カードファイト!!ヴァンガードK   作:ふぁみゆ

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今回話が多いのでいつもと少し違うかもしれません…


stride5:帝野グレン

大阪市の高層ビル。その一室で一人の男がカードをシャッフルしていた。男は、カードを裏向けたまま横一列に広げるとその中の一枚を取り出す。

 

表替えし、そのカードを確認すると、そのカードは"マジェスティロードブラスター"

 

「……運命はどう動くか…」

 

男はそのカードをテーブルに置くとその横においてあるデッキを手に取り、どこかへ歩き出した……

 

 

 

ーーーーヴァンガードKーーーー

 

 

 

「え?じゃあ、明日はお休みなんですか?」

 

カードショップ、トイボックスそこではアユムが残念そうな顔でユリコと話をしていた。

その言葉を聞きファイトしていたシンジとユリコもそちらを振り返る

 

「そうなのよ、ごめんね…」

 

なんでも、ユリコによると枚方市のアミューズメントパークのイベントの手伝いのために出張しなければならないらしい。

明日は新規パックの発売日だったのだが、丁度被ってしまったため、新パックを予約していた人は一日待たなければならなくなってしまった。

 

「そっか、明日は何も予定が無かったからすぐに受け取れると思っていたのに…」

 

"明日は何も予定がない"その言葉にユリコのリボンセンサー(適当)がピクリと反応した。

 

「じゃあさ、もし良かったらアユム君も来る?手伝ってくれるのなら交通費なんかはこっちからだすわよ。」

 

え?と驚くアユムただの学生である自分がついていってもいいのだろうか?

 

「いいじゃん!せっかくなんだし、行ってこいよアユム!」

 

「そこ、ギアースでファイトできるスペースがあるんでしょ?ついでにあそんでくればいい…」

 

話を聞いていたシンジとエリカからの後押しが入る。やはり、連れて行ってもらうことには少し抵抗があったが……

 

「わ、分かりました。行かせてください。」

 

やはりアユムにも行きたい気持ちがあったこともあり、ついていくこととなった。

 

「二人はどうする?一緒に来てもいいのよ」

 

「すみません、俺明日はサッカーの試合で」

 

「私も弓道の交流試合があるので…」

 

……一人で

 

 

ーーーーーー

 

 

枚方市のアミューズメントパーク、人がたくさんいるのはいつものことなのだが今日はいつも以上に賑わっていた。

いつもはチケット片手に歩いている客も、今日はカードデッキを片手に歩いていた。

 

大阪ヴァンガードエキスポ、施設全域を使ったヴァンガードのお祭りだ。

各ブースにはカードの展示会やプロによるデッキ診断、プロモカードの配布、初心者のためのカードファイト講習会ヴァンガードを意識した食べ物など様々な展示がある。

ユリコとアユムが参加したのはカードの出張販売のコーナー普段の店売りの時より安い値段で並ぶ商品を見たファイターがイベントのついでに買っていくのだ。

 

「アユムくん、ファントムブラスターdiabloの在庫ってまだある?」

 

「はい!ただいま!」

 

アユムもユリコも忙しく動き回っていた。

イベントに来た全員が店に来るわけではないが、分母となる来場人数はいつもより遥かに多いわけで…

それを二人だけでさばいていくのだから当然忙しくなる

 

(というかこれ、僕が断ったらユリコさんは一人でやるつもりだったのかな?)

 

「アユムくん!サンクチュアリガードレガリア持ってきて!大至急!」

 

「は、はい!」

 

と、考え事をする間もないくらいに忙しくなっていた。

 

「いらっしゃいませ!……あら?」

 

ここで、ユリコが反応を示した。知り合いの人かと思い、店先を覗いてみるアユム…

その姿を見たアユムは、絶句する。なぜならやってきたのは…

 

「久しぶりだね、ユリコ、元気そうで何よりだよ」

 

ヴァンガードを普及する会社、その大阪支社の宣伝部代表にしてプロヴァンガードファイターである。水嶋キリヒトだったからだ。

 

「きーくん、最近忙しそうじゃないの。ちゃんと寝れてる?」

 

「ご心配どうも、これでも体は強いほうだから大丈夫だよ。」

 

そしてあろうことかユリコさんはまるで友達か何かのように親しげに話をしている。

一体何が起こっているのかアユムには理解できない

 

「そちらの彼は?」

 

その様子に気づいたのはキリヒトだった。

促されて、ユリコもアユムの手を引っ張る

 

「紹介するね、この子は輝導アユムくん。うちの店の常連なの」

 

紹介され、何か言わなければと思い口を動かすもあまりの緊張に言葉らしい言葉がでてこない

 

「あ、あ、あの…ぼヴヴぉ、ぼくは…」

 

キリヒトはそんな様子にくすりと笑いその右手を差し出した

 

「水嶋キリヒトだよ、よろしくねアユムくん」

 

「は、はははははい!」

 

なんとか動いた両手でキリヒトの右手を握りしめた。

 

「それじゃあ、これからイベントがあるから、そこのモニターで見れるから良かったら二人も見て行ってよ。」

 

「わかった。頑張ってねきーくん、体を壊さないようにね」

 

と、言ってキリヒトは去っていった

 

「ゆ!ユリコさん!!」

 

ずいっとユリコに歩み寄る

 

「き、きききキリヒト選手とはどんな関係なんですか!!」

 

そう、あの話し方、接し方、有名人に対する関わり方ではない。もはや目の前にいる桜庭ユリコという女性が何者なのかわからなくなってきていた…

 

「あれ?前に言ってなかったっけ?きーくんとは同じチームで戦ってた仲間なんだよ」

 

「聞いてませんよ!!」

 

誰かがちらっと話していた。ユリコさんは前に有名なチームで戦っていたことがあると。

それがまさか学生時代の水嶋キリヒトだったとはその時は思いもしなかった。今まで身近にいた優しい笑顔のお姉さんというイメージがどんどん崩れていく。

 

「はい、休憩終わり。午後からもよろしくね。」

 

しかし、そんなアユムの気持ちなど知らずにユリコはいつもどおりの笑顔を見せた……

 

ーーーーーー

 

「ブレイクライド!蒼嵐覇竜!グローリーメイルシュトローム!!」

 

店のカードが完売し、二人が落ち着いてコーヒーを飲んでいた頃。施設の各所に配置されたモニターには水嶋キリヒトのファイトが映しだされていた。

ファイトは終盤戦、キリヒトのターンだ。

 

「蒼嵐竜メイルシュトロームのブレイクライドスキル!パワー+10000、そして、ウェーブ4のスキルを与える!」

 

グローリーメイルシュトロームから蒼色のオーラが溢れだす。

 

そして、アクアフォースのユニット達が次々と相手のヴァンガードに連続攻撃を仕掛けた。

 

「グローリーメイルシュトロームでアタック!ウェーブ4!このバトル中、グレード0のガーディアンのコールを封じる!そして、グローリーメイルシュトロームのアルティメットブレイク!このバトル中グレード1以上のリアガードのコールを封じる!」

 

これにより相手は手札からのガーディアンのコールを封じられてしまう。

 

防御を失った相手は、ただその攻撃を受けるしかなかった……

 

ダメージ6、キリヒトの勝利でファイトが終わる。

 

「……」

 

その様子をアユムは食い入るように見つめていた。

 

「アクアフォースの波状攻撃とそこから生まれるヴァンガードの強烈な攻撃、相変わらず凄いねきーくんは…」

 

「昔からずっとアクアフォース使いだったんですか?」

 

「そう、それもメイルシュトローム軸のね。テトラドライブドラゴンやテトラバーストドラゴンなんかの新しいユニットが出てきても、あいつは頑なにメイルシュトロームを使い続けていたの…」

 

それが、キリヒトのフェイバリットユニット…

思わずデッキケースを手に取るアユム…

 

フェイバリットカードとともにあそこまで登りつめたファイターがいる。

 

(僕もいつかあの舞台に立ちたい…マジェスティロードブラスターと一緒に……)

 

すると、ユリコが提案をした。

 

「ファイト、してくる?」

 

「え?」

 

聞き返すアユム

 

「店の方はもうおしまいだし、せっかくここまで来たんだからギアースの施設でファイトしていきなよ。」

 

ギアース、キリヒトがファイトしていた舞台、そこでのファイトが体験できるとなれは行かない手はなかった…

 

「あ、ありがとうございます!」

 

そして、アユムは走った。ギアースのある場所へ…

 

 

ーーーーーー

 

 

「ここで、いいんだよね?」

 

ブースのいり口に置いてある対戦相手募集の電光パネルの中で同い年くらいの人の募集を選んでタッチし対戦を受領する。そして指定された番号の待合室に入ったアユム…しかし、そこに人影はなかった。

トイレにでも行っているのかと思いそこでしばらく待つことにした…するとしばらくしてノックとともに一人の男が入ってきた。

 

「君が、対戦を引き受けてくれる輝導アユムくんかい?」

 

肩ほどにまで伸ばしたダークブラウンの髪に黒いジャケット。その年齢はどう考えても20代ほどで…

 

「え?あ、あなたが対戦募集をしていた田中ユウキさんなんですか!?」

 

と、疑ってしまう

まぁ、当然その男が高校生なはずがなく、自分でも否定するのだが

 

「いや、実は依頼を出していたユウキくんは体調不良で施設内の保健スペースにいるんだ。だから、デッキだけ預かって俺がファイトを引き継ぐことになった。もちろん、君がよければだけど…」

 

よく見ると腕にはstaffと書かれた腕章がつけられていた。

正直同い年くらいの人が良かったのだがファイトできることには変わりない。それにせっかく依頼主が自分を待たせないようにと気を回してくれたのにその思いを無碍にすることなどできなかった…

 

「分かりました。行きましょう…」

 

すると待合室を出た男はギアースルームの行列の最後尾には行かず、そのまま列の先頭まで進んでいく。

 

「あ、あのちゃんと並んだほうが…」

 

と、声をかけるアユムだったがそれを意に介さず男は係員に何か手帳のようなものを見せるとそのままギアースルームへ入ってしまった。

 

係員はアユムにも静かに首を縦に振る。

 

それを見てアユムも恐る恐る男の後に続いていった…

独特の形をしたギアースの機械に男は手慣れた手つきでデッキを入れる。

対照的に初めてのギアースに戸惑うアユムは男の真似をしてようやく起動させることができた。

 

 

「「スタンドアップ!ヴァンガード!!」」

 

目の前に現れるリアルなういんがるぶれいぶに驚くアユム。初めて乃木アースでのファイトに驚きっぱなしだ。

 

「君が、噂のマジェスティロードブラスター使いか。」

 

ファーストヴァンガード、ネオンメサイアの向こう側に佇む男がふいにそんなことを言った。

 

自分のことを知っているのかと驚くアユム…

 

「なに、珍しいデッキを使っていれば噂になるのは珍しいことではない。」

 

それを聞いて少し気が緩む

 

「マジェスティロードブラスター、君はそのカードとともにどこまで行くつもりなんだ?」

 

アユムが頭に浮かんだのはさっきのキリヒトのファイト。あんな舞台で戦いたい…

 

「どこまでも…行けるところまで行きます。それが、僕のイメージです」

 

「ならば見せてもらおうか、君のイメージを…」

 

ーーーーーー

 

「創世竜ジャッジメントメサイア」

 

ファイト中盤、後攻だった男は超越を使う

 

重力井戸のレディバトラーの蹴りがヴァンガードのブラスターダークに命中し3ダメージとなる。

 

「ジャッジメントメサイア!」

 

「ホーリーナイトガーディアンで完全ガード!」

 

完全ガードによりジャッジメントメサイアの攻撃が不発に終わる。そして、ターンはアユムに移った

 

「ストライドジェネレーション!!」

 

返しのターンでそのまま超越を発動させる。

 

「朧の聖騎士!ガブレード!!」

 

さらにその隣に新たなリアガードを出現させる

 

「ナイトオブツインソード、ブラスターレイピアローラをコール!バトル!」

 

ナイトオブツインソードがその双剣でオルターエゴメサイアに十字傷を入れる。

 

「ナイトオブツインソードのスキル!スターライトヴァイオリニストをスペリオルコール!スターライトヴァイオリニストのコール!てっくがるをスペリオルコール!」

 

ガブレードの両側のリアガードが埋まる。そして、ガブレードの攻撃…

 

「完全カード」

 

コスモリーズによりガブレード剣が止められてしまう。しかし、先ほどのナイトオブツインソードの攻撃がまだ残っていた。

 

「てっくがるのスキル!スターライトヴァイオリニストにパワー+8000!攻撃!」

 

スターライトヴァイオリニストの剣戟がオルターエゴメサイアに炸裂し4ダメージまで追い込んだ。

 

ダメージは3対4。山札からのスペリオルコールを利用することでアドバンテージを得ることもできた。

イメージ通りのファイトこのままいけば勝てる。とアユムが思ったその矢先…

 

「その程度か…」

 

男の冷たい声が響いた…

 

「え?」

 

「ジェネレーションゾーン開放!」

 

現れたのは巨大な槍を持つ白いコスモドラゴン。

 

「星雲竜、ビッククランチドラゴン!」

 

ビッククランチドラゴンの槍先が展開。そして、巨大な砲塔になる。そして、その砲塔がナイトオブツインソードへと向けられる

 

「ビッククランチドラゴンのスキル、ナイトオブツインソードとブラスターレイピアローラをオメガロック!」

 

ナイトオブツインソードとブラスターレイピアローラが黒い球体に包まれ身動きを封じられる。

 

「その2体は次のターンのエンドフェイズ時にも自由になることはない…」

 

「くっ!」

 

そして、アローザルメサイアとデスティニーディーラーが現れる。

 

「重力井戸のレディバトラーでリアガードのスターライトヴァイオリニストにアタック!」

 

レディバトラーの蹴りを受けスターライトヴァイオリニストが退却する。

 

「ビッククランチドラゴンでアタック!」

 

巨大な槍がまっすぐにマジェスティロードブラスターに投げつけられる。巨大な槍に吹き飛ばされるマジェスティロードブラスター…

 

4ダメージ

 

アローザルメサイア!

 

最後の攻撃は手札のエレインによって事なきを得た。

 

ターンはアユムに移るがその隣のナイトオブツインソードはロックされて動けない…

 

「…この程度?なんで、なんでそんなことを言うんですか……ストライドジェネレーション!!」

 

手札のカードをドロップゾーンに置き、レインエレメントマデューにストライドする。

 

「ブラスターブレード、シシルスをコール!」

 

さっきの言葉でいきりたったアユムは手札を使い体制を整える。しかし…

 

「いいのか?また呪縛される可能性があるぞ」

 

男からは厳しい指摘が入る。

 

「僕には僕のやり方があるんです!アタック!」

 

ブラスターブレードとマジェスティロードブラスターの2体が攻撃を加える。しかし…

 

ガード、完全ガード

あっさりと完封される。

 

「た、ターンエンド……」

 

「スタンドアンドドロー…」

 

男は手札のカードをドロップゾーンに置く

 

「星雲竜ビッククランチドラゴン…」

 

再び現れる白い竜に思わずたじろぐマジェスティロードブラスター…

 

「相手のことを知ろうとせず…」

 

今まで使用していなかったオルターエゴメサイアの超越スキルにより呪縛されるシシルス。

 

「自分のイメージのみを頼りに戦い…そのイメージをただ相手に押し付けるだけ…」

 

そして、ビッククランチドラゴンにより、ブラスターブレードとてっくがるまでもが呪縛されてしまう。

 

「そんな独りよがりなファイトで掴める未来などない…」

 

男は冷たい視線を投げかけ、アユムの盤面を指差した。

 

「見るがいい、これが、今の貴様の姿だ!!」

 

5体のリアガード、全てが呪縛され、身動きが取れない。勝利をつかむための力もない。許されたのはブーストもスキルも使えないヴァンガード、マジェスティロードブラスターの攻撃のみ…

 

「こんな、こんなことって…」

 

動きを封じられたマジェスティロードブラスターにリンクジョーカーの容赦無い攻撃が襲いかかる。

 

完全ガードと手札3枚を使い必死に守りきったが、もはや最初に取ったアドバンテージなどなくなってしまっていた…

 

「さぁ、お前のターンだ…」

 

「……僕は、僕は!!」

 

ブーストを受けていないままマジェスティロードブラスターが走る。

死力を振り絞った最後の攻撃…

 

「ガード…」

 

それは無情にもたった2枚の手札で完全に守りきられてしまう…

 

前のターンに呪縛されたナイトオブツインソードとブラスターレイピアローラが解放されたがもはやアユムには戦う力は残されてはいなかった…

 

「…創世竜アムネスティメサイア……」

 

がっくりと膝をつくマジェスティロードブラスターの前に神々しき創世竜が姿を現す。

 

「全てのリアガードを解呪、アムネスティメサイアにパワー+15000、クリティカル+1」

 

圧倒的なパワー、完全ガードを持たないアユムにその攻撃を防ぐ術はなかった……

 

巨大な光に包まれるマジェスティロードブラスター…

 

ダメージ6

 

ダメージの差こそ1点差だが、その内容は圧倒的な差があった…

 

「独りよがり…そんな、僕はただ……」

 

静かに歩く男は、最後に言った…

 

「強くなりたければ自分のイメージだけでなく相手のこともイメージし、理解することだ。それができないものにユニットを輝かせることなどできない……」

 

 

ーーーーーー

 

 

「お帰り、アユムくん、どうしたの?」

 

惨敗を喫したアユムの姿はユリコにはどう映ったのだろうか…その悲しみに満ちたアユムの姿が…

 

「ユリコさん、ファイトの振り返り、おねがいします……」

 

少しでも前に進むため、アユムは声を絞りだす。その申し出をユリコが断われるはずがなかった…

 

 

ーーーーーー

 

「そっか、リンクジョーカーが相手の時には呪縛されることを考慮してリアガードサークルを開けておくべきだったんだ…」

 

「そういうこと、リンクジョーカーの呪縛は発動タイミングが限られていることが多いし、コストが重いからね。攻撃のチャンスを見極めて、そこで一気にダメージを稼がないといけないの…」

 

下を向いているアユムの頭を撫でる

 

「ちゃんと相手の動きを見ながらファイトしなきゃね…」

 

それを聞いたアユムが思い出したのはさっきの男のことだった…

 

"自分のイメージのみを頼りに戦い…そのイメージをただ相手に押し付けるだけ…"

 

"そんな独りよがりなファイトで掴める未来などない…"

 

「僕は、マジェスティロードブラスターとそれが生かせるデッキがあれば勝てるんじゃないかってずっと思ってました。でも、そんなのはただの独りよがりだったんですね…」

 

「え!?」

 

その言葉に、ユリコは驚きを浮かべる。

 

「そのファイトしていた人が言っていたんです。"強くなりたければ自分のイメージだけでなく相手のこともイメージし、理解することだ。それができないものにユニットを輝かせることなどできない"って…本当に僕は何もわかっていなかったんですね…」

 

「そっか……ねぇ、そのファイトした人の名前は何ていうの?」

 

ふと、そんなことを聞くユリコ

 

「あ!すみません、代理の人だったので名前までは聞いていませんでした…」

 

それを聞いたユリコはいつもの笑顔でそっか、と笑うとギアースブースの方を見つめた

 

自分も言われたことのあるその言葉を思い出しながら…

 

(………もしかして、君だったの?グレンくん…)




次回予告

「そう、負けちゃったんだアユム…」

「はい、それも完敗でした」

「でも、そのファイトで大切なことがわかった。今のあんた、そんな顔をしているわね…」

「はい…」

弓道の地区大会に選手として立つエリカ。応援に駆けつけるアユムとシンジ
他校の選手に指を刺されそれを鬱陶しそうに手で払いのける。

風で飛んでいったカードを追って車道に飛び出し車に轢かれそうになる子供。
その子を庇って手を怪我してしまうエリカ…

それでもエリカは的に向かって矢を放つ。
何度も外しながらも決して降りないエリカ。
痛みをこらえながらつがえる最後の矢が放たれた…

次回
stride6:エリカの信念

「それだけ追い詰められても前に進もうとすることができる…アユム、あんたは私が思っているよりずっと強いのね…」
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