輝く月になれ!橘みずきのhigh school life! 作:みずき 橘
各部活、それぞれの集合場所に向かう途中、みずきは一人の男がいることに気づき、驚いて声をかけた。
「友沢!?あんたなんでここにいるのよ?激闘第一に行くんじゃなかったの!?」
名前を呼ばれ、振り向いた男――友沢亮は話す。
「ああ、橘か。お前もこの高校だったんだな。まあいろいろあってな、この高校にしたんだ、今日からよろしく頼むよ」
橘は少し嬉しかったがそんな素振りは表に出さず、
「ふーん、そなんだ、よろしく」
と軽く返した。
「え〜、1年生のみんな、野球部に来てくれてありがとう。僕が3年でキャプテンの星井スバルだ。ポジションは投手だ。君たちとは数ヶ月の付き合いになるけどよろしく頼むよ。じゃあ3年から一人ずつ簡単に自己紹介していこうか、って3年は3人しかいないんだけどね。」
集合場所に全員が集まり、キャプテンの星井スバルが話しを始めた。なんだが少し頼りなさそうなキャプテンね…とみずきは思ったが、仮にもキャプテンだからとそんなに気にもしなかった。
「じゃあ次は俺だな!俺は三田村。ポジションはキャッチャーだ!みんなよろしく頼むよ〜」
こっちはなんだか優しそうだけど、気が抜けていてキャプテン同様なんだか少し頼りなさそうな人だった。そして、ポジションがキャッチャーと聞いてなのか、聖の表情が少し厳しくなった。
「最後はワイやな!ワイはカブレラ!ポジションはファーストや!とりあえずパワーでも誰にも負けへんで!1年はとにかく体作りやからな、筋トレするときはワイがしっかり教えたるわ!ガハハ!」
かなり流暢な関西弁な日本語で挨拶をした。
最後のこの男はいわゆる大男で、まさに4番ファーストという感じだった。
「3年生は僕ら3人しかいないけど、まぁ気にしないでね。それじゃあ、次は2年生。」
スバルの言葉で2年生が次々と自己紹介を始めた。
「俺は宇渡だ。ポジションは外野、パワーならカブレラ先輩にも引けを取ってないつもりだ。」
「俺は小田切!ポジションはショート。みんなよろしく頼むよ!」
そんな感じで自己紹介が進んでいく。
サードのミート力に自信のあるという内山。
怪我をしないことで定評のある『鉄人』佐々木。
セカンドの切り込み隊長、七誌。
肩の強い浜岸。
守備が上手い桑原と児玉。 そして、足のある五反田。
この4人は外野だ。
最後にみずきと聖の憧れた先輩の、早川あおいが話し始める。
「みんなこんにちは!私は早川あおいです!投手です!えっと、目標は甲子園優勝です!みんな仲良く、全力で頑張ろうね!」
あおいの気合いに圧倒されかけたものもいたが、まるでキャプテンのように頼もしい限りだった
「..とまぁ、2年生はこんな感じだね。僕が言う前に目標を言っちゃったみたいだけど... まあ、僕らの代じゃ厳しいとこもあるかもしれないけど、きっと早川の代は成し遂げてくれるだろう」
スバルが 自分の代では厳しいかも、と弱気を吐いたところであおいがそんなことはないと言わんばかりに
「そんなことないですよ!今年こそみんなで甲子園行くんですよ!春はもう負けちゃったけど、秋はあと1歩だったんですから!それに…青山先輩だって…」
あおいが少し悲しそうにしたところでスバルが急いで話しを遮る。
「あ、ああ!もちろんそのつもりだ!じゃ、じゃあ1年生の自己紹介をお願いするよ。」
あおいの言葉に ? と1年生は少しばかり疑問を持ったが、スバルの言うままに列の端から1年生の自己紹介が始まった。
「まずは私ね!私は橘みずきよ!ピッチャーで〜す!尊敬する人はあおい先輩ですけど、ピッチャーとしてはあおい先輩にも、誰にも負ける気ありません!よろしくお願いしま〜す!
あおいがみずきと目を合わせ、お互いにニッコリとしたが、その目には火花が散っているように周りには見えた
そして元気にみずきが挨拶をした直後、今度は聖が対照的に静かに自己紹介を始める。
「六道聖だ。ポジションはキャッチャー。みずき同様、誰にも負けるつもりはない。」
強気な発言に周りが声を上げる。
続く友沢は自信満々に挨拶をする。
「俺は友沢、ポジションは今はショートだ。今年の夏から正ショートをやることになるだろう」
そしてセカンドの西岡。中学では魔術師と呼ばれる程の実績がある。
サードの月島。当たればよく飛ぶと言われている。
自称外野の帝王、玉風。
そして初心者の魚住が挨拶をした。
なんだか色々と凄い選手達が入ってきたな…と2、3年は思ったがこれだけではなかった。
最後の1人...オーラのようなものを纏った男が挨拶をする。
「…鈴本だ…ポジションは…エース」
鈴本は中学のシニア大会で同じ世代の猪狩守、1つ下の木場嵐士に投げ勝ち、そして試合に負けはしたものの最強打線を誇るタイガースのクリーンアップ、バース掛布岡田の3人を3者連続三振に打ち取った、既にプロ入りを視野に入れている男。そして、聖の初恋の男でもある。
「鈴本…!お前、この学校に来たのか!何故だ…!」
これには聖も取り乱した様子で鈴本に聞く。
しかし鈴本は、
「ああ、友沢に一緒にやろうと言われたからね。彼とは長い付き合いだ。彼は家の都合で近くのこの学校を選んだみたいだから僕もここに来たってわけさ」
と、素っ気なく返すだけだった。
「...そうなの?友沢」
「...ああ、まあな」
みずきに問われた友沢が返す。
即戦力であろう鈴本や友沢を見た2.3年の多くは、これなら甲子園も夢じゃないと思った。
しかし、同時に自分の居場所がなくなりそうな気もした。 特にあおいは心なしか身震いした様子だった。
「なかなか豪華なメンバーが揃ったね、じゃあ最後にマネージャーに挨拶してもらおうか」
「お、やっぱりマネージャーいるのか!」
「いないと思ってたぜ!」
あおいを見たときはマネージャーと感違いした人がいたようだが、今度は本当にマネージャーだということで、所々で声が上がる。
髪の長い、笑顔の女性が挨拶をする。
「明星雪華です。料理研究部と両立してるからたまに顔出せないときもあるけど、差し入れとか楽しみにしててね!」
1年生から歓声が上がったのは言うまでもない。
こうして野球部の自己紹介は終わり、早速明日から練習と言いう事で話は終わり、それぞれ帰宅した。その帰宅途中、みずきと聖はお互いに野球部のことを話していた。
「なんか凄いメンツが揃ったわね〜、楽しみになってきたわ!絶対マウンドは誰にも譲らないんだから!それに良かったね、聖!また鈴本と野球ができるじゃん!」
「な…!そ、そんなとこ別になんとも思ってないぞ!そ、それにみずきだって友沢と同じで嬉しいんじゃないのか!?」
みずきは聖に嬉しそうに話しかけたがその言葉に驚いた聖も返した。
「そ、そんなことないわよ!あいつなんて絶対抑えてやるんだから!」
話を投げ返されたみずきは顔を赤くし、話しを適当に逸らした。
「抑えるのは全然意味が違うんじゃないのか…まあいい、じゃあなみずき、私はこっちの道だ。」
「う、うん、じゃあね〜!また明日!」
お互いに別れを言い、それぞれの帰り道を進んでいった。
その夜、早川あおいは少し不安そうに机にうつ伏せていた。
「鈴本くんに友沢くんか〜…凄い子たちが入ってきたな〜…でも、私だって負けないんだから!青山先輩とも約束したんだから!うん!私は強い子!よし、明日も朝の自主トレあるから寝よっと」
あおい、そして新入生が入って気持ちがより一層入る2.3年、そして、2.3年に負けないと意気込むの1年生、グローブを磨く者もいれば、スパイクの靴ひもを入れ替えて気合いを入れる者、それぞれが思いを秘めて次の日の部活を楽しみにしたのだった。