午前11時過ぎ。よく整理された執務室。重厚な雰囲気の執務机に腰掛けた田中は、机の上に置いてあるミニカレンダーの今日の日付部分に、万年筆で棒を一本書き込んだ。
棒が書き足された事で、それは『正』の文字と成る。その文字を暫くの間、真剣な貌でじっと見詰めた後、眼を伏せつつ慙愧に耐えないといった貌で深く俯いた。
一服しようという事で淹れた茶が、湯吞みから湯気をくゆらせているものの、田中はそれに手をつけていない。再び視線を上げ、カレンダーの『正』の文字を見た。
田中が、何とも言えない貌になった時だ。「……さっきから何なの?」と。田中の執務机の隣に備え付けられた、秘書艦用の執務机に腰掛けていた叢雲が鬱陶しそうに言う。
「随分長いトイレから帰って来て、ずっとその調子だけど……」
片付けるべき書類を捌き終えた叢雲も、今は暖かい茶が注がれた湯吞みを手に休憩中であった。ゆっくりと過ごしている隣で、辛気臭い貌をされていては気にもなる。
だから叢雲は、ジトッとした視線を田中に向けつつ訊いた。しかし田中の方は、「えぇっ!? ぁ……いや……、何でも無いです……」と、元気の無い返事を返すのみだった。
明らかに何でも無い事が無い様子だ。えへへへ……と、卑屈に笑う田中が、ミニカレンダーを隠すみたいに机の上を移動させるのを叢雲は見逃さなかった。
「ふぅん……?」と声を漏らした叢雲は眼を細めつつ、湯吞みを持ったまま席を立つ。そして、音も無く田中の隣に歩み寄って、さっとそのミニカレンダーを取り上げた。
「なっ!!!?」 ビクーッ! と肩を跳ねさせた田中も、ミニカレンダーに手を伸ばそうとしたが、叢雲はそれをヒラリとかわした。
そして「んん~~~~……?」と、手にした田中のミニカレンダーを、眉間に皺を寄せつつ見詰める。
ミニカレンダーは、到って普通のものだ。日付があり、日付の枠があり、隅には絵がプリントされてある。ただ、日付の枠の中に、『正』の字が書かれてある。
いや、日によって違う。『正』の字になっていない日もあるし、『正』の字が一つに加え、更に数本の棒が書き込まれている日もある。
何かしらコレ……。叢雲が田中の方をチラリと見遣る。執務机に座ったままの田中は、真剣な貌のままで眼を泳がせて、ダラダラと脂汗を流している。
「これ、何か数えてるの?」
叢雲が率直に聞いた時だ。執務室の扉がノックされる。「司令官! 吹雪です!」と。扉の向こうから可憐な声がした。
遠征に出ていた吹雪が、艦隊が帰投した事を報告に来てくれた様だ。「あぁ、開いてるわよー」と、叢雲がミニカレンダーを手にしたままで、扉の向こうへと応える。
田中の方は相変わらず何とも言えない表情のままだ。いや、さっきよりも余裕が無いというか、顔色が悪い。明らかに青くなっている。
まぁ田中のそんな様子など、扉の向こうに要る吹雪は知る由も無い。「失礼致します!」と、礼儀正しくも元気に挨拶と敬礼して、執務室へと入室する。
遠征から帰って来た吹雪からの報告を聞いている田中は、似合わないゲン●ウポーズを取り、アホみたいに深刻な貌をしたままで冷や汗を流したままである。
目は泳ぎまくっているし、明らかに吹雪の報告に注意が行っていない。どうも、秘書艦として自身の隣に控えている叢雲に意識が行ってしまっているようだ。
いや、正確に言えば、叢雲が持っているミニカレンダーに意識を持っていかれている。叢雲は、何だか落ちつかない様子の田中のアフロ頭を眺めつつ思う。
田中という青年は、その強烈な天パのアフロでちょっと変わったところが在るが、悪い男では無い。
すべき事を彼なりにこなしながら、艦娘達との信頼を築こうとする気配りや気遣いが伺える。
何と言うか、艦娘達に対する、田中が持つ尊敬の念を感じる事が出来るのだ。
そんな田中だから、此処の艦娘達との関係は一応は、ソコソコに良好だ。
田中を日々支える秘書艦も、交替制であるものの問題は殆ど起きていない。
どんな艦娘が秘書艦の時でも、田中が下手に要るからだろう。
戦果も悪く無いし、艦隊の運用にも大きな問題は見られない。
田中は、髪型以外は平々凡々とした“提督”である。
だから、今持っているであろうその悩みも、平凡なものだろう。
叢雲はそう考えていた。
「ねぇ、吹雪。このカレンダーの『正』の字、何数えてるのか知ってる?」
吹雪の報告が終わったタイミングで、叢雲はミニカレンダーをヒラヒラと振って見せる。
秘書艦は交替制であるから、もしかたら吹雪は知っているかもしれないと思ったのだ。
執務机に座っていた田中が、鼻水を噴きながらギクーーッ! と肩を跳ねさせた。
吹雪は叢雲の手にあるミニカレンダーを見ながら、首を傾げて見せる。
「ちょっと分からないけど……、司令官が吸った煙草の本数、かな?
う〜ん、飲んだ缶コーヒーの数とか……?」
ちょっとしたクイズにでも答えるみたいなノリで、吹雪は、叢雲と田中を見比べて言う。引き攣った笑顔を浮かべた田中が、「そ、そうなんですよ!」と大きく頷いた。
「いや、実はコーヒーが好きで好きで!
ついつい自販機を見ると、あの種類の多さに惹かれちゃうって言うんですかね!?」
冷や汗を拭いながら言う田中は、何だかえらく必死な様子だった。
ふーん……、と。叢雲は、秘書艦用の執務机に置いたままの湯吞みに視線を向ける。
休憩のため、茶を淹れたのは叢雲だった。「……コーヒーが好きなら、そう言いなさいよ」
叢雲は軽く溜息を吐き出しながら、ミニカレンダーを田中の執務机の上へと返した。
「次からはコーヒー淹れたげるわ……。
明石さんに頼んどけば、それなりに種類も揃えられるだろうし」
肩を竦めてつまらなさそうに言いながら、叢雲は秘書艦用の執務机に戻って席に座る。
そして、湯吞みを傾けて茶を啜った。トイレに行ってなかなか返って来ないのは、自販機でコーヒーでも買って飲んでいたという事か。
まぁ、仕事自体が滞っている訳でも無いから、責めるほどの事でも無い。
「これからは、トイレに行くついでにコーヒー飲んで来なくて良いわよ」
「ただ、飲み過ぎは身体によく無いと思いますので、気をつけて下さいね」
吹雪の方はちょっと心配そうな貌で、田中と、執務机に置かれたミニカレンダーを見比べた。今日の日付には、既に『正』の文字が書かれているからだろう。つまり、もう5本飲んでいるという事だ。
叢雲と吹雪の優しい言葉を聞いた田中は、まるで何かに打ちのめされたみたいな貌になって俯き、身体を小刻みに震わせていた。叢雲は怪訝そうに眉を顰める。あの情けない表情は、自己嫌悪か。
少しの間、奇妙な沈黙が続く。やはり様子がおかしい田中を見て、叢雲と吹雪が互いに顔を見合わせる。まぁ、コイツが変なのはいつもの事かと、叢雲は深く考えずに茶を啜る。
また少しの沈黙があった後、田中がゆっくりと立ち上がった。「俺は今……、二人に嘘を吐きました……」今までに無いくらいの真剣な顔をしたままで、田中は頭を深々と下げて見せた。
「それは、缶コーヒーを飲んだ回数じゃくて……その、ぉ、オ●ニーの回数なんです……」
搾り出すような深刻な声音の告白だった。叢雲が飲んでいた茶を盛大に噴き出した。
二歩ほど後ずさった吹雪は、驚愕の表情で頭を下げる田中とミニカレンダーを見比べる。
そりゃあそうだろう。今日の日付枠の中には、既に『正』の字が完成しているのだ。
午前中だけでもう五回である、噎せ返っていた叢雲も、ドン引きの表情で田中に向き直る。
「うわぁ……アンタさぁ……、何て気色の悪い記録付けてんの……。
じゃあもしかして、つ、ついさっき、と……、トイレでヤッて来た、って事……?」
「は……はい……」
叢雲の震える声での問いに、田中は真剣さと申し訳無さが入り混じった表情で頷いた。
吹雪が表情を更に歪めて、もう二歩ほど後退った。無理も無い。
「憲兵に連絡する前に聞いといてあげるけど、えぇと、その……なんかのビョーキ?」
未だドン引き状態の叢雲は、ちょっと深刻そうに田中に聞く。
すると田中は下げていた頭を上げて、苦しそうな貌になって叢雲を見詰め返した。
しかしすぐに、自分の不甲斐無さを呪うかのように項垂れ、執務机に両手をついた。
また少しの沈黙が在った。開いている窓から、緩い風が吹いてきている。
涼やかな風が、詰まれた書類の端を微かに揺らした。田中は、軽く息をつく。
「僕は、その……性欲が人より、かなり強いのかもしれません」
何と言うか、ふざけていると言うか、叢雲達をおちょくっているような様子では無い。
何処までも真面目な声音だった。田中は、言葉を慎重に選ぶようにして、言葉を紡ぐ。
「叢雲さんは多い時は、日に何回くらいしますか……?」
田中の問いに、今度は吹雪が噴き出した。
「は、はぁっ!!? バッカじゃないのアンタぁ!!?
何聞いてくんのよぉ!!? 本当に憲兵に突き出すわよッ!!?」
叢雲は吼えて、ドガァン!!と机を蹴飛ばす勢いで立ち上がる。
その迫力に圧されて、ひぃ!と、短い悲鳴を上げた田中も、慌てて両手を振った。
「いやっ、そのっ、違うんですよっ!」と、すぐにフォローに入る。
何と言ったら良いものかと、田中は再び深刻な表情になって顎に手を当てた。
「何て言うか、僕はその……、海に出て果敢に戦う艦娘の皆を、そ、尊敬しています!
これは本気です。嘘ではありません! し、しかし! しかしですね……!」
思案顔になった田中は顎に手を当てた姿勢で立ったまま、叢雲と吹雪を見比べた。
それから、まるで自分を責めるかのように歯を食い縛り、顔を右手で覆う。
「僕は艦娘の皆の事を、いやらしい目で見てしまうんです……。
可愛いなぁとか、美人だなぁとか思うだけじゃなくて、胸とか、お尻とか……。
そんなところばかりに眼が行ってしまって……。
海で頑張る皆を、そんな眼で見てしまう自分が、嫌で嫌で……」
ぷるぷるとその手や肩が震えており、俯いた田中は、明らかに苦悩していた。
嘆きと自己嫌悪に苛まれて、泣く寸前みたいな震えた声音だった。
「おっぱいの事を考えながら戦果報告を聞いたり……。
お尻の事を考えながら編成を指示したり……。
もう……、人間として失格なんじゃないかと……。
まるでサルの様な自分に嫌気が差して……。
必死に、お、オ●ニーをして、冷静な自分を保っていたんです……。
こう……、サルでは無く、人である為に努力しようと……」
「…………えぇぇぇ………………」
まるで血を吐く様に紡がれる田中の告白に、叢雲は自分の表情が歪んでくるのが分かった。
吹雪の方は、「田中司令官……」と、何だか切ないような、苦しいような表情をしている。
二人共アホなのかなぁ? と、叢雲は思うものの、田中の独白はまだ続きそうだ。
田中は、崩れ落ちるようにして執務机に腰を下ろして、泣きそうな貌で天井を仰ぐ。
「僕はですね……。艦娘の皆と、こう……人格と人格で、接触すべきだと……。
そうあるべきだと、思うんですよ? でもですね、こう……、なっちゃうんですよね?
皆さん美人で可愛いし……、中破とかすると、服とか破けて帰投して来るし……。
僕も、ホラ……男ですからね……? こう、ね……? オートマチックにね……」
身体や顔をぷるぷると震わせて、田中は「はぁぁぁぁぁぁぁぁああ~~…………」と溜息を吐きだした。
切なさと自己嫌悪が滲みだしていて、聞くものに哀愁を感じさせるような溜息だった。田中は半泣きだった。
「僕は提督としてですね……。その……、
“人間の人格”と“艦娘の人格”で対話して、信頼関係を築くべきなのに、こう……。
艦娘の皆は、“人格”で接してくれるのに……。僕は、えぇ、何て言うかですね……。
人格では無く、……その、せ、“性欲”を持って、接するのは……、良くないと……。
おっぱいとか、お尻とか……、そんな事を考えながら……皆の報告を聞くのは……。
やっぱり……、最低だと思って……。性欲無しでコミュニケーションをしたいと……。
どうすれば、心と心でコミニケーションを取れるのかと……こう……ですね……」
「それで考えついた方法が、……その、えぇと……、あのー……何よ?
お、おな、……あぁああっ! もうっ!! うっさいわねぇ! もうっ!!」
叢雲はガシガシと頭を掻きながら、赤い貌を誤魔化すみたいに乱暴に言う。田中の訳の分からない話を、頷きながら真剣に聞いていた吹雪の方は、静かに微笑んだ。
「司令官は、そんなにも私達の事を大切に想ってくれていたんですね……」何だか感激した様子の吹雪は、尊敬するような眼差しで田中を見詰めている。
「えぇぇぇ……そうかなぁ……!? そうかなぁ~~……!!?」今度は叢雲も真剣な貌になって、田中と吹雪を見比べた。だってさぁ……。オ●ニーしてるだけじゃん……。
そう言い掛けるのをグッと飲み込んだ叢雲の事を、「叢雲さんは、……どう思いますか?」執務机に座りなおした田中が、情けない貌をしたままで見詰めて来た。
「い、いや……そんな、か……、感想を求められても……」
思わぬ攻撃だった。上手く答えられずにそっぽを向く。自分の貌が赤いのが分かる。
くそっ! どう思いますかって何よっ! どう考えてもセクハラでしょコレっ……!
叢雲は、田中の執務机の上に置かれたミニカレンダーをチラリと見た。
『正』の字が並んでいる、ちょっと気持ちの悪いカレンダーである。
「あの……うん……、ちょっと……その、お、多いんじゃない……?」
いや、知らないけど……。最後に小声で付け加える。
叢雲はそっぽを向きながら、ストレートな感想を述べた。それを聞いた田中が、「そうだよなぁぁあ~~……」と、情けない貌で溜息を吐きだしながら天井を仰いだ。
恐らくは、そんな田中を励まそうとしたに違い無い。「だ、大丈夫ですよっ! 司令官!! これくらい、良くある回数ですよ!! きっと!!」明るい声で、吹雪が言う。
「司令官も、あの、け、健康な男子ですし!
その……、げ、元気な証拠と言いますか、してない方が不健康と言いますか!」
物凄く必死な様子で、吹雪が視線を泳がせまくりながら田中をフォローする。
その顔は真っ赤だ。まぁ、自分で何を言っているのかそれなりに理解しているからだろう。
「そりゃあ、そうなんだろうけどさ……」机に頬杖をついた叢雲が、吹雪の言葉に続く。
「性欲抜きの“人格と人格とのコミュニケーション”とか言ってたけどさぁ……。
アレよ……、アレ……。あのー……、こう、ね? し、……扱いてる時って言うの?
その時にさ、誰か……、お、あの……お、オカズ?、にしてたらさ、いきなり失敗してない?」
叢雲は恥ずかしげに、ぽしょぽしょと言葉を紡ぐ。
何を真面目にレスポンスしているのかと、自分に突っ込みたくなる。
しかし、その叢雲の言葉に、田中が突然、“くわっ!!!!”と、深刻な表情になった。
吹雪と叢雲も、ビクーーーン!! と身体を撥ねさせてしまう。
鬼瓦みたいな凄い迫力だった。かと思えば、すぐに、また情けない貌になる。
そして、「あわわわわ……はわわわわわ……」と、自分の頬を両手で押さえた。
「あぁ、うん……。やってたのね……。知ってた」と、叢雲は気遣うように、そっと言う。
大変な事をしでかしてしまった様な貌の田中が、今度こそ机の上に崩れ落ちた。
「だって……、仕方無いじゃないですか……。
エッチな本に出てくる女の人よりも、皆の方が綺麗で可愛いんですから……。
本を見ててもビデオを見てても、まるで呪いみたいに、皆の顔がちらつくんですよ……、
あぁ、でも僕は、もしかして、……とんでも無いことをしてしまったのでしょうか……?
だって……ホラ、……ホラ……、もう、こんなに……」
田中はぷるぷると震えながら伏せていた顔を上げて、ミニカレンダーを見遣った。
「正直に言います……。今日は……、五回とも叢雲さんでした……」
田中が死にそうな貌で言う。
「しょっ……!! 正直過ぎでしょ!!?
何言ってんのアンタ!! バッカじゃないの!!? バッカじゃないの!!!?」
叢雲は机をぶっ叩いて立ち上がり、声を裏返して叫ぶ。もうっ!! 顔あっつ!!
一方で、田中の方は悲しげな貌のままでぷるぷると震えたままで、カレンダーを見ている。
其処には、無情に数えられた『正』の字が並んでいた。叢雲もそのカレンダーに視線を向けて、何も言えなかった。
しかし赤い貌で俯いた吹雪は違った。何かを決心するみたいに唇をぎゅぎゅぎゅーっと噛んでから、一つ息を吐き出したのだ。
こんな下らなくどうしようも無い下ネタ的な悩みに、全力で応えようとしていた。
「じゃあ、司令官は……、その、もしも! もしもですよ!?
私が……、司令官を想って、……えぇと、お、おなッ……、いやあの……っ!
ひ、一人でしてたら、どう思われますかっ!!?」
執務机の正面に立っている吹雪は、顔を上げながら真剣な声で田中に聞く。その声音は明らかに震えて掠れていたが、その表情や視線はまっすぐだ。
叢雲は思わず吹雪の事を凝視してしまう。いつもの糞真面目な様子で、何を言い出すのかコイツは。田中だってそう思った事だろう。
田中は驚いた様な顔をしたまま、真っ赤な吹雪を暫く見詰めて居た。そしてすぐに、何かを思案するように顎に手を当てて、しばらく瞑目していた。
こう、田中を想いながら、吹雪が一人でしているところを想像したのだろう。田中は眼を開き、吹雪に向き直ってから深く深く頷いた。
「それは、その……とても良いね……。
こう、何と言うか……、味わい深いものがあるね……?」
馬鹿な事を抜かす田中の顔は、真剣なのに真っ赤で、鼻の下が延びきっていた。
「そ、そうでしゅか……っ!?」と、田中の言葉を聞いて、吹雪は驚きと一緒に貌を綻ばせかけた。
だが、すぐに焦ったみたいに笑って誤魔化した。
「き、きっと、他の艦娘達もそうだと思いますよ!?
それだけ、司令官が私達の事を魅力的に思ってくれてるワケですから!!
ちょっとオカズにされるくらいなら、喜んでくれてますよ!!」
「えぇえぇっ!!?
そうかなぁーーっ!!? そうかなぁ~~~っ!!!?」
とんでも無い暴論を展開する吹雪に、叢雲がストップを掛ける。
同時に、田中が真剣な顔になって叢雲を見詰め、立ち上がった。
その熱い眼差しに、叢雲が顔を赤くして眼を逸らす。ドキドキしてしまう自分にムカついた。
「な、何よ……!」 叢雲は田中とは視線を合わせずに言う。
田中が神妙な面持ちで、じっと叢雲を見詰めたまま口を開いた。
「今、僕は……性的な衝動に負けて、人では無く、サルになりかけています……」
「「えぇっ!!?」」叢雲と吹雪が、顔を真っ赤にして声を揃える。
「トイレで……お二人を想いながら人に戻って来ても……宜しいでしょうか?」
「バッカじゃないのっ!!? ホントにもうっ!! バッカじゃないのぉ!!!?」
今日も鎮守府は平和だった。
最後まで読んで下さり、有難う御座いました!