「お前のヴァンガード小説なんか平和すぎない?」
って
ま、まだ8話だから…
しかし、冬休みが終わるとまた忙しくなります。平和じゃない感じになるのはまだまださきになるかと…(具体的には15話くらい)
お待たせして申し訳ないです…
カラカラカラカラ…
自転車の車輪が回る。
今日、アユムはお気に入りの自転車を漕いで大阪の街を走っていた。
インドア派だと思われがちなアユムだが、実は外に出るのが好きで時間があるときにはこうして自転車で町中をよく走っている。
今日もいつものように、何気なく自転車を走らせていた。まさか、途中で目の前に飛び出してくる人がいるとは知らずに…
「お兄さん!とまりんさい!とまりんさーい!!」
「う、うわぁぁぁぁ!?」
目の前に女の子
アユムは慌てて急ブレーキ。
車体が前に傾きながらもなんとか停車する。
何事かと思い、目の前の女の子を見ると"ヴァンガードができる場所!"とデカデカと書かれたダンボールを持っていた。
「へへへ…」
止まってくれたアユムにニカッと笑う女の子。いわゆるヒッチハイクである…
ーーーーヴァンガードKーーー
「いやぁ、助かった!」
ちゃっかり自転車の後ろに乗る女の子ら上機嫌でアユムに話しかけた。
(二人乗りは道路交通法で禁止されています。絶対に真似しないでください)
「大阪きたはええけど、いきなりバッグ盗まれてしまって、旅費もなくなって困ってgけん道の真ん中であんなことしとったんよ…」
関西弁とはことなる独特なイントネーションで喋る女の子はどうなら駅で置き引きに会い一文無しになってしまったらしい。それで、なんとか目的地まで行くためヒッチハイクをしていたようだ。
「まぁ、気にしないでください。僕も特に予定があったわけじゃありませんから…」
ははは、と笑うアユム。
なれない二人乗りで少し、不安定な運転だがなんとか自転車を走らせる。
(ヴァンガードができる場所、か…なら、近くのカードショップとか)
などとアユムが考えていると
「ねぇ!あれなに!?」
と、後ろに乗っている女の子が声を上げた。
その指先にあったのはたこ焼き屋。
大阪には露店のような形で商売をしているたこ焼き屋が多くある。
店内で食べることもできるがその場で焼いてもらったたこ焼きをトレイに入れてもらい好きな場所で食べるのが基本だ。
女の子が目をつけたのもそのたこ焼き屋のひとつだ。
「あぁ、たこ焼き屋さん。そういえば大阪には始めてきたんですよね?」
「へぇ〜!あれが噂のたこ焼き!うち、あれ食べてみたい!」
と、何故かたこ焼きを買うことに
ちなみに女の子は荷物を無くしているので料金はアユム持ちです。
「……」
ポトッ…
しかし、串でうまく食べることができない女の子。
たこ焼きは基本的に串が日本入っている。
食べるときは串二本を箸のようにして持ち、横から刺して食べると途中で落ちたり中がぐちゃぐちゃになることなく食べることができるのだが…
たこ焼きをあまり食べたことがない人はこの女の子のように串を一本だけ使い、失敗する。
「あのね…」
アユムは手本を見せる。串二本をうまく使いたこ焼きをパクリ…
「ほへぇ〜…」
女の子もそれを真似てパクリ…
「!、うんま〜い!!」
初めてのたこ焼きはすごく気に入ったようです。
「これ!ごっつうまいけん!こんなうまいもんが大阪にはあったん!」
驚き、独特の訛りを持った言葉で興奮気味に話した。
(まぁ、気に入ったもらえたようでよかった…)
アユムも少し笑顔になった。
ーーーーーーー
たこ焼きを食べて再び自転車を走らせる。
お腹もいっぱいになったことだし、今度こそカードショップに行こうと走った。
「あ〜、そういえば、私お昼ごはんまだだわ〜。」
「え?さっきたこ焼き食べたところなのに?」
この女の子からすればあんなのはおやつの範囲らしい。
決して体格はふくよかじゃない女の子。これが俗に言う大食い娘というやつなのだろう。
「そうだな〜…あ!」
すると女の子は何かを見つけて指を指した。
その先の看板には"お好み焼き"の文字
「あそこ連れてって〜!うちお好み焼き大好きじゃけん!」
「え、えぇ!?でも…」
「お金なら後で絶対返すけん!お願い!」
女の子の押しに負け、しぶしぶお好み焼き屋に入ることとなった…
店内にはお好み焼きの焼ける音と香ばしい匂いに包まれており中に入るだけでも食欲をそそられる環境だった。
その雰囲気につられてアユムも少しだけ頼むことにした。
メニューを見ながら何を頼もうか悩んでいると…
バン!!
突然目の前の女の子が机を叩いた。
「な、なにこれ…こんなの!お好み焼きじゃない!!」
メニューを指差して、なんの変哲もないの豚玉の写真に怒りだす。
(どう考えてもお好み焼きだよね…)
なぜ、怒っているのかアユムには全く理解できなかった…
「ど、どうかなさいましたか?」
店員さんも慌ててやってくる。
「材料だけ分けて持ってきて!余計なことはしなくていいから!!」
とてつもない威圧感を放つ女の子。店員はは、はいっ!と返事をして走っていった。
ポン
まず女の子は鉄板に小麦粉の生地だけを流し、円形に広げる。
ポン
そして、その上にキャベツを山盛り乗せネギ、豚肉を重ねる。
ポン
その上に生地をかける。
ポン
その隣で焼きそばを焼き
ポン
重ねた生地を焼きそばの上に乗せ
ポン
最後割った卵を鉄板で焼きさらに生地に乗せれば…
ボワァァァァァン
「ほら!お好み焼きの完成!」
「え、えっとこれは…その…」
この地域では広島焼きと言います。
「ほら!君も食べてみ。うちの焼いたお好み焼き、美味しいけん!」
勧められて一口。
「おいしい…」
素直な感想が出た。
味は大阪のものとは違うけれどこれはこれで美味しかった。
「そうでしょ!」
女の子が笑いかける。
アユムも自然と笑顔になった…
ーーーーーーー
その後もカードショップにはまっすぐ向かわず
「お!ぜんざい!大阪では餅が入ってるん!?」
「串カツ!おいしそう!あそこ入ろ!」
食べ物なんかを見つけては寄り道を繰り返す女の子。その胃袋はとどまることを知らない。
アユムはそのペースに振り回されっぱなしである。
「お!凄い!凄く高い!!あそこ行こう!!」
テンションをあげたまま通天閣タワーを指さす。しかし、これ以上はアユムの財布が持たない
「ダメですよ!もうお金ありまありませんから!」
「お金なら後で払うから」
「もう貸せるお金もないんですよ!とにかくカードショップにでも…」
すると、どこからか子供たちの声が聞こえてきた。
何があったのかとアユムは自転車を止めて声のする方を見た。
「お願いだよ!もう一度僕とファイトして欲しいんだ!」
「嫌だよ、お前と戦っても得られるものなんて何もないだろ!」
「僕は強くなったんだよ!」
子供たちは喧嘩しているようだ。必死にお願いしているがもう一人は取り合おうとしない。
なんとか仲裁したいがアユムはどうすればいいか分からずに立ちすくんでしまう。
「まぁ、待って待って!」
すると前に出たのはずっと後ろにいた女の子だった。
「一生懸命言ってるけんそんなこと言わずにファイトあげて!ね?」
手を合わせてお願いする。
それでも男の子はうんと言わない。
「じゃあ、君が勝ったらうちが買ってきたこのたこやきたべていいよ」
「ホントに!?」
男の子が食いついたのを見てにかっと笑う。
「ほんとホント、じゃけんファイトしてあげて!」
こうして男の子たちはファイトすることになった。
ーーーーーーーーーー
「スペクトラルデュークドラゴンのスキル、リアガードを三体退却させてもう一度スタンド。ゴボルドゥクのブーストしたプイスでアタック!」
「ガード!」
ファイトしてくれと頼んでいた男の子の攻撃。ヴァンガード、スペクトラルデュークドラゴンがツインドライブを失った状態でスタンドする。そしてプイスの攻撃はあっさりとガードされてしまった。
「スタンドしたスペクトラルデュークドラゴンでアタック!」
「ガード!」
ふたたびガード宣言。ツインドライブがないためトリガーが出ても十分に防げるようにカードを出す。
「クリティカルトリガー、効果はすべてスペクトラルデュークドラゴンへ」
「でもその攻撃は通らない。」
ガードする男の子は余裕をもって構える。しかし…
「スペクトラルデュークドラゴンのスキル!リアガード三体を退却させてスタンド!」
「そんな!?さっき効果を使ったところなのに!…あ!!」
そう、先ほどの攻撃で三体を退却させリアガードは残り二体となっていたが、神聖魔導士プイスのジェネレーションブレイクによりリアガードを一体補充していたのだ。
それにより場にいるリアガードはプイス、ゴボルドゥク、スキルでスペリオルコールしたフレイムオブビクトリーの三体となっていた。
再びスタンドするスペクトラルデュークドラゴン、今度は先ほどのクリティカルトリガーの効果も乗っている。
三回目のヴァンガードの攻撃を止めることは出来なっかった。
防御側の男の子は6ダメージ、ファイトが終わる。
「やった!勝った!」
そんな男の子をみてもう一人も自然と笑いがこぼれる
「…参ったな、ほんとに強くなってたんだな」
先ほどまではいがみあっていた男の子たちはいつの間にか仲良く笑いあっていた。
女の子がアユムに笑いかける。
「いいよね、ファイトって」
女の子は空を見て笑う。
「喧嘩してても、そもそも話したことがなくてもファイトするだけで分かりあえる。そして仲良くなることが出来る。ファイトが人の輪を広げてくれる…」
アユムは思いだしていた。
引っ込み思案で人に話しかけるのが苦手な自分が勇気を出してショップ大会に参加したこと。そこでシンジ、エリカと出会いファイトを通じてユリコやキリヒト、有名なファイターとも知り合いになれた。
とんでもない大敗を喫したこともあったけどアユムの周りは多くの人がいた。
「だから、うちは大好きなんよみんなでやるカードファイトが」
そして、女の子は子供たちの前に歩み寄る
「よーし!それじゃ、このたこ焼きみんなで食べよう!!」
「え、俺負けちゃったけどいいの?」
「勿論、ファイトの後はみんな友達じゃけんね!」
勝った方も負けた方も楽しくたこ焼きを食べる
喧嘩していた二人もいつの間にか、みんな笑顔になっていた。
「」
――――――――
いつの間にか、時間が経ち、空はオレンジ色に染まっていた。
すこし休憩すると言って自転車を止める。
すると、女の子がアユムに話しかけ始めた。
「ねえ、アユムもやってるの?」
静かに返事を返す。
「うん、君も?」
女の子は強くうなずくと懐から自分のデッキを見せた。
なるかみのデッキ一番先頭にいるのは‟抹消者ツインサンダードラゴン‟あまり使われないカードだ。
「ツインサンダードラゴン…」
アユムはまじまじとそのカードを見つめる。
「お、驚かないんだね?今時では結構珍しいカードじゃけんど…」
静香にうなずくアユム
「まあ、僕もかなり珍しいデッキですから」
そして自分の‟マジェスティロードブラスター‟のデッキを見せた。
「マジェスティロードブラスター!?何で!?」
驚いている女の子、しかし、嫌味な様子は全くなく興味津々といった感じに聞いてくる。
「フェイバリットユニット…だから…」
「フェイバリットユニット…その言い方素敵…」
女の子はテンションが上がったようでその場でフェイバリットユニット!と言いながらライドの動作をしている。
決して馬鹿にすることなくアユムのデッキを受け入れる女の子
そして振り向くとこんなことを言いだした
「君、名前は?」
「えっと、輝導アユムです。」
「アユム!うちとファイトしよ!」
いきなり言われて驚くアユム。
「こうして会えたのも何かの縁、せっかくだからね!」
思わず勢いに押されてしまうアユム。
しかし、ファイトの誘いを断ることは一人のファイターとして出来なかった。
「分かりましたやりましょう。」
「やった!それじゃ、ファイトする場所は…」
少し楽しみだった。抹消者ツインサンダードラゴンの使いて、果たしてどんなファイトをするのか…
しかし、そこに現れた意外な人物により、そのファイトは中断となる
「探したよ、イヅナさん。すぐにフラフラとどこかに消えちゃうんだから…」
そこに現れたのは大阪を代表するヴァンガードファイター、水嶋キリヒト
「キリヒトさん!」
突然の登場に驚くアユム
しかし、慌てていたのはアユムだけではなかった。
「キリヒトさん!いや、これには、深いわけがあって…」
やれやれ肩をすくめるキリヒト
「はいはい、話なら事務所で詳しく聞くから。ごめんね、アユム君迷惑をかけちゃったみたいで…」
疑問符を浮かべるアユム。ずっと聞いていなかったことを口にした。
「キリヒトさん、彼女は?」
「ああ、彼女はね」
このことは親には黙っておいてくれ、と頭を下げている女の子を見てキリヒトはため息を挟む
「彼女は村雲イヅナちゃん。広島リーグの現チャンピオンだ。」
唐突に明かされた真実あまりの出来事にアユムの開いた口がふさがらない。
(広島リーグのチャンピオン?)
「まあ、全国大会見たいな公認大会じゃなくて広島の自治体が勝手にやってる大会だけどね」
すこし顔を赤くするイヅナ
「彼女は広島代表として、僕とファイトすることになっているんだ。」
そう、彼女が大阪に来たのはそのためだった。
そして、彼女はアユムに一枚のチケットを手渡す
「今回のお礼、良かったら見に来てよアユム。うち、頑張ってファイトするけん」
ありがとう、とお礼を言うアユムの手を握るイヅナ
「今日は本当にありがとう!楽しかったよ!!」
華やかな笑顔で言うと嵐のように現れた女の子村雲イヅナは去って行った…
「広島チャンピオン…」
アユムの手にはイヅナがくれたチケットが握られていた…
次回予告
「広島チャンピオンと知り合いになったのか!?すげえじゃんアユム!」
「まあ、偶然だったんですけどね」
「それで、どんな人だったんだ!?」
ツインサンダードラゴンの巨大な雷がグローリーメイルストロームを貫く
大きくガッツポーズを決めるイヅナ
そのファイトを見ていたアユムは再び自分のデッキを見つめ直すアユム
意外な場所で再開するアユムとイヅナ
そしてイヅナはなぜか大食いに挑戦することに
通天閣タワーで笑うイヅナにアユムは真剣な表情で何かを言った
stride9:いつだって挑戦者
「えっと、とにかく良く食べる女の子でした」
「え、ファイトは?」