Fate/kaleid stage   作:にくろん。

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FGO日記!
金曜日の時点で特別交換券と伝承結晶分の当たり5回引き終わったのでのんびりと素材集め。なぜこの引きが石ガチャで来ない。

プリヤの小説を読みました。
マンガよりも描写が文体の分細かい上にOVAやDVD特典の話も盛られていて面白かった…が、どうしよう。小説を読むとマンガベースの戦闘が薄く感じる…

まあ、敵を強化するにも無印はきついよねーってところで最新話ですどうぞ。


6話 特訓

 

翌日の放課後。

郊外の森にやってきました!

 

飛べるといっても魔力効率などにまだ無駄がある。

これをどうにかしないと飛行しながら魔力砲を撃つなんてこともできないわけで、特訓しにやって来たのだが。

 

「何やってるのよイリヤ…」

『うわぁ…』

「違う!違うんだってばぁ!!!」

 

 

 

 

———イリヤが先にいた。なぜか女豹のポーズで。

大丈夫なのだろうかこの子?いや、実際かわいいし涙目上目遣いとか鼻血が出そうなほどイイけどそういうことじゃなくっていやそういうことなんだけどこんな屋外で魔法少女コスした美少女が女豹のポーズって誰かに見られたらまずいっていうそいつの記憶をリセットするまで殴ッ血Killというかその前に私がやられるというかこんなの反則だs——

 

 

 

『あらーついにバレてしまいましたねイリヤさん!昨日からコツコツと練習していた秘策だったのに!』

 

なるほど理解した。

つまりこのルビーはこうして洗脳というかあざとさを覚えさせようとしていたんだろう。

…ふむ。

 

「自分かr「ルビー。他に何の練習した?」って聞いてハクノ!」

 

『えっと例えばー』

「え、え、え、ちょっとま——」

 

イリヤのセリフを遮るようにイリヤはその場でくるっと一回転し、ほっぺたに指を当てにっこり笑う。

この間、スカートはふわりとはためいたが謎の光によって決してその秘奥はあらわさなかった。

 

 

 

『「はいかわいいーーー』」

 

 

 

「ふざけんなッ!」

 

私とルビーのハモリにイリヤが突っ込む。

心外な。

 

 

「かわいいものはかわいいもんねールビー」

『そうですよ。魔法少女にとっての最大の武器それはかわいさ!イリヤさんクラスなら鍛えれば男性特攻+確率で即死+ステータスダウンくらいの宝具に匹敵しそうです!』

「それ、魔力砲に付与できないかな?ポーズ決めて射出で男性特攻とスタンみたいな」

『いいですねいいですね!名付けるなら”女神の微笑(スマイル・オブ・ザ・イリヤスフィール)”とか”女神の視線(アイ・オブ・ザ・イリヤスフィール)とかでどうでしょう!?』

「いいねイイね!この際、男性特攻どころか魅惑付与だね!」

 

 

「いいかげんにしてーーー!!!」

 

 

 

 

 

 

「で、何もせずに帰ってきたと」

「う…悪い。でも、俺だけじゃ対処できないと思ってさ」

「もーまんたい。実際判断は間違っていない」

「ですね…勝手に固有結界での塗りつぶしなんて馬鹿げた発想を実行されていたら斧剣(ハルバード)で折檻していたところです」

 

 

ほっと胸をなでおろす。

そんなことがあったら—————間違いなく社会復帰に時間がかかってる事態になっていただろう。

 

 

昨日————時間的にはもう今日だったが、帰宅した後みんな寝付いていたので話すのが放課後、イリヤが出かけた後になってしまった。

 

 

「ですが、確かにその剣ではシロウさんのいう歪みを排除できるかわかりませんね」

 

セラが見解を話してくれる。

 

「そうなんだよな…あくまで”届く”ことに重点を置いてある剣だし」

「となるとやはり匿名で遠坂あたりに情報を流す、というのが最善手でしょう。あまり派手に動いて此方のことを悟られるわけにはいきませんし」

「だな」

 

 

10年前に俺が拾われた原因が聖杯戦争だということはわかっている。が、俺の知っている第四次聖杯戦争とは違うみたいだ。細かいことは依然として語ってくれないけど、セラとリズがこうして生きていることや聖杯戦争自体あんまり認知されていないこと、そう簡単に遠坂に頼れないことからもわかる。

 

…いつか、真相を知る事が出来るのだろうか。

 

あの妖怪みたいなジジイがおとなしいのも気にかかるけど。

 

 

「とりあえず、今晩もう一度森に行って、細かい座標を特定してくるよ」

「無茶だけはしないでくださいね」

 

 

 

 

 

「おふざけはこれくらいにして、」

「自覚していたんだ…」

 

当たり前だ。

 

「飛行を完全にマスターしないとね。今回の相手だと特に」

「え?でももう私たち飛べるんじゃ?」

『いえいえ。魔力の効率運用や高速飛行などやることはまだまだありますよ。魔力自体無限に供給できても、一度に個人が扱える量に制限がありますから』

「ってことは細かい動作の練習と攻撃しながらの飛行とかの練習かな?」

『だねー。二人いるから空中での摸擬戦とかもいいかもね』

 

 

 

 

2人で転身して空中に浮く。

そしてそのまま距離を開け、お互いにステッキを構える。

 

『ルールは簡単です。相手を地面に着けた方が勝ち。余程の攻撃じゃない限り障壁の突破はできませんし、万が一けがをしても私たちが自動回復(オートリジュネーション)かけているので大丈夫ですよ』

 

『じゃあ—————

 

 

 

 

————スタート!!!』

 

 

ラルドの掛け声とともに全力で横にスライドする。するとさっきまでいた場所を飲み込むほどの魔力砲が通過していった。

 

 

いやいやいやいや。

いくら回復できるからってさすがに——————

 

 

『外れましたよイリヤさん!もっと動きを制限するように!』

 

あんたのせいか!!!

 

「特大の————散弾ッ!」

 

 

イリヤから長大な弾幕が放たれる。

全部躱せたら確かに飛行訓練になるけどさすがに無理だ。だからこそ———反撃に移らせてもらおう。

 

「ラルド、障壁と飛行にだけ魔力を集中できる?」

『できるかできないかで言えばできるけど…ってそういうことか。わかったよ』

 

そのまま私の体が緑の魔力に包まれる。よし。

 

「せぇーのっっ!」

 

 

一気に加速し、弾幕に飛び込む。そしてそのまま

 

「え?」

 

直接イリヤに魔力砲を叩き込む!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————————————————

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 

あの後何回も摸擬戦を繰り返し、飛行と攻撃に関してはだいぶうまくなったと思う。

 

「そういえば」

 

とイリヤが声をかけてきた。ん?どうしたのかな?

 

「これ、凛さんに預かってるんだけど」

 

って見せてきたのはArcherと書かれたカード。

 

「カードってことは…これが?」

『そうだよ。クラスカードだね。これが今回の任務の対象だね』

『付け加えるならこちらの陣営にはランサー、アーチャーそして昨日回収したライダーのカードが手元にあります』

 

アーチャー、ね…。

その言葉で思い出すのは赤い弓兵。黒白の双剣を手に、黒弓で翻弄した無名の英霊。私が月で共に戦った相棒の一人だ。

 

 

「とりあえず試してみよう…えーと、限定展開(インクルード)!」

 

ルビーにカードをかざし唱えると、その姿は黒弓へと変わっ————た…って…え…。

 

 

「え……?」

 

 

「わ、わ、すごいなあ。これが伝説に出てくるような英霊の使っていた武器なんでしょ?これさえあればもう勝てちゃうんじゃない?遠距離からこう、シュバッって!」

 

 

イリヤが話していることも頭に入らない。

黒弓に釘付けになったままだ。

 

見覚えがある、どころじゃない。私は知っている。あの弓の持ち主を。そう直感が告げている。

 

「あれ?ルビー、矢は?」

『ありませんよ。凛さんは手元にあった黒鍵を矢代わりに使っていました。あ、黒鍵というのは魔術師の一部が使う投擲剣のことです』

「えー!こう、魔力を矢にするとかできないの?」

『そんなアニメ昔ありましたねぇ。でも、できません☆そんなわけで、弓を使うというイリヤさんの発想は確かに素晴らしいですが、今回はできませんね』

 

そうこうしている間にルビーが元に戻る。

あ、限定展開(インクルード)には時間制限もあるんだ。

 

『はくのん?』

「…いや、私たちも試してみよう」

 

 

あの英霊を知っている。いや、でも彼の能力を考えるとその大元の英霊なのかもしれない。

とりあえずこのことはまだ、私の内に秘めていよう。

 

 

 

 

 

ライダーのカードの限定展開(インクルード)は予想通り鎖付きの釘剣だったので、使うのに癖がありすぎるということで使用するのは保留になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえば美遊さん、どんな特訓をしているんだろ

 

 

 

「きゃあああああああああああああっっっッッッ‼」

 

 

 

う、ね…?」

 

 

 

…なんだろう今の声は。

 

 

 

「ん?何か振って————き……たぁぁああああ!?!?」

 

 

「お、親方!空から女の子が!」

「そんな場合!?」

 

間一髪避けたイリヤに突っ込まれる。

 

 

 

 

 

 

『全魔力を物理保護に変換しました。ご無事ですか美遊様』

「な…何とか…」

 

 

 

 

空からやって来た女の子は美遊さんだった。

 

 

「ミユさん!?なんで空から…」

「リンゴは木から落ちる…つまりはそういうこと…」

 

ようやくそれだけを口にした美遊さんはよろよろとサファイアを杖代わりに立ち上がった。

 

 

「……飛んでる」

「はい。ごく自然に飛んでいらっしゃいます』

 

あ、美遊さんの目が死んでる。

そりゃそうか。飛べないと信じていたのに私たちが簡単に飛んでいるもんね。

 

ちなみに何回も繰り返した摸擬戦のおかげでかなりスムーズに飛ぶ事が出来るようになっている。

 

『美遊様、ここはやはり…』

「………昨日の今日で言えたことじゃないけど…空が飛べなきゃ戦えない…その…教えてほしい…飛び方…」

 

 

あれ?

 

 

「大変よイリヤ。雀花の言う通りいつの間にかフラグ回収していたみたい」

「とうっ」

 

 

ルビーで頭をどつかれた…っ!

しかも丁寧に魔力で強化して!痛い…っ!

 

 

頭を抱えて悶絶している私を尻目に、イリヤの家でのマジブシ鑑賞会が開催することになりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「納得…できない…!」

 

あーやっぱり。

完全な理論派の美遊さんからしたら、魔法少女アニメで飛べるようになるとは思わないもん。

 

「これ…が…?」

「うん。私たちの魔法少女のイメージの大元だと思う…恥ずかしながら」

「航空力学はおろか慣性や重力、作用反作用すらも無視したでたらめな動き…」

「いや、アニメなんだしそこまで考えて作っているものなんてないと思うよ…」

 

マジブシ5話、空の華を見ながら美遊さんが呟く。

なんか、愕然としているのが伝わってくる…。

 

『実体験に依らないフィクションからのイメージのみとは思いませんでした』

『イリヤさんの空想力はなかなかのものですよー』

「…褒めてるの?」

「イリヤの場合、妄想力かもね」

『あーそうですね。夢見がちなお年頃の少女は現実(リアル)非現実(フィクション)の境界があいまいになりがちですから』

「…褒めてないよね」

 

『このアニメを全部見たら美遊さん飛べるようになりそう?』

「ううん…たぶん…無理」

「じゃあ美遊さん。いっそ、サファイアにそういう飛行機能があるって思いこんじゃえば?そうすれば理論とかすっ飛ばして飛べるようになるかも」

「でも…」

 

 

 

 

『あーもう!ルビーデコピン!』

 

ズドン、とルビーの羽のデコピンがきまる。

大丈夫かな今の音…。しかも煙出てるし…。

 

 

 

『美遊さんは基本性能は素晴らしいですが、そんな固まり切った頭では魔法少女はできません!イリヤさんを見てください!理屈や行程をすっ飛ばして結果だけをイメージする!そのくらい能天気で即物的な方が魔法少女に向いているんです!』

「さっきからひどい言われようなんだけど!」

「事実だから仕方ない」

「ハクノ!?」

『そうですね、美遊さんにはこの言葉を贈りましょう。

 

 

 

”人が空想できることすべては起こり得る魔法事象”

 

 

 

これは私たちの創造主たる魔法使いの言葉です』

 

 

 

 

「…物理事象じゃなくて?」

『同じことです。現代では実現できないような空想でも遠い未来では常識的な事象なのかもしれません。発展しすぎた科学は魔法と変わらない、とも言いますし。それを魔法と呼ぶか物理と呼ぶかの違いです』

 

 

すごく、実感できた。

月の聖杯戦争における聖杯、ムーンセルは地上全ての事象を観測し続けた結果、望む未来に対してのプロセスを演算できるようになったものだ。量子コンピュータを魔術的概念で実現させた神の自動書記装置。起こりえた可能性を選択することで使用者の望むように事象を書き換えることができる。しかも、電脳機構SE.RA.PHすらもムーンセルの触覚だった。

 

なにより、その力で私は転生を果たしたのだ。

第二魔法ともいわれる事象を。

 

 

あくまでも電算機としての能力しか持たないはずなのに、成してしまった。つまりは、ルビーの言うことも納得できる。

 

 

「まあ…つまりアレでしょ?

 

考えるな(Don't think!)空想しろ(Imagine!)!”

 

とかいう…ってうわー…すごく納得いかないって顔ですね…ってハクノまで…」

 

「「…………」」

 

 

 

人が感傷に浸って、ルビーもたまにはいいこと言うんじゃないって思っていたのにこの子は…。

 

 

 

「そう。あまり参考にならなかったけど「おい」少しは考え方がわかった気がする」

「あ…帰るの?」

「また…今夜」

「あれ?家どこなの?」

「…向かい」

 

 

へ?

 

 

『行っちゃいましたね』

「また今夜、か。”あなたは戦うな”とか言われた昨日よりはだいぶ前進したかな」

『あとは三人でキチンと連携が取れればいうことなしなんですがねー』

 

「いや、イリヤ。あなた昨日あんなこと言われた直後に家の前で鉢合わせしたの?」

「あ、そっか。ハクノは知らなかったんだね」

「うわあ…気まずっ」

「あは、は…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時刻は十二時。

再び冬木大橋。

 

「さあ、リターンマッチよ。もう負けは許されないわ!」

 

凛姉の声と共に鏡面界への転移魔法陣が展開される。

 

 

 

 

 

 

さあ、再戦だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郊外の森。

前世ではアインツベルンの森とも言われた場所の、地脈の歪みの中心座標を把握し、足がつかないように郵便として遠坂邸あてに送った。

 

 

その帰り道、そういえば前世の俺の家も聖杯戦争に縁の深い場所じゃん!って思いつき、再び冬木大橋を渡る。

ここまで来たら手間は同じだ。ついでに見ていこう。

 

 

 

「俺の家だと…やっぱり土蔵かな?セイバーを召喚した場所だし」

 

 

そんな考えも、無理やり中断される。

うっすらと空気に広まる魔力によって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

—————————この感覚を、俺は知っている。

柳洞寺で、魔術師の英霊をセイバーと共に倒した時に感じたものだ。

 

 

 

—————————この感覚を、私は知っている。

柳洞寺で、小僧()を拉致した英霊が準備万端で待ち構えていた時のものだ。

 

 

橋のふもとへ、感じる世界の違和感の元へと自転車を置いて歩いていく。

 

 

 

 

 

投影、開始(トレース・オン)

 

 

 

 

聖骸布を投影し、左腕に巻き付け結ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

———————さあ、聖杯戦争を続けよう。

 

 

誰かが、ニヤリとそう呟いた気がした。

 

 

 

 

 




そんなわけで次回、キャスター戦。

遂に士郎出番だよ!やったね!

ミユの飛行訓練のヘリコプター落下は視点的な問題で割愛させてもらいました。申し訳ない。

誤字脱字の指摘、感想お待ちしています。

あ、第四次聖杯戦争アンケも継続中です。今のところダイジェスト形式の予感。

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