カードファイト!!ヴァンガードK   作:ふぁみゆ

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「俺はまだ二十歳だ!!」

「だからおっさんじゃねぇか」

「!?」

クロノくん…君はなんて残酷なことを…つか、俺ももう伊吹くんより一つ年上なんだな…はぁ……

さて、更新が遅くなってスミマセンでした。

俺がもたついている間に他作者様のヴァンガード小説は盛り上がっていましたね

友達「お前の小説では何してるの?」

ふぁみゆ「梅田でデートしてる」

友達「……」


stride9:いつだって挑戦者

「大阪が誇るヴァンガードファイター!水嶋キリヒト!蒼嵐覇竜グローリーメイルストロームにブレイクライド!さらにダークエレメンタルドクヅークに蒼嵐水晶スピロス、得意のコンボに持ちこんだ!!広島から来た挑戦者、村雲イヅナはどう対応する!?」

 

実況とともに盛り上がる会場。

キリヒトの場に現れるグローリーメイルストロームと5体のリアガードが立体映像により映し出される。

 

そして始まるアクアフォースの超連続攻撃

 

「スピロスでアタック!」

 

アオザメ兵のブーストを受けたスピロスがイヅナのヴァンガード、デトニクススティンガードラゴンに迫る。

 

「ブワーでインターセプト!」

 

隣にいたヒートエレメントブワーが前に出て、その攻撃を代わりに受けて消滅する。

 

「スキルでスタンドしたスピロスでもう一度アタック」

 

続くスピロスの攻撃はリアガードのスパークレインドラゴンへ…

 

攻撃を受け退却するスパークレインドラゴン

 

「テンペストアサルト!」

 

続き、テンペストアサルトが銃を乱射する。

 

「ガード!」

 

疾走する雷球が弾丸を弾き飛ばす。走っていたのはイエロージャムカーバンクル。抹消者のトリガーユニットだ。

しかし、その背後にはヴァンガード、グローリーメイルストロームが攻撃態勢を整えていた。

 

 

「グローリーメイルストロームでヴァンガードにアタック!!」

 

砲身をデトニクススティンガードラゴンに向ける。それと同時にデトニクススティンガードラゴンが巨大な渦潮に包まれ、身動きを封じられる。

 

「メイルストロームのブレイクライドスキル!グレード0のガーディアンのコールを封じる!さらに、グローリーメイルストロームのアルティメットブレイク!グレード1以上のガーディアンのコールを封じる!」

 

キリヒトの得意とする戦術、これにより、相手はガーディアンを手札からコール出来なくなる。

 

完全に身動きを封じられたデトニクススティンガードラゴンにグローリーメイルストロームの砲が容赦なく火を噴いた。

爆炎が巻き起こる。

 

「ふふふ…」

 

この状況でイヅナは楽しそうに笑っていた。

 

イヅナのダメージゾーンのカードは5枚

キリヒトがドライブチェックでクリティカルトリガーを引いたにも関わらず、まだ立っていた。

 

煙が収まりボロボロながらもデトニクススティンガードラゴンがグローリーメイルストロームを見据えている。

 

「序盤から積極的にガードしているなとは、思っていたけど。ダメージを抑ええてグローリーメイルストロームの攻撃をノーガードで受けきるつもりだったんだね。広島チャンピオンになっても対戦相手の対策を怠らないとは、流石だね。」

 

楽しそうに笑うイヅナ

 

「いやあ、本当はダブルクリティカルの可能性も考えて2ダメージに抑えておきたかったんだけどね…。でも、うちも広島を代表してきてるけん、そう簡単に負けるわけにはいかんのよ!」

 

「ふ、メイルストロームのさらなるスキルによりデモニッションドラゴンを退却、そしてカードを一枚ドロー。ターンエンド」

 

そして、イヅナのターンにうつる。

 

「スタンドアンドドロー!」

 

そして、新たなカードをヴァンガードサークルに置いた。

 

「疾風迅雷!最強無敵!必殺の!ブレイクライド!!」

 

デトニクススティンガードラゴンに巨大な雷が降り注ぎ両手に雷を携えたドラゴンが現れた。

 

「うちのフェイバリットユニット!抹消者ツインサンダードラゴン!!」

 

イヅナの切り札、ツインサンダードラゴンが、デトニクススティンガードラゴンの雷をまとい、現れる。

そして、両手を縦に平行に構え、両手に力をこめる。

 

「ツインサンダードラゴンのリミットブレイク!全てのプレイヤーのリアガードを全て退却させる!!」

 

その両手を高く天に掲げると、そこから現れた雷が場のリアガードに降り注いだ。

キリヒトのリアガードが全て退却する。キリヒトのリアガードが五体退却したことでツインサンダードラゴンのさらなるスキルが発動する

 

「そして、ツインサンダードラゴンにパワー15000さらにクリティカル+2!!」

 

ツインサンダードラゴンの雷がさらに力を増す。しかし、それだけでは終わらない…

 

「デトニクススティンガードラゴンのブレイクライドスキル!相手の後列にリアガードがいない時クリティカル+1!そして、相手の前列にリアガードがいない時!相手はグレード1以上のガーディアンをコールすることが出来ない!!」

 

「なんだって!!」

 

これにより、キリヒトはグレード0のカードのみでパワー36000、クリティカル4の攻撃を受けなくてはならなくなってしまった。

当然フル展開をしていたキリヒトにそんな余裕はなかった…

 

「ツインサンダードラゴンでヴァンガードにアタック!!」

 

極限まで高められた雷が、グローリーメイルストロームの巨体を貫き、キリヒトのダメージゾーンに6枚目のカードが置かれた…

 

「いよっし!!」

 

わあああああああああ!!

 

大歓声があがる。

 

そして、握手を交わす二人

 

「いやぁ、一か八かのかけやったけん、危なかったわぁ。大阪はこんなにレベルがたかいんね」

 

「いや、僕なんてまだまださ、この大阪には強いファイター何てまだまだいるからね」

 

その様子アユムは観客席から見ていた。

あまりの衝撃に動けなくなりながら…

 

帰りの電車の中で先ほどのファイトを思いだすアユム、今でも思いだす体全身からあふれ出す興奮。

 

(本当に凄いファイトだった。二人とも…)

 

そして、マジェスティロードブラスターのカードを見つめる。

 

(僕にも出来るのかな…あんなファイトが)

 

頭の中に浮かぶとてつもなく強力な雷をまとったツインサンダードラゴンのイメージ、それに対峙するマジェスティロードブラスター…

 

ファイトの余韻の覚めぬ中、アユムはずっとそんなことを考えていた。

 

 

 

――――――

 

 

「え、じゃあ、アユムはあのファイト生で見たのか!?」

 

カードショップトイボックスでのいつもの光景。シンジとエリカの二人はアユムの話を聞いて驚いていた。

 

「で、どうだったの?ファイトは?」

 

「・・・・」

 

しばらく黙り込むアユム、

 

「何とも言えません、あの感じは、その、とても言葉で言い表せないような…」

 

その時の気持ちを何とか言葉にしようとするも上手く伝えることが出来なかった。

 

「分かるよ、強い人同士のファイトって、心に来るものが、あるのよね…」

 

奥の写真を見ながらつぶやく、ユリコ

その言葉にアユムもうなずく。

 

「僕も、あんな風に戦えたらなって…」

 

すると

 

ウイーン

 

「いらっしゃい、あら?…」

 

一人の客が入店してきた。アユムたちが振り返るとそこに居たのは…

 

「お、いたいた!アユム」

 

昨日、激戦を繰り広げた広島チャンピオン、村雲イヅナだった。

 

「村雲イヅナ!?」

 

「すげぇ、本物だ!!」

 

シンジとエリカを筆頭に周りから歓声が上がった。イヅナはそれに笑顔で答えながらもまっすぐにアユムの方へ歩いて行った。

 

「アユム!とりあえずいこ!!」

 

突然アユムの手を引っ張るイヅナ

 

「え!?いきなりどうしたんですか!?」

 

驚くアユムをよそにイヅナは

 

「いいからいいから」

 

とだけ言ってアユムを連れ出してしまった…

 

「……え?」

 

その後店内では大騒ぎになったんだとか…

 

 

 

―――――――

 

 

「じゃあ、鞄は見つかったんですね。」

 

「うん、警察に行ってみたらすぐに見つかったんよ。それに昨日のファイトのギャラも入ったけん、お世話になったアユムにお礼がしたくてさ!」

 

というわけで電車に乗ってやってきた梅田の街。イヅナはアユムを連れまわす。

 

「まずは何か食べにいこ!うちお腹空いてもうた。」

 

「まだ昼間なのに…」

 

アユムの意思を聞かずに

 

 

 

「へい、お待ち!」

 

アユムたちがやってきたのはうどん屋。イヅナがうどんの食べ比べがしたいという事で来ることになった。

 

アユムの注文したうどんを見てイヅナが言う

 

「ほへ~、大阪も薄い色の御出汁なんだね。」

 

「まあ、西日本は薄い色、東日本は濃い色の出汁だって言いますよね。」

 

作り方が違うため西日本と東日本ではうどんの見た目も変わってくる。しかし、見た目の印象とは裏腹に塩分量はさほど差がない。機会が敬遠せずに食べてみるといいだろう。

 

「という事は、東日本にも行ったことがあるんですか?」

 

と、素朴な疑問を口にするアユム。

 

「まあね、広島リーグのチャンピオンになってからもう大忙しなんよ…前は東北の方まで行ったんよね。その時丁度冬で雪が降っててね、寒くて寒くて大変だったわ。」

 

思い出しただけで身震いをするイヅナ、広島は比較的温暖な地域なので冬の東北の寒冷な気候はイヅナにとってはかなり厳しく感じたのだろう。

 

「そうい言えば、イヅナさんの料理は?」

 

まだイヅナの料理が来ていないことに気付いたアユム

 

とここで、店の奥から店主が現れた。

 

「姉ちゃんやな、挑戦するんわ…」

 

なんだか挑発的な物言いをする店主にイヅナはくってかかる。

 

「待ってたよ。さあ、来い!!」

 

何の話か分からずに茫然とするアユム。そんなアユムの前に信じられないものが…

 

「え、えええええええ!?」

 

イヅナの席に、ドカン!!と置かれたのは、サッカーボールサイズの巨大な器、そしてその中にはなみなみいっぱいのうどんが…

 

まさか、これを食べるのか!?とアユムが驚いている隣で店主が説明を始める。

 

「制限時間は30分、その間につゆ一滴も残さずに食べ切れたら、このうどんの代金は無料になり、更にこのうどん屋の大盛りうどん無料券がついてくる。ただし、食べきれなかった場合はこの超特盛うどんの代金、5000円を支払ってもらう!ちなみにこのうどん、一人で食べ切れた者は今の所一人もおらん。姉ちゃん、引き返すなら今のうちやで…」

 

イヅナは楽しそうに笑う

 

「引き返すくらいなら、最初から注文してないけんね!いつでも来い!!」

 

自然と周りの注目がイヅナに集まっていた。

 

「なら、始めるで!!スタート!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パン!

 

「ごちそうさまでした!!」

 

「24分12秒!完食です!!」

 

「な、なんやて!?」

 

大食いメニューとの戦い、それを制したのはイヅナの方だった。

 

パチパチパチパチ!

 

周りの人からの拍手を笑顔で受けるイヅナ。

 

「おめでとう!これを達成できたのは姉ちゃんが初めてや!ほら記念写真撮るから立って!そっちの彼氏もほら!」

 

店主に促されるアユム、

 

「いや、僕はそんな…」

 

と顔を赤くしながら断ろうとするが

 

「いいじゃんアユム、ほら!一緒に!!」

 

結局その雰囲気に押されて記念撮影をすることになった。

 

 

――――――

 

その後、来たのはゲームセンター。

 

イヅナのセレクトである。

 

アユムはあまり来たことが無いのでどこに行けばいいのか全く分かっていなかったがイヅナは迷わずに歩いて行った。

 

「ここか…」

 

ダンスゲームのコーナーに…

 

「な、ダンス…」

 

台に上ったイヅナは上着をアユムに預けると、このゲーム機のハイスコアを確認した。

 

「よし!このハイスコアを更新する!!」

 

突然張り切りだすイヅナに驚くアユム。

そのままイヅナはコインを入れ、ステップをし始めた……

 

 

 

 

 

 

 

16回目のチャレンジ。

画面にはハイスコア!と表示される。

 

何回も挑戦してようやく成功したのだ

 

「いよっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

パチパチパチパチ…

 

再び起こる拍手にイヅナは笑顔で答える。

 

その後もアユムな何度もイヅナの挑戦を見ることになった。

 

走ったり登ったり飛んだり。あちこちに行っては様々なイベントや挑戦ごとに参加しては何度も挑戦し記録更新を繰り返していた…

 

そして、またまた日は落ち夕方になる…

 

「いや〜、楽しかった〜。」

 

ベンチでリラックスするイヅナ、そんなイヅナにアユムは尋ねてみた

 

「どうして…イヅナさんは記録更新をやりたがるんですか?…」

 

それを聞いたイヅナはリラックスしたまま目を見開いて答える。

 

「そりゃ、目の前に壁があったら、挑みたくなるからだよ!」

 

目の前に壁があれば挑みたくなる…ずっと、目の前の壁から逃げてきたアユムとは対象的な答だった…

 

「強いんですね…イヅナさんは……」

 

弱々しく呟くアユム…

 

「まぁ、ヴァンガードが私を変えてくれたからかな?…」

 

イヅナはベンチから立ち上がりツインサンダードラゴンのカードを取り出した。

 

驚きながらもその様子を見ているアユムにイヅナは言葉を続ける。

 

「最初はうち、負けてばっかりやったんよ。どうしても、このツインサンダードラゴンを勝たして上がることができなかった。…そのたびにいっつも悔しくて泣いてた…」

 

それはイヅナの過去の記憶

 

「でも、負けるたびに研究を重ねて、デッキ作りなおしたりどうやって戦うのかを勉強したりしてたらな…ある日勝つことができたんよ!」

 

友達同士での小さなファイト。その中でいつも負けてばかりいたイヅナの躍進。

その出来事が今でもイヅナの支えになっていた。

 

「その時に思ったんよ。どんなに高い壁でもあきらめずに挑戦を繰り返していたら必ず乗り越えられるんやって…じゃけん…」

 

振り返るイヅナは夕日を背景にいい笑顔をしていた。

 

「うちは、いつだって挑戦者でいたいんよ……」

 

その言葉を聞き、アユムも自分のフェイバリットユニット"マジェスティ・ロード・ブラスター"を取り出す。

 

自分だってそうだ。このマジェスティロードブラスターで勝てた時凄く嬉しかった。でも、今の自分は彼女のように挑戦者でいられているだろうか…

 

変わりたいと思ってショップ大会に参加しようとしたあの日から少しでも前に進めているんだろうか…

 

(いや、違う。僕はまだ未来に向かって歩いている途中なんだ…)

 

これから先もきっと壁は立ちふさがるだろう。でも、いつまでも逃げていてはいけない。立ち向かって乗り越えないといけない…

 

「あの!」

 

アユムは何か思い立ったように大きな声を出す。

 

「僕と…ファイトして欲しいんだ……」

 

その言葉をイヅナはただ黙って聞いていた。

 

「僕なんかまだまだ弱いし、イヅナさんの実力には遠く及ばないかもしれない…それでも!」

 

「アユム!」

 

ビシッと、言葉を遮り、イヅナはアユムに人差し指を向けた。

 

「勝てるかどうかわからないから挑むんでしょ?…」

 

イヅナが言ったのはそれだけだ。でも、今のアユムにはそれだけで十分だった…

 

「……はい!」

 

なぜなら、アユムも挑戦者だから…ヴァンガードファイターはいつだって挑戦者なんだから…




次回予告

「アユム、一体何があったの?あの後店では大騒ぎだったんだから……」

「す、すみません…僕も突然の事だったので…」

カードショップトイコンプにてデッキを組み直すアユム。
エリカやシンジ、ユリコの意見を聞きながら、アユムはある一枚のカードに目をつけた。

そして、ひっそりと始まるアユムとイヅナのファイト 

ツインサンダードラゴンの極限まで高められた雷がアユムに襲いかかる…

マジェスティロードブラスターの剣を阻もうとツインサンダードラゴンの前に並び立つガーディアンたち。

アユムはそのドライブチェックに自分の運命を掛ける…

次回「アユムvsイヅナ」

「で、何してたの?」

「うどん大食いに挑戦してました」

「え、ファイトは?…」
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