6月は部活が忙しかった…レポートとかテストも…。
この間に羅生門は終わるし、天竺は始まるし。
ガチャ?きよひー礼装7枚、きよひー(鯖)3枚がやって来たよ…50連の10連ごとにどこかに絶対きよひーいたよ…そうか…俺が安珍だったのか…。
モーさん礼装も引きました。
鯖?すまないさんとナーサリー…かわいい…
というか天竺イベひどくない?
◆
今俺はルヴィア邸の応接室にいる。
理由としては簡単だ。
カード回収任務が終わり、一か月が経った。今日はその事後報告。遠坂が地脈の異常がないか確認、報告してくれるらしい。
「早いものですね」
「そうだな」
それはつまり、遠坂とルヴィアが穂村原学園高等部にやって来て1か月経ったということでもある。
———ほんと、いろんなことがあった。
まあそんなことは置いておこう。思い出すと頭が痛いし。
「ふふふ。ロンドンに居たままですと、こうしてシェロと逢うことなど無かったのでしょうね」
「どうだろ。一応、魔術師としてのエルメロイⅡ世と面識があるわけだし、遠坂の同郷のよしみで何か駆り出されそうな気もするな」
「そのロードの事ですが、彼の工房に大戦略ゲームという日本のゲームがあったのですが…?」
「あれは俺が送ったんじゃないよ。知人であることには変わりないけどな」
他愛もない話が続く。
日常なんてこんなものだ。
———リンゴーンリンゴーンリンゴーンリン…
そんな
「っ!オーギュスト!」
「はっ!」
慌てて立ち上がるルヴィアに、先行するように玄関ホールへと向かうオーギュスト。
「ルヴィア!」
「シェロ、侵入者です!侵入者対策の結界が破られました!」
「な!?オーギュストさんは」
「オーギュストなら大丈夫ですわ。我がエーデルフェルト家につかえる執事なのですから。それよりも貴方です。このタイミングでやってくる侵入者なんて、十中八九魔術師でしょう。もし協会からの使者などの場合、バレるのは拙いはずです」
「だけど…大丈夫なのか?」
「愚問ですわ。優雅に迎え撃って見せましょう」
「…わかった。なら、せめて物陰から見させてくれ。やばそうになったら俺も出る」
「それは———っと、もう時間がなさそうですね。そうならないように善処しますわ」
先に進んだオーギュストさんを追う。
「…————客人それぞれに合った御もてなしをするのも、一流の執事の務め。貴女のようなただならぬ殺気を纏った客人には、それ相応の歓迎をいたしましょう」
「私を満足させたかったら、この三倍は持ってきなさい———っ!?」
玄関ホールでオーギュストに相対していたのは赤髪の麗人だった。動きやすそうなスーツを着用し、肩には野球のバットケースのようなものを下げている。
そんな彼女に、ルヴィアは問答無用でガンドを撃った。
超人的な反応をした彼女の拳に叩き落されるガンド。
「やっとお出ましですか」
「貴女は———。なぜ今になって」
「エーデルフェルト嬢。貴女と私の接点なんてそう多くない。聡明なあなたなら気付いているはずだ。———カードを渡してもらいましょうか」
「…ふ。プレゼントを催促するなど淑女としてあるまじき行為ですわ」
「生憎、そういう教育は受けていませんので。———それで、返答は」
「もちろん、NOですわ!オーギュスト!」
「御意」
ダンッ!、と床を踏みしめ、一気に距離を詰める執事。その両手にはトンファーがいつの間にか握りしめられている。
「ぬぅあああっっ!」
鋭い一撃を麗人は肩から下げていたケースで受け止め、握り込んだ拳を間髪を容れずに叩き込む。しかしそれはトンファーによって受け止められ、その衝撃を利用するかのように両者が後ろに跳躍し距離が広がる。
「お嬢様。
「構いませんわ。さすが封印指定執行者、といったところでしょうか。バゼット・フラガ・マクレミッツ嬢」
まるで説明するかのように———実際、侵入者の素性を知らない俺に向かって説明しているのだろう———声をかけるルヴィア。
「そちらこそ拍子抜けです。聞けば宝石翁から特殊魔術礼装を授けられたとか。なぜ使わないのです?それとも———使えないのですか?」
「客人をもてなすのに大師父からのお力添えを利用するなど笑止。エーデルフェルトへの侵入者は私たちが誠心誠意もてなして差し上げますわ」
「…そうですか。では、そのつまらないプライドを抱いたまま敗北を味わうといい!」
両手のグローブを整え、接近する封印指定執行者。
矢のように疾走する彼女を阻んだのは、執事が取り出した2丁のマシンガンだった。
「!?」
ためらう様子もなく銃弾がばらまかれる。1丁操るのですら制御が難しいマシンガンを片手で1丁ずつ構えるなんて、正気の沙汰じゃない。
「無粋な!」
魔術師にとって、その近代兵器というわかりやすい脅威は侮辱にしかならないだろう。それでもオーギュストさんがそれを使うのは———魔術への適性がないからだろうか。
銃弾の雨を掻い潜るように跳躍し、2階部分の踊り場を疾走する。
超人染みた身体能力でも、あの鉄の雨に打たれたらただでは済まないろう。彼女もそう理解しているのか、食い破られないように必死に走る。
そしてそのまま突き当りにたどり着くや否や、再び玄関ホールに向かって跳躍する。それはまるで自分の体を砲弾のように扱った突進で。
バッゴオオンッッ!!!
着地した地点を砕き、巨大な瓦礫を生み出す。
バゼットはその裏に身を潜め、直後、鉄の弾丸が牙を剥く。
「お嬢様」
「ええ」
無造作に放った宝石がきれいな放物線を描き、銃弾を受け止める瓦礫の裏へと投げ込まれる。
そして煌いたと思うと、内包していた魔力を解放し、大爆発を引き起こした。
「すげ…」
2階部分の死角でその戦闘を見遣る。
前衛を務めあげるオーギュストさんに、的確なバックアップに徹するルヴィア。
この爆発で、死んではいないにしろダメージは大きいはずだ。
と、爆風を受けボロボロになっていた瓦礫が崩れる。そこから姿を現したバゼットは———
「無傷…!?」
「ふう。いい連携です。だが、私を倒すにはまだ足りない」
意にも介さない様子で現れた。
「それでは、こちらから行きましょう」
ガギィイン、と人体ではありえないような音を両の拳を打ち付け鳴らし、接近する。
オーギュストさんは弾を出し尽くしたマシンガンを交差させ受けるが、
「な———」
一撃でマシンガンが粉砕され、階段の2階部分へと弾き飛ばされる。
何とか着地したオーギュストさんはそのまま手すりの台へと手を振り降ろし、その内部からさらにマシンガンを取り出す。
「仕込みがいろいろあるようですね」
そのまま手すりを滑り降りながらマシンガンを乱射する。それを回避しようとするバゼット。しかし、何かに気付いたように顔を上げ、顔の前で両腕をクロスし弾幕へと突っ込む。
「!?」
これにはオーギュストさんも動揺し、弾切れ直後の動作がわずかに鈍った。
失策を悟ったオーギュストさんは袖口からナイフを取り出すが、
「遅い」
既に接近していたバゼットが硬化のルーンを施した拳を振るい、オーギュストさんはそのまま瓦礫の山へと沈んでいった。
でも、それを見逃すようなルヴィアじゃない。
バゼットが拳を振り抜き、その威力でオーギュストさんとの距離が開いた直後、再び宝石が煌く。
完璧なタイミング。
「甘い!同じ手が二度も通用すると思っているのですか?」
しかしそれは爆発する前に回避され、
「ええ。もちろん思っていませんわ」
その逃げた先を追うように宝石の軌道が変化する。
「ゴフぁ…っ」
爆発せず、高濃度の魔力を帯びた鉱石の弾丸として扱われた宝石は脇腹へと着弾し、一瞬呼吸が止まったのか苦しそうなうめき声をあげる。
その隙にガントと宝石魔術で追い立てるルヴィア。
断続的に続く爆音の中、
「衛宮様」
埋まっていたオーギュストさんがいつの間にかすぐそばまでやって来ていた。
「!大丈夫ですか!?」
「私のことはお気になさらず。それよりも、今から彼女を宝石庫へと誘導します。貴方はそこで待ち伏せしておいていただけませんか?」
眼鏡越しに、老戦士の双眸が覗き込んで来る。
「え…でも、俺の闘い方じゃ」
密室よりも、玄関ホールみたいに少しでも開けた場所の方が戦いやすい。
「ええ。十分承知です。ですがあそこの扉、気付いておられますか?」
彼が指し示す方を見ると、わずかに隙間の空いた扉。そしてそこからは遠坂が戦闘を凝視していた。
「遠坂!?」
「その通りです。業腹ですが、バゼット嬢の戦闘能力は飛びぬけています。宝石庫がいくら武器庫足り得ていても、決定打とはならないでしょう。しかし、陽動にはなるはずです」
「なるほど。この場面で、遠坂が何の策も持っていないはずがない、と」
そのとおりだ、とばかりに頷く。
「無礼を承知でご助力願います。我々だけで打倒できれば御の字ですが…常に最悪を想定しておくのも必要かと」
「わかった。じゃあ、このまま2階を通って地下の宝石庫へ向かうよ」
「お願いします。少しでも長く足止めしますので、どうかお嬢様を」
俺が潜んでいた壁を殴りつけ、そこからさらにマシンガンを取り出す。というか、どれだけマシンガンを隠しているんだよ。
射撃を始めるオーギュストさんを尻目に、宝石庫へと向かった。
宝石庫に身を潜めた数分後、ルヴィアとバゼットがなだれ込んでくる。
「なるほど…宝石庫ですか。ここに保管していた例の礼装を回収しに来た…というわけではなさそうですね」
「ええ。それに訂正を申し上げますわ。我々エーデルフェルト家にとってここは宝石庫ではなく———弾薬の詰まった
言葉と共に色とりどりに輝きながら浮かび上がる無数の宝石。
「なるほど。ならばすべてを蹂躙した後、ゆっくりと探索するとしましょう」
そして再び、何度目かもわからない両者の衝突が始まろうとする直前、意識を逸らすかのように割り込む。
あらかじめ投影しておいた黒鍵を投擲する。
「———っ!?」
突然現れた、意識の外からの攻撃に、バゼットの対応が遅れる。
それでもその拳で叩き落そうと体が動くのはさすが封印指定執行者といったところか。
でも。
「ぐ———ぅッ」
触れた拳から衝撃が伝い、部屋の端へと弾き飛ばす。
鉄甲作用。
黒鍵を用いた投擲技法。その衝撃は大きく、百戦錬磨の執行者と言えど不意打ちのこの攻撃には対処できなかったようだ。
「ナイスですわ!」
格上の相手が晒した隙を見逃すようなルヴィアではない。
ばら撒かれていた宝石が連鎖的に瞬く。
「踊りなさい。私、ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと宝石魔術の奏でる
連続する爆発が重なり、大爆発へと規模を広げる。さらに使った宝石は薄くだが5属性を帯びた鉱石。爆発する順
を操作することでこの国に伝わる陰陽道の五行相克を利用し、威力を増加させる。
広がる土煙は濃く、地下のこの部屋を半壊させるまでに至った。
「今のは、危なかったです」
土煙のカーテンの向こうから声が聞こえる。
「更なる伏兵、しかも鉄甲作用を使えるものが潜んでいるなど考えもしませんでした」
スーツが破れ、ところどころには血がにじんでいる。
だが、一番目を引くのは———
「このケースに施されていた防御術式を咄嗟に発動させて正解でした。———とはいっても今の一撃でもう機能停止まで追い込まれましたか。開閉部も歪んでいるようですし、1個取り出すのが現状精一杯のようだ。認めましょう、貴女方は間違いなく強者だ」
この部屋に来るときに持って来ていたのか、野球バットのケースのような細長い筒がひしゃげている。
それでも悠然と彼女は告げる。
「でも、私の方が強い」
再び拳を打ち鳴らすバゼットに向かい、干将莫耶を両手に携える。
静寂が辺りを支配する。
———パラ…と半壊した天井部分から瓦礫が落ちると同時に、二人とも動き出す。
「———フッ!」
「———シッ!」
拳と剣が交差し、互いをはじき合う。
すぐさま逆手の剣を振るうも、拳に阻まれる。
高速の攻防。
攻め手と防ぎ手が目まぐるしく入れ替わる。
干将莫耶が弾かれ、少しでも投影を隠すべくポケットから取り出したかのように見せかけながら黒鍵を投影し、投擲する。
それにバゼットが対応している一瞬で弾かれた干将莫耶を幻想へと破棄し、再び新たな双剣を投影し両手に携える。
そんな行為を数度繰り返した後。
「ふう———。これで7度目ですか、その双剣が現れるのは」
バゼットが隙を見せないまま問いかけてくる。
「弾かれてなお、持ち主の手に現れる特性があるのか、同じものが複数用意されているのか、それとも今作り出しているのか、幻術を用いているのか———仮説はいろいろ立てましたが対処法は簡単です」
嫌な汗が頬を伝う。
「弾かれた後、その手に再び現れるまで一瞬間が開く。その間に仕留めてしまえばいい」
ゾッとするほど冷たい声で宣言される。
「———それに、その剣は———」
続く言葉は、いつの間にか目の前にいたバゼットの拳を咄嗟に交差させた干将莫耶で受け止め———しかしその威力で吹きとばされた俺の耳に遅れて届いた。
—————クラスカード”アーチャー”の回収の時に見ました。
そして俺は崩れた天井から一階部分に向かって宝石庫から撃ち出された。
始まりましたバサカ女編。
最後の士郎を吹っ飛ばしたのはアニメのバゼットさんがオーギュストをぶっ飛ばした感じです。
白野の活躍はもう少し待たれよ。
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