Fate/kaleid stage   作:にくろん。

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嫁王は来なかった…
70連ガチャ…来た☆4鯖はデオン…お前沖田狙いの時にも来たよな!?
金演出で高まったのに…


パティシエールが限凸しました☆

…くそう、、、


今回の話を書きながら思った。
…俺、難易度高めに設定するの好きだなぁ。目指せハードモード。難易度ルナティック。
ドライ前だけど突っ走るぜ!

というか!らっきょコラボですよ!
世界観を壊さず展開してくれる!シナリオ超たのしみ!うわぁぁぁ!財布が!
CMもクソかっこよかったですし!
くっそぉ、FGOは型月という自社コンテンツでいくら稼ぐんだ……嫁王に続きこのコラボ……
式さんが配布と信じて、CM再生してきます。イリヤとキャスニキとメディアリリィと師匠とディルムッド……お前、冬木マラソンしてたら巻き込まれたのか……

執筆中にコラボ発表でおかしなテンションです、何か申し訳ない


14話 黄金劇場

 

原初の火(アエストゥス・エストゥス)が拳と正面から撃ち合うが、筋力の差によって弾かれる。

しかし、その隙を埋めるかのように私の後ろから美遊が走り込み、聖剣を振るう。それは私を追撃しようと迫っていた拳をはじき返し、距離を取ることに成功した。

 

「くそ、ビルの中じゃ狭すぎる…!」

 

魔法少女のままならば、私たちに利点のあったビルの中。

バーサーカーは壁をぶち抜いて攻撃することができるが、どうしてもその速度と威力は開けた場所での直撃に比べると弱まるからだ。

 

でも、英霊を身に宿している私たちだと話は違う。

英霊のステータスを十分に生かす事が出来ずにいた。

 

狂戦士の肉体と私たちが持つ剣が幾度となく交わり、しかし決定打に欠ける戦闘は続く。

ビルの通路での戦いは膠着状態に陥っていた。

 

 

「白野!」

 

美遊が魔力をジェット噴射のように放出し、バーサーカーに肉薄する。

そのまま拳と聖剣は鍔迫り合いを行うかのように拮抗した。

 

その隙に私はバーサーカーがぶち抜いた壁から部屋に入る。廊下だと分が悪い。

 

幸いにも、その部屋は開けたオフィスのようだった。

 

よし、ここなら充分な広さも、机とかの遮蔽物もある———!

 

隕鉄の鞴を握りなおすと同時に離れた位置の壁に大穴が空き、バーサーカーが部屋の中へと吹き飛ばされてきた。

 

「————っ!」

 

反射的に剣を担ぎ上げるようにして構えて力を蓄え、踏み込むと同時に確かな一撃を鋼の肉体に刻み込む。見ると、美遊は魔力放出をうまく使い、自分の体ごとバーサーカーを押し込んだようだった。

 

 

 

「■■————!!!」

 

振り回された腕が私たちを弾き飛ばす。暴風のような一撃は周囲の机やコピー機を粉砕し、まき散らす。

散弾のように降ってくる残骸に注意しながらもすぐさま体勢を整え、着地する。

バーサーカーは私と反対方向へと弾かれた美遊に接近していた。

 

 

美遊は空中で魔力を放出し、うまく距離を取ろうと動いている。が、接近するバーサーカーは地に足を付け、しっかりと踏み込んでいるからかあまり距離が離れない。

だが、美遊は体を捻り無理やり体勢を立て直し、そのままの勢いで聖剣を滑り込ませた。

 

ゴッッ!!と鈍い音と共に突き刺さる拳。ピンボールのように美遊は撃ち出された。

聖剣一本分とはいえ直撃を避けた美遊に追撃が迫らないように援護するべく、私は机を使い死角を縫って駆けつける。

 

走り込んだままの低い姿勢から、跳ね上がるように手にした大剣を振り上げる。

それは、完全には模倣できていないが、セイバー(私の従者)の剣技の模倣だった。

 

不意を突いた一撃はバーサーカーの顎にクリーンヒットする。

そしてすぐさま追撃をかけるように、遠心力を利用して横なぎの一撃を放つ。顎への一撃にひるんでいた狂戦士はそれに対応できず、原初の火(アエストゥス・エストゥス)をもろに食らった。

 

 

「————っはぁ、っ」

 

その致命傷の一撃も、未だ命を刈り取るには至らない。返す右の拳をバーサーカーに密着するように避け、攻撃してきた腕の下を潜るように背後を取る。そのまま流れるように大剣を振るうが、後ろを見ないまま強引に掴むように振るわれた左の掌に弾かれる。

 

一進一退の攻防。

英霊をこの身に宿すことで成り立つ均衡。

 

先ほどまでとは違う手ごたえに震える。

—————でも、このままじゃだめだ。

この大英霊を超えることはできない。

 

もう数えるのが億劫になるほどの衝突。

高速の戦闘は時間感覚を鈍らせ、士郎兄たちを逃がしてどれほど経ったのか正確にはもうわからない。

そんな一瞬の油断が命取りになる攻防の中、再び私の剣が狂戦士を確実に捉えた。

 

 

「—————ッ!」

 

渾身の力を籠め、刃を食い込ませる。

ずぶり、と大剣はさっき与えた横一文字の傷の下側へと潜り込む。しかし狂戦士は自分へのダメージを度外視し、私の頭上で手を組み、頭へ振り下ろそうと振りかぶる。

 

でも、接近していた美遊の持つ聖剣が背後からバーサーカーを貫いた。

 

バーサーカーの動きが止まる。

 

 

 

確かに心臓への一撃。

 

 

 

「…も、もう、動かない———っ!?」

 

美遊の期待するような声もむなしく、固まったまま逆再生のように徐々に回復していく英霊。

 

「くっ!」

 

ならば、復活する前にもう一度殺すまで!

————そう思い、再生する傷から引き抜いた大剣を腰溜めに構え、渾身の一撃で心臓を狙い振るった剣は刺さらず、いともたやすくその体表に弾かれた。

 

「うそ!?」

 

冗談じゃない!

明らかに体表の硬度が上がっている。もしかして、死因に対する耐性まで獲得するの!?

 

 

「美遊、一回退避しよう!」

 

既に、オフィスは見るも無残な姿になっていた。遮蔽物たり得るものもほとんど残っていないここならば、上が開けている屋上の方がまだマシだ。

 

斬撃が通らないならばと、美遊と協力して剣戟を打撃として打ち込み、強引にビルの窓からバーサーカーを叩き出す。

そしてそのまま、

 

「落ちろおおおお!」

 

地面へと叩き落す!

 

 

私たちはそのまま反動をも利用し、英霊の状態を保ったままで屋上へとビルの外壁を駆け上がる。そういえばいつまでこの状態は持つんだろう?残り時間がわからないままでのこの綱渡りはかなり危ない。

 

『お二人とも、大丈夫ですか?』

 

と、その時美遊の握る聖剣からサファイアの声が聞こえた。

 

「驚いた。その状態でもしゃべれるの?」

『はい。ステッキの状態よりも自由度は下がりますが、会話程度なら支障はありません』

『ちなみに僕もしゃべれるよ』

 

ラルドも大丈夫なようだ。

 

「でも、時間がない。そろそろあのバーサーカーも登ってくる頃」

「正直、何回再生するのかわからないからかなり厳しいよ…」

『英霊の状態が解ける条件は詳しくは不明だね。でも、僕の感触だと、僕らからの魔力供給が続いているうちは、一瞬で蓄えている魔力を放出しつくさない限り大丈夫だと思うよ』

『エメラルドに同感です。おそらく、宝具の真名解放クラスの魔力消費でもない限りは大丈夫でしょう。しかし、クラスカードはそもそも原理が解明さえていない魔術礼装です。急な転身など、不測の事態を視野に入れといたほうがよろしいかと』

 

宝具の真名解放…ね。

 

「美遊。約束された勝利の剣(エクスカリバー)であれ、倒しきれる?」

「…士郎さんの言う通り、あの英霊がヘラクレスだとすると12回殺す必要があると思う。私たちはたぶん2、3回しかまだ殺していない。…セイバーの宝具で10個分の命のストックを削り切れるかどうか…」

「…なら、私が隙を作る。できる限り弱体化させてみるよ。だから、美遊は確実に決めることだけを考えて」

 

ダンッ!とビルの下から衝撃が響く。

そして間もなく屋上に現れる狂戦士。

 

 

「…ふぅ」

 

呼吸を整える。

 

「いける?」

『はくのんこそ』

 

ラルドからの魔力供給を確かめる。

————大丈夫。しっかりと満ちている。

 

夢幻召喚(インストール)では互角の闘いへと持ち込めた。

なら、英霊たる神髄を解放すれば、優勢に出れるはず。

 

時間制限がつけられるけど仕方がない。どのみち、聖剣の一撃を叩き込めるかが正念場だ。

 

 

 

—————うむ。それでこそ余の奏者だ。

 

聞こえるはずのない満足げな声ににやける。

 

 

 

 

 

「オリンピア・プラウデーレ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

さあ、セイバー。

貴女にこの劇場を捧げよう。

 

 

 

 

 

「門を開け、独唱の幕を開けよ!」

 

 

 

 

薔薇が、舞う。

 

 

 

 

 

 

 

白野を包み込む雰囲気が変わる。

どうなっているのかわからない。薔薇の花びらを幻視した。

 

 

 

「レグナム カエロラム エト ジェヘナ

————築かれよ摩天、ここに至高の光を示せ!」

 

 

 

魔力が荒れ狂い、鏡面界を響かせる。

 

負けじと、私も自分の責任を果たすべく聖剣に魔力を込め始める。

 

 

 

 

 

「我が才を見よ、万雷の喝采を聞け!」

 

 

 

 

 

吹きすさぶ魔力に色がつく。

荘厳な雰囲気が広がり、場を包み込む。

 

「…これは」

 

世界を覆いつくす大禁呪。

それに酷似した予兆が広がる。

 

 

 

 

 

「しかして讃えるがよい、黄金の劇場を!」

 

 

 

 

白野の詠唱が紡がれると同時に変化は起こった。

世界が塗り替わる。

赤い薔薇の花吹雪が舞い、鏡面界(異界)宝具の中(舞台)へと招き蕩う。

 

 

 

————そこは黄金の劇場。

帝政ローマの第5代皇帝が造り上げた、至高の劇場。

”楽神アポロンに匹敵する芸術家”であり、”太陽神ソルに匹敵する戦車御者”であると自分を疑わなかった暴君の絶対皇帝圏。

 

 

その名も、

 

 

 

 

 

招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)!!!」

 

 

 

 

 

黄金の舞台に立つ赤き皇帝(岸波白野)の期待に応えるべく、聖剣を握る手に力が籠った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直、宝具の展開は賭けに近い。

この黄金劇場でバーサーカーのステータスダウンを狙い、聖剣を確実に当てることが目的だけど、宝具の維持にかかる魔力を考えると私自身が十全に戦えるとは限らないからだ。

 

それでも、あの狂戦士相手だと賭ける価値がある。それほどまでに手ごわい。

 

 

 

「はああああっ!」

 

 

隕鉄の鞴を手に斬りかかる。

バーサーカーの動きはさっきまでよりも鈍く、宝具の影響を受けていることがわかる。現に、先ほどまで筋力差で打ち負けていた攻撃が鍔迫り合いのように拮抗している。

 

 

「■■■■————ッッ!!」

 

後ろで魔力が高まるのを感じる。

バーサーカーもそれを察したのか美遊を攻撃しようと動くが、私がその行く手を阻む。

 

息をつく暇もない連撃。

宝具の展開を含めて、魔力がゴリゴリ減っていくのがわかる。ラルドからの供給が徐々に追いつかなくなる。

 

だけどここを突破させるわけにはいかない。

 

 

「らああああっ!!」

 

 

仲間が、友達が私を信じて力を貯めているんだ!

ここで引いたら女が廃るってもんよ!

 

 

「白野っ!!!!」

 

 

5分か10分か、はたまた5秒もない数瞬の間だったのか、既に数えるのも億劫なほど拳と剣を交えた。何度も拳が体に当たり、同じくらい剣が傷を刻み込む。招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)のおかげで減少した筋力では本来ほどの威力が出ていないが、それでも十分なダメージが蓄積されている。

濃密な時間は正常な時間感覚を鈍らせていたけど、仲間(美遊)の声は耳へと届いた。

 

 

ああ、耐えたんだ。

 

 

万感の思いを込め、残る魔力を剣に込める。

黄金劇場は大丈夫だ、まだ持つ。

ならば、美遊(友人)のために隙を作ろう。

 

 

ステータスダウンを起こしているバーサーカーは先ほどまでに比べると動きが鈍い。体にも多くの傷がついている。

だったら、隙くらい作れるはずだ。

 

 

剣を構え、剣技を模倣する。

脳裏に浮かべるのは皇帝の剣技。

絶対皇帝圏の内部でのみ完璧に再現される技。

 

 

 

「天幕よ、落ちろ———!」

 

 

 

構えた剣を解放する。その技の名は

 

 

 

 

花散る天幕(ロサ・イクトゥス)!!」

 

 

 

 

完璧に相手の体をとらえたその剣戟は、狂戦士を刻み付けながら弾き上げ、

 

 

 

 

約束された(エクス)—————

     

 

 

      ————勝利の剣(カリバー)!!!」

 

 

 

私の上を通過した聖剣の一撃がその体を捉えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの二人…無事なんでしょうね…」

 

鏡面界から戻ってきた俺たちは対策を練っていた。

その一環でバーサーカーの真名を告げると遠坂達は絶句し、鏡面界に残った二人を心配していた。

 

俺が真名を看破したことは置いておいて、今は白野たちをどう救出するかに重点が置かれていた。

 

「やはりイリヤスフィールの協力がないと…カレイドステッキの力がないと鏡面界へと接界(ジャンプ)できませんわ」

「衛宮くんがこの前やって来た方法は?」

「あれは無理だ。もともと空間に亀裂が入っていたからこそ無理やり介入できたけど、今はそんな予兆も何もない」

「そう…嫌がるイリヤを無理に連れ出したくはないんだけど、そうも言ってられないわね」

 

 

話がまとまり、イリヤを迎えに家に向かう。

最悪、ルビーだけを連れてこればいい。

 

間に合うのかどうか、不安を抱えながら家路を急いだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

迸る星の一撃は凄まじく、バーサーカーを吹き飛ばした。

 

 

「はぁっ、はぁっ…っ」

 

 

痛む体を押さえ、一息つく。

いつの間にか美遊も私も、夢幻召喚(インストール)は解除されていた。

 

黄金の劇場は聖剣の解放と共に消え去り、辺りは元のビルへと戻っている。

 

 

「だ、大丈夫?」

「な、何とか…」

 

美遊はサファイアを手放していた。

一撃で夢幻召喚(インストール)が解除されるほどの魔力を込めたんだ。力が抜けていても仕方がない。

 

『無理しないで、今全力ではくのんを回復させているから』

 

ラルドからの魔力供給が再開される。いくら無限の魔力供給ができるといっても、このダメージを回復させるには相応の時間がかかるらしい。

 

「これで倒せたの…かな?」

「どうだろう?油断は、しない方がいいと思うけど…鏡面界もまだ崩れていないし」

 

そう言いながらも疲労は色濃く、座り込んでしまっている。

 

「…今の間に、接界(ジャンプ)したほうがいいのかな?」

「…いや、どうだろ。もし死因に耐性が付くとすると、ここまで追い詰めた以上撤退せずに仕留める方がいいと思うけど…」

 

 

力を籠め、立ち上がる。

美遊もサファイアを握り直し―————異変に気付いた。

 

「白野っ!」

「うん!」

 

鏡面界が狭くなった(・・・・・・・・・)

崩れるのでもない。

ただ、その空間が小さくなった。

 

 

鏡面界はクラスカードが霊脈からため込んだ膨大な魔力を糧に構築されている。

それが戦闘前に比べて狭くなったということは————。

 

 

 

「■■■■■■■■ッッッ!!」

 

 

 

聖剣の痕跡。

崩れ去ったビルの屋上の一角から、ソレは這い上がって来た。

 

 

渦巻く魔力が収束し、肉体が修復される。

さっきまでの巌のような肉体とは違う。

 

腰布一つだった巨人の姿は今、変化していた。

盛り上がる筋肉を締め付けるように装着された腕輪。胸元で輝く獅子の首飾り。これらを装飾するかのように鎖が巻き付き、バーサーカーの身に纏われている。腰布は強靭な獣の毛皮に覆われ、足には頑強な脛当てが装着されている。髪の毛さえ猛々しく広がっていた。

何よりも目を引くのは、さっきまで見られなかった全身に広がる赤いラインだった。それは顔や体にしっかりと刻み込まれ、荘厳で神聖な雰囲気を、理性を感じさせない狂戦士に与えていた。それだけではない。灰色だった肉体は赤黒く染め上がり、血管のように赤いラインが浮かび上がっている。猛々しさと神聖な雰囲気、両方を纏ったまま狂戦士はより荒々しく存在していた。

 

さらに驚くべきはその右手。

虚空をつかむような仕草を行ったと思ったら、金色の粒子がそこに集まりだし、金の巨大な戦斧を形成した。

 

 

明らかにさっきまでとは違う雰囲気。

一回りも二回りも大きくなった圧倒的な存在感。

 

 

鏡面界を圧迫するほどの魔力を集め、狂戦士はその器を強化し再生した。

 

 

 




はい。やっちゃいました。
バサクレス、再臨させちゃった。第三再臨のつもりだからきっと大丈夫、おそらく、なんとか…
イメージはアニメプリヤでの一番最後のバサクレスがFGO第三再臨の戦闘装束を纏っている感じです。

原作よりも美遊たちの疲労度は少ないのでマシなはず。序盤からグレイプニル使ったり士郎居たりしたし。
…がんばらねば。

恐らくあと2話で無印終了です。
がんばります。

感想、評価、誤字脱字などの指摘があればお願いします。

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