Fate/kaleid stage   作:にくろん。

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期末が終わり、バイトと合宿と実習とで時間が取れませんでした。
麻婆は教養に入ります。


6章シナリオたのしー!ってなった後の1周年ガチャ。
確定ガチャではサモさん。いや、セイバー☆5、3人目…。単発でアルテラ(2枚目)セイバーオルタ(3枚目)茨木童子(2枚目)来ました。
いやほんと、金鯖30いるのに、なんなら宝具3とかのもいるのに偏りがひどい。槍欲しい。セイバーはもう式もアルテラも2だから…。


って想いながら引いた水着ガチャ。
———見せてやろう、羅生門から清姫ばっかり引き続けている俺の安珍パワーを!(10連に1枚は礼装にしろ鯖にしろきよひーいました。なんなら呼符10連にも)

水着10連、爆死。
まだ、そして最後の単発で来ました。槍きよひー!!焦らすのがうまいんだからー。
そんなこんなで開拓は清姫の仰せのままに。きよひーかわいい。

近況報告が長くなりましたが、本編スタートです!


28話 さまーばけーしょん

 

激戦から数日。

私たちは今——————

 

「「「「「海だーーーーーっっっ!!!」」」」」

 

 

 

———海にいる。

 

 

 

事の始まりは単純。

 

イリヤと美遊とクロの誕生日に海で遊ぼうって話になっただけだ。

その際美々が覚醒しちゃったのは置いておいて…。

 

 

「士郎兄も引率ありがとう」

「いいんだ。俺だって海に来るのは久しぶりだし」

 

「イリヤイリヤ」

「なに?ナナキ?」

「白野が話しているイリヤのお兄さんは知っているけどさー、あっちのメガネ男子はどなた?」

「おっとそうか。お初にお目にかかる。柳洞一成だ」

「みんなを引率するのに俺一人じゃ心もとないから応援を頼んだんだよ。お山の柳洞寺の息子さんだ」

 

一成さんはうんうんと頷いている。

 

「へー。わざわざありがとうございます」

「そうかしこまらなくてもいい。衛宮の妹とそのご学友なら俺の義妹(いもうと)のようなものだ」

「(今ルビがおかしかったような気がしたんだけど!?)」

「(ルビって何よ。ただの気のいいお兄さんじゃない)」

 

「ほほうほうほう…」

 

きゅぴーんと雀花のメガネが光った。

 

「それでお二人はどのような関係で?」

「「関係?」」

 

あ、この目は。

 

「関係って言っても…まぁ、普通の人間関係だよな?」

「ふむ…。普通の一言で済まされるのもいささか寂しいな。衛宮にはいつも生徒会の雑務を手伝っていてもらってな。堅実で確実な仕事ぶりにはいつも感謝している。衛宮がいなかったらと思うと、俺は生徒会長としてどうしていいものかわからんよ」

「なんだよ急に…褒め殺しか?煽てたってなにも出ないぞ?俺は自分が出来ることをやれる範囲でやっているだけだ。それに、俺がいなかったところで生徒会長(おまえ)がどうとでも仕切れるだろ」

「いや、お前がいなくてはだめだ。衛宮お手製の弁当を食えないとなると俺の士気にかかわる」

「そんなことか…まあ張り合いがあっていいけどさ」

「それに、あの女狐どもとの緩和剤がいないと俺がストレスで死んでしまう」

「そこかよ!」

 

「雀花ちゃん…」

「美々…」

 

「「アリガトウゴザイマシタッッ!!」」

 

そのあと、雀花と美々は夏の締切に間に合うかなーとか何とか言っていました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「白野、ちょっといいか?」

 

みんなで遊んでいる途中、少し休憩していると士郎兄に呼ばれた。

 

「どうしたの?」

 

何かあるって訳でもないから返事を返す。

 

「言峰のことで少し、な」

 

 

 

 

みんなから離れた岩場。

遠くから波の音に紛れて喧騒が聞こえてくる。

 

「言峰が養父って本当なのか?」

 

いきなり核心をついてきた。

 

「うん。そうだけど…知らなかったの?」

「教会に引き取られたとは聞いていたけど、まさかアイツとはな」

「あれと知り合い?」

 

それならこの態度にも納得できる。

確かに、本性を知っていれば養子を引き取ったなんて発想は生まれないだろう。

 

 

「—————白野。これから話すことは他言無用で頼む」

「?」

「俺もな、並行世界の関係者なんだ」

 

 

 

 

 

……——————え。

 

 

 

「そのうえで、エメラルドに聞きたい。俺はお前を使えるか?」

 

 

 

 

 

この質問をするのに、白野に俺のことを説明しないわけにはいかないだろう。なんて言ったってエメラルドの現保有者だ。

 

「ちょ、ちょっと待って士郎兄。並行世界出身って…え?」

『驚いているところ悪いけど、はくのん、それは本当だよ』

「ラルド!?知っていたの!?」

『あんまり広めるようなことではないからね』

「実際知っているのはイリヤ以外の俺の家族とステッキたちくらいだ」

 

「そんな…私以外にもいたなんて」

『この冬木という街自体が何かしらの要因になっているんだと思うよ。アイリさんが言っていた聖杯戦争。正直、並行世界の運用って魔法に関わる物として、これ以上なく胡散臭い(・・・・)儀式だ。7騎もの英霊を型にはめるとは言え、召喚し使役するなんて発想自体がまずありえないよ』

「確かにぶっ飛んではいるよなぁ」

『それを成し得てしまうほど潤沢な地脈に、隠ぺいが施されているとはいえ()常を認識(・・・・)してい(・・・)ても気(・・・)付けない(・・・・)住民たち…。これはひょっとすると、ひょっとするかもね』

「ラルド、どういうこと?」

『単純に認識できないような魔術的な引力が発生しているのかも、って思ったんだ。奇跡にも等しいことでも、起こり得る可能性を引き寄せやすくなっているとでもいうのかな?でないと、聖杯戦争の戦闘なんて隠ぺいできないでしょ。それだけじゃない。冬木以外では全然見つからなかった並行世界の関係者が多く現れたことも、聖杯としての機能でしかなかったはずのクロが自我を持ったことも、クラスカードなんて特級の礼装が現れたことも、何かしらの理由があるのかなって思っただけなんだけど…邪推しすぎたかな』

 

…確かに、エメラルドの言うことには一理ある。

だが一体。

何に引き寄せられているんだ————?

 

 

 

 

『まあ答えの出ない話は置いといて!士郎さんが僕を使えるかって質問だったね』

 

少し強引な気もするが、澱んだ空気をエメラルドが打ち払う。

 

『答えとしては単純。士郎さんは僕を使えるよ。ただし、機能面に問題が出てくる。なぜだかわからないけど、士郎さん相手だと治癒や魔力供給はできても障壁を展開できない。カレイドライナーになっても、下手したら一撃で即死みたいなこともあるよ』

「障壁っていうと…物理保護と魔力障壁か?」

『そうだね』

「そうか。それなら———問題ないな」

『それにしてもどうしたの?まさか転身したくなった??』

「誰がするか!」

『凛さんのお父さんは赤姉さんでしていたけど』

「ウソだろ時臣さん…」

 

知りたくない事実が増えた。

 

 

 

 

 

 

 

そのあと、士郎兄と別れてイリヤたちの元に向かう。

 

「けどまさか士郎兄まで並行世界の関係者だったなんて」

『ほんと、この街は何なんだろうねー。教会も協会も放っておかないよこんな怪しいところ』

「あはは、は」

 

笑うに笑えない。

 

 

「———ィ、いかが———」

 

「そういえば、海の家って龍子の家が経営しているんだっけ?出番少ないのに濃いキャラクターしているよねあの人たち」

『その濃いメンツにはくのんも入っているよ?』

「やだなあ、家族じゃないよ———濃いのはほら、友達がうん、沼にハマったからね…」

 

思わず遠い目になる。

思い出すのは雀花に相談されて遊びに行った日のこと。

 

押入れの隙間から見てしまった禁断の世界。

スケアクロウ×ドルフィン、神父×殺し屋、マフィア×パイナップル、FBI×公安、槍弓。

そしてそれを熱心に語る美々(友人)

 

 

————小学生での覚醒は、早いんじゃないのかな?

 

 

「アイ———、い————か――」

 

 

一定の理解は示そう。

そう言う世界の需要も理解している。

これしきの事で友達を止めるつもりはない。

 

でも。

 

————サークル参戦は早いんじゃないかな?

 

「アイスキャンディ、いかがですかッッッ!!!」

「さっきからうるさい!」

 

気にしないで居ようと思ったのに、思考が思わずさえぎられる。

そして目の前にいたのは———

 

「な——バゼット!?」

「む、貴女もいたのですか」

 

何故かアイスを売り歩いているバゼットだった。

 

「なんでここに!?」

 

ラルドを構える。

 

「そう警戒しないでください。私は事を構えるつもりはありません」

「信用できるとでも?」

「そちらの心境はどうであれ、上での交渉の結果です。今の私は———ただのアイスキャンディ屋さんです!!」

 

———はい?

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、今回の件で協会からの資金が降りず、弁償代だけで口座が止まってしまったと」

「はい。———しかし!お金など日雇いで稼ぎ、食料はその辺りの草木を食べれば問題ありません!」

「文化圏で生活している人として大丈夫なのそれ…」

「当人の価値観次第です。任務先によっては食料が汚染されていることなどざらですから」

 

この人に優しくしようと決めた瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、僭越ながら俺が。イリヤ、クロ、美遊。お誕生日おめでとう!」

「「「「「おめでとーーー!!」」」」」

 

こうして海の家での誕生日会が始まった。

 

移動するまでに、バゼットの押し売りに合ったり遠坂達の8枚目のカード回収の下準備に遭遇したりしたけど、何とか問題なくパーティが開催される。

三人とも、プレゼントを喜んでくれているようで何よりだ。

 

 

だけど。

 

 

 

 

”単純に認識できないような魔術的な引力が発生しているのかも、って思ったんだ。奇跡にも等しいことでも、起こり得る可能性を引き寄せやすくなっているとでもいうのかな?”

 

”冬木以外では全然見つからなかった並行世界の関係者が多く現れたことも、聖杯としての機能でしかなかったはずのクロが自我を持ったことも、クラスカードなんて特級の礼装が現れたことも、何かしらの理由があるのかなって思っただけなんだけど…”

 

エメラルドの言葉が。

 

 

”イリヤに出会えたこと、みんなに出会えたこと、士郎さんに出会えたこと。今日まで生きてこられたこと。その全てに———…感謝します。———ありがとう”

 

そう微笑んだ美遊が今にも泣きそうに思えたことが。

 

 

 

なにか、パズルが当てはまったような気がした。

 

 

 

 

 

 

 

———interlude3———

 

黒い、黒い、靄の中。

 

 

実体を持たないナニカが蠢く。

 

 

”殺せ、殺せ、殺せ”

 

 

怨嗟の海に沈んで尚、その魂は原形を保つ。

 

残る意識は少ない。

 

長い間、魔力を貯め込んだおかげで力は格段に付いたがその代償に思考が鈍る。

 

 

 

”殺せ、殺せ、殺せ”

 

 

 

それでも意識の欠片に残る理性。

 

 

この程度の泥、飲み下してこそ。

 

 

 

しかし、あまりにも濃密な魔力の濁流に呑み込まれる。

 

 

 

 

”セイ……ハイ……”

 

本能が求めるモノ。

 

そして。

 

 

”ハク………ノ……”

 

 

どこかの欠片を遺して。

 

 

ーーーーーInterlude outーーーーー




今回は、原作で描写されたシーンはカットしました。
お待たせしたうえで知っている描写を重ねるのもテンポが悪いなーと思ったので。

祭りとかいろいろ考えていましたが、どうもギャグだけじゃそろそろ内容が…。
そんな訳で、シリアス成分を増加させ、プリヤを加速させることにしました。次回はギル戦かな?

感想は返せていませんが、すべて目を通しています。呼んでくださっている方の意見を聞けてうれしいです。これからも頑張ります。
誤字脱字などの指摘、感想、評価などがありましたらよろしくお願いします。

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