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ところ変わって兎月堂2階、めうの部屋。高校以来だろうか、久しぶりに立ち入っためうの部屋は、以前に比べて小物類が減って整頓されており、相変わらず健在のぬいぐるみ以外には、かなり違う印象を受けた。
「…しっかし、おかしな話めうっ♪」
「やめろし…自分でも分かってるから。」
「おっとこれはしっけーめう」
自分の恋愛センスの低さは言われなくても分かる。現に自分よりも年下で交際経験のないめうにアドバイスを求めるているのだから、今更ながらに軽く屈辱だった。
「ちなみに今日、いぶぶの彼氏しは何してるなり?」
「親戚の法事で神奈川だと。」
「寂しいなりか?」
「…まあそれなりにはね。忙しいからか、今日はLINEも電話もくれないし。」
イブは口調に順じた寂しげな笑顔を浮かべる。
(このちゃんねー、たまーに大人っぽい顔するめう、ウルトラアルティメットギガ萌えキュンめう…)
「ん、どした?」
「な、なんでもないのだ。今しがたついたたで『彼氏に女を意識させる小技ランキング』なるものを拾っためう。それによれば、①お酒に酔って甘える ②露出の多い服を着る ③ボディータッチとあるなり。未成年なことと、いぶぶの露出癖をこーりょすると…」
「おい2個目」
「貴様に残された唯一の活路はズバリ、ボディータッチめう!」
そういい放っためうは、頭の上に掲げた両手のひらをイブに向け、両手合わせ10本の指をくねくねとなまめかしく動かす。そして次の瞬間、ガンダムばりの機動力で懐に潜り込んだかと思うと、イブの身体中をぺたぺたと触りまくった。
「お、おいこらめうっ!」
「むひゅひゅん♪」
「ちょ!待ったストップ!」
「ぺったんぺったんぺったんたん♪」
「うっさい!」
全身を転がし、イブは全力で逃れようとする。がしかし、めうはそれにうまく絡みつき、スキンシップの嵐を浴びせ続ける。
めうの猛攻は5分に及んだ。必死の攻防の結果、双方疲れ果て、ついに同時にその場へ伏した。
「いぶぶせいぶん、じゅーでん完了めう……♡」
「ああ、すっげー疲れたし……。」
恍惚とした表情を浮かべるめうとは対照的に、イブは得体の知れない喪失感と疲労で顔をひきつらせる。
「ねえ。『彼氏に女を意識させる小技ランキング』とか言っちゃてあんた、これがやりたかっただけでしょ。」
するとめうは、案の定肩をビクつかせ、ぎこちない動きで空を仰ぐ。
「ちょ、ちょっと何いってるのか分からないめう~…」
(…なんでうちのバンドこんなんばっかなんだろ?私以外マトモな奴いないし。)
(いぶぶも人のこと言えないめう)
(こ、こいつ直接脳内に……)
…そっか。イブのこと元気づけてくれようとしてくれてるんだね。やっぱめう、なんだかんだで優しい娘だわぁ。まあたまに暴走して手がつけられなくなるけど。
昨日軽く夜更かししたせいだろうか。先程の乱闘からの疲労をあって、横になり天井をぼんやり眺めていたら、唐突な眠気に襲われた。
「ふぁ…あたし寝るわ。めうベッド貸して。」
「いっそ泊まるといいめう。今日はめうが代わりにいぶぶのお相手をするめう♪」
「はいはい、勝手にいってろし。」
イブはベッドに体を落とすと、うつらうつらとまどろみ、やがてすぅすぅと寝息をたて始めた。
「…むっきゅん。可愛い寝顔めう…♪」
大人のようで、案外子供なところもあるイブ。その寝顔は、先程の大人じみた表情とは対照的に、まだまだ幼い雰囲気を残していた。
今後の展開悩みちう