むかしむかし、あるところに「織斑一夏」という名前の子供がおりました。
彼の物心がついた時には父親と母親、2人ともおらず彼の肉親はただ1人、「織斑千冬」という姉1人だけです。彼女は学生だというのにもかかわらず、弟である一夏を護るために努力し続けました。
それでも一夏は何も知らない純真な男の子、周りの子と自分たちを比べて姉に尋ねました、何故自分達の両親はいないのか、と
けれども彼女は
「私の家族はお前だけだ」
とそれ以上何も答えようとはしませんでした。
その答えがよく理解出来ない幼少期の一夏は、他の人にも同じような質問をしても、皆誤魔化したりはぐらかしたりするばかりであり、納得いかず自力で答えを考え始めました。
・何故自分達の両親はいないのか
・もし両親が自分達を捨てたのなら何故捨てたのか
・もしかしたらそのうちひょっこり帰ってくるかもしれない
・じゃあ何故千冬姉は「私の家族はお前だけだ」と言うのか
・もしかしたら最初から両親なんてものはおらず自分達は
試験管ベビーの姉弟なのかも.....
と
すべての可能性を考慮に入れ、年相応の思考力を遥かに超えて何年も何年も考え続けました。
最終的に、彼は自分自身納得がいく1つの答えを見つけました。
そうして数十年の歳月が流れ、彼は成長した。
「みなさん初めまして、織斑一夏です。身長172cm、誕生日は9月27日、好きなことは罵られること、好きな女性のタイプはドS、罵倒してくれるなら年上から年下まで大好物です。いわゆるドMですが、こんな自分を罵っていただけたら非常に嬉しい、てか罵ってください殴ってください踏んでくださいお願いします!さあ早く!!ハリーハリーハリー!!!」
「あ、あとポニーテールも好みです。」
”ドMである自分を喜ばせるために両親は放置プレイをしている”というトチ狂った答えに至ったせいで、
クラスの皆の視線が自分に向かって集中している.....見られている.....あぁこの感じ、最高だ!!!ドMの俺にとってはたまらない時間だ!これで罵倒や殴打があればなお言うことなし!
「この大バカ変態弟がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
出席簿が、俺の顔に直撃した。
「ありがとうございます見知らぬ誰.....か.......じゃないよな?」
嬉しい.....けどこの感じ、何回も感じた気がするな?この威力、角度、そしてあの声.....
「誰が自分の変態性を暴露しろと言った!せめてもう少しまともな自己紹介というものが出来ないのか!見ろ!クラス全員ドン引きした上、山田先生はあまりの出来事に完全にフリーズしてるぞ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
あれ、いつのまにか気絶してる、これくらいで驚くなんて山田先生は純真だなぁ。そして疑惑が確信に変わった、この姿間違いない。
「千冬姉だ!」
そこにいたのは我が姉、織斑千冬だった。何処で働いていたか知らなかったけどまさか教師をやってるとはね.....
「悪い悪い、緊張しちゃってついハハハ。殴ってください踏んでくださいは流石に引かれちゃうな」
「ちっっっがぁぁぁぁぁう!!!!!!ドMを止めろと言ってるんだ!」
「相変わらず声が大きいなあ千冬姉は、そんなだとすぐ声枯れちゃうぞ?」
「誰のせいだと思ってるんだ.....あとここでは織斑先生と呼べ」
頭を抱える千冬姉、最近胃薬を大量に服用するようになってるからな、やっぱり教師って仕事は激務なんだろうなぁ.....
「キャー!千冬様よ!本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「あの、ブリュンヒルデが目の前に……」
「私、お姉様のためなら死ねます!」
おお、何とも凄い声だ。流石は千冬姉、現役を引退したとは言え凄まじい人気だ。俺もいつかは
「死ね」
「前世からやり直してこいこの豚」
「ごめんなさい、ゴミとしゃべる趣味はないの」
「あんたがいるだけで空気が汚れるんだよこのウジ虫!」
などと罵倒されるような立派な大人になりたいねぇ」
「途中から自分の欲望がダダ漏れになってるぞ馬鹿者、どうしてこんなふうに育ってしまったんだ.....私か?私の責任なのか.....?」
おっとうっかりうっかり
「さて、これでホームルームは終わりだ、諸君らはこれから徹底的に絞られてもらう。私の言ったことの全てに返事をしろ、いいな?」
「「「「はい!」」」」
すげえスパルタだな、今目の前にいる威圧感を漂わせている鬼は一体誰なんだろうか、家でグータラテレビの前でポテチをつまみながら寝そべっている干物妹ならぬ干物姉はどこへいったんだ?などと考えてたら鋭い目で睨まれた。
いちかは ひるんで うごけない!
効果が違うだろ.....
「お前、何か失礼なことを考えてたらなかったか?」
「ソンナコトナイヨー」
いつの間に千冬姉はエスパーを習得したんだ?そんなことに使うくらいなら念動力で俺を縛ってほしいもんだ、全く。
「ツッコまないぞ.....絶対にツッコむもんか.....」
ほら見ろ、やっぱりエスパーじゃないか。
うーん、授業中はチラホラとしか視線を感じなかったけど休憩時間は酷いな。クラスメイトどころか他クラス、上級生までもが廊下から俺をガン見している。けど1人として話しかけてこようとはしないな。流石IS学園!ここまで高度な視姦プレイができるとはなんてレベルの高さだ!
と、快感に浸ってるのもいいがこのクラス唯一の知り合いである俺の幼馴染に挨拶しておかなきゃ。あいつもこの学園に入学してたんだな.....
「やあ、久しぶりだな箒」
「.....なんだ一夏か」
いかにも嫌そうな顔をしてぶっきらぼうに箒は返事をした。
「そんなにとげとげしい態度するなよ。俺、ドMだから喜んじまうぞ?」
「6年ぶりに再会しても全く変わってないなお前は!!!」
この返し方、昔と比べて全然変わってないな。
「まあいいじゃんいいじゃんお堅いこと言うなって、俺達は幼馴染なんだからさ」
「私はお前と幼馴染だと認めていない!ただ家が近くで、同じ小学校に通っていて、同じ剣道道場に通っていただけだ!」
それが幼馴染っていうものなんじゃ.....
「断じて認めん!」
箒もいつの間にエスパーを習得してたのかよ.....お前と千冬姉はユ○・ゲラーかよ。そして何故そこまで俺と幼馴染だということを頑なに否定するんだ?
「じゃあさ、そんなに幼馴染が嫌なら俺と付き合おうぜ箒。」
「「「「!!!!????」」」」
ざわ.........ざわ..........
周りの空気が一変し、この状況に聞き耳を立てていた全員に動揺が走った。
「6年間ずっと会えなくて俺は気付いたんだ、箒に殴られるのが一番気持ちいいって!!千冬姉や他の人に殴られるのもいいかなーって思ってたけどやっぱり駄目だ、大好きだ箒!!俺と付き合ってくれ!!」
「前世からやり直して来いこの豚、お断りだ」
ああ、たまらない!!もっと罵ってくれ!!
「嫌だ!!箒が了承するまでやめない!!お前じゃないと駄目なんだ!!」
「このっ、いい加減にしないと本気で殴るぞ!」
「えっ!?殴ってくれるの!?さすが箒だ!!早速だが殴ってくれ!!」
「誰かこの変態をどうにかしてくれぇぇぇ!!!」
パァンッ!
「とっとと席に着け、休み時間は終わってるぞ」
今日2回目の千冬姉の出席簿アタックが炸裂、ありがとうございます
「はーいわかりました千冬ね....織斑先生」
俺はすぐに自分の席に戻る、まあいいかまだチャンスはある。男ならば押しあるのみ!
「あ、それと篠ノ之」
「なんでしょうか千冬さん」
「一夏のこと、よろしく頼む。あれは客観的に見て変態という点を除けば優良物件だと思う、頑張れ」
「ちょっ!!?私1人では荷が重すぎますよ、千冬さーーーん!!!」
「うるさい!ここでは織斑先生と呼べと言っただろ!」
箒と千冬姉は、相変わらず仲がいい。
このたびは「吾輩はドMである。それ以上でもそれ以下でもない」を閲覧いただき、誠にありがとうございます。うん、書いておていうのもなんだが変態すぎるなこれ・・大丈夫かな・・・
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