東方赤ずきん(完結)   作:ちゃるもん

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投稿です!!

二十分で仕上げたんで可笑しなところがあるかも……

では、どうぞ!!


● 語られることのない物語

最初は一方的だった。

 

マリーの腹をフランドールの拳が捉える。

 

圧倒的な種族の差。

 

マリーの拳が受け止められ、投げ飛ばされる。

 

だが、今そんなことどうでもいい。

 

マリーは壁にぶつかり、落ちてきた自身と同じ大きさの瓦礫をフランドールへ投げた。

 

今はただ……

 

そして、瓦礫の後ろに隠れるようにフランドールへと接近していたマリーの拳がフランドールの顔面を捉えた。

 

目の前のオモチャを壊シタい

 

「壊れチゃえ壊レチゃえ壊れチャエ!!!!」

「ウガァアア!!」

 

風を切り迫ってくるフランドールの手、その手首を掴み握りつぶす。

 

方や、戦いを楽しむ狂人。方や、ただ暴れるだけの獣。

種族の差が引っくり返された今、どちらが勝つかなど火を見るより明らかだった。

 

フランドールは手首が握り潰されたのをものともせず、逆に驚異的な体の柔らかさでマリーの胴体に足を絡め、その万力で圧迫し始めた。

 

だが、それすらも涼しい顔、狂った顔で笑い続ける。

腕を引っ張り、体を引き寄せ、顔を掴み、叩き付ける。何度も、何度も。

 

そして、足から力が抜けたところで強引にフランドールの体を持ち上げ壁に叩き付けた。

フランドールは何の抵抗もなく壁に叩き付けられ、壁はその衝撃で少し遅れた後、粉々に崩れ去った。

 

 

そして、フランドールの腕がマリーの胸を貫く。

 

 

一瞬の出来事。

唐突に訪れた限界。

掠れ行く生。

 

能力に限界が訪れ、フランドールが壁にぶつかった瞬間体全身から力が抜けた。

そして、そこを既に起き上がっていたフランドールの腕がマリーを襲ったまでのこと。

 

最期に勝敗を決めたのは『地力』の差。

『種族の差』であった。

 

もはや声も出ない。

しかし、マリーは血が吹き出て、見るも無惨な量腕をフランドールに伸ばす。

 

それは無意識のことだった。

マリーの腕がフランドールの頬に触れた瞬間……どす黒い何かがフランドールから抜け、マリーの体へと取り込まれる。

 

そして、マリーの体から力が抜け、まるでマリーの存在そのものが夢だったかのように塵となっていく。

最期に残ったのはマリーの赤いずきん。

血に汚れた真っ赤ずきん。

 

フランドールは無意識にずきんを掴む。

そして、ずきんを強く握り締める。しかし、そのずきんすらも塵となり、消え去った。

 

フランドールは分かりもしないのに、声が出ないのに、その目からは涙が溢れ、止まることを知らない。

そして、フランドールが正気に戻る頃には彼女は……否、彼女たちは気を失っていた。

 

そして、皆こう口にする。

 

『何をしていた?』

 

と。

マリーの名前など一切出てこない。

 

まるで、出会ったことがないかのように。

その存在を知らないかのように……

 

こうして、『マリー・マルタン』のお話は語られることなく、誰にも覚えられず忘れ去られたのであった……

 




お読みいただき有難うございます!!

語られることのない物語。
これにて『赤ずきん』は完結。

誤字脱字報告、感想、アドバイスがあれば、よろしくお願いします。

次回 羅闍

では、また次回。
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