居眠りしており、何故か私はトラックの進路上に立っていた。そして、至って普通に私は跳ねられ、至って普通に致死量のダメージを受け、至って普通に死んだ。

これが本当にテンプレ通りなら、この後、何故か何処までも白い謎空間に迷い込み、何故か自称神様(笑)な爺さん若しくは幼女に会って、何故か手違いで殺された事を知らされ、何故かチート能力を貰って、何故か異世界に転生する……筈だった。

いや、確かに白い謎空間には迷い込んだ。確かに、神では無いが「平等なだけの人外」は居た。確かに故意に殺された事も聞いた。確かに何かしらのスキルはくれるようだった。確かに異世界に転生することになった。確かにテンプレに近かった。

 

自分で『設定』を決められたならば――。

 

 

 

 

 

 

成る程、知らない天井だ。成る程、身体が明らかに幼い。成る程、確かに転生したようだ。

 

「あら? あなたー、朱那が起きたみたいよ」

 

二十代後半だと思われる黒髪黒目の女性が、扉を開いて中に入ってきた。私を見ると廊下の向こうに向かって呼び掛けた。

数秒すると、同じく二十代後半だと思われる黒髪黒目の男性も入ってきた。

 

「おはよう、朱那。パパだよ」

 

成る程、この二人がこの新しい世界での両親か。そして、私の名前は朱那。朱那……朱那ねえ。異世界だというから、てっきりファンタジー世界をイメージしていたが、極々普通に前世と変わらない日本か。まあ、言語や文化の違いにも困らない事が分かったから、それは良かったが。

ん? 何だ。自称パパ(笑)よ、何故そんなにも私を見つめる。何故そんなにも悲しそうなんだ。何故そこで首を振る。

 

「駄目みたいだ。今日も何も反応してくれない。やはり、この子はどこか可笑しいのかもしれない」

 

「何言ってるのよ、あなた。病院の検査では、特に異常は無かったじゃないの! ちょっと位、無表情で話さなくたって、この子は普通よ」

 

「ちょっと位じゃないだろ! 今まで一回でも朱那が笑ったのを見たか? 泣いたのを見たか? 声を出したことがあったか? 何かしらの反応を見せたことがあったか!」

 

「……そ、そうだけど……」

 

「だろう! 朱那は普通じゃ無いんだよ……」

 

そう言うと、自称パパは近くにあった椅子に座り込んだ。

あー……、成る程。私は生まれてから既に少し月日が経ってる訳か。それで、今までの私は何をしても、無反応で、そして今も無反応、と。……拙くないか、これ。赤ん坊が両親を前にして、何も反応しないとかあり得ないだろ。明らかに異端児だろ。ええああ、赤ん坊の真似しないとえっとあー、どうすれば良いんだっ!

 

「あーあーうー」

 

「え……あ……朱那が喋った!」

 

「朱那が自分から動いたわ!」

 

赤ん坊の演技について悩んでいた、私はいつの間にか手を上げ下げしながら呻いていたようで、両親に大いに喜ばれた。明らかに突然葛藤しだした上に、赤ん坊らしい声じゃなかっただろうに、寧ろ赤ん坊がそれじゃ怖くないか。何なんだ、テンプレ通りご都合主義が私にも付きまとうのか!……と思っていた時期が確かに私にもあった。

 

 

 

 

 

そう、それは父が私を抱き上げた瞬間だった。突然の出来事だった。

 

「……*したい」

 

え、ちょっと何言ってんだ私。何で私の意思に反して、身体が動くんだ……ッ

あああああ、頭が痛い。私の中に他に誰かいる……! だ、誰の思考なんだこれは……

 

《何で、貴方達怯えてるの、何で、お父さんはボクを落とそうとしているの、何で、お母さんは悲鳴を上げて後退ってるの、何で、2人共さっきはあんなにも喜んでいたじゃ無い。》

 

《ねえ……、何で……?》

 

こんなの私ではない。私はこんなこと考えないっ

もう……、やめてくれ……

 

「ひっ、近寄るな! 化け物!」

 

「……*ね」

 

 

篠栗朱那1歳。至って普通に両親を殺害した――

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