羅闍の能力が分かるよ!!
では、どうぞ!!
「お邪魔しますよ」
「はい。どうぞ」
羅闍が執筆を終え一休みしていた時、映姫が部屋を訪れた。
映姫の手にはお盆。お盆の上には一枚の皿がありその上には多少不格好ながらも三つのお握りが鎮座していた。
「差し入れです。どうですか、調子のほどは」
「ありがとう。今までにないくらい兆しが良いよ。後はフランドールが早く思い出してくれたら……」
「『書き換える程度の能力』……本当に思い出すことなんて出来るのですか?」
「出来るよ。僕の能力は強力だろうけど、ちょっとつついてやれば直ぐに綻びがでてくるからね。修正や上書きとかの方が近いかもしれない」
羅闍の能力『書き換える程度の能力』はそのなの通り、ありとあらゆるものを書き換えることが出来る。
例えば物質、金なのに銀。
例えば法則、火は熱いと言う法則を火は冷たいに。
例えば存在、Aと言う人間が存在する。をAと言う人間は存在しないに。
例えば記憶、マリーと関わった全ての者、生物、無機物一切問わずに記憶からマリーを抹消する。そして、違和感の無い記憶へと書き換える。
それが羅闍の持つ能力だった。
「正直、僕はこんな能力は欲しく無かったけどね。やろうと思えば世界の生物を全部消せるし、自分自身を認識できなくして精神を壊すなんてのもお茶のこさいさいだ。なのに、相手の記憶を覗くだけだとか、書き換える作業をしなければ一気に疲労感がヤバくなる。ここまで応用が聞いて応用が聞かない能力も珍しいんじゃないかな?」
気楽にサラリと言ってのける羅闍ではあったが、長い付き合いである映姫にはその笑顔は無理をしてつくっているものだと分かってしまった。
「羅闍……せめて、私と居るときは我慢しないでください。私は何時でも受け止める覚悟は出来ていますから」
「………………」
映姫の言葉に顔を伏せ口を開かない羅闍。
映姫は踏み込み過ぎたかも知れない。と焦ってしまう。だが、顔を上げた羅闍の表情を見て焦りはなくなった。
「ありがとう、映姫。今は無理だけど、全部終わったときは嫌になるまで話を聞いてもらおうかな」
「……まったく、またそうやってはぐらかすんですね」
羅闍の顔には作り笑顔ではなく、安心した気が抜けた笑顔が浮かんでいた。
映姫はまたはぐらかされた事に以前の様な不安などは抱くことはなく、どこか安心感を感じていた。
「それに、前回の事もあってあんまり無理はしないようにいけないしね。キッチリ睡眠も取ってるし、合間合間に休憩を挟むようにもしたから」
「なら、今度倒れていたら縛って無理矢理休養を取らせますよ」
「アハハ……肝に命じておくよ」
苦笑いを浮かべる羅闍。
その笑顔に説教を始める映姫。
「(ごめんね映姫。もしかしたら僕は……)」
「(離しませんから。例えどんなことになろうとも……)」
「(僕は閻魔から降ろされるかもしれない)」
「(貴方が閻魔でなくなろうとも)」
「(本当に……ごめん)」
「(絶対に……離しません)」
二人の声は絶えず部屋の中に響いた。
お読みいただき有難うございます!!
羅闍の能力については、基本的に出来ない事がないけど、『書き換える』『修正』『上書き』などの作業をしなければ疲労感が押し寄せてくる。と考えてくれればオッケーです。
誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。
閻魔を降ろされる?一体何故?
では、また次回~