最初は先生達2人が、次は生徒会副会長が狙われる。しかし、九尾の狐には逃げられてしまう。
そんな時、水泳大会の最中に生霊がある女子生徒に取り憑く。
昂弥がこの2つの事件に挑む!
※第3話からストーリーの解説は、杏理だけじゃなく俺(昂弥)もします。
「明日はプール開きだ。これをって水泳解禁という事になるが、各自、水泳の授業の時はルールをちゃんと守ってるか、見回る事も役員としてやってほしい」
そう会長は言った。会長とは、
実は、俺も鶴谷
「浄水先輩の陰陽師姿、楽しみです」
そう
なので、副会長としては頼りない面もあるが、力持ちで気配り上手の力持ちである。ツッコミ担当。
「そうだよ、春日川君。去年、
そう
「2人とも、浄水先輩は遊びでやってるんじゃないと思うんですけど…。」
そう
IQが150という学校一の
光宏にしても桜井にしても何故1年生が生徒会執行役員部の役職なのかというと、去年、俺の学年の中で誰も執行役員部に入りたい人がいなかったからである。
本来、この学校では部活の
「ところで浄水先輩、この間、穂呂向先生に取り憑いていた霊を
そう桜井が聞いた。
「そうそう、除霊姿が格好良くて、野球部にスカウトしたいぐらいだって」
そう中羽先輩が言った。
「野球部にスカウトしたい…?また、野迫先生は!」
野迫先生は俺の“仕事”を見聞きするなりすぐにほかの先生や生徒に
プール開き当日の朝は晴れだった。
「おっ、昂弥の学校の先生が来るな。それも
そうじいちゃんが言った。実は俺も感じた。
陰陽師は自分の家(住まい)に誰が何人やって来るか、分かる
とその瞬間、家のチャイムが鳴った。
「浄水、助けてくれ~!!」
玄関先には
「どうしたんですか!?」
「|キツネのバケモンに夜中じゅう追い掛け回された!!」
そう高瓜先生が言葉を
「詳しくは奥で」
そうじいちゃんが、先生達に上がる様に促した。
先生達曰く、2人で飲んでいて夜中の1時を回ってしまったらしい。ほろ酔い気分で夜道を歩いていた先生達は、1人の女性に声を掛けられたという。その女性はこの世の人とは思えない
女性は「良いお酒がある飲み屋がありますよ」と言って、2人を
宇田津先生は
「それは“
「玉藻御前…?九尾の狐…?」
先生達は目を丸くし、
「じいちゃん、九尾の狐は封印されたんじゃないの?」
「そうじゃ。じゃが先生方の話からするに、九尾の狐しか当てはまるものがおらん」
俺とじいちゃんの、先生達を置き去りにしたやりとりを聞いていた先生達は、何を言っているのかさっぱり分からない様子だった。
「先生方、日の出とともに姿を消してしまったなら、“それ”は太陽の光に弱いのかもしれませんな。そうすると、もう安心かもしれませんぞ。念のために昂弥と一緒に登校されてはいかがかな」
「それは良いですね。浄水、頼んだ」
「浄水、俺も頼む」
「分かりました。でも、俺、朝飯食べかけなんですよ。あっ、宇田津先生と高瓜先生、何も食べてないでしょ?一緒にいかがですか」
「良いのか?迷惑じゃないのか?」
そう宇田津先生が言った。
「母さん、先生達2人、飯食ってっても大丈夫?」
俺は台所にいる母さんにそう言った。
「別に良いわよ」
少し間があった後、小さい声が聞こえた。台所は客間からはリビングを挟んだ直線上に位置している。
プール開きには、去年から俺が期間中の安全を
それ自体は、30分あれば終わる短いものである。内容は塩と日本酒をプールに
「浄水君、今年もありがとね」
校長先生が、制服に着替えるために生徒会室に戻るところの俺をそうねぎらった。。
「いいえ」
俺はどう返して良いものか分からず、とっさにそう返した。
「今年も格好良かったね、妥奈乃ちゃん」
「そうだな」
会長と中羽先輩は、同じクラスで親友である。
「中羽先輩の言った通りでした!」
光宏が
「でしょでしょ」
続けて杏理がそう言った。杏理は、俺が生徒会執行役員である事を良いことに生徒会室にちょくちょく出入りしている。しかし、ほかの4人はこれを
「これ、暑くないんですか」
机にカバンと一緒に置かれている、装束が入った小箱を指さしながら、桜井がそう聞いた。
「
「そうなんですか。」
「ところで、昂弥、今朝…、夜中じゅう宇田津先生と高瓜先生がキツネに追い掛け回されたんだってな」
会長がそう聞いた。
「狐といっても
「よ、妖狐!?昂弥、
「違いますよ!狐の妖怪には悪さをしないヤツらと、九尾の狐の様な妖狐と呼ばれる悪さをするヤツらがいるんです」
「狐の事か…。てっきり私は、昂弥が杏理のほかに“ヨウコ”という
「そんな事、あるわけないじゃないですか!」
「で、その妖狐が何したんだ?」
会長は“妖狐”だけ強調してそう言った。。
「宇田津先生と高瓜先生の話によると、ほろ酔いで夜道を歩いてた時の事だそうです。手招きしながら居酒屋を紹介してくる“美女”がいたそうです。9本のしっぽが見えたために逃げ出すと、その美女が顔を狐に変化させて追い掛けてきたそうです。で、日の出とともに姿を消したそうです」
「あ~、それ九尾の狐ですね。私、知ってます」
そう桜井が言った。ぽかんとしている3人を尻目に桜井は話を続ける。
「九尾の狐は9本のしっぽを持つ狐で、大昔に石の中に封印されてしまったんですよね?浄水先輩」
「桜井の言う通りだ。あと、つけ加えるなら“玉藻御前”という別名があって、男を
「じゃ、春日川、気をつけないとな」
会長が少しおちょくる様に言った。
「春日川君は大丈夫だよ~。」
「何を根拠に言ってるんですか!」
すかさず光宏がツッこんだ。
「でも、何で男限定なんですか」
そう桜井が聞いた。
「よく分かってないんだ。でも、一つ言えることは石の封印を
「どういう事なの?浄水君」
そう中羽先輩が聞いた。
「九尾の狐を封印してある石はそこら辺にある石とは違って、ハンマーとかじゃ簡単に破壊できないんですよ。陰陽師や偉いお坊さん、妖怪みたいな
「もしかして、おまえが…?」
そう会長が言った。
「何で、そういう事になっちゃうんですか!」
そう俺はすかさずツッこんだ
「まあ、九尾の狐に限らず“夜”っていうのは、昔から“
夜9時。
「じゃ、杏理送ってくるから」
「ごちそうさまでした!」
杏理の父親は帰りが深夜になるので、毎日俺の家で晩ご飯を食べていく。そして、俺が杏理を家まで送るのが日課だった。
しかし、今日は玄関で
「あっ!会長!?」
「それに、中羽先輩と凪奈香ちゃんも」
「春日川が家に帰ってないそうなんだ!」
「さっき、家の
「で、もしかしたら浄水君が生徒会室で話してた妖怪じゃないかって、3人で来ちゃった」
そう中羽先輩が言った。
「とにかく、中へ!」
「おじゃまします」
俺は靴を
「ここで待ってって下さい。あっ、杏理も」
俺はそう言って、台所に向かった。
「母さん!じいちゃんは?」
「知らないわよ、客間じゃないの?」
「いないんだ!」
「どうかしたのか?」
「生徒会の後輩がいなくなったんだ!」
「わしがどうかしたか?」
その時、じいちゃんが背後から現れた。
「どこ行ってたんだよ!じいちゃん!」
「ちょっとな。ところで、客間にお前の学校の子がおるが、お前の友達か?
「違うよ!先輩と後輩だよ。そんなことより、生徒会の後輩が1人いなくなったんだよ!」
俺はじいちゃんの言葉を
「何じゃと!?そんな大切な事、早く言わんか!」
「じいちゃんがどっか行ってるからだろ!」
じいちゃんが客間の障子を開けるなり、杏理以外の3人が固まった。それもそうである。じいちゃんは、妖怪と
「会長、中羽先輩、凪奈香ちゃん、大丈夫ですよ、昂弥のおじいちゃんですから」
「何だ、安心した」
3人は胸を
「1人、学校の子がいなくなったと言うが…?」
「はい、
そう会長が言った。
「そして、浄水先輩が学校で九尾の狐の話をしてくれましたので、もしやと思い
そう桜井が続いた。しかし2人とも緊張している(そりゃ、そうだろ)。
「まだ、お名前を聞いてなかったな」
「こっちが生徒会長の守瀬妥奈乃先輩。でもって隣が、生徒会執行役員部書記の中羽五月衣先輩。その隣が、生徒会執行役員部会計で俺の後輩の桜井凪奈香」
「いつも昂弥がお世話になっておりまして…、じゃが、
俺はじいちゃんの最後の言葉を聞いて、しまった!と思った。
「浄水君のおじいさん、凪奈香ちゃんは小学生に見えるでしょうが普通の女子高生なんですよ」
会長がすかさずそう説明した。
「あんましフォローになってないし」
桜井がすかさずツッこんだ。俺はじいちゃんにあの子は身長がコンプレックスだから子どもとかいう言葉は禁句、と耳打ちした。
俺とじいちゃんが
「光宏!!」
「あっ、浄水先輩!」
「こっちだ!早く!」
疲れてほとんどもう走れなくなっていた背後から、胴体は人間で顔はキツネの九尾の狐がじりじりと迫ってきていた。
「こんな、効かぬわ!」
「昂弥のを解くとは…、けったいなもんじゃい」
「感心してる場合かよ!」
その時、九尾の狐がスッと消えた。
「じいちゃんのせいで消えちゃったじゃんか!」
「すまん、すまん。でも、この子が無事で良かったじゃないか。」