私、
彼との最初の出会いは、私がこの
「おーい、みんな静かにしろ。今日はまず、昨日みんなに言っといた転校生を紹介する」
先生はそこで、廊下で待っていた私に「入りなさい」と
私は父の仕事の関係でこの町に引っ越してきた。
私が教室に入るなり、男子達が歓声を上げた。どうやら、事前に男子か女子かは知らされてなかったようだ。私はベタな反応だなぁ、と思いながらも宇田津先生の横に並んで立った。というものの、先生は黒板に私の名前を大きく書いていた。その間、私はずっとうつむき加減だった。
「静かにしろ、転校してきた内江川杏理さんだ」「内江川さん、自己紹介を」
「内江川杏理です。これからよろしくお願いします」
「内江川さんの席はあそこだ」
私は先生が指で示した、1つだけ
「私、
そう私の前の席の女子が振り返り、声をかけてくれた。
「ほら、浄水も内江川さんに挨拶しなさいよ」
「浄水です、困った事あったら何でも聞いて下さい」
「この人ね、陰陽師なんだよ。知ってる、陰陽師?」
「あの、
詳しくは知らないが、私は陰陽師=安倍晴明というイメージだけは持っていた。
「安倍晴明の子孫じゃないらしいんだけどね」
「へぇ~」
「まあ、最初は取っつきにくいと思うかもしれないけど、ホントに頼りになるから」
それから数日後、仲の良い友達もでき、私は楽しい高校生活を送っていた。そんなある日、香久楽と帰る時の事だった。
「あ!忘れ物しちゃった。杏理、ちょっと待ってって」
そう言うと、香久楽は私の「私も一緒に行ってあげる」の一言も聞かずに校舎の方に走って行ってしまった。グラウンドに私1人だけ残して。
鶴谷丘高校は私立であるためか、グラウンドが4つもある。今、私がいるこのグラウンドは普通の体育の授業に使うグラウンドで、生徒玄関と正門をつないでいた。
しばらくすると、正門の向こう側の道で誰かがうずくまっていた。私は何となく気になり、正門をくぐり道に出た。その人は
私が「大丈夫ですか」と肩に手をかけた瞬間、そのおばあさんは目をカッと見開き、杖を持っていない方の手で私の肩をガチッと掴んできた。驚いた私は何とかしてその手を振りほどき、夢中で逃げた。もう、何が何だか訳が分からなかった。
おばあさんはもの凄いスピードで追ってくる。逃げながら後ろを振り返ると、おばあさんは宙に浮いていた。私は全力で逃げたが、おばあさんは尚ももの凄いスピードで追ってくる。もう走れないと思ったその時、十字路の角から昂弥が出てきた。昂弥はいつもの制服姿とは違い、安倍晴明風の
「こんな所にいたか…」
そう
「杏理、先帰っちゃったかと思った~。どうしたの?」
「変なおばあさんが…」
そこまで言いかけた時、昂弥が正門をくぐってきた。あのおばあさんも一緒だ。
「浄水も一緒でいうことなら、出たのね」
香久楽は至って冷静だ。
「ああ。それより香久楽、こいつの事、頼む」
私は
「杏理、大丈夫。学校の敷地内は
「結界?」
「そう。浄水が張ってくれた結界のおかげで妖怪は学校には入ってこれないし、私達の姿自体見えないの」
その時、光が空に向かって差した。
後日、昂弥からあのおばあさんは
昂弥とはこの事件がきっかけで会話が増えていった。登下校も昂弥を交えるようになった。どんどん昂弥や陰陽師について興味を持った私は、昂弥と付き合うまでとなった。